1998 LINCOLN MARK Ⅷ
THE 90’s STRIKES BACK ナインティーズの逆襲
アメリカンビッグクーペの最終章。その集大成としてエアロダイナミクスでモダンなフォルムで視線を釘づけにしたマークシリーズの最終モデル。贅を尽くしたラグジュアリーサルーンは、いま乗っても色褪せない魅力を放つ。
旧モデルから一転、直線から曲線基調に進化
パーソナルラグジュアリーカーの代表格としてキャデラックと共に長い歴史を刻んできたリンカーン・マークシリーズ。エルドラドやモンテカルロ、ビュイックのリーガルクーペなど、80年代後半から90年代にかけてはフルサイズクーペから少しシェイプされたミドルサイズクーペが多くリリースされており、ネオクラシックな位置づけでいうとマークⅧよりも、むしろスクエアなフォルムが際立つマークⅦの方が妥当である。
しかし2020年に突入した昨今、90年代後半に一世を風靡していったラグジュアリーシーンの立役者達たちも十分に懐かしく、そして今見るとヨーロピアンを意識しつつもアメ車らしさを色濃く残す味わい深い存在になってきた。ミドルサイズといえど全長は5mを超えており、ゆとりある後部座席は大人3人がゆったりと乗れる室内空間を確保。このサイズで2ドアであることがむしろ贅沢に感じるほどである。
撮影車両はグリルが独立してフェイス回りがスマートになった98年型の後期モデル。ラグジュアリーカスタムの全盛期を迎えた時代の定番であるクローム大口径22インチ履きに加え、ダークブルーに青いピンストライプのアクセントをほんのり添えた一台。純正エアーサスペンションシステムをストックしており、乗り心地は優雅そのものである。
インテリアはサイバーナビや地デジチューナーを完備しており、曲線美溢れるインテリアデザインは20年以上の時を経てもモダンでハイセンス。現状リアシートのみホワイトへ張り替えられており、フロントシートをホワイトに張り替えて合わせるかリアを純正に戻すか?どちらを選択しても良い感じにキマりそうな予感。現在ブルーリバーで販売中とのことなので、お探しの方はぜひ!
全長5.3mの長さで2ドアクーペのボディは、トラックですら4枚ドア主流の現在では考えられない贅沢なフォルム。22インチクローム(245/30R22) のラグジュアリーなボトムスも当時らしくて好印象。
角のない曲線美が際立つフォルム造形美は本国のみならず日本でも人気を博し、当時はディーラーモデルも多く販売されていた。テールレンズの点灯も実に個性的で、コンチネンタルキットの名残を感じさせるトランクデザインも実に味わい深い。
4.6ℓのV8 INTECHエンジンを搭載しており、280hpと当時のスペックとしては中々優秀であり、4速ATをFR駆動で走らせる感覚は、実に軽快で直進安定性も申し分なし。現車はディーラーモデルなので整備も比較的しっかりと受けていた印象。走行92,000kmはまだまだ現役である。
マーク7のスクエアなフォルムから一転したのはインテリアも同様。まるで運転席と助手席を包み込む様なラウンド形状のインパネ回りはモダンでハイセンス。サイバーナビ& 地デジETCも完備しており、あとはインテリアカスタムを完成させるか純正に戻すか? もしくは潔くそのまま乗るといったプランも悪くない。
【シボレーインパラSS】浮世離れしたサイズはもはやキングオブセダン
次世代とは似ても似つかぬフェイスとスタイリングではあるが、ポニーカーとしての実力はかなりのもの
THANKS:BLUE RIVER
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PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載