これが俺たちのAmerican Life
アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ
1957 Chevrolet Bel Air Wagon
1960 Ford F-100
「ヴィンテージ好きに再燃」が新たなガレージハウスの建築を決意!
大切なアメ車のほかに、夢や憧れを実現のものにした男のロマンも詰まっているのがガレージ。3台のアメ車を所有する安田昌章さんのアメリカンライフをお届けする。
人とクルマの良い出会いが今のガレージライフへと導く
大好きなアメ車を3台所有し、そしてそれらを収納する、アメリカンな雰囲気に包まれたガレージハウスの竣工。この男のロマンを実現したのが、岐阜県にお住まいの安田昌章さんだ。アメ車の魅力に取り憑かれて40年以上、数多くのクルマを乗り継いできた安田さん。その中からアメ車のみの車歴を抜粋して紹介する。
まずは67年型のマスタング・コンバーチブルからスタートし、逆輸入のDATSUN、68年型のSR311へと乗り継ぐ。この2台で多くのトラブルを経験したことから、以降しばらく高年式のアメ車を乗り継ぐことになる。そこからの付き合いとなっているのが、愛知県のウィングオートだ。
2001年型のアストロベースのスタークラフト・コンバージョン、これが高年式のアメ車を愛車にする皮切りとなった。次いで2007年型のマスタング・エレノア。さらにこれと入れ替えで2008年型のシェルビーGT500へと変更する。高年式のスポーツモデルに乗っていたこの頃は、ウイングDAYなどのイベントや走行会などにも積極的に参加するようになり、実は本誌にも度々登場を果たしている。
シェルビーGT500でのイベント参加、ここで受けた刺激は、安田さんが抱いていたヴィンテージ熱を再燃させることへと繋がる。そして偶然に発見したのが、某オークションサイトで見たフォード・F‐100。実はこれ、愛知県のショップが出品した車両で、実車を確認後に購入を決めた。60年型という古いF‐100であるがゆえ、購入後はデスビの粉砕など、かつてと同じようにトラブルも経験するのだが、安田さんのヴィンテージモデル熱は、ここからさらに加速する。何しろ20歳の頃からの憧れのクルマだというシボレーのベルエア、その上物と出会ってしまったのだ。これを紹介してくれたのは、ハーレーダビッドソンの面倒を見てもらっているバイク屋さん。ベルエアを所有しているハーレー乗りがいるということから、売却への話へと繋がっていったのだ。実車を見に行った安田さんは、キレイな内外装をキープしている57年型のベルエアワゴンを目の当たりにする。しかも、エンジン&ミッションは新品へと換装されており、かつ足回りの整備も万全という上物!この購入を決意した安田さんは、シェルビーGT500を手放し、個人売買にてベルエアワゴン手に入れたのだ。2台のヴィンテージモデルを手にした後、奥様用にと購入したのが、実用性も強く意識した2008年型のクライスラー・300Cツーリングだった。
これらの3台が旧安田家に揃ったことがきっかけとなり、よりアメリカンな雰囲気が楽しめる、新たな家の建設を安田さんは決意する。それこそが、2019年完成した現在のガレージハウスだ。ベルエアワゴンとF-100の2台が収まるガレージは、ウッディな壁、アメリカンブランドのサインボード、PEPSIのクールボックスなど、ヴィンテージ雑貨も溢れる場所だ。敷地内のもうひとつのガレージは、63年型のハーレーを置き、かつアメリカン雑貨も並ぶ。40年以上もぶれることなくアメ車にこだわり続け、そしてガレージライフという趣味の世界を満喫している安田さん。その夢を実現した背景には、電気設備業の経営者として、日々頑張り続けて来た結果も示されているのだ。
合板の壁や床に使った板材がレトロアメリカンを醸し出す
南面に位置するガレージには、ベルエアとF-100の2台を収納。電動シャッター、右側からのアクセスも可能にしたスライドドアなど、利便性も考慮された設計。内装の壁はOSBボードという構造合板を剥き出しで使用している。そのボードにはアメリカブランドのサインボードが備わり、それらが点灯するように仕込んだのは、電気設備系の仕事を営む安田さん自身によるもの。西側のガレージは白い壁とフロアで統一され、友人からもらったという、ドラム缶がToyケースとなるベルエアのミニチュアモデルなどが置かれている。また、万全のセキュリティ体制を整えていることも特長だ。
シャッター付きガレージのほかに、2台は駐車可能なオープンスペースを確保。西側のガレージの入り口付近のフロアにはウッドボードを埋め込み、レトロ感を演出。これは安田さん自身のアイデアで施工されたもの。取材時は安田さんと同じ「BigBeat」というアメ車のクラブ仲間である澤田直樹さんが、愛車のマスタングで遊びに来ていた。
安田邸からクルマで約5分という近所に住んでいるのが娘のAYAさん。シボレー・HHRに乗るアメ車乗りで、かつ安田邸と似た雰囲気のガレージを持つ。AYAさんのガレージは、現在の安田邸が竣工される以前に建てられたもので、その設計には父親のアイデアも生かされているとのこと。OSBボードの剥き出しの壁などのアイデアがそれ。取材時は、AYAさんのママ友とその子供たちが遊びに来ていたので、ガレージで記念撮影を実施。アメ車好きとガレージ好きのDNAは両親から受け継いでいます!
1957 Chevrolet Bel Air Wagon
安田さんが二十歳の頃から憧れていたクルマがシボレー・ベルエア。相場が上昇し続けていることから、その購入はほぼ諦めていたが、ハーレーの面倒を見てもらっているバイク屋さ
んの紹介で、同じハーレー乗りからの購入となったのが57年型のベルエアワゴン。エンジン&ミッションは新品へと換装済みで、かつ足回りもきっちり整備済み。内装もキレイな状態で、ボディの一部分のみ仕上げ前という上物を手に入れた。以来、ウイングオートが主催するWing Dayなど、イベントへの参加はこのベルエアワゴンで行くことが多いとのこと。
1960 Ford F-100
某ネットオークションサイトでたまたま見つけたというのが、60年型のフォード・F-100。出品社が愛知県の有名ショップだったことから、実物を見た上で購入を決意。このF-100、前オーナーはアメリカ人で、DIYでカスタムしていた車両をショップが購入し日本へ輸入したもの。サフェイサー仕上げのバンパーやエイジング風ペイントなど、ラット塗装にも似た古さを醸し出している外観は前オーナーによるもの。購入後は、機関部をメインに安田さんが修理を実施。ホイールの取り付けボルト穴が楕円状に摩耗していたなどのトラブルも経験済みだ。
2008 Chrysler 300C Touring
ミニ・クーパーSからの乗り替えとなったのが、奥様の英子さんが乗るクライスラー・300Cツーリング。流通量の少ない300Cツーリングだが、ウイングオートで探してもらい約6年前に購入したクルマだ。57年型のベルエアワゴン、60年型のF-100、2008年型の300Cツーリング、この3台に加え、70年代のマスッルカーか最新のコルベットの増車を検討中とのこと。
1963 HARLEY DAVIDSON FL1200
4輪のみならず、ハーレーダビッドソンも古いモデルが好きという安田さん。1963年型のFL1200をベースに、エイジングペイントを施すなどのカスタムを実施。またミッションはロータリー式かつハンドシフトへと変更されている。このハーレーの面倒を見てもらっているバイク屋さんの紹介で手に入れたのが、57年型のベルエアワゴン。ハーレーや古いアメ車など、共通の趣味を持つ人だからこそ、スムーズな取引きができたそうだ。
Thanks:WINGAUTO(シボレー名岐)
TEL:052-409-5434
HP:http://www.wingauto.co.jp
Photo:清野央
Text:マーク清原
アメ車マガジン 2020年 5月号掲載