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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#19「配信版と劇場版の最強タッグ」

アベンジャーズ/エンドゲームで大団円を迎え、スパイダーマン:ファーフロムホームでフェーズ3を締め括ったマーベルシネマティックユニバース( 以下МCU) ですが、それから約2年を経た2021年。いよいよフェーズ4の幕が上がりました。それも「イマドキ」な…配信という手段で。

実は、フェーズ4は昨年の春に「ブラック・ウィドウ」によって幕開けするハズでした。しかし、コロナ禍の影響で公開延期に。個人的にも楽しみにしていたので大変残念に思ったのですが、そんな気分を払拭するくらい面白かったのが、2021年に入ってから立て続けに配信された「ワンダ・ヴィジョン」「ファルコン&ウインターソルジャー」、そして6月から配信が開始された「ロキ」です。

ご存知ない方のために少し説明すると、「ワンダ・ヴィジョン」は、アベンジャーズに中盤から加わるワンダ・マキシモフと、トニー・スタークのサポートAIだったJ.A.R.V.I.S がある過程を経て人工生命体へと進化したヴィジョンのその後の物語。МCUファンからすれば、ヴィジョンはインフィニティウォーで… !?という疑問を抱くのですが、番組は「奥さまは魔女」を彷彿とさせるモノクロなシットコム風味という遥か斜め上から始まります。ただ、なぜにそんな珍妙な設定だったのかは、後々きっちり判明します。

お次は「ファルコン&ウインターソルジャー」。それまで独立した作品のなかったサム・ウィルソン( ファルコン) と〝バッキー〟バーンズ( ウインターソルジャー) をWヒーローに仕立てた物語。最終話において強烈なメッセージが発信される骨太な作りになっています。

そして現在、配信真っ只中なのが「ロキ」。大きな金槌( ムジョルニア) を持った神…でお馴染みのマイティ・ソーの弟であり、悪戯の神であるロキが主人公。第一話にて衝撃的なことが判明するので(それもサラッと笑)後半に向かってどう展開していくのか目が離せません。

単にスピンオフというだけならこれまでも制作されてきましたが、それらは〝本筋に影響なし〟というのが基本スタンスでした。ところが、フェーズ4として配信されたこれら3本のタイトルは今後の展開に影響があるのは明白。約2時間という枠で観客を満足させなくてはいけない劇場版とは違い、数編の中で世界観を構築できる配信は、サブキャラの魅力を掘り下げたり、新章のおぜん立てをするのに打ってつけな手法だと改めて思い知りました。それにつけても配信とは言いながら、本編と遜色ないクォリティの作品群はディズニープラスという強力なプラットフォームあってのこと。これから劇場版が立て続けに公開されますが、それらを十分に楽しむためにも、これら3本のタイトルでココロの暖機運転をしておきましょう。

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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

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