1990 GMC SUBURBAN × WOODY Owner:Rihito Yamatoさん
AMERICAN TRUCK & SUV ピックアップトラック&SUVの無限なる可能性
ワイド&ロングボディはヒップアップフォルムで個性的に
ブラックボディに見えて実は濃いめのブラウンカラーのGMC・サバーバン。インテリアは車中泊を見据えてホームセンターで揃えた木材を自ら敷き詰めてDIY。定番のカスタムに縛られることなく自由なアイデアで自分色に染める、若きオーナーのフルサイズSUVライフに迫る!
現在21歳の若きオーナーRihitoさんがこのGMC・サバーバンを手に入れたのは約半年前。その前は何と10代の若さでランクル60に乗っていたという生粋のヴィンテージSUVフリークだ。免許を取得してすぐに乗り出したランクルで車中泊やアウトドアに目覚め、時間を見つけては海や山、川へとクルマを走らせるのが日課になっていたと言う。
そんな彼がGMC・サバーバンへと乗り変えるきっかけとなったのが、ランクル60を大きく上回るフルサイズボディだ。2mを超えるワイドな幅と超ロングボディ、そして観音開きの独特なテールゲートの雰囲気に魅了されて2020年の4月に乗り変えたばかり。2WDのフロントローダウンによって前下がりなフォルムがどことなくバニングっぽくもあり、デイトナの無骨なワークトラック風のボトムスやダークブラウンが醸し出す濃いめのアースカラーなど、そのどれもが彼の好みで、巨体を図太いV8サウンドでズッシリと転がす感覚が乗っていて楽しいと語る。
ちなみに彼の本職はトラックの架装業とあって、ウッドインテリアはすべてDIY。バーナーで焼きを入れてエイジング加工を施して雰囲気を中和させたり、ウーファーボックスを囲ってインテリアの雰囲気に馴染ませたりとアレンジしつつ、溶接を駆使して自作の超小径ステアリングを製作するなど、概念にとらわれない自由なカスタムも特筆物。
30年前のクルマが21歳の若きオーナーの手によって、彼のイメージする90年代カスタムへと手を加えていく姿は実に感慨深い。かつて我々が70年代に憧れた様に、ミレニアム世代にとっては90年代こそヴィンテージの大本命になってきたと言っても過言ではない。
フロントベンチシートも1ナンバーなのでヘッドレストを取り払いサドルマンのシートカバーで淡いブルーのインテリアにマッチ。ステアリングは自身で溶接して製作したもので、スカルのコラムシフトを含め尖ったセンスが光る。
3列目シートは1ナンバー登録のため不要となり、広大なラゲッジスペースにはホームセンターで購入したウッドを敷き詰めてDIYで架装。その際ウーファーボックスも纏めて化粧プレートとしてウッド材を採用してバーナーで焼きを入れ、風合いを出すことでモデルイヤー相応の雰囲気にマッチさせている。設置されたエアタンクはホーンクラクション用ではあるが、夏場のビーチでゴムボートを膨らませたりと便利なアイテムの一つだ。
アメ車乗りでありバイク仲間でもある友人のピンストライパーに描いてもらったリアゲートを筆頭に、光の強弱でブラウンカラーが際立つ独特の色味やこの年代のサバー独特のヴィンテージなパネルライン、そして観音開きから小ぶりなテールへと繋がるシルエットが一番のお気に入り。思い付きで製作した即席ウィンドーテーブルなど、アイデアが浮かぶとすぐにカタチにする性格が功を奏して、購入からわずか半年でGMC・サバーバンをしっかりと自分色へ染めている。
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PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 2月号掲載