1981 CHEVROLET CHEVY VAN G20 OWNER:TAMIYA
Wonderful VAN Life -素晴らしきバン生活-
国産ミニバン感覚で足代わりにサラッと乗るカジュアルなバンライフ!
C10をはじめ、マニアックで乗車定員数の少ない2ドアばかりを複数台所有する和歌山県の田宮さんが、家族や友人たちと外食したりする時に愛用するのが紹介するシェビーバン。あまりに飾り気のないサラッとした乗りこなしが、バンライフのあるべき姿だ。
「うどん号!」と名付け家族や仲間に親しまれる
以前ガレージ特集でダッジコロネット&C10と共に誌面に登場した和歌山県の田宮さん。その際控えめに載っていたのが今回紹介するシェビーバンだ。80年代バンらしいホワイト×ネイビーデザインのツートンボディが実に味わい深い一台である。どことなく80年のみ採用されたC10の角目に近い印象のフロントグリル&ヘッドライトベゼルは、この年代ならではの表情でどことなくファニー。81年型にこだわったポイントでもある。
90年代のシェビーバンは比較的まだまだ程度の良い個体が現存しているが40年近く前のモデルとなるとかなり貴重。そんな絶滅危惧種寸前の名車ではあるが、彼の乗り方は至ってカジュアル。むしろバンは乗り倒してナンボと言わんばかりに豪華なトリムや内装を剥ぐところから始まった。しかし、さすがに天井が鉄板むき出しでは夏は酷暑で冬は極寒。〝男は黙って空調レスの防寒着!〟と言いたいところではあるが、小さな子供たちを乗せる機会もあるため内装はちゃんとしておこうと、友人の中岡氏をはじめ仲間内でサロペを裁断して内装を仕上げた。その際汎用の吊り下げ式クーラーを後部座席用に追加し、シートは高年式のロングスライドレール付きのエスティマ用を移植。横方向にもスライドするのでウォークスルーまで可能な国産ミニバンさながらのシートレイアウトとなった。
ちなみにエスティマの場合キャビンギリギリまでシートが来るが横幅のあるシェビーバンなら両サイドにもゆとりができており、即席でボックスを製作して小物入れやサイドテーブルとしてゆったりとした後部座席へとアレンジする。一方エクステリアは愛用するC10からのお下がりで前後サイドマーカーや装着していたホイールを移植。C10を綺麗にする目的で交換して余ったパーツを移植するといったルーティンが、時系列に沿った全体的なヤレ感にマッチして、思っていた以上にしっくりきたところでひとまず完成形となった。
ちなみにこのシェビーバン、全長はアストロとほぼ同じ。むしろちょっと短いくらいで小回りが効き、駐車場で困ることもない。観音開きのリアゲートを開けて荷物を積みたい時はセカンド&サードをロングスライドで前にすればラゲッジスペースを拡張可能。ノリで「うどん号」と名付けた割には出番が多く、メインカーへ昇格しても申し分ないスペックである。
同形状の角目二灯が縦にレイアウトされるモデルとは異なり、ヘッドライトとウィンカーの形状が異なるヘッドライトベゼルはこの年代特有の個性的な顔付き。ホイールはコレクションの中の一台であるC10に装着していたモノを継承し、その際サイドマーカーなども一緒に移植。リアルーバーも80’sバニングらしいアクセント。
305エンジンを搭載する81年型シェビーバン。TH350の3速ATはハイウェイこそ多少の唸りがあるが、街中を走らせる分にはむしろ心地よいフィーリング。インマニ、キャブレターをエーデルブロック化してMSD のデスビに交換、冷却効果を高めるべくラムエアチューンを施すなどコンディション向上やパフォーマンスアップにも余念がない。
内装は固定概念にとらわれないアイデア勝負な印象で、偶然ピッタリ収まったオートメーターのダッシュインストールやハーストのシフトノブ、青いラメカラーのグラント製ステアリングにドラッグレース用のアクセルペダルを流用加工して取り付けたフットペダル、そして極め付きは当時らしいムートンマットで当時らしさを絶妙に再現する。
アメリカ西海岸の70’sバニングを彷彿させるダッジトレーズマン
バンのカスタマイズを語る上で、絶対に外せない“バニング”を現代に復活!
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★PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 3月号掲載