2015 FORD F150 RAPTOR
猛禽類を進化させた、まさに野獣!
FORDのフルサイズピックアップファミリーに属するものの、ワークホースではなくスポーツトラックと言うべきラプター。特にサスペンションはまるで別物で、ノーマルのままオフロードレースに参戦できる反則級のマシン。それをAZRがグラマラスかつエレガントに仕上げる。
縦横をサイズアップしノーマルを凌ぐ存在感
「カスタムしたF150ラプターが今回の取材車両です!」という編集部からの指示を受け、向かった先は愛知のアズールモータリング(以下AZR)。そもそもラプターはFORD自らがカスタムした様なクルマなので、もはや手を加える所なんて何もないはず…。サスペンションも純正でFOXレーシングが装着されているので、交換する意味は全くない!言わばプロショップ泣かせと言っても過言ではないモデルだ。
そんな先入観を持ってAZRへ向かうと、そこに待ち構えていたのはリフトアップ&オーバーフェンダーの装着を行ない、縦横の両方向がサイズアップした仕様。まさにラプターであって、もはやラプターを超越した全く存在と呼ぶにふさわしい、個性のカタマリと言うべきであった。
ブリスターフェンダーが違和感なく調和する
そもそもラプターは、通常モデルのF150よりもリフトアップされ、35インチタイヤを標準装備。ショックアブソーバーも先述した様に、しなやかでありながら高いコーナリング性能も両立するFOXを採用するなど、走りに特化したモデル。フロントマスクは専用品となるが、その他は共通なので物足りなくないと言えば嘘になる。
とは言え、ラプター用のパーツなど世界中見渡しても無いのでは…と思ったら、まさかのジャパンブランドからリリース中。AZRがチョイスしたのは、世界的にも有名なTRA京都。ロケットバニーブランドの名を聞いた人は非常に多いと思うが、その兄弟ブランドであり、ブリスターフェンダーを展開する「PANDEM」のボディキットを装着。片側だけでフロントは約15cm、リヤは20cmワイド化を実現し、ノーマルとは全く別のボディラインを実現している。
サスペンションは4インチのリフトアップを実施するが、ノーマルの良さを損なわぬ様、ファブテックのキットを使用してフロントメンバーをダウン。ナックルをロングタイプに変更する事で、ストロークを損なわず車高をアップ。リヤはブロックとショック延長ブラケットを使用し、ノーマルよりも大きな37インチのオープンカントリーR/Tを装着する。ホイールはPOKALの20インチを組み合わせており、まさに最新のアメリカンスタイルと言うべきサイズ。実際20インチぐらいでないとホイールが貧弱に見えてしまうので、トータルバランスも考慮したカスタムと言えよう。
第2世代のラプターとしては初年度モデルとなる2017 年式。V8・6.2ℓもラインアップされるが、この個体は3.5ℓのエコブーストツインターボを搭載。ボディの殆どにアルミを採用する事で、非常に軽快な走りを実現。
メーターフードのデザインなどは一般モデルのF150と共通だが、ラプターは走りを重視するためフロアシフトを採用。しかもATは10速を搭載。トランスファーの切り替えはダイヤル式で、リヤデフロックやトレーラー牽引用のブレーキシステムも標準装備。また安全性を考慮して、マルチアラウンドビューモニターを装着。
大胆なボディキットで印象を変えるがラプターの長所はそのまま活かす
純正ボディに追加するだけで、全く別のクルマへと進化させるパンデムのブリスターフェンダー。フロントは15mm、リヤは20mmワイドで、エッジの効いたボディラインを更に際立たせ、他には無い存在感を放つ。
前後のオーバーフェンダーを繋ぐ、独特なスタイルのランニングバーを装着。フロントウインドウの上には、ZROADZ製の52インチのカーブしたLEDランプバーをセット。ワイルドさを強調する。
ラプターにはFOXレーシングのサスペンションが標準装備され、この足回りのポテンシャルのためにラプターを買うと言っても過言では無い。そのためショック&スプリングは純正で、ファブテックのキットで4インチリフトを実現。37インチのTOYOのオープンカントリーR/TにPOKALの20インチを組見合わせ、快適性も重視する。
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Special Thanks:AZZURRE MOTORING
TEL:0562-95-0678
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Photo:浅井岳男
Text:空野稜
アメ車マガジン 2020年 6月号掲載