2019 FORD MUSTANG GT Premium Fastback California Special Package
愛されし我らのマスタング Let’s Go with MUSTANG
5ℓV8コヨーテエンジンを進化を遂げた10速ATで操る!
1968年にアメリカ西海岸地域でリリースされたカリフォルニアスペシャルパッケージ。2007年に復活を遂げ、シェルビーGT譲りのエクステリアが話題となったのが記憶に新しい。あれから10数年の時を経て守るべき伝統はそのままに、革新的な進化を遂げた現行モデルの魅力に迫る。
同ジャンルの欧州車に匹敵する魅力を秘めた一台!
マスタングを語る上で欠かせない存在の一つとして紹介したいのが、GTプレミアム・カリフォルニアスペシャル。1968年に西海岸限定で誕生したスペシャルモデルで、シェルビーには手が出せないが、その雰囲気を堪能したい人向けにリリースされた人気モデルだ。2007年に復活を遂げたが2年後にはラインナップから姿を消し、その後2011年から2014年、2016年から2017年と定期的に期間限定で販売され続けており、紹介する車両は現時点で言う集大成にして現行モデルとなる。
大きな違いはブラックアウトされたグリルインサートに専用5スポークホイール。専用バッジ付きのタワーバーにボディサイドデカールライン、パフォーマンスパック1のフロントエアスプリッターを装備する点で、GTの名に相応しいギミックを随所から感じ取れるのが特徴となる。マスタングには多くのスペシャルモデルが存在しており、以前同社で取材したブリットもそんなスペシャルモデルの中の代表作となる。機能だけに目をやるとオリジナルのマスタングと大きな差はないものの、限定モデルやスペシャルパッケージには、それ相応のロマンや所有欲なるモノを掻き立てるから不思議である。
ちなみに旧モデルと比較して革新的な進化を遂げたのが2018年モデルより採用された10速ATである。5ℓV8の自然吸気大排気量エンジンは高圧のデュアルダイレクトインジェクション、そして低圧のポートインジェクションを採用しており、高トルク、高回転までの伸びの良さも非常に魅力となり、V8のパワーバンドを逃すことなく瞬時にシフトチェンジしていく感覚は10速の恩恵を大きく感じ取ることができる。ドライビングモードセレクトも装備されており、モード設定で好みの味付けに設定変更できる点も特筆物だ。
インテリアに目をやるとカリフォルニアスペシャルのバッジをダッシュにあしらい、レザーとスエードを組み合わせたレッドステッチのアクセントを取り入れたシートが採用され、GT/CSのロゴがあしらわれる。ひと昔前のアメリカ車にありがちな安っぽさは微塵も感じさせず、むしろポルシェやBMW、ベンツ、アウディと何ら遜色のないクオリティーの高さはここ数年のアメリカ車を改めて称賛するポイントとなり、日本はもちろんドイツなど世界各国でも高い評価を得ており、実際の話ドイツでの売れ行きも増加傾向にあるらしい。
限定モデルは男のロマン!とくにこの手のモデルは後に希少価値が高まるケースも多いだけに、見つけた時が買い時であることは言うまでもない。
丸いメーターを基調とした伝統的なインストルメンタルパネルのなかに、2018年からオプションで採用可能となったデジタルメーターを採用するコックピット。細かい部分ではあるが、エントランスのロゴイルミネーションやドアハンドルの間接照明など、細部までハイエンドモデルに相応しいギミックが盛り込まれる様になったことも、欧州車からの乗り換えユーザー増加に拍車をかける理由の一つと言えるだろう。
GT/CS専用のポニーバッジがあしらわれ、ブラックアウトされたグリルインサートとリアのGTエンブレム& 赤いカリフォルニアスペシャルが所有欲を掻き立てる。可変バルブ式の4本出しマフラーから奏でるコヨーテV8サウンドも実に官能的で好印象。残念ながら現車は入庫後すぐに問い合わせが殺到して完売となったが、現在新たなGT/CSを本国で探しているそうなので乞うご期待!
搭載されるエンジンは5.0L V8のコヨーテユニットで、カリフォルニアスペシャル専用バッジ付のタワーバーが備わる。高回転までの伸びの良さは特筆物でV8のパワーバンドをキープしながら瞬発力の良いシフトチェンジを可能とする10 速ATとの相性も抜群。ホイールも黒基調の専用ホイールとなる。
2012&2013年の2年間限定で、復刻した伝説の名車BOSS 302
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1968マスタングGT390ファストバックの現代版復刻トリビュートモデル
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PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 9月号掲載