[vc_row][vc_column][vc_custom_heading text=”American Classics Vol.86″][vc_single_image image=”2459″ img_size=”full”][vc_column_text]シボレーの歴代ピックアップトラックの中で、1973年から1987年の長期に渡って生産された世代はそれだけに人気が高い。しかしカスタムベースとしても多用されたことから、フルオリジナルが維持されている個体はもはや極めて貴重である。[/vc_column_text][vc_custom_heading text=”多彩なキャラクターそれがピックアップの魅力
“][vc_column_text]アメリカン・ピックアップは、その歴史を通じて非常に多彩なキャラクターと共にモデルを重ねてきた。その基本はあくまで働き者の頼れる一台というものだった一方で、早い時期から多くの若者が憧れるパーソナルカーとして親しまれてきたことは、既にこのコーナーでも幾度となく語ってきた。そしてここにはある法則があった。すなわちシンプルな基本ボディというべきショートベッドはパーソナルカー、それに対して荷台が長いロングベッドはどちらかというと仕事のためのクルマだったということ。
ここでピックアップのボディ形状の歩みを少しおさらいすると、まず初期のアメリカンピックアップはボックス型の荷台に独立フェンダーを備えたいわゆるステップサイドだったが、1950年代の半ばには荷台のサイドをフラッシュサーフェス化したフリートサイド(シボレーでの呼称)が登場し、次第に市場での中核を占めるようになっていった。一方、キャビンの方はというと、まずピックアップをベースとしていたワゴンのキャリーオールやサバーバンとの間を埋めるためにダブルキャブが登場し、さらに運転席の後方に小さなラゲッジスペースを設けたエクステンデッドキャブも加わった。大荷重モデルなどで荷台にトレーラーカプラや、その他の重装備の装着を可能とした後輪ダブルタイヤのデューリーが加わったのは1970年代後半のことである。
ここに紹介している1985年型シボレーC10シルバラードは、ショートベッドの最上級オプションパッケージ装着車という意味で、この時代のアメリカンピックアップ、それもパーソナルユースを想定したモデルとしてはまさに典型的な一台だったと言って良いだろう。しかしこの個体にはあるユニークな特徴があった。それはこのサイズのアメリカンピックアップとしては少数派だった、ディーゼルエンジンを搭載していたということ。このエンジンについては後述する。[/vc_column_text][vc_custom_heading text=”伝統のメカニズムとエンジンバリエーション”][vc_column_text]シボレーピックアップの基本的な構成は、その車名に付いていたアルファベットで駆動輪を、数字でシャシー荷重を判断することができた。Cは後輪駆動、Kは四輪駆動、10は1/4トン積、20は3/4トン積、そして30は1トン積である。この積載量は随分と少ないと感じる人も多いとは思うが、これは軍用トラックから継承された一種の法則であり、数字はオフロードなどの過酷なシチュエーションを想定しての余裕を持たせたもの。整備された舗装路などでは、概ねこの2倍は許容していたと言われている。
シルバラードというのは冒頭に記した通りオプションパッケージの名称であり、1985年当時の構成では一番下からスタンダードカスタムデラックス、カスタムデラックス、スコッツデール、シャイアン、シルバラードとなっていた。これらはベースモデルの場合は質素極まりなかったピックアップに対して、快適装備とドレスアップパーツをプラスすることを目的に設定されたものだ。セダン、その他のパッセンジャーカーに準じたオプションが用意されるようになったのは1950年代初めだったのに対して、「CST(カスタムスポーツトラック)」という名称と共にオプションパッケージ化されたのは1967年型でのことだった。
ちなみにクロームバンパーやクロームグリルといったドレスアップパーツが設定されていたのはスコッツデール以上で、インテリアもトリム、シート、フロアマットなどがカラーコーディネートされるようになっていた。その上位にあったシャイアンは、スコッツデールの装備にダッシュボードのウッドパネル他が追加されていた最上級のシルバラードはダッシュパネルがメタルテイストとなり、インストルメントパネルのゲージ類が増えるなど、スポーティさが増していた仕様だった。シートがビニール+クロスのコンビネーションとなっていたのもシルバラードの特徴である[/vc_column_text][vc_custom_heading text=”無骨だが魅力的だったクラシカルなスタイル”][vc_column_text]さて、ここからはこの年代のシボレーC10のメカニズムについて解説していこう。シボレーピックアップは1967年から1972年までというもの、軽荷重モデルに限りロングトレーリングアームとコイルスプリングを使った非常にユニークなリアサスペンションを採用していたのだが、1973年以降は全モデルでシンプルなリーフリジッドへと回帰していた。これは乗り心地こそ優れていた前仕様ではあったものの、耐久性やメンテナンス性ではリーフリジッドに一日の長があったことが理由と思われる。
ここに紹介する世代は、1973年型から1987年型まで生産されるという極めて息の長い存在だったが、1985年型におけるホイールベースの仕様はベーシックなショートベッドが117・5インチとなっている。[/vc_column_text][vc_masonry_media_grid element_width=”6″ grid_id=”vc_gid:1479622139669-ceda2a38-c3f5-10″ include=”2445,2447″][vc_custom_heading text=”小山のような無骨なキャビンそこを愛するファンが極めて多い世代でもある”][vc_masonry_media_grid element_width=”6″ grid_id=”vc_gid:1479622237989-3256c849-5aa1-9″ include=”2446,2441″][vc_column_text]エンジンフードにはディーゼルエンジンを表す専用のマスコットエンブレムがセットされる。6・2ℓ(379ci)である。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2443″ img_size=”full”][vc_column_text]ボディサイドにはフューエルフィラーリッドがあったのだが、その部分で干渉するモールがリッドに合わせて分割されていた。
[/vc_column_text][vc_single_image image=”2448″ img_size=”full”][vc_column_text]エンジンフード、キャブ、そしてベッド(荷台)のバランスが極めて良いのがショートベッドの魅力。スタイルにおいてセダンやクーペと比較しても決して劣ることが無い情熱が注ぎ込まれていたのがピックアップだった。このことは全体のシルエットはもちろんのこと、ディテールに目を向けてもしっかり理解することができた。プレスライン、モールのレイアウト、エンブレムの位置、すべて見事にレイアウトされていた。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2439″ img_size=”full”][vc_column_text]フロント、リア、そしてサイド、一見するとシンプルかつ無骨なラインではあったものの、特にサイドのボリュームなどは1970年代のアメリカ車では当然の様に行なわれていた非常にボリューミーなプレス加工によるボディだった。ルーフとボディ下部を別色としたツートーンボディカラーの処理も見事であり、フロントグリルやリアガーニッシュもしっかりとコーディネートされていた。リアバンパーのみ取って付けた感があったのは、この部分だけ働くクルマに求められる仕掛けだったことが理由である。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_custom_heading text=”スポーツトラック的なインテリアディテールそれもシルバラードの特徴”][vc_column_text]この数値は紹介している個体に合致する。そしてロングベッドが131・5インチ、重荷重のC30のクルーキャブは164・5インチというロングホイールベース仕様もあった。この他にはモーターホームやバスボディを架装するためのベアシャシーも用意されており、通常のラインナップとは別の127インチや158・5インチ、178インチといったバリエーションも存在していた。
エンジンは、1973年当初は250ci直列6気筒を標準に350ciのV8をオプションに据えるというスタイルだったが、1980年代に入ると新設計の軽量エンジンである262iのV6が標準となった。オプションは350の他には305、400、454の各V8だったが、454は重荷重モデル用だった。今回の個体に搭載されているのはディーゼルだが、当初はオールズモビル製の350だったが、1982年型からは379ciのデトロイトディーゼル製V8へとモデルチェンジされた。これが今回の仕様である。
デトロイトディーゼルというのは聞き慣れない名称だが、もともとはGMの産業機械部門が独立したものであり、大型トラックや建設機械、農業機械、船舶用などのディーゼルエンジンを手掛けている部門として知る人ぞ知る存在だった。ちなみにアメリカにおいてはディーゼルの需要は大型車がメインであり、ピックアップトラックなどは少数派である。それは軽油の価格が安くはないということも理由であり、ディーゼルを選択する動機は燃費や耐久性に優れているということが理由である。
シボレー・ピックアップは、1988年モデルにおいて滑らかなボディラインを持つ新型へとモデルチェンジされた。しかしその一方で、無骨なスクエアボディを持っていたそれまでのモデルの人気が衰えることは無かった。むしろ一部の層の間ではその人気が高まったと言っても過言ではない。ピックアップのバリエーションの一つだったサバーバンに至っては旧ボディベースのまま、しばらく製造が継続されたことからも市場の反応が予想できた。
多くのアメリカ人がピックアップトラックに抱いている印象はどの世代においても「最初に買ったクルマ」や「最初に好きになったクルマ」というものが非常に多い。若者がデートカーとして選ぶのは、スポーツカーよりもむしろピックアップの方が多かったというのは、まさにアメリカ固有の自動車文化の一部だったと言っていいだろう。その意味で、生産期間が極めて長かったこの世代のシボレーピックアップは、熱いファンも多いということである。最上級グレードであるシルバラード、それもレアなディーゼルを搭載したフルオリジナルのこの一台は、それだけで貴重な存在である。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2458″ img_size=”full”][vc_column_text]ピックアップにとって必需品だったのが荷台を覆うトノカバーである。これをセットすることで、荷台は単なる荷物積載スペースではなく、セダンのトランクルームに近い感覚で使うことができるようになった。アメリカ以外のピックアップには無かった考え方である。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2449″ img_size=”full”][vc_column_text]リアゲートはセンターのワンハンドルで開閉できるタイプ。開くとちょっとしたベンチにもなった。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2450″ img_size=”full”][vc_column_text]キャブの後方ウインドーは固定タイプの他に、オプションで開閉タイプを選択することもできた。
[/vc_column_text][vc_single_image image=”2442″ img_size=”full”][vc_column_text]バンパーには大型のオーバーライダーがセットされていたが、これもオプションである。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2454″ img_size=”full”][vc_column_text]シルバラードのホイールは、ボディとカラーコーディネートされたデザインドスチールだった。[/vc_column_text][vc_masonry_media_grid element_width=”6″ grid_id=”vc_gid:1479622631726-5533b372-7fda-10″ include=”2461,2460″][vc_column_text]フロントにダブルウィッシュボーンコイル、リアにリーフリジッドを採用した。これは機能性とメンテナンス性、そして耐久性を考えた場合、圧倒的に優れていた伝統のサスペンションメカニズムである。色々試したシボレーも最終的にはオーソドックスな機構に帰結した。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2456″ img_size=”full”][vc_column_text]ガンメタリックのスパルタンなダッシュボードカラーが印象的だったシルバラードのインテリア。操作系はシンプルで、ダッシュボード下にインダッシュエアコン吹き出し口が並んでいるのは新しい時代を彷彿とさせる。相応のクオリティ感もあった。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2452″ img_size=”full”][vc_column_text]ドアトリムはプラスチック素材に加えて、シートとコーディネートされたクロス素材も使われていた。これはピックアップトラックとしてはかなり贅沢な処理だった。パワーウインドーは高価なオプションであり、この年代のピックアップではかなりレアな装備である。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2455″ img_size=”full”][vc_column_text]ルームランプは、角度を変えることで点灯パターンも変えることができたタイプ。ルーフトリムはシンプルだ。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2453″ img_size=”full”][vc_column_text]ダッシュパネルの中の大きな二つのゲージは、スピードメーターと時計である。間にあるのは警告灯。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2451″ img_size=”full”][vc_column_text]ATシフターはコラムタイプ。マニュアルトランスミッションの場合はフロアシフトだった。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2457″ img_size=”full”][vc_column_text]形状的にはまったく普通のベンチシートだが、ありがちなビニールレザーオンリーではなく、座面はクロス張り。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2440″ img_size=”full”][vc_column_text]外観上は他のガソリンV8と大差が無かったデトロイトディーゼル製のV8ディーゼルである。燃焼圧力がガソリンに対して遥かに大きかったディーゼルは、基本的に耐久性にも優れていた。メンテナンスフリーで常に優れた中低速トルクを発揮していた。デトロイトディーゼルであることが、一種のブランドイメージ的な存在だったといっても良いだろう。[/vc_column_text][vc_single_image image=”2444″ img_size=”full”][vc_column_text]1985y Chevrolet C-10 Silverado
全長 | 186 3/4 inch
全幅 | 78 3/4 inch
全高 | 74 1/4 inch
ホイールベース | 115 inch
エンジン種類 | V-8 diesel
総排気量 | 379 cu:in
内径×行程 | 3.98 in / 3.80 in
圧縮比 | 21.5 : 1
最高出力 | 130 hp/3600 rpm
最大トルク | 240 lbs-ft/2000 rpm
燃料供給装置 | Indirect injection
トランスミッション3 | -speed automatic
サスペンション・前 | coil spring
サスペンション・後 | multi-leaf spring
ブレーキ・前 | disc
ブレーキ・後 | drum
トレッド・前 | - inch
トレッド・後 | - inch
ホイールサイズ | 15
タイヤサイズ | 235/75R15
ベッド長 | 78 1/4 inch
車両重量 | 3,360 lbs[/vc_column_text][vc_column_text]■取材協力:WOT’S 【http://www.wots.co.jp/】
■Text & Photos|アメ車MAGAZINE[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]