HUMMER H2
彼女たち流のアメ車との付き合い方
#アメ車女子のライフスタイル
高校生の頃、姉のジュンさんが「成人式までにタコマを買って会場に乗りつける!」と断言して実現させたのを見て、「私も免許を取ったらカッコいいアメ車に乗る!」と決意した福岡県在住のカンナちゃんのお眼鏡にかなったのはH2!
若い男は寄り付かないけどオジさんたちからは大人気
154cmの小柄な女の子がリフトアップを施したハマー・H2に乗っているのをインスタで見つけてDMで連絡。「ガールズオーナーとして取材させてほしいのですが…」とメッセージを送るも返事がない。後に聞くと、新種のナンパか変な詐欺ではと思いアメ車関係に詳しい姉に相談していたみたいで、数日経ってから返事が届いた。取材時に経緯を伺うと、姉が「石井の名を雑誌で見つけてくれてホンモノやから大丈夫!」と後押ししてくれたことで安心して取材に対応してくれたとか。確かに怪しいよね。「何かすんません」と本物の石井が遥々福岡へ出張取材に向かったのは1月中頃の話。
第一印象は〝イマドキ〟の女の子といった印象のカンナちゃんだが、ブレイズヘアに凄まじい眼力、そして発する言葉一つ一つに説得力があり、いきなりのDMに不審がるなど思慮深く、良い意味で警戒心をちゃんと持っているところに凄く好感を持てる。H2に乗っている女の子と聞くと、割とチャラチャラしたイメージを抱きがちだが、芯が一本通ったブレない自分を持っているところもカンナちゃんの魅力だ。
H2購入のキッカケは姉のジュンさん、そしてデボネアに乗っていたカーマニアの父の影響が大きいとのことで、自分も大人になったら当然の如くアメ車に乗るものだと確信していた。最初はエスカレードやナビゲーターなんかを検討していたが、父の知人から「H2を手放すけど誰か乗りたい人いない?」と声がかかり、実車を見に行くと一目惚れ! あまりカスタムされていない程度の良い個体だったこともあって、即決でローンを組んだという。ちなみに購入に関しては父を頼らず、「自分で稼いで維持する!」と頑なに父からのサポートを拒む辺りも、潔くて格好良い。H2に乗り出してから若い男の子たちは近寄ってこなくなったと言い、代わりにヤンチャそうなオジさんたちからは大人気というカンナちゃん。H2は軟派な男を寄せ付けない用心棒として最高のパートナーである。
2020年11月にリフトアップを敢行。さらに大きくなって乗り降りが大変になったと言うカンナちゃんのH2。あまりごちゃごちゃイジるのは好きじゃなく、グレーインテリアはほぼオリジナルをストック。エンジンルームも前オーナーが大切に乗っていたことが窺えるグッドコンディション。ベティーちゃんは彼女が愛してやまないキャラクター。
横ノリ系アパレルショップに勤務しているのに、サーフィンやスノーボードをしないカンナちゃん。攻めてスケボーだけは…とデッキデザインの可愛さに即決したマイボード。まだ初めて間もないとのことだけど凄く様になっていて、その存在感やオーラはもはやプロライダーレベル!
完全着地のスラムドミニトラッキン、ダンプベッドとカスタムトラッキンライフを謳歌する姉のジュンさん。3年ほど前に地元から神奈川県へ移り住んでおり、妹のH2とのコラボはいまだ実現せず。機会があればぜひ姉のジュンさんにも本誌に登場してもらいたいものだ。
owner : KANNA
大きなクルマに乗りたい。そんな彼女が選んだのは、可愛らしい雰囲気とは対局のJKラングラー。
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 5月号掲