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2005 FORD MUSTANG GT
2019年末に開催されたアメリカンカスタムショーツアー「クロスファイブ」のファイナルにおいて、ベストを含む5冠に輝いた最旬のマスタングをご紹介したい。派手さで人目を引くよりも、中身の濃さ、バランスのよさに特化したフィニッシュは、アメリカンショーカーのように全パートに手をかけるトータルカスタムを目指していた。
地味な見た目と甘く見てたらヤケドする、実は過激な暴れ馬
デモカーとは、デモンストレーションカーの略である。デモンストレーションとは、技能や性能を示すことを意味する英語であるから、すなわちデモカーとは、メーカーやショップの「ウリ」をアピールするために作られたクルマと解釈するのが妥当なハズだ。となると、埼玉のショップ「エレガントデザイン」が製作した第6世代のマスタングGTも、同社が得意とするアメリカンカスタムのボディワークやインテリアを誇示するための一台かと思いきや、彼らの思惑は違っていた。
「アメリカのセマショーなどを見ると、外装だけカスタムしているクルマなど、ほとんどいません。エンジンも含め、全部に手を加えています。そういうクルマがもっと日本でも増えてほしいという願いを込めて、マスタングを作り始めました」
そう話してくれたのは、エレガントデザインでファクトリーマネージャーを担当している齊藤さんだ。実はこのマスタング、過去にもデモカーとしての役割を果たしており、以前はイエローやパープルのボディカラーでカーショーにエントリーしていた猛者なのだ。この流れを受け継ぐのであれば、今回も派手にまとめるのが妥当なセン。当然、カーショー会場でもギャラリーの視線を集めやすいに違いない。
しかし、実際に完成したマスタングに派手さなど皆無。むしろ地味な装いで、トータルカスタムを目指したことが伝わりにくい印象さえある。ところが、この地味さの中にこそ、彼らの強烈なメッセージが込められていたのだ。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
USヴェイルサイド製ボンネット&フロントバンパー、ワンオフグリル、グレッディのインタークーラーなどがひしめくフロントマスク。レクサーニ・アルティス22インチの奥には、ブレンボの6&4ポットブレーキやKRZのエアサスを隠し持つ。
ドアヒンジの位置が前後逆になるスーサイドドアを採用。ヒンジ位置の移設だけでなく、配線類の引き直し、アウターハンドルの移動、ボディ側の受け部分の新設など、その手間は相当なもの。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]『60セカンズ』を駆け抜けた マスタングの名作“エレノア”がここに復活!
派手さよりもシンプルさを選んだ、サウススタイルのチャレンジャー[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
ツインターボ+NOS入りV8搭載、もう魅せるだけでは物足りない!
スーサイドドアにアルミインテリア。内外装とも圧巻の手が入る
前提としたのは、いかにも手を加えました的な「やってる感」を出さないことだった。派手さに逃げず、地味だからこそクルマに込めた技術の確かさ、全体的なバランスのよさをしっかりと見ていただきたいとの願いから、カラーもR32GT-R純正ガンメタという控えめなものを選ぶ。あとはUSヴェイルサイド製のボンネット&フロントバンパー、3Dカーボン製のワイドボディキット、KRZのエアサスによるスラムド、レクサーニの22インチホイールなどが目を引く仕掛けだ。
さらに「カーショーで1位を狙う。そのためにはボディカスタムも加える必要がある」との判断から、逆開きになるスーサイドドアのカスタムを取り入れた。ランボドアならキットの購入、取り付けで済むが、スーサイドとなると加工のすべてがワンオフとなり、その手間暇は想像を絶する。そして、ドア開口部のフロントフェンダー側に傘入れも追加し、大ワザ小ワザが波状攻撃を繰り広げるのだ。
開け放たれたドアから広がるインテリアも黒レザー仕上げのため、一見純正と見間違えるかもしれない。ところが、シートで使った純正部分は土台のみ。生地はおろか、形状まで変えて、質感の向上に余念がない。また、5ミリ厚のアルミ板をステアリング、ダッシュボード、センターコンソールなどに配置し、トータルでクールな空間を演出。これは生地の材質や色、もしくは照明やAVを軸に展開していたインテリアカスタムシーンに、一石を投じたと言えるかもしれない。
最後はエンジンだ。メインは何と言っても、ワンオフのパイピングで組まれたツインターボだろう。ギャレット製GT2860RSタービンを使うキットが販売されているものの、そのままポン付けできる代物ではない。そこで盟友である埼玉「9レコード」にパイピングのワンオフを依頼。ECUについては純正の書き換えを行なったそうだが、エアフロメーターの制御方法を変えるなど、9レコードらしいノウハウも十分に盛り込まれている。もちろん、昨今のトレンドであるシェイブドベイのテクも駆使。ナイトロシステムとの相乗効果で走り応えも見応えも十分すぎだ。
ストリートを走っていても何の違和感も産まないシンプルなルックスでありながら、誰もが驚くカスタムの技法を秘める。このマスタングは、日本のカスタムシーンを大きく揺さぶる。そして、時代は次のフェーズへと動いていく。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]
マスタングGTはV8エンジン搭載モデルだが、そのパワーをさらにギャレットのツインタービンとZEXのナイトロシステムにて増強。埼玉・9レコードによるパイピングのレイアウト、補機類のディテールアップ、ECUの書き換えも賞賛に値する。
左右ドアのフェンダー側をアルミプレートで隠しつつ、一番上に傘入れを作る。ちなみにこの傘、生地にも取っ手にもエレガントデザインの名前が描かれた特注品なのだ。トランクはフタ側にフォードロゴ入り工具を、中にナイトロタンクをディスプレーした。
前後のシートは生地のみならず、デザインまでも変更されている。そのシートやセンターコンソール、ダッシュボード、フロアマット、ステアリングのセンター&側面に配されたアルミの質感が、クールなカスタムであることを表現。リアトレイには製作に関わったショップとスタッフの名を刻む。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]「もしかしてメーカーが参考にしたのでは?」と、話題になったナビゲーター
大径履きスタイルに新風を吹き込む、クラシックシボレーという選択肢 1969y シボレー インパラ[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Produce:ELEGANT DESIGN
TEL:048-556-9855
HP:https://elegant-design.co.jp[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]■写真:犬塚直樹
■文:佐藤アキオ[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2020年 4月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]