1961 Mercury Colony Park Station Wagon
素材を活かしたハイセンスワゴン
絶妙な車高アレンジにより際立つグッドプロポーション
絶妙な車高アレンジによってワゴンならではのロングルーフのプロポーションの良さが際立つコロニーパーク。車種選択の時点でマニアックな印象を受けるレアなモデル。ステーションワゴンが主流でステイタスが高かった時期のモデルとあって、デザインの随所に当時ならではのトレンドやスタイルが盛り込まれている。
フォードの中でもハイエンドなブランドであるマーキュリーのワゴンは、リッチさと真面目さが共存する独特のキャラクターが魅力。それだけに、こんな感じで、サーフィンのお供としても現役活躍するパティーナな状態がフレンドリーで好感が持てる。そしてなんといっても、ロー&ロングな持ち前のプロポーションの良さが、絶妙な車高アレンジによって格段に際立っている。
モデルのイメージやキャラクターにも完璧にマッチするウッド製のルーフラックは、なんともマニアックなVWフリドリン(配達専用車両)用からの流用だったりと、オーナーのアンテナの感度の高さが伺える。オーナーはこのイベントの開催を担当するカークラブ「ストロンガーズ」、そしてショップ「フェローズ」の代表とあって、素材を活かす、さすがなチョイス&アレンジといった感じ。
本来なら気難しいイメージのクラシックマーキュリーをベースに、ワゴンというキャラクターを活かした飾らないパティーナ状態のルックスがなんともフレンドリーでステキだ。絶妙な車高プロポーションの良さが、この個体の魅力に直結している。
アイボリーの車体色と、ウッド&ホイールの茶系、そして、ちらっと見える内装の赤系とのコントラストがモデルの年式に見合ったサバイバー的グッドコンディションな個体。全体のやさぐれた雰囲気と、ドライブラシによってリペイントしたウッドパネルの愛称が良い。何はなくとも絶妙な車高アレンジによるプロポーションの良さが魅力大!
ワイドなホワイトウォールタイヤ、スチールホイール+ハブキャップの組み合わせは、定番中の定番ながら、ここではなんと、ハイエンドなマーキュリーらしからぬ、カジュアルなドッグディッシュ(56年型用)を採用。ドッグディッシュならではの配色がアクセントとしても効果的なのだ。
当時のフルサイズフォードでは最も主流となっていた390ciエンジン&3速ATの組み合わせ。パワートレインをはじめ、エアコンなどの装備も含めストックをキープ。ブレーキ系でアップグレードを施してデイリークルーザーとして活躍中。
クロームを多用したダッシュ周辺は、さすがはフォードの最上級ブランド、マーキュリーの名に恥じないリッチなデザイン。ステアリング、コラム部もふくめて赤で配色した贅沢な仕様。状態も機能もストックを保持。追加した社外のゲージ類が、モデルの時代に見合ったデザインで◎。
Coast Line Rod & Kustom Reunion
Sunday April 18,2021 at Rinku north
Photo & Report ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載