1970y Chevrolet CHEVELLE SS、1970y シボレー シェベルSS

1970y Chevrolet CHEVELLE SS

ベースをアメリカで仕入れ、技術力に優れた日本のショップが丁寧にレストア&フルカスタムする。クルマの楽しみ方として、これほど贅沢なものがあるだろうか。適切な素体を選ぶチカラと高い技術力が両立してこそ実現できる、クラシック・アメリカンの新しい楽しみ方だ。

i corporationは、オリジナルを残すビンテージ車に理解を示す一方で、クラシック・カーを現代風にアレンジしたフルカスタムも提案している。ショップ代表、鈴木氏の考えとして「クルマは走ってこそ」という思想がある。特に夏は暑く、湿度が高い日本の厳しい環境においては、クラシック・アメリカンを使用するためには相応のカスタムが必要で、その規模は全体に至るというわけだ。

写真のシェベルで言えば、オリジナルを残しているのはボディおよびフレームのみだという。鈴木氏はアメリカでできるだけボディコンディションの良いベース車を選び、本国でボディワークのみ施し、日本に持ち込む。そして、到着したベース車をすべてバラし、あらゆるパーツにレストア&カスタムを施す。まさに1台を丸ごと作りなおすような内容だ。その作業期間は概ね1年から2年。このシェベルは1年半の製作期間を費やしたそうだ。

1970y Chevrolet CHEVELLE SS、1970y シボレー シェベルSS

このシェベルを仕上げるための指針としたのは「夏の都内でも快適に過ごせるように」と鈴木氏。クラシックカーで課題となるのはエアコンの利きの悪さやオーバーヒート。このシェベルはそうしたトラブルを避けるために機関のレイアウトを整理し、あらゆるパーツを現代風にカスタムした。また、エンジンのボアアップで出力を向上させたのに合わせてブレーキや足廻りも強化しており、つまり、「走る・曲がる・停まる」を追求している。

こうしたフルカスタムでも、重要となるのはベース車選びだと鈴木氏は教えてくれた。ボディの状態さえ良ければ、どのようにでも生まれ変わることができる。つまり、コルベットのオリジナルを見極めるような、見識のチカラが必要になるのである。アメリカンが好きだからこそ磨き続けることができる、知識と眼と技術。i corporationが持つ、ショップの本質的なチカラである。

1970y Chevrolet CHEVELLE SS、1970y シボレー シェベルSS

シェベルの初代モデルは1963年に’64年モデルとして誕生、’67年まで生産が続けられた。’68年モデルから2代目にフルモデルチャンジされ、丸目4灯だったのは’70年モデルまで。

クラシックの雰囲気を大切にしながらも、本来は3ATだったものを4ATにするなど実用性を追求。エアコンの安定感と性能も十分で、夏の首都高でも快適に走れる。

クラシック・アメリカンではヘッドレストのないクルマも多いが、このシェベルはバケットタイプのシートに変更されている。座り心地やコーナリング時の安定感に優れ、長時間運転していても疲れにくいようにとの配慮だ。

wilwoodの強化ブレーキをインストール

エンジン性能の向上に合わせたブレーキ性能の強化も重要なポイント。写真のシェベルはwilwoodの強化ブレーキをインストールしており、自動車で重要な制動性能を高めてある。日常的なアシとして運用することを追求するショップの矜持が見える。

ボディ底面の細部までサビなどは見当たらない状態。ボディ以外のすべてがi corporationによってフルレストアされており、すべてが生まれ変わっている。

エアサスなどは装着せず、あくまでしっかり走行できることを追求した仕上がり。走行時に後席で感じた印象は、若干跳ねるようなフワッとした乗り心地だった。

454ccから496ccにボアアップし、最終的なエンジン性能は550hpをマーク

454ccから496ccにボアアップし、最終的なエンジン性能は550hpをマーク

454ccから496ccにボアアップし、最終的なエンジン性能は550hpをマーク

454ccから496ccにボアアップし、最終的なエンジン性能は550hpをマーク。エアコンを装着し、エンジンルームにあったバッテリーをトランクルームへ避難させるなど、安定性と快適性の向上がi corporationによって施されており、伝説的なシェベルを現代的に堪能できる。

 

問合せ:i corporation
HP:http://i-corporation1982.com/

 

Text & Photos|AMERICAN VINTAGECAR magazine
アメリカンビンテージvol.01

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