1950 Mercury 2door Coupe

1950 Mercury 2door Coupe

レッドスレッドならではのスリークなフォルムの王道

元祖スラムドこと“レッドスレッド”としてアレンジされた50年型マーキュリー。王道のアプローチの中にも、独創的で美しいシルエットを盛り込んだ秀作!“レッドスレッド” ならではのスリークなフォルムと、ストックが持つディテールの魅力がバランス良く共存する。

ハイクオリティな作業によって成立した自然な仕上がりの美形

サード(49~51)のマーキュリーといえば、低く流れるようなフォルムが特徴的な「レッドスレッド」カスタムを象徴する存在。新車当時に制作された「ヒロハタ・マーキュリー」は、カスタム史上最も有名な個体として、日本でも知られる存在。しかし、ストックの状態では、一見したルックスは整っているだけに、キャビンのフォルムが縦方向に高いのが気になる。それだけに、ルーフの高さを切り詰める「チョップトップ」は、サードのマーキュリーをカスタムするうえでは必須メニューだ。

1950 Mercury 2door Coupe

一言でチョップトップといっても、複雑な三次曲線で形成されるルーフの形状をバランス良くアレンジするには、緻密な計算、丁重な作業、そして高いセンスが必要。この個体のルーフは、フロント側は5インチだが、リア側を6インチとすることで、テールのデザインがよりスムースで引き締まった印象なのが特徴。Bビラーの傾斜角も絶妙にアレンジすることで、全体的にバランスの取れたスムースなシルエットを構築。テールレンズは質素ながら希少なストックを採用。それによってルーフのデザインが際立ち、シンプルかつ新鮮なルックス。エアサスを導入した車高プロポーションのアレンジによって、チョップトップによるスムースなシルエットの美しさがフォーカスされる。

制作は、レッドスレッドのマーキュリーの専門店的な存在としても知られるボーダーズによるもの。まるでストックのように均整の取れたシルエットの美しさが際立つ。外観だけでなく、「パワートレインや配線なども一貫してアップデート化されているため、信頼性の高さもこの個体の大きな魅力だ。

1950 Mercury 2door Coupe

後方に向けて低くなる独自のフォルムを構築するうえで、チョップトップは前方5インチ、後方6インチ。Bピラーの絶妙な傾斜角も見事。ヘッドライトのフレンチングやパーキングライトやモール類のスムージングなど、お約束のメニューから、各コーナーのラウンド加工といった地味なメニューをこなしつつも、グリルやテールレンズは、状態の良いストックを活用。

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600cfmのエーデルブロック製キャブレターを持つマイルドパフォーマンな350ciエンジン&3速ATのTH350のパワートレインは定番のGM製でアップグレード。エアコンを装備していないだけに、エンジンルームはいかにも往年のアメ車といった感じでシンプルなルックス。

1950 Mercury 2door Coupe

後方に向かうほど傾斜角がつく独特のシルエットにアレンジした美しいボディがとにかく魅力的。レッドスレッドの秀作マーキュリーが集結した会場の中でも、その特有のフォルムによって高い存在感を放っていた!派手さは無くとも、コーナー部のラウンド加工や、ウィンドーのワンピース化などの地味ながら丁重な作業の積み重ねもこの個体の魅力に大きく貢献。

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メーターが5連想でセットされるダッシュパネルは、49年型特有のディテールながら、50年型のこの個体にはスワップされていた。これはオーナーにとってはチャームポイントとなっており、本来のコラムからフロアへとシフターはアレンジ。

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ホワイトウォールタイヤにキャデラック用のハブキャップという王道の組み合わせ。タイヤはBFグッドリッチ 7.10-15と大きいため、ここまで低いプロポーションではタイヤが干渉する限界の状態。足回りはフロントはストックにドロップスピンドルを装着。リヤはストックのリーフスプリング。

Coast Line Rod & Kustom Reunion
Sunday April 18,2021 at Rinku north


Photo & Report ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

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