マスタング史上最強のBOSS 429、859台にのみ搭載された極めて希少なBOSS 9

1969 Ford Mustang Boss 429、1969 フォード マスタング Boss 429

1969 Ford Mustang Boss 429

The Golden Age 60’s-70’s
黄金期のモデルたち

ライバルのクライスラー打倒のために投入されたフォード最強の刺客

打倒クライスラーHEMIを目指して投入された、NASCARホモロゲーションによるマスタング最強のスペシャルパッケージ、“BOSS 9” こと429BOSS搭載車!出荷台数859台の激レアにして最強バージョンなだけに、そのプレミアムは最新のスーパーカー以上?!

日本ではアメ車ファンの枠を超えて高い人気を誇る第一世代マスタング。シェルビーによるレースシーンでの活躍や、劇中車を通して正統派なイメージが刷り込まれ、幅広い層に受け入れられている。とりわけ、シェルビーありきの初代ファストバックや、映画『ブリット』による68年型GTに集中しており、スタイリング、パフォーマンスの両面でも最強といえる69~70年型は、日本ではマイナーな印象。

正常進化によってマイナーチェンジされたスタイリングは、本来の持ち味を保持しながらも、現在でも通用するスタイリッシュなシルエット。マスタングにおけるハイパフォーマンスの称号として後に定着する「Mach1」が初めて投入されヒットとなったり、トランザムレースのホモロゲ仕様であるBOSS302の存在、そして、歴代マスタングにおいて最強の存在である、「BOSS9」ことBOSS429がラインナップされている点でも、最も重要な存在。

NASCARでの活躍でその実力の高さを証明したクライスラー426HEMIに対抗すべく導入されたBOSS429は、ホモロゲ取得条件に則って、市販車として規定数の500機をクリアするのは、レース参戦車であるトリノやサイクロンでは厳しいため、最もメジャーなマスタングに設定することでクリアした。他の仕様にくらべ、ポテンシャルもコストも格段に高かったため、出荷台数は859台という量産車とは言いがたいほど少量。

マスタング史上最強にして激レアな存在として、この個体のように、限りなくオリジナルを保持する個体ともなると、数千万円の値打ちがつく。映画『ジョン・ウィック』では、キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋の愛機として採用され、BOSS9がいかに特別な存在であるかが映画をとしても伺え知れる。

1969 Ford Mustang Boss 429、1969 フォード マスタング Boss 429

この個体は、国内のマスタングファンが、マスタングの最強モデルとして外せない存在として、BOSS9に限定して探し当て、最近海を渡って日本に入ってきたばかり。近年では国内でもマニアックで希少なモデルが輸入されているが、69年型マスタングのBOSS429を搭載するオリジナルの個体の存在は、聞いたこともない。並行輸入が絶頂期だった時期に、429搭載車を見たことがあるが、大幅にカスタムされており、オリジナルだったかどうかは定かでなく、そうした個体を含めても近年では見聞きしたことがなく、エンジン単体での存在を確認した程度。

最強かつ希少なユニットの代名詞とされている426HEMIは、様々なモデルに採用されていたので、入手する上で、モデルと仕様の組み合わせによっては、現実的だが、その点BOSS9の場合は、69年型で859台、2台のみ搭載されたクーガーと70年型を合算しても1400機に満たないほど少数のため、巡り会う機会が少ないうえ、価格の面でもかなり高額で入手するには、熱い想いだけでは成立しない。

この個体は、ロイヤルマルーンの車体色をはじめ、オリジナルの状態を保持するいわゆるサバイバーなのである。新車のように美しくレストアされた個体以上に、いい意味での時間の経過を感じさせつつ、ただならぬオーラを漂わせている。とりわけ大きいエンジンを搭載する上では手作業で対応が必要だったことや、ホモロゲ取得の特別仕様車とあって、試作車やGT40を構築したミシガン州ディアボーンの「Kar Kraft」が製造。そのため、VINコードでは通常のCではなく、Kとなっているのがポイント! NASCARホモロゲーション仕様によるポテンシャルや希少価値の高さはダントツなのは間違いないが、何よりも、タイヤも含めたオリジナルとしての69年型マスタングの格好良さをこの個体は放っている。1969 Ford Mustang Boss 429、1969 フォード マスタング Boss 429

大型のフードスクープと、フェンダー部のデカールだけがBOSS 9ならではのポイント。ホモロゲ取得の特別仕様車として、5色だけでラインナップされた車体色の中でも、最も落ち着いた“ ロイヤルマルーン”。多少の小傷はあるが、オリジナルペイントを保持している。最強仕様にして控えめなルックスで、なんとも言えない大物オーラが漂う。

1969 Ford Mustang Boss 429、1969 フォード マスタング Boss 429

ホモロゲ仕様の中でも特別な存在ということもあり、インテリアはブラックのみでラインナップ。ステアリングは、ホーンボタンを持たず、リム部全体にセンサーを備える、最上級なリムブロータイプ。

リアエンドには、本来オプションの、3.91:1“トラクションロック”が未条件で採用される。マグナムホイールに組み込まれたタイヤは、純正採用のグッドイヤー・ポリグラスGT(F60-15)。当時の最高峰といえバイヤスタイヤなのが時代を物語る。

429BOSSエンジンの最高出力は375馬力

429BOSSエンジンの最高出力は375馬力。テニスボール級の巨大な吸気ポートを持つヘミヘッドは、NASCARでの全開走行を念頭とした設計ゆえに、ストリートでは発揮できない高回転域でこそ、本領を発揮する。トランスミッションは4速マニュアルのみで設定。


超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

マスタング史上もっともスタイリッシュな1969年型

歴代マスタングの中で最もポピュラーなのは、「マッハ1」デビューイヤーとなった69年型


 

Special Thanks ◆ AGENT AUTOMOBILE


 

Photo ◆ Hiroshi Nose
Text ◆ Hideki Ishibashi[
アメ車マガジン 2019年 12月号掲載

人気マッスルカーが登場したアメ車黄金期の1960~70年代

1969 Ford Mustang Boss 429

The Golden Age 60’s-70’s
黄金期のモデルたち

アメリカ車がもっとも輝いていた1960年代~70年代。誰もが知るマスタング、カマロ、チャレンジャーが登場したのも、その頃である。今回は、そんなアメ車黄金期のスポーティモデルたちに注目していくことにしよう。

1969 Chevrolet Camaro

1969 Chevrolet Corvette

「クルマ」は工業製品の中でも生活やカルチャーと密接な関係にあるだけに、各時代ごとに特色やトレンドが反映される。パーソナルな移動手段としての利便性や、コストパフォーマンスだけを追求するのではなく、美しさやドライブする楽しさなど、ホビーとしての視点で判断するなら、マスキー法制定以前の1970年型を頂点とするマッスルカーがなんといっても魅力的だろう。

モータースポーツが一般的なスポーツと変わらないほどポピュラーなアメリカでは、マイカーをモディファイして週末の草レースを楽しむ、というスタイルは、感覚的にはサーフィンやスノーボードなどと同等。50年代にホットロッドが全米でセンセーショナルとなり、事故が多発したことで社会問題にまで発展したが、非営利団体NHRA(ナショナル ホット ロッド アソシエーション)によって、ドラッグレースがモータースポーツとして確立された。60年代には一般的にも広く浸透し、誰もがどんな車種でも参戦できるモータースポーツとして完全に定着。現在であれば、トレンドになっているキャンプやアウトドアレジャーに向いたモデルが人気となるのと同じ感覚で、ドラッグレースを楽しめる仕様のマッスルカーがトレンドだったのだ。

1968 Chevrolet Elcamino

1971 Chevrolet Elcamino

1967 Dodge Dart

最もメジャーで平均的な中型車に、フルサイズ車の大排気量エンジンをモディファイして搭載した、メーカー純正ホットロッドともいえるマッスルカーは、エンジン、ミッション、ファイナルレシオ、サスペンションなどのハードのほか、レーシングストライプや特別な車体色など、ソフトの面も含め、大量のオプションが設定されていたことも人気のポイント。大量のオプションを駆使して、まるでカスタムカーのように、自分好みの1台を仕立てることが可能だった。ユーザーのニーズも多種多様で、人と被らないオリジナリティが求められていただけに、同じモデルが100台並んでも、全く同じ仕様になることがないほど、バラエティに富んでいた。

ポピュラーなモデルでありながらも、数台しか存在しない極めて希少な組み合わせも存在し、世界的に評価が高まった現在では、数千万~億単位の価値がつくケースも。そうしたファクトリーオリジナルとは別に、スタンダードの仕様の個体をベースに、リプロダクションまたは、アップグレードパーツを採用して、クローンや、好みの仕様に仕立てることも可能なのも魅力のポイント。

1979 Pontiac Firebird Trans Am

1969 Dodge Coronet SuperBee

60~70年代のアメ車は、ユーザー自身でメンテナンスできるように、シンプルで整備しやすい設計な上、現在ならではの技術が採用されたアップグレードパーツも豊富にリリースされるなど、アフターマーケットが完全に確立されている。古いアメ車は故障が多く、燃費も悪く、何かとお金がかかる、というイメージは、ひと昔前の日本ならではの話。実際には、設計や性能の面で、当時のままで現在でも問題なく通用するポテンシャルを備え、エンジンパーツなどの部材の面では、コスト的に現在では採用されることのない高品質のものが投入されたことで、耐久性にも優れているのだ。そういった、一見しただけでは判断できない要素を基準にすることで、60~70年代のアメ車は、好みを超えて評価できるため、世界的に人気が定着しているのである。

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アメ車マガジン 2019年 12月号掲載

2台のバイパーで走りを堪能する、ハイパフォーマンスカーブラザーズ!

[vc_row][vc_column][vc_column_text]'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

左)’06 Dodge Viper SRT-10 owner : MITSUAKI(兄)
右)’06 Dodge Viper SRT-10 owner : TOSHIHARU(弟)

アメ車乗りたちの素顔
AMERICAN CAR OWNERS REAL LIFE

Brothers riding on the viper
アメリカではランボルギーニやフェラーリよりもステータスが高いと称される、ダッジブランド最高峰のハイパフォーマンスモデル「バイパー」。それをアグレッシブに乗りこなす兄弟がいると聞いて早速取材へ。聞くところによると、これで同時に所有するのは2台目という生粋のアメリカンハイパフォーマンス信者だった。

Z06のコルベットに乗り出した弟のTOSHIHARUさんの影響で兄のMITSUAKIさんもコルベットに興味津々。そんな最中、弟の先輩が大切にしていた黒いC5コンバーチブルを手放すと聞いて兄に勧めてみたところ、二つ返事で乗ります!と即決。これがキッカケで兄弟のアメ車ライフが始まった。

弟のアメ車熱に刺激を受けて、兄もアメ車信者に!

本誌の人気企画の一つ絆では、兄弟や姉妹、親子など様々な家族構成でアメ車を楽しむオーナーたちを紹介してきたが、探せばまだまだたくさんいるもので、今回は兄弟でV10エンジン搭載のハイパフォーマンスカー〝バイパー〟を所有している二人を紹介しよう。

ちなみに、聞くところによるとこれが初ではなく、以前は兄のMITSUAKIさんがC5コルベットのコンバーチブル、弟のTOSHIHARUさんがC5コルベットのZ06に乗っており、このバイパーで二度目だという。キッカケはどちらも弟からの発信で、大きな買い物に一緒に立ちあう兄がその魅力の虜となって「俺も!」となるパターン(笑)。コルベットで一緒にツーリングやドライブを楽しむことも多かったが、弟から気になるクルマがあると打ち明けられたのが今春。「5月の大型連休を利用して見に行くか!」と兄に後押しされる形で関西から遠路はるばる埼玉県の外車専門店へ。弟の気になるクルマというのが現在の愛車バイパーだった。

実は物心ついたころから「いつかはバイパー!」を目標にしていた弟。中学生の頃にはゲーム『グランツーリスモ』にハマり、そこで登場した青×白のバイパーに一目惚れ。当時はラジコンで所有しており、それで遊んでいた姿を鮮明に覚えていた兄が「いよいよ等身大やな!」と悟った。その証拠に見に行くだけと言っていた弟はちゃっかりハンコをポケットに忍ばせて現地でZ06の下取り相談まで依頼。即決で成約となったのには、さすがの兄も「潔よすぎやろ!」とツッコミを入れた。

しかし弟がバイパーに乗り換えることで、今までのコルベット×コルベットからコルベット×バイパーになってしまう。もちろんそれはそれで有りなのかもしれないが、秘かに兄もバイパーに魅力を感じていたところだった。そこで弟の納車で再び関東へ向かう際に相乗りして、そのままちょっと気になっていたバイパーのコンバーチブルモデルの下見に、納車ほやほやの弟バイパーで神奈川県のコレクションズへ。

事前に連絡していたこともあってお目当てのコンバーチブルをピカピカに磨いて用意してくれていたのだが、兄はそれに見向きもせず奥に潜んでいた赤×黒のバイパーに夢中。お店の方から「これはまだ入庫して1週間で仕上げも済んでないしプライスも決まってないから売れないよ!」と聞いても、「これが良い!と即決!」。兄弟そろって潔く即決するところはさすが同じDNAの持ち主。同店のブログでも希少なバイパー兄弟と紹介されており、その思い切りの良さが紹介されていた。

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

そんな流れで2019年の夏、コルベットブラザーズからバイパーブラザーズへと変化を遂げた二人。考え込まずにインスピレーションを大事にする姿勢は共通ではあるが、通勤や買い物までラフに乗りこなす弟とは裏腹に、兄は雨の日はNGで毎週洗車を怠らない万全の管理体制。どちらも遠方購入のため、通常メンテナンスなどは東大阪のTAKA AUTOに診てもらっているらしいが、コルベットの時代から兄の方がマメに愛車を綺麗にしているとのこと。この辺りはやっぱり兄弟でも性格がまるで異なる様だ。

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

二人のバイパーライフはまだ始まったばかりであり、これからが本番。大人になっても兄弟で共通の趣味があるというのはそれだけで素晴らしいもの。いくつになっても仲良しである秘訣は、戦隊モノのおもちゃや同じゲームで盛り上がった幼少期の頃と変わらず、夢中になれるものが一緒であることなのかもしれない。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

いくつになっても夢中になれる、共通の何かが二人の絆を深める

’06 Dodge Viper SRT-10 owner : MITSUAKI(兄)

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

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当初はコンバーチブルを下見に行ったはずが、偶然入庫したてのこのバイパーに一目惚れ。赤×黒のカラーコントラストに内装の赤レザー張り替え、さらには往年のデザインで現代風に履きこなすゴールドのボトムスと、そのすべてが好みだったとのこと。納車後は雨の日NGで徹底管理している点も特筆物。

’06 Dodge Viper SRT-10 owner : TOSHIHARU(弟)

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

'06 ダッジ バイパー SRT-10、'06 Dodge Viper SRT-10

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グランツーリスモに登場する青×白のバイパーに憧れを抱き、中学時代はそのラジコンで遊んで過ごしていたTOSHIHARUさん。等身大のバイパーを手に入れる際、奥さんには一言も言わずに兄と関東へ現車を視察に入って即決するも、妻は「良いやん!」とアッサリ。実は妻も黄色いPTクルーザー乗りで理解ある人物だったりする。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]THANKS:TAKA AUTO
HP:http://taka-auto.net[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]PHOTO&TEXT:石井秋良[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2019年 12月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

GTOのベースモデルの「ルマン」に、455HOを搭載する激レアなGTスポーツ!

[vc_row][vc_column][vc_column_text]1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

1972 Pontiac Lemans GT Sport

ジーエム祭
百花繚乱

わずかなアレンジながら一気にアクの強いルックスに変貌を遂げた72年型ルマンの中でも、GTOと肩を並べる455HOを搭載する激レアなGTスポーツ!年式ならではのスポイルされたポテンシャル&ミッションをアップグレードで克服した理想的な個体。

マイナーな存在だけに希少な72年型ルマン

GTOのベースモデルでありながら、日本では影の薄いポンティアック・ルマン。パフォーマンスありきのマッスル系のモデルの場合、マスキー法の影響により71年型以降は、軒並みエンジンパワーがスポイルされてしまい、本来の魅力が薄れている。それと同時に、スタイリング的にもどのブランドも、70年型が絶頂期となっており、71年でのアレンジには、インパクトこそあれど、賛否の割れるアクの強いスタイリングが目立つ。

ルマンにおいても同様で、基本的に70年型と同等のアプローチによって、わずかなアレンジを受けていた結果が、やけにインパクトのあるルックスへと変貌を遂げている。まさに賛否の割れるデザインとなり、セールス面では極端に低迷。それだけに、現在においての現存数も極めて少ないため、アメリカでも、お目にかかる機会は稀だ。

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

筆者もそんなアクの強い71~72のGTO/ルマンを求めて、相当な時間を費やして探した事があるが、たまに出てきても、極端に高額か、激安のジャンクといった二極化なうえ、売り物だけでなく、個体数が極端に少ないのだ。ちなみに、68~70年型であれば、ある程度の希望で選べるほど個体数がある。そんな状況の中で、こんなグッドコンディションのルマンのGTスポーツに巡り会えたオーナーは相当ラッキーといえる。

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

そもそもルマンを探していた訳ではないが、これがどれだけ貴重な巡り合わせかを理解し、入手に踏み切ったという。クロームのバンパーが映える、渋いグリーンメタリックの車体色に、GTスポーツならではのストライプが入る。5年ほど前にアメリカにて、フレームオフ・レストアが行なわれおり、クリーンな状態をキープしていたが、外装は入手後に日本にて磨き上げた。

エンジンモディファイによりマッスルな仕様に!

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

この個体は、オリジナルで455HOエンジンにマンシーの4速マニュアルトランスを設定した出荷台数が900台程度とされる希少な仕様。とはいえ、黄金期に比べると、ポテンシャルは劣る。

そこで、この個体は、レストア時に、エンジンをモディファイ。圧縮比を10.5:1とし、ヘッドは400ci用をブループリントして組み合わせ、カムシャフトの変更に合わせてローラーロッカー化。インテークマニホールドハイライずな高回転型のエーデルブロック製。キャブレターは、ホーリー製780cfmのダブルポンプをセット。それ準じて点火系はディストリビューター、モジュール、コイルをMSD製でアップグレード。アメリカでのエンジンチェックにおいて420hp@4200回転というなかなかの仕様。

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

12ボルトのリアエンドには4.10ギヤが組み込まれ、アメリカのドラッグストリップでは、1/4マイル12.8秒と好タイムをマーク。実際にドライブしてみても、それらの情報が確かである事が体感できる、まさにマッスルなポテンシャル!1速でアクセルを半分程度踏み込んだ時点で、リアタイヤはグリップを失い、そのまま2速にシフトし、アクセルを半分踏み込むと、車速が上がりながらも、テールを振るスリリングなパフォーマンスが味わえた。

グリップ力が十分あるタイヤを装着しているが、マニュアルミッションとローギヤによって、どの領域でもホイールスピンするマッスルな仕様。ロングストロークでシャープさに欠ける印象のポンティアックモーターとは思えないほど軽快かつストロングなパフォーマンスが得られ、抜群に魅力的![/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

同年のGTOもかなりインパクトのあるマスクだが、それにも増してルマンは濃厚かつ威圧的なデザインとなっている。バンパーはスチールで製造するには複雑なデザイン。4等式ヘッドライトなど、姉妹車のシェベルにも通じる要素はあるが、一見する印象は別物で、代わりのきかない高いオリジナリティを誇っている。

1972 Pontiac Lemans GT Sport、1972 ポンティアック ルマン GT スポーツ

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車体色のグリーンで統一されたインテリア。当時のトレンドが反映された、モデルのイメージにマッチする仕様。基本的にストックをキープしつつ、追加メーターやオーディオをアレンジ。シフターは純正採用のHurst 製ながら、TKO600のミッションに換装しているため、シフトハンドルは5速用に変更。

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455HOエンジンは、レストを兼ねて、絶頂期の仕様の流れを汲んだ王道的なモディファイを施して、420hpを発生する。トランスミッションは、オリジナルの4速から、オーバードライブ5速(TKO600) にアップグレード。オリジナルを尊重しつつ、ポテンシャルを高め、高速巡航にも優れる理想的な状態。

アメリカンレーシング5スポークは17インチ

GM最大級の12ボルトリアエンドには、4.10のギヤを組み込んでいる。加速重視にして、OD5速マニュアルでアップデートしたフレンドリーな仕様。定番のアメリカンレーシング5スポークは17インチ。装着タイヤはNitto NT Extreme(F:245/45R17、R:275/50R17)[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Photo ◆Hiroshi Nose
Text ◆Hideki Ishibashi[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2019年 11月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

ボディに色が入ったよ~ メチャクチャ派手で格好良いじゃん!【デュランゴの挑戦 Vol.80】

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DURANGO CHALLENGE【デュランゴの挑戦】
世界で一台のマッスルSUV への道Vol.80

驚くほどあったボディのサビを落とし、徹底的な下地処理を行なって、遂に塗装ブースに入りました!今までオールペンって簡単に言ってたけれど、本当に大変な作業を重ねて完成していくんだね~。ともあれ、オレンジデュランゴ披露です!

悩んで作った色が、こんなにも美しいとは

前回を振り返ると、ボディにあった大量のサビは、鉄板も朽ちている部分は切り取り、新たな鉄板を継ぎ足す「切り貼り」をし、中程度の部分はサビを削り取り、防錆剤を塗り込むなどの防錆対策を実施。加えてボディの傷や凹みも補修して、ボディをサンディングする下地処理を行なったのだ。華やかに変わるオールペンの裏には、地道な作業があってこそ綺麗に仕上がるってことが分かったね。台風の影響でガレージジョーカー周辺も停電があり、スタッフの島田さんの自宅は数日間停電だったとか。大変な状況のなか、ホントお疲れさまでした。

とはいえ、作業はこれからが本番なのであります。今回の作業の流れとしては、サンディングの続きの下地処理として、仕上げにサフェーサー処理を行なってから、ボディ全体をマスキング。リアクォーターガラスを取り外す必要はないけれど、以前ガラス周辺から雨漏りが発生していたので、雨漏り処理も兼ねて取り外すことに。そして、いよいよ塗装に入るという流れ。ペイントカラーがオレンジなので、下地としてホワイトでまず塗装。その後オレンジを吹き付け、最後にクリアを吹き付ける「スリーコート・ペイント」。

そして遂に現れたオレンジデュランゴ。なかなか良いでしょ? 微妙なパールもいい感じ。実車はもう少し赤っぽいかな。塗装前には、ドアノブは黒にする予定でいたけど、、実際オレンジになった姿を見てみると、このままでもありだね。あとは、ミラー、オーバーフェンダーをオレンジにするか黒にするか。オーバーフェンダーはオレンジかな~。この辺の各パーツの色を決めて、取り付ければとりあえずは完成。でもそれは、また次回。ホイールのペイントもお願いしたいな~。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

長いサビとの格闘&下地処理も終わり。遂に塗装ブースへ!

迷走したカラーは本当に大丈夫?

塗装前の最後の下地処理を行なっていく。パテ処理や切り貼りを行なった部分にサフェーサーを吹き付けていく。順調な作業に、素人が参戦するイレギュラーもありつつ、サフェ作業も終了。メッキバンパー、バンパーエアロもサンディング。この後ボディ全体をマスキングしていき、塗装の準備が完成した。

またしても悪魔の囁き。お前もやってみろよ

突然始まる、悪魔の囁きはホントに勘弁して欲しいです…。前回も言われたから、一応ツナギを着ていたものの、まさかサフェーサーとは。スタッフの島田さんも「こ、ここですか?」と大慌て。僕がやった場所のリカバリーに時間も掛かるし大変ですよね~。

リアクォーターガラスから以前雨漏りしていたので、塗装前に取り外すことに。綺麗に古いシリコンを落とし、改めて外周にシリコンを注入。「俺が生きている間に、ここから雨漏りは絶対にしねえぜ」とのこと。

遂にこのときがやってきた! 二転三転と迷走したカラー決めに始まり、思いがけない大量のボディのサビ処理など、地道な作業を終え塗装ブースに入ります!もうここまで来たら、後戻りはできないぜ~。どんな姿になるか、楽しみであり不安でもある。予想以上のカッコ良さに生まれ変わることに期待!

塗装ブースに入ったデュランゴを見ると、何か手術室に入る人を見送る感覚(笑)オレンジに塗装するには、まず下地をホワイトで塗装し一時的にホワイトデュランゴに。乾ききる前にすぐさまオレンジ(パール入)に塗装し、クリアを吹き付ける3コート・ペイントとなるのだ。

塗装後に剥がしたマスキングを持つと結構重い。3コートで使った塗料は約20ℓなので、約20kgボディに追加されたことになる。オールペンって車重が増えるんだ。

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実は塗装の前に最後まで迷ったのがパールの分量。パールを大きく主張するか、微妙に見えるスタイルにするか。結果あいだを取り、10%から13%へ増量。

オレンジのボディが、想像以上にいい感じに仕上がったことで、気になるのがホイールのペイント剥がれ。これも追加でお願いしようかな~。

どうですか皆さん、すごくない? こんなに変わるんだね~。超びっくり。超格好良い! 超目立つ! 写真ではパールが見にくいかもしれないけど、実車はパールがいい感じにアクセントになってます。現状オーバーフェンダーが装着されてないけど、無しもあり? 細かい部分の色決めはゆっくり悩みます。いや~格好良いいな~。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]マッスルテイスト溢れる形状のダクト付きボンネット! 【デュランゴの挑戦 Vol.71】

アクセルを踏まなくても加速?アイドリングが不調です。【デュランゴの挑戦 Vol.72】

バックカメラで快適性アップ プロの丁寧な作業に感動!【デュランゴの挑戦 Vol.73】

ダクト付きボンネット装着でオールペン計画が発動!【デュランゴの挑戦 Vol.74】

オールペンの前にやるべきこと、車検+点検整備がありました【デュランゴの挑戦 Vol.75】

最強のガラスコーティングでフロントガラスを防御!【デュランゴの挑戦 Vol.76】

マル秘アイテムも追加で今度こそオールペン作業がスタート!【デュランゴの挑戦 Vol.77】

せっかく色が決まったのに、肝心のクルマのボディが激ヤバです【デュランゴの挑戦 Vol.78】

次から次へと現れるボディのサビ、ペイントの前に完全消滅せよ!【デュランゴの挑戦 Vol.79】[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

1999y DODGE DURANGO
デュランゴの軌跡

埼玉県所沢市にある解体屋「T&Kインターナショナル」に持ち込まれたデュランゴを、当時所有していたアメマガ号アストロと強引に交換トレード。エンジンこそ調子が良かったデュランゴだが、外装にキズも多く、内装もパーツが外されていたりと、一般に売られている車両と比べると程度は中の下。引き取り手がいなければ、今頃はスクラップになってたかも…。そんな状態だったデュランゴを日本一のスタイルにすべく、復活&カスタムをしていくのである。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Special Thanks
GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
住所:千葉県銚子市野尻町51
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GARAGE JOKER、ガレージジョーカー[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]■写真&文:相馬一丈[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2020年 1月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

芝生でBBQに舌鼓を打ちながら好きな者同士ゆる~くデイキャンプを楽しもう!

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カスタムトラッキン・リバーサイドデイキャンプ&BBQ
20th OCTOBER 2019 和歌山県神野々キャンプ場

トラッキンオーナーたちによる大胆で自由なDAY CAMP!

和歌山県橋本市の神野々キャンプ場にて第一回カスタムトラッキン・リバーサイドデイキャンプ&BBQが開催された。発起人であり幹事のKiyo氏は、かつて迷彩のK5ブレイザーや完全着地のスラムドC-1500&S‐10を夫婦で乗る絆企画でも登場してくれたアメ車マガジンでもお馴染みのオーナー。その秘密基地をシェアするアメリカンガレージ企画で登場した田宮氏のサポートもあって、地元和歌山や奈良に住むアメ車乗りたちを中心に関西圏のトラッキンフリークが集結した。

スタイル的には実にフリーダムなミーティングで「芝生をステージに各自好きに楽しんで♪」といったスタンス。音響は田宮氏がJBLのイベント用の本格的なスピーカーを用意。音源は本人の好みで80年代が中心となったが、集まるクルマの雰囲気にマッチしており、メローで心地よい時間を演出。集うクルマも実に個性が強く、ラットなスタイルからワークホースまで実に多種多様。普通のカーショーとは異なる刺激に満ちた参加車両を眺めながらのBBQは至福の時となったのは言うまでもない。

第二回開催は未定ではあるが、ほのぼのしたキャンプ場は家族連れにも優しく、家族サービスを兼ねてディープなトラッキンカスタムを楽しむにはこの上ない機会。家族同伴でも楽しめるカスタムトラッキン・リバーサイドデイキャンプ&BBQ。興味のある方は、ぜひ次回開催時に参加してみてはいかがだろう。

ピンストライパーSHOさんもブースを構えて参加しており、即席で携帯ケースなどにピンストライプを格安で奉仕。ラムネの一気飲み対決は瓶の中のビー玉に苦戦する参加者が続出(笑)[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

ベーシックなトラッキンカスタムからラットスタイル、トラディッショナルスタイル、ワークホースにスラムド、ローライダーまで実に様々なスタイルが集結。車種やジャンルが微妙に違っても不思議と違和感なく場に馴染むところも、フリーダムスタイルならではの魅力。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]PHOTO&TEXT★石井秋良[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2020年 1月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

マッスルカーのアイコン的存在として、君臨するポンティアックの最強モデル『GTO』

[vc_row][vc_column][vc_column_text]1971 Pontiac GTO、1971 ポンティアック GTO

1971 Pontiac GTO

INITIAL P PONTIAC & PLYMOUTH

フェラーリの250GTOから着想したネーミングは、イタリア語におけるGran Turismo Omologato/GTクラスのホモロゲモデルを意味し、ポンティアックのハイパフォーマンスモデルを象徴する。中でも71年型は、独立したモデルとしてしては最終型で、激レアな存在。

パワーは低下したもののアクの強い顔にファンの多い71年型

ポンティアックの主力インターミディである、ル・マンのハイパフォーマンス仕様のオプションパッケージとして64年にデビューしたGTO。ボンネビルなどのフルサイズ車の大排気量エンジン、389ciを搭載し、4バレルまたは、2×3による6バレル・キャブレター、デュアルエキゾースト、ハースト社製シフターなどで武装する、メーカー純正のホットロッドともいえる内容だった。翌65年から67年では、縦2連による4灯式ヘッドライトのデザインが特徴的で、特定の世代にとっては、これこそが「GTO」とイメージする人も少なくない。

それに対して、一気にグラマラスなファストバックのボディに変更され、ヘッドライトはコンシールド式を採用した第二世代こそが、ポンティアックのブランドイメージにもマッチして、高い支持を得ている。パフォーマンスの面でも頂点を極めているうえに、映画『Two-Lane Blacktop』に登場する70年型GTOジャッジを通して、魅力が最大限に発揮されている。

セールス面でも歴代トップとなっているが、71年型では、排気ガス規制のあおりで、パフォーマンスが低下し、フェイスは、グリル全体が突き出たアクの強いデザインとなり、完全に賛否が割れる。

しかし、その個性的なルックスこそが71年型の魅力であり、この個体のオーナーも、71年型に限定して探し当てた。ちなみに、永年日常使用した70年型プリマス・クーダからの乗り換えで、まずはアメリカでの売り物を日夜探しまくったが、物件そのものが極端に少なく一度は諦めたほど。その後、この個体が、国内で売りに出ていたため、購入を即決した。

1971 Pontiac GTO、1971 ポンティアック GTO

この時代のポンティアック車の特徴であるウレタン樹脂によるエンデューラバンパーを全面に押し出したマスクがインパクト大!よく似たル・マンとはボディこそ共通でも、フロントエンドは全て別物。この個体はオリジナルのGTOにJudgeのステッカーを貼っているトリビュート。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

400ciの搭載エンジンは71年より圧縮比が8.2:1まで落とされるため、暴力的とは言えないが、300hpを発揮する。連結するAT ミッションは強化タイプのTH400。スペックからして、パフォーマンスは比較的マイルドだが、高速での高回転域では思いのほかパンチのある走りだ!

1971 Pontiac GTO、1971 ポンティアック GTO

純正デザインのハイカムホイールは、イヤーワン社の17インチ版にアレンジ。装着タイヤはF:POTENZA RE050A(255/45R17)、R:NITTO NT450(279/50R17)。ホイールの変更に合わせて、スプリングをアレンジしてロワード。

1971 Pontiac GTO、1971 ポンティアック GTO

シボレーよりも高級感があるGT感の強いデザインが特徴。プリズムデカールの採用はポンティアック・スポーツに共通する。フォーミュラステアリングはリプロ品を装着。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2020年 1月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

圧倒的なポテンシャルを誇るバラクーダ「クーダ」

[vc_row][vc_column][vc_column_text]1970 Plymouth Hemi ‘Cuda、1970 プリマス バラクーダ クーダ

1970 Plymouth Hemi ‘Cuda

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ロー&ワイドな最高のプロポーションに、426HEMIを搭載したザ・マッスルカー

究極のV8エンジンである426HEMIを搭載する70年型バラクーダは、モパーとしてだけでなく、マッスルカー全体の中でも頂点を極める存在。パフォーマンスはもちろんのこと、ロー&ワイドに特化したスタイリッシュなボディプロポーションも素晴らしい。

コンパクトなAボディのバリアントをファストバック・スタイルにアレンジし、スポーティなモデルとしてラインナップした「バラクーダ」。マスタング同様のポニーカーに分類されるが、64年にいち早く投入しながらも、セールスの面ではあまり伸びなかったこともあり、国内では特に影が薄い存在なのがバラクーダだ。マイナーチェンジを受けた第二世代では、スタイリングが洗練されたうえ、コンパクトにして最強の426HEMIを搭載したドラッグレース専用のスーパーストック仕様が投入され、NHRAの同カテゴリーにおいては、現在においても最速を誇る。まさに、マッスルカーとしては頂点ながら、そうした情報は、国内ではほとんど伝わっていないため、過小評価されている。

そして、第三世代となる70年型は、ダッジ・チャレンジャーの姉妹車として、同じEボディを共有して一新された。ロー&ワイドを突き詰めたクーペボディは、TRANS|AMレースでの勝利を踏まえての設計だったが、期待した結果は得られなかった。それでも、ドラッグレースでは、426HEMIを武器に常にトップクラスに君臨し、その実力を証明した。

1970 Plymouth Hemi ‘Cuda、1970 プリマス バラクーダ クーダ

1970 Plymouth Hemi ‘Cuda、1970 プリマス バラクーダ クーダ

しかしながら、426HEMIは高額なため一般的とは言えず、かといってエコノミーな仕様でバラクーダを求める人はほとんどおらず、マスタングなどとは全く逆で、セールス面では完全に負け組となってしまった…。それだけに、数十年が経ち、マッスルカー人気で注目されだした時には、希少なコレクタブルカーを象徴する存在として、高く評価されるようになった。ロー&ワイドなルックスとHEMIによる圧倒的なポテンシャルは、他のモデルにはない究極のオリジナリティだ。ハイパフォーマンス仕様のバラクーダのみを「クダ」と呼ぶ。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]1970 Plymouth Hemi ‘Cuda、1970 プリマス バラクーダ クーダ

極度にロー&ワイドを突き詰めたスタイリング。ラウンドシェイプのルーフなど、箱型クーペ史上最も美しい。チャレンジャーとはボディ形状が異なるため、ドアハンドルなど同じデザインに見えるパーツであっても、実際は別物。キャッチーな車体色も、この時代のMoparを象徴する要素だ。

この時代は市販車両に設定されるHEMIはストリート仕様。4bblキャブレター2機による8bblをセットして、425hpを発生する。数値的もトップクラスだが、何よりも、どの回転域でも痩せることのないソリッドなトルクが予想以上に素早いレスポンスで発揮されるため、恐怖が味わえる真のマッスル!

1970 Plymouth Hemi ‘Cuda、1970 プリマス バラクーダ クーダ

ウッド調クラスターによる4連装ゲージは、オプションのラリータイプ。センターコンソールもオプションによる装備。ウッド調のステアリングはスタンダードなオリジナル。総合的に美しくストック状態をキープする。

ラリーホイールは、Moparのマッスル用では唯一の15インチのため、定番中の定番あ。装着タイヤは、なんと、当時純正採用されたグッドイヤー、ポリグラスGT!バイアスゆえに乗り味は残念だが、ルックスは最も似合う。リアエンドはハイパフォーマンス車ではお約束の8.75サイズ。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Special Thanks ◆ S and S
tel:0766-29-0050
HP:http://www.sandsjp.com/[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Photo ◆ Hiroshi Nose
Text ◆ Hideki Ishibashi[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2020年 1月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

ポンティアックとプリマス、キャラの濃い「P」にズームイン!

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INITIAL P
PONTIAC & PLYMOUTH

他の国のブランドを比べると、全体的にアイデンティティがはっきりしていてキャラクターの濃いアメリカ車。そんな中でも、特にGMのポンティアックと、クライスラーのプリマスはキャラが濃い。今回はそんなアメ車らしい2つのブランドからかつて販売されていた名車たちにズームインすることにしよう。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]pontiac

ポンティアックは国内ではファイヤーバードに人気が集中しており、一般的にはシボレー・カマロの姉妹車であるだけに、メジャーなシボレーの陰に隠れてマイナーな存在。しかし、革新的な技術やアプローチを独自に採用する点では、GM内で最も先進的なブランド。ブランドとしてのアイデンティティが、各モデルのデザインにも一貫して反映されている辺りには、ブランドとしてのプライドも感じる。それだけに、GM内のブランドでは、最もファンからの支持が高いが、GMの深刻な経営不振を受けて2010年をもって廃止された。

plymouth

そもそもマイナーなMoparにおいて、プリマスはダッジと姉妹車関係にありながらも、最も影の薄い存在。出荷台数においてもワースト級なので、日本への正規輸入はほぼ無し。しかし、ビンテージマッスルにおいては、激レアなコレクタブルカーを象徴するモデルが多く、メジャーどころでは、ワーナー・ブラザースのキャラクターをモデル名にしたロードランナーがお馴染み。PTクルーザーやプロウラーなど、1930年代をトリビュートした斬新なアプローチで話題を呼んだが、89年のイーグルに続いて01年に廃止となっている。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]

熱量の多いファンが多い「イニシャルP」の2ブランド

自動車が誕生してから、世界中で様々なブランドが誕生~消滅しているが、世界的に見ても、自動車大国のアメリカは最も多くのブランドが存在する。しかし日本には、一部のブランドしか輸入されておらず、正規輸入においては、姉妹車として複数のブランドからラインナップされているモデルなどに関しては、モデル名、ブランド名を、日本独自の組み合わせでリリースするケースも珍しくない。そのためアメリカでの本来のラインナップとは異なる。メディアからの発信情報に頼っていたインターネット普及以前は、その情報にかなり偏りがあったため、アメ車を正しく評価することすらできなかったのである。

しかし、近年では、個人的に欲しい情報に辿り着けるし、アメリカの熱心なファンとも、直接交友が取れるため、アメ車本来の魅力を正確かつ公平に判断できる。したがって、これまでは目にすることの少なかったモデルを個人輸入する人や、ブランドに対するアドバンテージを明確にする熱心なファンも増えている。近年は、世界規模でメーカーの合併が行なわれたり、メーカーを跨いで姉妹車がラインナップされるため、ブランドのアイデンティティが極めて低い。それだけに、旧車においては、1台のモデルの魅力を探求する中で、ブランドのアイデンティティが明確になり、ブランドそのものの魅力に取り憑かれることにもなる。そのため、アメリカでは、各ブランドごとに専門誌が発行されたり、クラブが存在するだけでなく、イベントなども行なわれているのだ。

GM、フォード、クライスラーの3大メーカーで大きく分けるケースが一般的だが、数あるブランド毎で細分化すると、ポンティアックとプリマスの2ブランドには、明確にアドバンテージを見出す熱心なファンが特に多い。

いずれも頭文字が「P」なのは偶然にしても、メーカー内での立ち位置やアプローチ、そして、最終的に消滅してしまった点でも共通している。ポンティアックは、GM内でシボレーと姉妹車関係にあり、プリムマは、クライスラー内でダッジと姉妹車関係を持つ。シボレーも、ダッジも、メーカー内では主力ブランドであり、対してポンティアックとプリマスは、実売台数にしろ、販売店の数でも下回り、脇を固める存在といった印象。

しかし、だからこそ、特定のファンをターゲットとしたアプローチのモデルや、革新的な手法を採用することが多く、それがブランドとしての個性や魅力に繋がっているのだ。インターミディにビッグブロックを搭載して、マッスルカーの礎を確立したり、安価で誰もが入手できるミッドシップスポーツであるフィエロをリリースしたポンティアックにしろ、ドラッグレースにおける頂点であるファニーカーのスポンサーをいち早く始めたり、メーカー純正ストリートロッドであるプロウラーをリリースしたプリマスにしろ、いずれも強烈な個性を放つ唯一無二の存在といえる。

そうしたキャラクターが共通していることもあり、プリマスからポンティアックに乗り継いだり、その逆もまた然り、両方のブランドのファンというケースも珍しくないのだ。今回はそんなキャラの濃いポンティアックとプリマスの名車たちにズームインする。

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幼なじみがそろって選んだ、フォード元ディーラーというパートナー

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’11 Ford Explorer
’13 Ford Mustang

アメ車乗りたちの素顔
AMERICAN CAR OWNERS REAL LIFE

「輸入車ディーラーには何となく入りにくい」。そんな先入観を持っていたことが間違いだと分かる好例の体験談。どんなユーザーに対しても「クルマが欲しい」に全力で応えてくれる、フォードの元ディーラーがある。

行ってみたら心が動く、近くにあった元ディーラー

エクスプローラーに乗る中野さんと、マスタングに乗る枡田さん。ふたりの関係は、小中高の12年を共に過ごした幼なじみ。そんなふたりがアメ車オーナーとなったきっかけは中野さんの憧れからだった。中野さんはエクスプローラーが好きで、いつか購入したいと考えていた。そんな21歳当時、しかし若さから「ガイシャの店ではまともに相手をしてもらえないかも…」という先入観を持っていた。

だが、そのうち憧れが抑えられなくなって、とりあえず店へ行くだけ行ってみようと決心する。その時付き添ってくれたのが、枡田さんともうひとりの友人(国産車派)だった。三重県在住の3人は、隣県にある有名なショップ2軒へと遠征する。どちらも在庫台数の多さをアピールする有名店だ。

しかし不運なことに、訪れた2軒とも目当てのエクスプローラーの在庫がなかった。思い切って行動に出たのに見ることすらできず気落ちする中野さんだが、せっかく友人に付き合ってもらったのだからと、帰りしなフォード四日市を訪問する。もともと地元にある店。存在は知っていたが、ディーラーだからと敬遠していたショップである。かくして訪問してみると、フォード四日市のスタッフはさわやかで相談しやすかったと中野さんは振り返る。「若いとまともに相手してもらえないかも…」という先入観が、まったくの誤解だったと理解した瞬間だ。

そうしてエクスプローラー購入まで突っ走る中野さんだが、間近で見ていた枡田さんにも影響が及んだ。

枡田さんはハチロクに乗っていたスポーツカー派。店で見かけたマスタングに惚れはしたものの、アメ車への漠然とした不安もあった。幸いにして友人がエクスプローラーを購入しているのだから、しばらく様子を見ることにした。

こうして中野さんがエクスプローラー乗りになった約1年後、枡田さんは同じ店・同じスタッフからマスタングを購入した。店の対応やサポート体制、クルマの信頼性といった情報をつぶさに観察し、その上での決断だ。「いろいろと話してくれて親しみやすい」とふたりは口をそろえる。元ディーラーという最高のパートナーを見つけて、若きアメ車乗りのカーライフが花開いた。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]’11 Ford Explorer owner : Nakano

'11 Ford Explorer、'11 フォード エクスプローラー

'11 Ford Explorer、'11 フォード エクスプローラー

'11 Ford Explorer、'11 フォード エクスプローラー

20インチホイールをインストールし、グリルのブラックペイントなどはDIYで施した。趣味のキャンプにもエクスプローラーは活躍している。エクスプローラーに乗るようになってからSUV好きの集まりに参加し、地元が近い悠里絵さんと知り合った。そうして親しくなって今年結婚したばかり。悠里絵さんは愛車エクストレイルと比較して「エクスプローラーは運転して気持ちよい」とコメント。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]’13 Ford Mustang owner : Masuda

'13 Ford Mustang、'13 フォード マスタング

'13 Ford Mustang、'13 フォード マスタング

HACH2006

'13 Ford Mustang、'13 フォード マスタング

'13 Ford Mustang、'13 フォード マスタング

購入時点でマフラー、ダウンサスなどがカスタム済み。その後フロントリップスポイラーを装着し、いずれはホイールも交換したいと検討中。ハチロクからの乗り換えだけに「マスタングV8 GTクーペプレミアムのパワーがたまらない」と評価する。乗り換えて以降はマスタングオーナーのライングループに参加し、積極的に交流を広めている。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Thanks:フォード四日市
TEL:059-346-5322
HP:http://www.f-l-c.jp[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row][vc_column][vc_column_text]Photo & Text:加藤山往[/vc_column_text][vc_separator][vc_column_text]アメ車マガジン 2019年 12月号掲載[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]