1969 FORD MUSTANG Mach 1
数あるマスタングの中でもっとも均整の取れた1969年型
往年のハリウッドスターに通じる、文句なしの正統派美人の1969年型マスタング。好みやトレンドをも飛び越えた黄金比的なスタイリングの美しさが、絶妙なアップグレードによって際立つ秀作!
マスタング史上もっともスタイリッシュな1969年型
洗練されたデザインのパーソナルクーペでありながらも、親しみやすいフレンドリーな面も兼ね備える「マスタング」は、とにかく幅広い層から支持されている。とりわけ日本では、映画の劇中車を通して、その魅力を刷り込まれるケースが多い。中でも『60セカンズ』、『ブリット』 の影響が絶大。そのため、67年型GT500、68年型GTに人気が集中している。
しかし、筆者的には69年型こそが、正統派ハリウッドスター的な美しさで、最もスタイリッシュでフェイバリット。黄金比的な美しいスタイリングなだけに、好みやトレンドも超えて、現代でも通用する魅力を持つ。アメリカではポテンシャルの高さも含めて、かなりの人気ながら、日本では意外なほどマイナーで、目にする機会が少ない。
そんな中、ミーティング会場で遭遇したこの個体には、一目惚れのように衝撃的に魅力を感じた。69年型Mach1のオリジナルとしてきちんとレストアしつつ、ホイール&タイヤのアップデート、それに伴う車高の調整が絶妙なバランスで施されている。持ち前のスタイリングの良さや、ストックの魅力を引き出しながらも、現代における走りのポテンシャルの高さを感じさせるオーラを放っているのもポイントだ。
カタログ状態の完全なオリジナル状態ももちろん魅力的だが、マッスルカーとしてのポテンシャルを、現代において味わうことを踏まえると、タイヤのアップグレードは必須なだけに、この個体のようなアレンジがベストといえる。
精悍なマスクとスタイリッシュなボディフォルムによる疾走感が漂っている。時代性がダイレクトに反映されたフードスクープ、スポイラーのデザインとの相性が良い上で、現在見ても古臭さを感じない。速さを連想させるフードスクープ、リアスポイラー、フードのブラックペイント、サイドストライプなどのアイテムは、Mach-1ならでは。スタオリッシュなファストバックにルーバーが実によく似合う。
マッスルカーではどのメーカーでもお約束のマグナムホイールは、スチールではなく、アルミ製18インチにアップデート。装着タイヤは外形をとのお寝るいみで扁平率は40%(Goodyear Eagle REVSPEC RS02)。
ステアリング、センターコンソール、シート&内張まで、内装も外観同様に、基本的にはストックを保持しているが、社外メーターでさりげなくアップデートしたあたりに、センスの良さを感じる。
351ウィンザー・エンジンにマニュアル・トランスミッションによるコンビネーションは、マスタングというモデルのキャラクターが最も現れた理想的な仕様。スモールブロックの軽快さをダイレクトに感じられる。
歴代マスタングの中で最もポピュラーなのは、「マッハ1」デビューイヤーとなった69年型
マスタング史上最強のBOSS 429、859台にのみ搭載された極めて希少なBOSS 9
Thanks:オートレイド【AUTO RAID】
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Photo: 能勢博史
Text: 石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 2月号掲載