1971 PLYMOUTH GTX
AMERICAN VINTAGE -色気漂う「アメリカンビンテージ」-
生粋のマッスルパッケージ、ワイスピ登場で一躍注目の的へ
マッスルカーの中でも、マニアックなファンが多いのがプリマスだ。ポピュラーなモデルはロードランナーだが、同じくサテライト/ベルベディアをベースにするGTX が、ワイスピ登場を機に高い注目を集めている。生粋のマッスルパッケージと言われるGTXのフルオリジナルがグレイスキャブに存在する。
モデルチェンジの翌年にGTXは消滅
ワイルド・スピード アイスブレイクで主人公のドミニクが市街地をぶっ放すクルマが、プリマス・GTXだ。プリマスのインターミディエイトのサテライト/ベルベディアをベースにした、上級グレードであるベルベディア・GTXを総称して「GTX」と呼び、同様にベルベディアをベースにするロードランナーが、キャッチーな名前の由来も相まって知名度が高い。
両車の外観の違いは僅かだが、キャラクター的にカジュアルなロードランナーに対し、GTXは上級で硬派なマッスルカーであり、ロードランナーよりも上位車種の設定だ。知名度の高い数々のマッスルカーが登場するワイスピで、どちらかといえばマイナーな存在のGTXをメインに据えるあたりも、モパーファンが同作品を愛する理由だろう。
撮影車両の71年型は、まさにドムが乗っていたGTXと同じ年式。71年からはGTXのセカンドジェネレーションとなり、それまでのスクエアボディからエアロダイナミクスを取り入れた曲線基調のフォルムに変化している。エンジンは、ロードランナーが383(6.3ℓ)が標準に対し、GTXは440(7.2ℓ)マグナムが標準になるなど、生粋のマッスルカーパッケージの姿を見せたが、排気量規制の影響を受けて72年にはGTXは消滅してしまう(ロードランナーは存続)。
つまりこのGTXのデザインは71年型のみで、それ故に個体数も少ない。そのGTXの、フルオリジナルを完全に残した今回のモデルは、超絶レアモデルなのは言うまでもない。
ボディカラーはオプションのサシーグラスグリーン。トップのブラックとのコントラストが、70年代マッスルカーを象徴している。アイアンバンパーがマスク全体を覆うデザインはモデルチェンジした71年型の特徴。ホイールはオリジナルの15インチラリーホイール。タイヤはグッドイヤー・イーグルGTⅡ・F235/60R15、R255/60R15。
71年型のエンジンは、ベースとなるサテライトのなかで最も大排気量となる440マグナム(7.2ℓ)がスタンダード。また、当時最強とも言われた426ストリートHEMIエンジンも設定され、425hpを発揮した。撮影車両はオリジナルの440が搭載され、GTXの特徴であるボンネットスクープが目立つ。
外装と同様に、71年のモデルチェンジにより丸形曲線基調に変更されたインテリアデザイン。センターパッド付きのステアリングは、オプションのタフ・ステアリング。ブラックレザーシートの状態は非常に良好で、40年以上前の経年劣化は感じさせない。
GRACECAB【グレイスキャブ】
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Photo&Text:KAZUTAKE SOMA