RAM史上最強というよりも、もっとも凶暴なピックアップ『RAM TRX』

RAM 1500 TRX

RAM 1500 TRX

THE NEW MODEL SHOWROOM

本気で猛禽類を捕食する悪魔の血筋を受け継ぐ雄羊

RAM史上最強というよりも、もっとも凶暴なピックアップ。そんな呼び名が相応しいRAM TRXが、遂に日本に上陸した!マッスルカーを中心に、様々なアメ車を取り扱うトップスピードが、撮影だけでなく公道走行にも協力してくれたので、インプレッションもお届けしよう!

大排気量化するだけでなく各部を徹底的にチューン

昨今の世界情勢の関係で日本に到着するのが遅れ、その関係で掲載も1カ月伸びてしまった。一応頭の中で「ヘルキャットと同じエンジンを搭載したRAM」と理解した上でトップスピードに向かったが、そこに居たTRXは、明らかにベースモデルとは異質な雰囲気を醸し出していた。

まずは外観から見てみるが、真っ先に目に飛び込んでくるのは、ボンネット上に設けられた大きなエアスクープ。後述するが決してダミーではなく、本気のラムエアースクープになっている。トラックマーカーというとキャビンの上というのが定番であるが、あえてここに配することでスマートさを演出。

ベースモデルとは異なる専用グリルも非常にアグレッシブで、どことなくチャージャーに似た意匠を採用している。また前後のフェンダーそのものがワイド化され、その上にさらにオーバーフェンダーも追加。ボディをワイド化する目的はスタイルの重視ではなく、トレッドを拡大し安定性の確保。

RAM 1500 TRX

また、フロントサスのアームを長くすることができるので、その結果フロントは13インチ、リアは14インチものホイールトラベルを確保!わかりやすく言うと、フロントタイヤは約33cmも上下にストロークするので、まさにどんなところでも走れてしまう。

タイヤサイズはノーマルでありながら325/65R18。一般的な35インチタイヤよりもわずかにワイドなサイズとなっており、ノーマルでありながらオフロードでタイヤの空気圧を下げてもリム落ちしないビードロックホイールも採用。

個人的にソソられたのは、丸みを帯びたデザインでありながら前後のバンパーは金属製となっており、ダッジから「問題ないからオフロードをガンガン走ってみろよ!」と言うメッセージが込められている様に思えた。

RAM 1500 TRX

さてスタートボタンを押し込むと、確かに聞き覚えのあるサウンドが響きだす。そこからタイヤが転がり出すと、スーパーチャージャーの甲高い音も重なり、これを聞いて気持ちが昂らない人はいないハズ。強烈な加速もさることながら、専用開発されたビルシュタインショックが衝撃を綺麗に吸収してくれるので、極めて安定感は高い。

メーカー自らが創り上げた本気のチューニングカーで、完成度やバランスも極めて高く、買ってから何も手を加える部分がないほど。唯一難点をあげるとしたら、全幅2mオーバーの巨体なので、すれ違いには少々神経を使うかもしれない。

加速と音で五感のすべてを痺れさせてくれる

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フロントマスクは専用デザインを採用。バンパー本体は丸みを帯びて入るものの実は金属製で、JLランブラーのMOPAR バンパーと同様の質感。牽引フックも非常に頑丈で、オフロードで使われることを前提として作られている。ある意味、ダッジの良心を感じられる部分だ。

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ワイドフェンダー+オーバーフェンダーの採用。これにより325/65R18 サイズのATタイヤを標準装備。標準車よりも2インチほどリフトアップされており、サスペンションに関しては何も手を加える必要のないクルマと言える。

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フロントバンパーと同じく、リアバンパーも金属製を採用。ベッド部分にはライナー塗装が施されており「使ってくれ!」と言わんばかり。なお、運転席側のコーナーには格納式のステップを装備するが、デパーチャーアングルを悪化させない設計も秀逸と言える。

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ボンネット中央のインテークや、その左右にはダクトも設けられる。マーカーをスクープに設けることで、スポーティさも演出。エンジンのエンブレムはここだけで、TRXはそれだけじゃないことを示唆する。

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ボンネットを開き、いざエンジンとご対面!と思ったら、巨大なカバーが。実はカバーではなく、エアスクープから入った空気を確実にインタークーラーに道ぶくためのもの。ヘッドの色やスーパーチャージャー本体は、わずかな隙間から垣間見ることができる。

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標準車よりもロングアーム化され、圧倒的なストローク量を実現。前後共リザーバータンク付きのビルシュタイン製専用ショックを採用しており、サブタンクの取り付け方も秀逸。またリアホーシングのジャダーを抑制するショックも装備する。

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センターコンソールの中央には大きな液晶モニターを装備。ここで駆動状態をモニタリングできるが、実はTRXにはトラック初のローンチコントロールも装備。走行モードを切り替えるとトルクの配分だけでなく、スタビライザーを制御しロール量も制御。まさに最新の制御技術が満載されている。なお、スポーティカーによく見られる、Dタイプのステアリングも採用する。

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非常にスポーティな要素を満載するTRX だが、大人5人が快適に乗れる広いキャビンの快適正はそのまま。とくに後席の足もとは広大で、体躯の大きなアメリカ人でも問題なし。前席レザーシートで、フロントは電動式を採用する。

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RAMのアイデンティティと言うべき巨大なサンルーフも標準装備。快適な居住性、卓越した走行性能、心に響くエンジンサウンドと、まさに非の打ちどころがないクルマだ。


TOPSPEED.inc

TEL:058-322-7547
HP:https://www.garage-topspeed.com

トップスピード新店舗
住所:岐阜県本巣市温井243-5

以前から計画が進められていたのだが、トップスピードが遂に新店舗に移転。場所は旧店舗よりもやや北側となる本巣市となる。以前よりも広くなり、待望の屋内展示場も完成。定休日、電話番号や営業時間は以前と変わらない。

RAM 1500 TRX、トップスピード


★ PHOTO:浅井岳男
★ TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

2022年5月8日(日)「アメマガキャラバン in 山梨」開催!

アメマガキャラバン in 山梨は終了しました。
ご来場頂いた皆様ありがとうございました。

アメマガキャラバン in 山梨の様子はこちらから


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2022年5月8日(日)アメマガキャラバン in 山梨 開催!
昨年は300台以上のアメ車が大集合!
会場は「ふじてんスノーリゾート」

参加無料 入退場自由
大切な休日を家族や友人と一緒に!

会場で配布されるアンケート用紙に記入して、その場で愛車と一緒にスナップ撮影。撮影された写真は、アメ車マガジン本誌に掲載。

「アメマガキャラバン」はアメ車マガジン主催による愛車撮影会です。当日は編集部員とカメラマンが、ご参加いただきましたみなさんの愛車を撮影させていただき、アメ車マガジン本誌に掲載します。アメ車であれば車種も新旧もカスタムの有無も問いません。

撮影ご希望の方は当日お配りするアンケート用紙にご記入いただきまして、スタッフにお声をかけてください。ご記入済みのアンケート用紙と引き換えに愛車を撮影させていただきます。ご不明な点は、会場内に設置しますアメ車マガジンの本部テントまでお問い合わせください。

姉妹誌『ジャーマンカーズキャラバン』と同時開催!


アメマガキャラバン出展ブース

■MSTオートモーティブ
https://www.mst-automotive.com/

■クア―トFAB
http://quartt.jp/

キャデラック静岡 / シボレー静岡
https://shizuoka.gmj-dealer.jp/

■サビーニジャパン
https://saviniwheels.jp/

フォージアート
http://forgiato.jp/

■ロイヤルファントム
http://www.royal-phantom.com/

SSS Motor
https://www.sss-motor.com/

シュアラスター
https://www.surluster.jp/

■OEM FACTORY
https://www.oem-factory.net/

マリブホビーズ
https://www.malibuhobbys.com/


★★感染症対策について★★
会場のふじてんスノーリゾートは、山梨県の感染症対策”やまなしグリーン・ゾーン認証”を受けた施設です。
やまなしグリーン・ゾーン認証に準拠した上で、新型コロナウイルス感染予防対策を徹底して運営してまいります。

●マスク着用必須
●アルコール消毒の徹底
●体調についてのアンケート記入必須
●入場口での検温、体温37.5度以上の方の入場は不可
●接触確認アプリ「COCOA」の導入必須
●大声での発声、近接した距離での会話NG
●発熱や咳など風邪や新型コロナウイルスが疑われる症状のある方の参加はご遠慮いただきます。

ご参加の皆様には、感染予防対策にご協力いただいた上でのご参加をお願い致します。

今後の状況次第では、政府、自治体などからの要請により、直前の中止、再延期の可能性もあることをご了承ください。

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アメマガキャラバンの情報は、
アメ車マガジン公式ホームページ
SNS(フェイスブック / インスタグラム / ツイッター)、
アメ車マガジン誌面をチェック!


日時
2022年5月8日(日)
10:00~15:00(雨天決行)※時間内は出入自由です。
場所
ふじてんスノーリゾート駐車場
山梨県南都留郡鳴沢村字富士山8545-1
http://www.fujiten.net/

入場料・参加料・駐車場代 無料
※駐車場内は舗装済です。

飲食・トイレ
ふじてんスノーリゾート・センターハウス内の施設をご利用ください。

注意事項

  1. 個別撮影をご希望の方は開催時間中(10:00~15:00)においでください。
  2. ご来場の順に停車位置をご案内いたしますので予めご了承ください。
  3. 駐停車中のアイドリング、大音量などの行為は迷惑になりますのでご遠慮ください。
  4. 施設内は駐車場を含めて禁煙です。指定の喫煙所をご利用ください。
  5. 火気の使用、危険物の持ち込みは禁止です。BBQ等の調理も禁止です。
  6. ゴミは指定のゴミ箱に捨てるか、お持ち帰りください。
  7. ペットを連れてのご来場も可能です。ただしクラブハウス、レストランなどの屋内施設にはペットを連れてのご入場はできません。リードは必ず付けていただき、排泄物は飼い主様で処理するなど、マナー遵守をお願いいたします。
  8. 出展ブース以外の商業行為は一切禁止です。
  9. 事故、盗難、車両損害等について主催者及び施設提供者は責任を負いません。

主催
アメ車マガジン編集部

当イベントでは、写真・ビデオの撮影を行っております。撮影した映像などは、アメ車マガジンの営業活動などに使用させていただくと共に、雑誌、WEBサイト、テレビ放送などのメディア配信に使用する場合がございますので予めご了承頂きますようお願い申し上げます。

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初めてのアメ車に選んだのが2000年型のシボレーエクスプレス

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Let’s Enjoy Van Life! AMERICAN VANS -いまこそVANに乗ろうじゃないか!!-

初めてのアメ車に思い切って一番デカいのをチョイス!

小さいよりは大きい方が良い。どうせ釣るなら大物狙いで!大は小を兼ねるとはよく言った物で、新築のガレージに収まるギリギリのサイズ感で選んだエクスプレス。道具の多いフィッシングからファミリーユースまでオールマイティーに大活躍!


【シボレーエクスプレス/GMCサバナ】アメリカン・オリジナルのフルサイズバン


国産SUVから思い切ってフルサイズバンオーナーへ

半年前まではハイラックスサーフのオーナーで、過去にはミーティングに参加して姉妹紙であるレッツゴー4WDに載ったこともあるTakeruさん。ジミーで取材に向かうと「あの時の!」と覚えてくれていた。まさか8年近くの時を経て、また筆者が巡り巡ってアメ車マガジンで取材することになるとは、何だか運命を感じた次第である。

さて、そんな彼が満を持して初めてのアメ車に選んだのが2000年型のエクスプレス。ナオキモータービルドの藤本氏も過去にサーフを愛用しており、その頃からの付き合いという旧知の仲であり、彼のショップのビジネスバン、いわゆる社用車として活躍していたブロンズカラーのエクスプレスを売りに出すと聞いて興味津々。

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元々ハードに使用することを想定して重整備を重ねてきたこともあって、コンディションは上々。おまけにローダウンやフロントブレーキドリルドスロットローター、セラミックブレーキパットで制動力強化を図り、カマロ純正21インチをパウダーコート塗装して流用履きするハイセンスな仕立てに即決で購入を決めたとのこと。

結婚して子供ができて家を購入してとなれば、一般的な流れとしては趣味の四駆を諦めて国産ミニバンへってな話をよく聞くが、彼は大幅にスケールアップしてフルサイズバンを迎え入れた。

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初めての左ハンドルにしてはハードルの高いロングボディ&フルサイズではあったが、納車後はすぐにサイズ感にも慣れて、ここ最近は様々な釣りスポットへドライブしては、岸壁へ乗り付けてフィッシングを楽しんでいるそうだ。全然釣れない時は広大な車内で寛いで過ごしたりもできるし、アレもコレもと欲張ってギアを積み込んでも、有り余るラゲッジスペースはまさに理想。大きいことは良いことだ!ゆとりを楽しむことこそフルサイズバンの醍醐味だ。

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C/K、タホ、サバーなどのO.B.Sやヴィンテージのイメージが強いナオキモータービルドではあるが、実はフルサイズバンを社用車として長く愛用しており、イベント遠征やパーツの配送、レスキューなど、近郊から遠方出張までハードに乗ることを想定して、販売車両同等に整備は万全。ちなみに現在の社用車が白いエクスプレスだ。

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ただのバンで終わらせないところもナオキモータービルドの腕の見せどころ。良い塩梅のロワード加減に社外ホイールではなくカマロ純正21インチのマニアックなリムをパウダーコート塗装でブロンズボディにマッチさせ、おまけにドリルドスロットローターまで入れる辺りが粋!

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運転席と助手席の間は大人が余裕で移動できる幅を確保しており、セカンド&サード間の移動もゲート横のスペースから楽にアクセス可能。このゆとりの幅がミニバンでは味わえないフルサイズバンならではの魅力である。

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OWNER : Takeru


フルサイズワンを乗せるなら、フルサイズバンしか有り得ない!


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

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2019 Nissan NV Passenger

Let’s Enjoy Van Life! AMERICAN VANS -いまこそVANに乗ろうじゃないか!!-

このデカさ、この存在感、威風堂々たる「パッセンジャー」

アメリカンSUV&トラックはもちろん、日本にはないユニークなクルマを次々紹介してくれる「スカイオート」。今回は日産製でありながら、スケールのデカすぎるユーティリティワゴンにキャッチアップ!

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

日産のユーティリティバン&ワゴンシリーズとしておなじみの「NV」シリーズ。日本ではキャラバン(NV350)やバネット(NV200)が人気を得ているが、実は海外向けには、もっとビッグサイズのNVが存在する。それが今回紹介する「NV3500パッセンジャー」だ。

全長は実に、612cm!全幅200、全高216cmで、1ナンバーとなるキャラバン・ワイドより、ひとまわりもふたまわりも大きい! 最近、トヨタがハイエースのビッグスケール仕様「グランエース」をリリースしたが、それをも圧倒する存在感だ。ちなみにNV3500にはパッセンジャー仕様とカーゴ仕様が設定されているが、こちら、パッセンジャー仕様は快適装備が満載。今回は最上級グレードの「SL」ということもあって、レザーシート、前後オートエアコンなど、プレミアムな内容だ。

車内へのアクセスはフロントの両ドアと、右側スライドドアのみ。室内は4列シート(2+3+3+4人乗り)となるが、日本での登録は3列シートとして、リヤラゲッジスペースを確保することもできるという。

搭載されるエンジンは5.6ℓV8ガソリンで、パワー&トルクはフル乗車・フル積載でも有り余るほど。トランスミッションはコラム式の5速AT、サスペンションはリヤ・リーフ式となるが、ホイールベースが146インチ(370cm)もあり、ゆったりとした走行性を実現している。

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全長6mオーバー、全幅&全高2mオーバーの存在感は圧倒的! 大型フロントグリル、前後バンパーなどクロムパーツも多様されている。サイドミラーは牽引も考慮して、横スライド可能。サイドのスライドドアは右側のみ。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン・コイル独立式、リヤにリーフ・リジッド式を採用。VDCなど安全装備も標準。タイヤはLT245/70R17、M+Sのオールラウンドタイプ。ホイールはプレミアムなクロム仕様。

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テールゲートは5対5の分割・観音開き式。ヒンジ部のストッパーを外すと、フルにオープンでき、さらにゲート部のバンプストッパーとボディ側の受けには強力なマグネットが備えられ、安心して積み込み作業が行なえる。

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パッセンジャー仕様、さらに最上級グレードということもあって、内容もゴージャスだ。シートはレザー張り、フロントの両席にはシートヒーター装備、運転席はパワー調整式。フロント&リヤエアコンも用意される。シートは4列に並ぶが、登録時は3列化も可能だ。

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エンジンは5.6ℓV8ガソリン。NISSANのプレミアムSUVなどにも搭載される、375馬力を発揮する強力なユニットだ。トランスミッションは’19年モデルはコラム式5速AT。ドライブトレーンは後輪駆動式になっている。


SKYAUTO【スカイオート】
TEL:048-976-1235
URL:https://www.skyauto.co.jp


Photo ★ Fumio Koga
Text ★ Yoshinobu Kohsaka

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

ワークショップとカフェを開く将来を見据えた理想の家造り

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Let’s AMERICAN HOME
OWNER: 長谷川さん夫婦

映画て見たアメリカンハウスに憧れ、マイホームのリフォームを検討した長谷川さん。だが紆余曲折、老後の将来設計と理想の家を両立するために、2度目のマイホーム建築をジェネラルアメリカンホームに依頼したのだった。

旧邸で感じたストレスを解消する間取り

スカイブルーのラップサイディングとホワイトのコントラストが、青空に映える長谷川さん邸。実は長谷川さん、この住宅が二度目のマイホーム建築となる。一度目は某大手ハウスメーカーによる注文住宅で、アメリカンデザインではなくモダンスタイル。長年住みお気に入りのデザインではあったが、20才の頃からアメ車に乗るなど「アメリカ」が好きだった長谷川さんは、ネットや映画で見た「アメリカンハウス」に憧れを持つようになり、思い切って代名詞のラップサイディングを使った外壁のリフォームを検討する。

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しかし建築したハウスメーカーでは対応してもらえず、とある施工業者に相談。だがそこも「ラップサイディングと言っているのに、持ってくる見本はレンガ調だったり、他のものを進めようとしてきたんです」。そんな対応が続き、半ばリフォームは諦めかけていたが、ネットで「アメリカンハウス」や「サーファーズハウス」で検索すると、理想のラップサイディングを取り入れた住宅をデザインするジェネラルアメリカンホームというハウスメーカーがあることを知り、すぐに連絡。

当初は外壁だけのリフォームが可能かの相談で訪問したが、見本となる住宅を幾つか見学させてもらうと、ラップサイディングだけではなく、細かい部分にもリアルアメリカのデザインを取り入れた住宅に感動を覚えた長谷川さん夫婦。「単に外壁をラップサイディングにしただけでは、こうはならない。やっぱり建て直すべきか…」。だが現実的に、建て直すとなると引越しも複数回必要となり、そもそも大きなお金が必要となる。

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夫婦会議を重ね、夫婦が一番重要視したのが老後の将来設計だ。共に現在は本業を持っているが、長谷川さんは趣味の延長で始めたウッドペンターニングの販売を行なうようにもなり、奥様は服飾や手芸の経験も豊富で、定年後は店舗を建ててワークショップと併設するカフェを開くのが夢だった。そうした将来の夢を踏まえ出した答えが、将来的にワークショップとカフェが開ける仕様の住宅を新たに建てること。長谷川さんの実家が所有していた約100坪の畑が、大通りに面していることも決め手となり、旧邸も運良くすぐに買い手が見つかり、資金面の問題も解決したのだった。

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2020年5月に完成した新住宅の間取りは奥様が主導し、リゾートをイメージしたデザインを取り入れながら、旧邸でストレスを感じていた部分を改善。カフェを想定した広いキッチン(冷蔵庫などの調理家電もパントリーに収納)。使用待ちを防ぐため、洗面所やバスルームを独立させ、それらを行き来する広い導線も確保。収納が増えると物が増えるため、各部屋に収納は設置せず、一箇所に集約。

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また、トイレ渋滞を回避するためにトイレは3個も設置した。長谷川さんの大きな要望は、エアコン完備のガレージで、大好きなアメ車を眺めながらコーヒーを飲むこと。しかし実際は「作業スペースになり、一度も止めたことが無いです」と笑う。ガレージ内で長谷川さんがペンターニングの製作販売を行ない、住居内で奥様がアメリカンリースなどの製作を行なっている。数年後、ここがカフェとしてオープンし、多くの人で賑わうことになるだろう。

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スカイブルーのラップサイディングに、ひときわ目立つオレンジの玄関ドア。ここに靴が並ぶのは、このドアを開けるとすぐにリビングとなるからだ。

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オレンジの玄関ドアを開けると、リビング兼奥様のワークスペースがすぐに広がる。大きな吹き抜けには、葉っぱをモチーフにした木製の大型シーリングファンを設置。室内のカラーやデザインは、リゾートホテルをイメージして設計されている。デザイン優先で不便にならないように、コンセントを多く配置したのも奥様の要望だ。

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将来的にカフェにすることを想定しているため、長いキッチンカウンターを配置。広いキッチンスペースも確保し、シンク後方のドアはパントリーとなり、ここに冷蔵庫などの調理家電が並ぶ。レジカウンターになるスペースもすでに設置済み。因みに、右写真に映る女の子は姪っ子ちゃんだ。

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トイプードルの小春、ボーダーコリーのリリーを自由に遊ばせるために芝生の庭を設置。シーリングファンが設置されたウッドデッキに座り、愛犬が遊ぶ姿を見るのも長谷川さんの日課だ。


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1996 DODGE RAM VAN STARCRAFT

20才の頃にサバーバンを購入して以来、アストロやラムバンを所有し、現在の愛車は3年前に購入した96年型ラムバン・スタークラフト。キャンプが趣味で、いつでも行けるように用具は常に常備している。基本的にノーマルだが、スペアタイヤカバーにはミューラリスト・Big O氏によるエアブラシが入る。

1996 DODGE RAM VAN STARCRAFT

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夫婦のクラフトは趣味を超えた“ 本気” の作品、好評販売中!

インガレージは愛車のラムバンを一度も止めたことがなく、長谷川さんのウッドクラフトの作業場となっている。木が好きで様々なウッドクラフトを始め、中でも木を削り出して制作するペンターニングにハマり、それらを販売するワークショップ・ファンタイムを立ち上げた。

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素材となる木の種類も豊富で、1本1本ハンドメイドによる世界で1本だけのペンが完成する。レーザー刻印をすることも可能で、記念品としてオーダー依頼されるお客さんも増えてきてたという。完成品の購入はもちろん、細かいオーダー制作も可能。また、一緒にクラフト作業をして作ることもできるので、親子でクラフト体験というのもありだ。

価格は1本:4,000円~。
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長谷川さんの本業は消臭・除菌・ウイルス抑制に高い効果があるTOSHIBA RENECAT 含有の光触媒コーティングの施工を行なう「QUICK COAT」。車両の内装にも施工可能。

FAN TIME【ファンタイム】

所在地:愛知県春日井市妙慶町2-105
TEL:090-7530-9129
営業時間:10:00 ~17:00
定休日:不定休

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ACHIHA USA

ACHIHA USAは、長谷川さんの奥様が制作するアメリカンリースなどの服飾・手芸ブランドだ。住居入ってすぐに工房があり、アメリカから仕入れた材料を使いリースが作られる。日本ではクリスマスだけに飾ることが多いが、アメリカでは季節ごとに変えたリースを1年中飾るのが一般的。

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リアルアメリカンハウスを建てるジェネラルアメリカンホームもACHIHA USAのリースを絶賛し、建築した多くのユーザーが購入し飾っている。完成品販売の他、オーダー制作も受け付けている。価格は11,000円~。問い合わせは上のワークショップ・ファンタイムまで!

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HOUSE Maker DATA
General American Home【ジェネラルアメリカンホーム】
所在地:愛知県刈谷市東境町登り坂100
TEL:0566-91-3007
URL:http://g-a-h.sakura.ne.jp/wp


Photo&Text:KAZUTAKE SOMA

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #20「部室になったりSFマシーンになったり」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#20「部室になったりSFマシーンになったり」

ここのところ「どんな車が好きなんですか?」と聞かれることが多いのですが、最近は「自分で乗るならバン、それもちょっと古いヤツ」と言っています。どうも、先進機能満載のインパネとか、包まれインテリアとかが少々苦手。もちろん、端くれではありますが自動車業界でお仕事をさせていただいているので、先進技術には興味ありますし、最新ハイパフォーマンスカーも大好きです。ただ…自分で乗るなら質実剛健、多少荒く扱ってもへこたれない働くクルマ…その上、何でも積めてガンガン走れるバンが性に合っているのです。そのきっかけはというと、父親が仕事の関係でずっとバンやワゴンに乗っていたこと、そして…やっぱりテレビや映画の影響なんだろうなぁと思うのです。

年代でかなり割れるような気がするのですが…40代後半くらいから上ですかね、米国ハンナ・バーベラ・プロダクションのアニメを楽しみにしていたって方、かなりいらっしゃるんじゃないかと思います。有名どころでいうと「宇宙忍者ゴームズ( 本題ファンタスティックフォー)」「大魔王シャザーン」「チキチキマシーン猛レース」…などなど。中でも当時の私のお気に入りが「弱虫クルッパー( 本題スクービー・ドゥー)」でした。

4人の凸凹な少年少女と一頭の大型犬がバン…その名もMystery Machineに乗り込み、行く先々で遭遇する怪奇事件を解決していくというホラーコメディ。そのMystery Machineが今から思うに私のバン好きの原点のようなのです。

当時…70年代フラワームーブメントど真ん中のサイケデリックなカラーリングで仕上げられ、愉快な仲間たちと怪しげなお化け退治グッズを詰め込んで旅をする…ある意味で移動部室のような四角いバンは、当時、都心の狭いアパート暮らしだった子供の私にとっては夢の空間に見えたんだと思います。ちなみにスクービー・ドゥーは2度ほど実写化もされています(イラストはそちらを参考にしています)。

いろんなものを積めて時には部屋にもなる…ということで、様々な映画の中で小道具としても活躍するバンですが、当コラムで何度もネタにしているマーベル・シネマティック・ユニバースでも重要なアイテムとして活用されています。初出は「アントマン」。主人公スコットの友人であるルイスの愛車として登場したのがフォード・エコノラインでした。当初はルイス率いる窃盗団の足として使われていたオンボロだったのですが、次作「アントマン&ワスプ」では小型化された量子トンネルを搭載され、本編「アベンジャーズ・エンドゲーム」でも重要な役目を果たします。そんなこんな、様々な作品やシーンに欠かせないバンは、エピソードにも事欠きません。また、機会を改めてご紹介させてください。

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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

ド派手すぎる旧型チャレンジャー!これぞ魅惑のストリートマシンスタイル

1970 Challenger

1970 Challenger

Let’s Enjoy CHALLENGER -かっこいいが一番楽しい

現行モデルのダッジ・チャレンジャーは、レーシーなものから大径ホイール履きまで、あらゆるカスタムスタイルを飲み込んでいるが、旧型モデルをここまで派手にしてしまった例は、アメリカを含めてもそうはいない。だからこそ、この1台には特別な価値がある。

足掛け16年、この1台に自分の好きのすべてを注ぐ

マッスルカーの王道として大人気のダッジ・チャレンジャーは、70年にファーストモデルがリリースされた。当然のことながら現代のモデルに負けず劣らず、昔のモデルの人気も高いのだが、こちらはヘタに手を加えず、オリジナルのままのほうが価値があるとされている。しかし、そんな世間をあざ笑うかのようなチャレンジャーがいる。

オーナーの粉川 翔さんは、かれこれ16年もこの70年型をカスタムし続けているそうで、「もったいないと言われることが多いですが、自分の好きなようにカスタムしないと意味がない」と、あくまでも自分流を貫いているのだ。

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派手すぎるカスタム手法は、70年代当時ストリートマシンと呼ばれたもの。エアショックでリアの車高を上げ、全身にエアブラシやピンストライプを描き、内装はダイヤステッチで張り替えと、そのスタイルはだれのマネでもない独創性に満ちあふれる。

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その一方でメカニズムにも手が加えられており、エンジンは巡航スピードを上げるべく純正の318からボート用の360に交換済み。リアエンドは10Jホイールを履くために、ナロードしたリンカーン用のフォード9インチにウィルウッドのディスクブレーキ付きと、今の時代の道路事情にもバッチリついていける装備を持つ。ショーネームの「マジックパウダー」は、自分の苗字の粉の字から連想して付けているが、確かに幻覚を見せる怪しい粉のように、別次元の世界観を見せてくれるマシンに仕上がった。

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エンブレムの取り付けと黒塗りで、R/Tへと化ける。注目はナンバーで、映画「バニシングイン60」に登場するチャレンジャーと枠ごと同じものなのだ。3連メーターはケースに金メッキをかけてエンジンフードに設置。ボディ同色のルーバーは昔あったストリートマシンのプラモの仕上げ方に習い、リアキャリアは純正品のレストアしている。フロントのホイールは、SNSで知り合ったアメリカのホイールレストア屋さんからプレゼントされたもの。

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トヨタ純正ブラウンの上からオレンジのメタルフレークをまぶしたボディに、エアブラシが踊る。ラリーフードにはファラフォーセットメジャースを、運転席側には映画「トランザム7000」のトラックに描かれていた駅馬車を、助手席側には海と夕日と、バリエーションに富む。

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純正の318からエンジンを載せ換える際、ビッグブロックは一切考えず、こだわりをもって船用のスモールブロック360を選択。ダイレクトコネクションのロゴ入りバルブカバー、エアホーン、134aのエアコンコンプレッサーなどが所狭しと並ぶ。

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ダッジのマーク入りオートゲージ製タコメーターやハーストのライトニングロッズは、ドラッグレースに出ていたときの名残り。ダイヤステッチを入れたシートや窓ワクを飾るポンポンなど、インテリアにもストリートマシンらしさが散りばめられた。

1970 Challenger

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Owner:粉川 翔さん


MAVERICK

TEL:0280-23-7711
HP:https://maverick59.amebaownd.com


Photo:渡部竜征
Text:佐藤アキオ

アメ車マガジン 2020年 10月号掲載

コマーシャルビークルの代表格『GMCグラマンP20』

1995 GMC GRUMMAN P20

1995 GMC GRUMMAN P20

Let’s Enjoy Van Life! AMERICAN VANS -いまこそVANに乗ろうじゃないか!!-

フォルムはスクエアそのもの、ワークホースに飾りはいらない

アメリカンSUVやピックアップトラックの名手「スカイオート」が、レアな1台を紹介してくれた!GMCグラマン。日本でもよく見かけるようになったデリバリーバンや移動販売車の先駆けだ。

コマーシャルビークルの代表格:グラマンP20

華やかでパワフル、自己主張のカタマリのようなアメ車のイメージだが、こんなクルマはどうだろう?そう、働くクルマ。日本でもよく見かけるようになったデリバリーバンやキッチンカー、移動販売車の先駆け、とも言われる「GMCグラマンP20」だ。

ハマーH1やアメリカンSUV&ピックアップなどのスペシャリストとしておなじみの「スカイオート」が、偶然にも下取ったという1台だ。

1995 GMC GRUMMAN P20

フォルムはご覧のとおり、真四角。ただマスクは国内の宅急便仕様(トヨタ製)のデリバリーバンより愛嬌がある。サイズも全長530×全幅208×全高225cmと、2トントラックと同等。思った以上に運転しやすい。ボディもジュラルミンなので、車重2630kgとけっして重くない。

パワートレーンは4.3ℓV8ガソリン+3速コラム式ATで、これも軽々とボディをトランスポートする。空荷の状態ならもちろんだが、500kg程度の積載ならトルクフルに走るだろう(車両総重量は3240kg)。

1995 GMC GRUMMAN P20

ドアは左右の前席用スライドドア、そして両開き式のリヤの3カ所。リヤは広大、かつスクエアな空間で、フロント席からは小さなトビラを経てアクセスできる。リヤにはサイドウインドーや、跳ね上げ式の屋根も設えてある。元はキッチンカーだったのではないか?とのことだ。

スカイオートによると移動販売車やグラマンに関する問い合わせも最近、多いとか。起業するにはうってつけの1台かも?

1995 GMC GRUMMAN P20

ボディはジュラルミン製。塗装を剥がして磨いた状態が、この写真の状態。サビの心配もまったくない。フォルムはスクエアそのもの、サイズも2トントラックと同等で、取り回しに困ることはまったくないだろう。

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シート部分とリヤ部分がきっちりとセパレートされているが、小さなトビラで両部分を行き来できる。シートは固定式が2脚。インパネはシンプルそのもので、トランスミッションはコラム式、もちろん両席はウォークスルー。簡易型だがエアコンも後付けされている。

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エンジンは4.3ℓV8ガソリン、車両総重量は3トンオーバーだが、走りはトルクフルで、思った以上に軽快だ。3速ATはコラム式、後輪駆動式となっている。

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サスペンションはフロント・ダブルウィッシュボーンコイル、リヤ・リーフリジッドというタフな設計。乗車定員は2名、最大積載量は500kgの登録となっていた。タイヤは225/75R16LTというライトトラック用を装着。


SKYAUTO【スカイオート】
TEL:048-976-1235
URL:https://www.skyauto.co.jp


Photo ★ Fumio Koga
Text ★ Yoshinobu Kohsaka

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

「このクルマはヤバいクオリティだよ!」と語るのが、1967年型ファストバックのマスタングだ。

'67 FORD MUSTANG FASTBACK 390GT

’67 FORD MUSTANG FASTBACK 390GT produced by GARAGE K&M

AMERICAN VINTAGE -色気漂う「アメリカンビンテージ」-

一生モノと断言できる自分と同じ生まれ年の車両

アメマガミーティングZのステージで、軽妙なトークを広げてくれるドクター松岡。読者の中にはプロの司会者と思っている人もいるかも知れないが、何を隠そう老舗マスタング専門店「ガレージK&M」の代表。そんなマスタングのプロが絶賛する1台をここでは紹介しよう。

K&Mに相談することがマスタングライフの第一歩

アメ車に限った話ではないかも知れないが、ミドルエイジ以上の旧車乗りの多くは「自分と同じ年に造られたクルマに乗りたい」という思いが強い様に感じられる。マスタング専門店として日本中にその名を知られるガレージK&Mではこれまで数多くのマスタングをユーザーに提供してきた。そのガレージK&Mが「このクルマはヤバいクオリティだよ!」と語るほどの、超絶コンディションのマスタングが、この1967年型ファストバックだ。

オーナーの金子光四郎さん(56歳)は、これまで通算して12年ほど様々なアメ車を乗り継いできたが、ある時「自分と同い年のマスタング・コンバーチブルに乗りたい!」と思い始め、様々なサイトで車両を物色していたそう。そんなある日、当初の狙いとは異なるが、この67ファストバックを発見! オリジナルスタイルにフルレストアされた姿に一目惚れしてしまい、代行業者に依頼して個人輸入したそうだ。

'67 FORD MUSTANG FASTBACK 390GT

マッスルカー好きにとって、やはりマスタングは特別な存在。賛否は分かれるかも知れないが、それまでのポニーカー然としたスタイルからリアフェンダーが大型化され、野生馬の隆起した筋肉を彷彿とさせる67/68のマスタングは、誰が見てもカッコイイと思うクルマだと断言したい。しかもファストバックはもはや手が届かないほど高騰しており、まさに雲の上の存在と言える。そんなスペシャルな1台を、ほとんど新車の様なコンディションで手に入れられた金子さんは、ある意味ラッキーでもある。

ガレージK&Mの松岡さんは「レストアといってもそのクオリティはまちまち。でもこの個体はフレームオフをしていて、すべて新品パーツで仕上げたという証明書も付属していますね。極力オリジナルのスタイルを守りながらも、現代車と同様の感覚で運転できる様に電動式のパワーステアリングに変更しています。ほかにはビンテージエアーを追加し、四季を問わず当たり前に乗れる仕様になっています。エンジンルームの中を見ても、ボルト1つサビが出ていないし、ウチのメカニックもあまりにも綺麗すぎるので触りたがらないですね(笑)」とのこと。もっとも、日本で乗るためには再度各部のボルトの増し締めをしたり、多少の整備は施したそうだ。

人生100年時代と言われる様になっているが、折り返し地点を過ぎた人ほど、そろそろ「アガリのクルマ」を考える様になるもの。以前とあるユーザーさんに「いつか乗ろうと思っているクルマがあっても、いざ経済的に余裕ができた時は自分の体力が衰え乗りこなせなくなっている。だからある程度背伸びをすることも大切かな」と実感を込めて言われたことがある。ましてや昨今のビンテージカーの急騰ぶりは異常とも言えるほどで、ある意味今手に入れないと、一般人には二度と手が届かなくなりつつある。

'67 FORD MUSTANG FASTBACK 390GT

ビンテージマッスルカーが欲しい…とただ夢を見ているのではなく、どうすれば手に入れられるのか。それを実現するには、やはり専門店の知識やバックアップは必要不可欠。そんなユーザーの夢を現実のものとし、さらに購入後も安心して乗り続けられる様にサポートしてくれるのがガレージK&Mと言える。夢をかなえたいと思うのなら、ただ夢想するのではなく、とにかく1度ガレージK&Mへ話をしに行ってみよう。それこそが、マスタングライフを始める第一歩だと断言しよう。

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ボディはもちろん、当然のことながら前後バンパーもサビなどが一切見当たらない状態。ホイールも敢えてオリジナルのものを装着しており、当時の雰囲気を損なわない様、タイヤもホワイトリボンを組み合わせている。リアのリーフスプリングやマフラーも新品に交換されており、もはやこれは新車と言っても過言ではないコンディション。ここまでやってこそ、真のレストレーション!と言えるだろう。

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インテリアは、ビンテージエアーの吹き出し口が追加されている以外はオリジナル。センターコンソールやドアの内張も新品に交換。些細なことかも知れないが、レギュレーターハンドルもリフレッシュされており、窓の開閉も実にスムーズ。半世紀以上経過したクルマとは思えないほど美しい仕上がり。確かにここまでのクオリティだとキズをつけたらオオゴトなので、メカニックさんたちが触りたがらないのも納得。

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エンジンルームはサビ一つ見当たらない状態で、ヒンジ部分の可動も非常にスムーズ。搭載エンジンは390で、可能な限りオリジナルのスタイルをキープ。ただし、日常的に乗れる様に、エアコンの追加とパワステの電動化を実施。眺めるビンテージではなく、乗れるビンテージカーだと言える。名称未設定 1

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クルマと共に送られてきた書類の数々。どの箇所をどんな部品でレストアしたのかすべて記されている。ここまでしっかりした証明書は珍しいが、レストアしたアメリカの会社も自信を持っていることの表れと言えるだろう。事実、購入価格は相当なものだったそうだが、その価格に違わぬクオリティを実現している。

'67 FORD MUSTANG FASTBACK 390GT


THANKS:ガレージK&M
HP:https://www.garagekm.com


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 11月号掲載

ムーンアイズのアメリカンな魅力MAXのエクスプレスバン

2006 Chevrolet Express 2500 Van

2006 Chevrolet Express 2500 Van

Let’s Enjoy Van Life! AMERICAN VANS -いまこそVANに乗ろうじゃないか!!-

ムーンアイズのサービスカーはアメリカンな魅力をフル積載!

車高も含めてストック状態ながらも、ムーンディスクの装着とカンパニーのレタリングによってアメリカンな魅力MAXのエクスプレスバン。ホットロッド史に名を刻むカンパニーとしての説得力もさることながら、使用目的にマッチしたさり気なさがポイント!

最低限のアレンジでサービスカーとしてアメリカ的な魅力を放つ

ホットロッドやアメ車に限らず、アメリカンなカスタムを意識する人にとっては無視できない存在の「ムーンアイズ」。レースシーンやホットロッドの歴史にも名を刻むスピードパーツのメーカーであると同時に、カーショーなどのイベント運営を通じて、アメリカンモーターカルチャーやその楽しみ方も世界中に浸透させている。

そんなムーンアイズの車両は、いわゆる営業車であってもアメリカンでクール。キャッチーなアイボールのロゴマークやカンパニーのレタリングが入るだけでアメリカンなわけだが、車種や使用目的なども踏まえたセンスの良いアレンジがポイント。そういう意味でこのエクスプレスは、あくまでもサービスカーとしてのレタリングとムーンディスクの装着による最低限のアレンジながら、なんともアメリカ的な魅力を放っている。

ベース車のエクスプレスが白/黒のスタンダードな仕様なのが、サービスカーに見合っている。シンプルなレタリングもサービスカー然としていい雰囲気。ムーンアイズUSAで使用していた車両を国内に持ち込んだと思いきや、なんとベースのエクスプレスは、意外にも正規輸入された06年型を国内で入手。ストックを保持した状態から、レタリングを入れてムーンディスクを装着し、18年にサービスカーとして導入。

空力特性を高めるムーンディスクはどんなモデルにも似合うのだが、腰高なAWDのサービスカーがこれほどカッコ良くなるとは想像できなかった。このムーンアイズ号によって、働くクルマとしてエクスプレスのカッコ良さと、ムーンディスクの万能性を再確認したのだった。

2006 Chevrolet Express 2500 Van

白ボディ&黒の樹脂パーツとのコントラストがスタンダードなヘビーデューティ車らしく、アメリカのワークホースでは定番。車高もふくめストック状態ながらも、カンパニーのレタリングとムーンディスクの装着でHot rod系サービスカーとして抜群のカッコ良さを放つ。

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このクルマの唯一のカスタムポイントなのがムーンディスクの装着。リムにビス止めするスタンダードに対して、速やかに脱着が行えるズゥス ファスン式を採用。性能面だけでなくルックス的にもクール。装着タイヤはYokohama Geolandar H/T(255/70R16)。

ムーンアイズでは、デモカー以外のいわゆる営業車だけでも、これまでに相当数が採用されてきたが、その中でもこのエクスプレスは、最もミニマルながら、抜群にアメリカらしいカッコ良さを放っている。

ベース車のキャラクター、使用目的、カンパニーのイメージとのバランスが絶妙。ワークホースにもムーンディスクがよく似合うこともアピールしている!!

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設定されたガソリンエンジンは、4.3ℓのV6からV8では4.8ℓ、5.0ℓ、5.3ℓ、6.0ℓ、6.6ℓの6種類。この個体は5.0ℓのV8にタフな8ラグ車用4L80E、4速ATの組み合わせ。2.5トン超えの車重を感じさせないパワフルでスムースな走りは、市街地から高速巡航まで不満なし。

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スタンダードなグレードならではのプレーンでシンプルなデザインにアメリカらしさを感じる。サードシートを装備する8人乗車仕様。シートはデザインも質感もよく、長距離の出張でも疲れない。積載量に応じた後部座席の脱着がイージーなのも◎。


Special Thanks ★ MOONEYES
TEL:045-623-9660
HP:www.mooneyes.co.jp

車高も含めてストック状態ながらも、ムーンディスクの装着とカンパニーのレタリングによってアメリカンな魅力MAXのエクスプレスバン。ホットロッド史に名を刻むカンパニーとしての説得力もさることながら、使用目的にマッチしたさり気なさがポイント!

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アメ車マガジン 2021年 10月号掲載