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ALL-NEW Jeep WRANGLER
MECHANISM JL WRANGLER
新世代のターボユニットを採用しつつ、熟成のパワーユニットも残して、8速AT化したトランスミッションを組み合わせる新型。もちろん本格派としてのハードウェアたる部分…ラダーフレーム+リジッド・サスは進化させつつ、今回、パートタイムモードを持つフルタイム4WDシステムを新採用したこともニュースのひとつ。どう走りに影響を与えるのか?[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
本質的な設計思想は不変しかし中身は大幅に進化
新型ラングラーは、ヘビーデューティモデルには必須のハードウェアである「ラダーフレーム・ボディ別体構造」「リジッドサスペンション」などをこれまでどおりに採用し、さらに制御を加えることで並みいるライバルと比べてもトップクラスのオフロード走破性を手に入れた。一方で、軽量化やチューニングの手法を用いて燃費・環境性能を高めたり、さらに日常、つまりオンロードにおける快適性を大きくブラッシュアップしていることもトピックだ。
新型ラングラーが採用するラダーフレーム・ボディ別体構造は、ボディ・オン・フレームとも呼ばれ、Jeepに求められる性能をシミュレートすることで可能な限り軽量に、なおかつできるだけ強固に仕立てられた。とくにフロントセクションの強度を上げたことで、ハンドリングに正確さや明確さを提供できるため、誰もが〝オンロード性能が高められた〟と体感できるようになっている。
ちなみに、フレームとボディを繋ぐボディマウントは、2ドアが8個、4ドアで10個。ボディには軽量化を狙ってアルミ素材を採用し(ドアやドアヒンジ、フェンダー、エンジンフード)、スイングゲートにはマグネシウム素材を用いていることもポイント。
なお、安全性能については、ブライドスポットモニター/リアクロスパスディテクション、リアバックアップカメラ、エレクトロニックロールミティゲーション付きESPなどを採用。イマドキの先進安全装備は未採用だが、本国で発表された2019年型には、アクティブブレーキ(日本では自動ブレーキと表現されるもの)やアダプティブクルーズコントロール(先行車追従型クルーズコントロール)ほかの機能の採用がアナウンスされている。
さて注目のパワーユニットは、先代途中から採用されたV6/3.6ℓをリファインして搭載。2モードのバルブリフト量を与えたVVLを採用し、パワーを必要としない時にはローリフトモードに、いざパワーが必要な場合はハイリフトモードへ切り替えることで、ポンピングロスを低減。結果、燃費や環境性能も高まった。パワースペックは実は大きく変わっていないが、実際に試乗すると低回転域のトルクの太さや8速ATの存在も手伝って、トルクバンドが広がった印象だ。
新採用の直4/2.0ℓターボエンジンはV6より高トルクを発生させつつ、一方で経済性に優れるという相反する性能をバランスさせたユニット。同じ直4でも、2代目までのラングラーが採用していた経済性のみを重視した直4とはポジションが大きく異なっている。実際、エンジン自体の価格もV6エンジンより高く設定されている。ターボユニットゆえオフロードでのレスポンスは気になるところだが、タービンにツインスクロール低慣性タイプを採用し、電子制御式ウエストゲートを組み合わせることで、遅れを感じさせないレスポンスとターボならではのハイパワーを提供。のちほどのインプレッションでも触れるが、不満はまったくないのだ。
このユニットはグローバルミディアムエンジンアーキテクチャーファミリーに属している。つまりグループ内共用をベースにつくられており、その細部は異なるが日本ではアルファロメオ・ジュリアに搭載されたユニットと多くを共用。両ユニットとも使用燃料はレギュラーで、新たにアイドリングストップ機能が加えられた。
そこに組み合わせた8速ATは、ジェントルなシフトフィールとストレスを感じさせないシフトスピードを実現。さらにワイドかつクロスレシオであり、ラングラーの走りにパワフルさを与えながら快適性も提供する。
サスペンションは先代と変わらず前後共に5リンク式コイルリジッドを採用。ただし、バネレートやダンパー設定の見直し、さらにロールセンターを高くし重心高とのバランスを取ることで、しなやかに動くサスペンションフィールを手に入れた。つまり乗り心地を高めただけでなく、路面追従性も良くなり、オンロード/オフロード性能共に向上。引き上げられたハンドリング性能もフレームだけでなく、このサスペンションの性能アップによるところも大きい。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
あらゆる本格派4WDでささやかれるように、デビュー前、新型ラングラーのサスペンションについても独立懸架式になるのでは? という噂もあった。だが、登場してみれば、これまで通りに5リンク式コイルリジッドを採用している。
同様に本格派モデルの証明であるラダーフレームは、ボディ・オン・フレームを採用。そのフレームの外側にアッパー2本、ロア2本の鍛造スチール製コントロールアームを配置して、横方向の位置決めを担うラテラルロッドを組み合わせる。
ダンパーとボディマウントのチューニングにより、オンロードの快適性を大きく引き上げた。リアダンパーはバウンドの際にストレスなく動くように斜め向きに配置。
これまでラングラーの4WDシステムはパートタイム式のみだったが、新型はパートタイムモードを持ったフルタイム式のセレクトレックフルタイム4×4を採用。この形式は、古くはXJ型チェロキーが採用したシステムで、簡単に言えば「基本はフルタイム4WDで、2WDモード/センターデフロックを備えたもの」と言える。
フルタイムモードは状況の変化に捉われずドライビングでき、2WDは経済性を求めた走りが可能。センターデフロックモードは悪路走破性を大いに期待できるし、もちろんローレンジも備えている。ただし、タフさの面ではパートタイム式に劣る面があるのも事実であり、日本仕様でのパートタイム式復活を願う声もなくはない。
乗用車ベースのSUVでも採用しているヒルディセントコントロールを装備。坂道での停止時からの発進で、車両が後退しないように制動を与えてくれるヒルスタートアシストも同様に装備。
サブトランスファ 変速比
ラングラーサブトランスファ比
副変速比 高 1.000
副変速比 低 2.717
最終減速比 3.454
新型では、太いトルクとジェントルな吹け上がりが魅力のV6/3.6ℓエンジンに加え、低燃費とターボならではのパワーフィールを特徴とする、直4/2.0ℓターボをエンジンとして設定。いずれも優劣つけがたいアドバンテージがあり、自らの好みで選ぶことをオススメしたい。もし、オフロードへ出掛ける機会が多いならば低回転域から高トルクを発生し、トルク変動も少ないV6がオススメだろう。一方、日本でのラングラーの乗り方に向くのは2.0ℓターボの方だが、現時点ではアンリミテッド スポーツとの組み合わせのみだ。
いずれのユニットも、アイドリングストップシステムを採用。
2.0-L TURBO I-4
最高出力 272ps/5250rpm
最大トルク 40.8kg-m/3000rpm
3.6-L PENTASTAR
最高出力 284ps/6100rpm
最大トルク 35.4kg-m/4100rpm
8AT
遊び心も描かれるシフトノブは、本格派としてグローブをしたままで握りやすい太い形状を採用し、ゲート式ではなくなった。日本仕様に合わせてシフトポジション表示は、しっかりとドライバー側の右側に表示される。
トランスミッションはATのみで、ギア数はこれまでの5速から一気に8速へと進化。ワイドかつクロスさせたギアレシオはもちろんのこと、6速は直結、7/8速をオーバードライブとしたことで低燃費性能を実現。また高速走行時におけるNVH(音振)を大幅に低減している。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
新型ラングラーの安全装備
今後の展開も気になるがこれまでは未採用だった装備を数多く塔載
安全装備については、イマドキの最新鋭装備を纏った車両に比べるとまだ…な部分はあるが、オフロード4WDとしては十二分な装備を誇る。例えば右ページ上写真にある通りフロントのデュアルエアバッグ/サイドエアバッグを採用したり、さらにESP、速度感応式オートパワードアロックのほか、ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション(サハラのみ)、リアバックアップカメラなども。近接センサーを用いたアラートはサハラについては前後に装備している(スポーツはリアのみ)。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]TEXT&PHOTO:編集部[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2019年 3月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]