1999 Chevrolet Corvette Coupe
THE 90’s STRIKES BACK ナインティーズの逆襲
一体成型シャシーによる高剛性化、トランスアクスルの採用によって、ほぼ50:50という理想的重量配分を確保。スーパースポーツとしての世界水準を満たしながらも、GTカーとして居住性や乗り心地を両立するフレンドリーさも魅力のC5。リトラクタブルヘッドライトが採用された最期の市販モデルというのも大きなポイントだ!
歴代コルベットの中でも高性能を誇るフィフスジェネレーション
直線基調のC4に対して、曲線的でグラマラスなフォルムとなり、よりコルベットらしいイメージとなったC5。それでいて空気抵抗値が格段に向上。高剛性の一体成型シャシーを導入し、ショートホイールベース化、ワイドトレッド化、トランスアクスル採用による理想的な重量配分を確保。アクティブハンドリング、電動パワーステアリングも装備し、旋回性能、操作性、安定性が高次元で構築。世界水準の総合的運動性能を誇るスーパースポーツとして仕上がっている。
デビュー以来の革新的な再設計が成され、最高速度では時速176マイル(283km/h)に到達。エンジンも新設計のアルミ製LS1(ジェネレーションⅢ ) を搭載。各シリンダーに個別のコイルを持つ点火システムによってパワーアップと燃費向上を両立する。制度と強度も向上しているため、パワーアダーなどによってモディファイしても、1000hpレンジで対応可能。スーパースポーツとして世界水準をクリアしながらも、同等のヨーロッパ製スポーツなどよりもローバジェットなうえ、歴代コルベットの中でも、居住性や扱いやすさでも最も優れている。
C4ではドアに沿ったサイドシルの張り出しがあるため、乗り降りに気を使ったが、ニューシャシーによるC5ではほぼ気にならない。この個体は、現在においてC5の魅力を味わうべく、バラスの良いアップグレードが施されている。C6のサスペンションの導入や、ワイドリムの装着に伴って、ワイドフレアーのボディキットを導入。それでいてさりげないフィニッシュには、モダンアメリカンに明るいショップ、PCH代表であるオーナーなならではの高いセンスとスキルを感じる。
この個体はワイドリムの装着に合わせて、社外のワイドボディキットを投入。フレーアー部分はストック以上に張り出すも、自然な仕上がりなのが◎。テールから僅かに張り出すリップスポイラーがC5のスタイリング美しさを強調している。
シートはポテンシャルの向上に見合うよりホールド性の高いデザイン。全体のレイアウトではパッセンジャーにフレンドリーとなっている。ラゲッジスペースも十分なボリューム。サイドシルの張り出しがなくなったことで、乗り降りがかなりスムーズになった。
エンジンはC5で導入されたアルムブロック&ピストンのLS1。エンジン自他はストックを保持し、エアインテークをキャラウェイ製でアップグレード。トランスミッションは4L60E(4速AT)。エギゾーストはコルサパフォーマンス製でアレンジ。
ホイールは、性能、品質ありきでスーパースポーツ系での需要が多いFIKSE 社の鍛造品。タイヤはDUNROP SP Sport(フロント:275/35R18、リヤ:305/30ZR19)をチョイス。サスペンションはC6のZ06用でアップグレード済み。
Special Thanks ◆ PACIFIC COAST HWY
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URL:www.pacific-coast.jp/
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載