et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#1「マスタング!マスタング!」
こんにちは。イラストライターの張田仁と申します。10年ほど前にも当誌でコラムを連載させていただいていたのですが、再びページをいただけることになりました。今回のテーマはクルマに限定しない「アメカル(アメリカンカルチャー)」。カルチャーを直訳すると文化…となりますが、そんな偉そうなことでなく、アメ車マガジン読者諸兄ならきっとお好きであろう…そして何より私と担当編集K君が大好きなアメリカにまつわるあれこれをネタにしながら、雑なお話とイラストでお楽しみいただけたら良いなと、そんな趣向のページとなる予定です。
私「さて、一回目のお題は…さすがにクルマネタがいいよね」
編集K(以下K)「ですね。マスタングとかどうすか」
私「また、ベタな…とはいえ、第一回だからそれはアリか」
K「でしょ。そういえば、『ジョン・ウィック』観ました?」
私「いや、最新の『パラベラム』が評判良いので、観なくちゃなぁとは思ってるんだけど。」
…ということで、半ば義務感で観始めたのですが、確かに予想以上の面白さ。スーパー暗殺者だった主人公ジョン・ウィック。あることがきっかけで今はマスタングと犬を愛でる穏やかな生活を送っていますが…というお話。冒頭で短時間ながらジョンが古きマスタング(’69)をいかに慈しみ楽しんでいるかが描かれています。そういえばクルマ好き御用達映画「60セカンズ」でも並みいる超高級車を差し置いてマスタング(’67)が主人公の憧れとして登場しますし、元ネタ「バニシングイン60」でもマスタング(’73)は重要な役目を果たしています。変わり種としては、最近日本でもリメイクされた「最高の人生の見つけ方」。余命短い老人が死ぬ前に実現したいことの一つとして「シェルビーマスタングでのドライブ」を掲げています。「憧れ」とは少し異なりますが、カーチェイス映画の金字塔といっても過言ではない「ブリット」にて画面狭しと走り回るマスタング(’68)の姿は以降の同様シーンに影響を与え、何度もオマージュモデルが市販されています。他にも重要なアイテムとしてマスタングが登場する映画は枚挙にいとまがありません。もう、どんだけマスタング好きなのよ、アメリカのカーガイ…と( 笑)。
勝手に想像するに。50’sとは違った意味での「古き良きアメリカ」、排ガスや燃費といった障害が現れる前の「おおらかで強いアメ車」が、言葉を尽くさなくても伝わる愛すべきアイコンなのではないかと、そんな風に思うわけです(制作年代的に「ブリット」は少し異なります)。そういえば、編集Kくんの愛車もマスタング。実は、前回の私の連載も第一回目のテーマはマスタングでした(笑)
…という分けで? これからしばらくお付き合いいただけますようよろしくお願いします。
TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2020年 3月号掲載