1984 Oldsmobile Customs Cruiser

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

THE VINTAGE

マダムの日常の足として普段使いしていそうな品の良さに惚れる

日本のファミリーカーと言えばミニバン。しかし、本国ではかつてステーションワゴンこそファミリーカーの定番だった。送迎からショッピングなど、日常使いで便利なワゴンの魅力を改めて振り返りながら、いかにビンテージ入門用として優れているかをリポート。

80年代を象徴するモダンなスタイリング!

アメ車のステーションワゴンと言えばカプリスワゴン、ビュイックロードマスターワゴン、エレクトラワゴン、それにワンサイズ小さいマリブワゴンやリーガルワゴンと、90年代中盤までは比較的多くのワゴンが各メーカーからリリースされていた。しかし2000年代に入るとキャデラック・CTSワゴンやダッジ・マグナム、300Cツーリングなどが残るのみとなり、GM系は時代の流れなのかSUVやクロスオーバーがその後継となり、ステーションワゴンは過去の産物の如くラインナップから消えてしまった。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

紹介するオールズモビル・カスタムクルーザーを見てみると、低くて長いフォルム造型美は筆者の様に昭和生まれからしてみると、一世を風靡したマークⅡバンやセドグロワゴンの様で懐かしい。まるでマークⅡバンの兄貴分の様なスタイリングに惚れ惚れしてしまうほどだ。ちなみにこのクルマは、BCDスタッフがカリフォルニアのオーナーから直接買い取った個体。フルオリジナルで丁寧に乗られており、当時物の純正オーディオをストックするインパネの状態やブラウン基調のインテリアもモデルイヤーの割にはグッドコンディションを維持。ベンチシートに4速コラムATはスパルタンに走りを楽しむマッスルカーとは一線を画す“脱力系”で、まったりと郊外を走らせたり波乗りやアウトドアの足として楽しむのに最適なキャラクター。

セカンドシートを倒すと昨今の様なシート部分の凹凸が煩わしい名ばかりのフラットではなく、完全フルフラットの広大なラゲッジスペースとなり、セミダブルサイズの布団を敷いて寝ても有り余りそうな広さを誇る。また、リアゲートは横開きとなるがスライディングパワーウィンドーなので、狭い駐車場で荷物を出す時も難なくこなせる優れもの。ロングのサーフボードをここからチョイ出しして走れば、カリフォルニアやハワイのローカル気分も味わえる。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

もちろんサーファーじゃなくても、ミニバンやSUVとは異なるワゴンならではのマイルド&メローなドライビングフィールは、昨今の自動車では味わえない面白さが満載。パワステ、パワーウィンドーなど、いわゆるフル装備が何不自由なく付いた“次世代ビンテージの大本命”として、ぜひとも有力候補に加えて欲しい一台だ。

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同年代のマリブワゴンやカプリスにも採用される角目ながら、オールズモビル特有の個性的なグリルデザインとボンネットマスコットが実に個性的。センター部分にマークのアクセントをあしらったスクエアなテールレンズやクロームのルーフラック電動で開閉するリアゲートウィンドーも好感度大!

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V8の5.0Lを搭載して4速AT×FR駆動の組み合わせとなる。サスペンションも柔らかくフルサイズボディをユッタリと流す感覚が似合うキャラクターだ。

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90年代より80年代、70年代と古くなればなるほどにアンティークな印象が強まるインテリア。84年型はちょうど70 年代を色濃く残したインテリアデザインであり、シートの形状やドアノブ、メーター周りなども実に味わい深い。ゲートはパワーウィンドーなのにその他が手動巻ってところもユニークだ。むしろクルクル回して開ける窓を楽しんでほしい一台!

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まさにドア感覚で開閉するリアゲート。かつて5ドアワゴンと呼ばれていたことも頷ける。フル乗車でも余裕のラゲッジスペースは、セカンドシートを倒すことでさらに広大なスペースを確保できる。これだけ広ければアウトドアギアもたくさん積めるし、今流行りの車中泊なんかも十分に楽しめる。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

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PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年4月号掲載

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