[vc_row][vc_column][vc_custom_heading text=”American Cars Best20
HUMMER H2(ハマーH2)
2002-09y”][vc_column_text]発売当初、世間一般のアメ車に対する注目度を一気に上げてくれたのが、このH2だった。アメ車の何たるかを知らなくともH2だけは知っている人がたくさんおり、一時期は都内の道路のいたるところにH2が走っているのが見られた。
[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]「HUMMER」という名前は以前から知られていた。例の中東湾岸戦争で多国籍軍(アメリカ軍)の上陸部隊が砂漠戦で使用していたHMMWVがテレビのニュースで放映されたのを見て、映画俳優としてトップスターだったアーノルド・シュワルツェネッガー氏が「あれが欲しい」と言って市販を実現させたなどという話も伝わっていた。しかし「HUMMER H2」はゼネラルモーターズから発売された。「HUMMER」の版権をメーカーであるAMゼネラルから譲り受けたのだと言われた。1992年モデルから市販されていたHUMMERは、確かに魅力的なクルマではあったものの、所有するクルマとして現実的だと思える人は多くはなかった。しかしGMは、そのHUMMERのアイデンティティであるディテールデザインを抜き出してGM製フルサイズSUVに与えることにより、H2なるクルマを造り上げた。すると、一般のユーザーにとって購入・所有へのハードルが一気に下がったのだった。今までにないタイプのクルマとして、世界中で人気に一気に火が付いた。日本でも、GMジャパンに比べて進取の気性に富む三井物産オートモーティブが正規輸入元として名乗りを上げ、2003年2月から発売を開始した。と同時に、それまではアメ車などにまったく興味を持たなかった層がH2には興味を示し、実車を見て、買っていくということが相次いだ結果、日本でも間違いなくハマーブームといえる状況が現出した。H2はボディが大きいのは間違いないが、寸法を見ると、アメ車としては実は規格外の大きさではない。全長は5メートルちょっとだし、車幅も2メートルを少し超える程度だ。幅から言えばフルサイズピックアップトラックのデューリーの方が大きい。しかし昨今の空力・効率を重視した曲面ボディのクルマたちに比べると、この四角いデザインでこの寸法をフルに使っているので、実車を目の前にするととにかく大きく見える。大きく見えるのにはディテールデザインも要因のひとつ。この軍用車両をルーツに持つディテールには有無を言わせぬ威圧感があるのは確かで、こんなクルマが道の向こうから走ってきたら誰でも避けてしまうのは無理からぬことだ。これだけ大きなH2なので、重量も約3トン。発売当初の搭載エンジンは320psの6ℓV8でトランスミッションは4AT。これは当時のGMのフルサイズSUVとしては当然ながら最高のスペックだった。そのおかげで、走ってみて「重すぎる」という感覚はなかった。だが、軽くもないのは確かで、その分、ブレーキは前後ともベンチレーテッドディスク+デュアルピストンキャリパーが用意されていた。また実はH2にはアメリカ本国のカタログにも燃費の記載がないのだが、これは、重量が大きいことから大型トラックと同じ扱いになり、乗用車には必ずEPA(米環境保護局)が計測した燃費を提示しなければならないという規制の対象外だからということである。その部分ではやはり「規格外」だったということだ。H2は2008年モデルでフェイスリフトを行なう。搭載エンジンは6ℓ→6.2ℓへと拡大、最高出力は320→398psへと向上した。関連してフロントグリル開口部が拡大され、トランスミッションも4AT→6ATへ換装、室内に置かれていたスペアタイヤはバックドアの外に配置され、3列シート選択時の乗車定員は6名→7名へと増えた。これらによって商品力は大きく向上した。しかしながら、2009年のGM経営破綻によってハマーブランド自体の廃止が決まり、惜しまれながらも姿を消すことになった。
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2008 Hummer H2 Type G Specifications | |
全長 | 5170㎜ |
全幅 | 2060㎜ |
全高 | 2010㎜ |
ホイールベース | 3120㎜ |
エンジンタイプ | V8 OHV |
総排気量 | 6.2ℓ |
内径×行程 | 103.2㎜× 92.0㎜ |
圧縮比 | 10.5 : 1 |
最高出力 | 398ps/ 5700rpm |
最大トルク | 57.4kg-m / 4300rpm |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 121ℓ |
変速機 | 6AT |
駆動方式 | 2 スピード電子制御フルタイム4輪駆動 |
サスペンション前 | ダブルウィッシュボーン+トーションバースプリング |
サスペンション後 | 5リンクリジッド+エアスプリング |
ブレーキ前後 | ベンチレーテッドディスク・2ピストン |
ホイールサイズ前後 | 17 × 8.5J |
タイヤサイズ前後 | LT315/70R17 |
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AMゼネラルから「HUMMER」という車名で発売されていたが、GMが権利を買い取ってH2を発売する際に「H1」という車名が与えられた。全長は4686㎜と5メートルを切るが、全幅はH2よりも大きい2197㎜。しかしながら室内が広いわけではなく、運転席と助手席の間には張り出しが大きく存在する。4輪駆動だが4輪独立懸架で、ドライブシャフトがホイールハブからオフセットしているハブリダクション機構を採用してグランドクリアランスを大きくしている。もとになった軍用車両であるHMMWV(高機動多用途装輪車両)が砂漠地での使用を前提としたもので、トレッドが広く、オーバーハングは小さく、車高は低くという要件を満たす設計になっている。エンジンはディーゼルが主力で6.2~6.6ℓがあり、GMの5.7ℓV8ガソリンも積まれた。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_custom_heading text=”H3 2006-09″][vc_column_text]
H2が売れたからH3というのはセオリーどおりだが、こちらはGMのミドルサイズピックアップトラックをベースとして設計された。このH3になっても「HUMMER」としてのアイデンティティを貫いているのはさすがで、どこから見てもハマーの一員である。走ってくるのを遠くから見ると、H2かH3か分からないほどだ。エンジンは当初は3.5ℓ直5だったが2007年モデルで3.6ℓ直5へと拡大され、2008年モデルでは5.3ℓ V8も追加された。こちらもアメリカ本国での発売からほどなく日本への正規輸入が開始された。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_custom_heading text=”CUSTOMIZED MODELS”][vc_column_text]
無数にあるH2カスタム
ここにあげたのはほんの一例である。H2は発売当初からカスタマイズの勢いも強く、大きなボディを目いっぱい派手に着飾ったものが多数製作された。ホイールの大径化に拍車をかけたのもH2効果で、26インチまでは難なく入るH2をターゲットに30インチ、32インチなどのホイールも製作された。
[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]もともとカイザー・ジープ・コーポレーションの軍・政府用車両部門がAMゼネラルの起源であり、後にジープと分かれて軍・政府用車両専門のメーカーとなった。つまり、言ってみればジープとハマーは同じメーカーだったのだ。AMゼネラルはHMMWV(ハンビーと発音、Humveeと綴る)を開発してアメリカ軍に採用され、その民生用モデルとしてHUMMER(後のH1)を発売した。その後、1998年に「HUMMER」のブランドネームをGMに売却。その後はGMがHUMMERのプロモーションを行ない、H2をデビューさせた。「HUMMER」「H1」「H2」はGMの登録商標だが、「Humvee」はAMゼネラルの登録商標だ。H2はH1と同様にAMゼネラルの工場で製造されたものがGMディーラーで発売された。その製造体制はハマーブランドの廃止まで続けられた。H2とH3には、H1と同様に車体後部にオープンデッキを持つトラック型のバリエーションも持つ。「H2 SUT」および「H3T」である。H2のトラックは3列目シート部分をオープンデッキ化したものだが、H3TはH3のホイールベースおよび全長を伸ばしてリアデッキを確保したもので、積載性はH3Tの方が高い。現在の日本での状況を見ると、H1、H2、H3はそれぞれにユーザーがいて、中古車としての流通も続いている。多くの並行輸入業者によってサービスも問題なく行なわれている。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]■Text|アメ車MAGAZINE[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2018年 3月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]