-フリースタイルで行こう- #16 嗚呼、憧れのHEMIエンジン

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-フリースタイルで行こう- #16 嗚呼、憧れのHEMIエンジン

アメ車乗りにとっての永遠の憧れHemi。レースシーンにおける数々の伝説が証明するアメリカンV8最強エンジンだ! 大排気量らしからぬクイックなレスポンスで発揮される暴力的で高いポテンシャルは、メイクスを超えて支持されている。今回はMopar Hemiエンジンがいかに素晴らしく、伝説的な存在なのかを考察していくことにしよう。

レースシーンでも数々の快挙を成し遂げた426Hemi、暴力的で強烈なトルクを誇る地球最強の「神エンジン」

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車の魅力には様々な要素がありますが、魅力を追求して行けば行くほど、メイクスに対するアドバンテージも明確になっていくもの。そのため、シェビー、フォード、モパーなど、それぞれのメイクスに特化した専門誌、ショップ、イベントなどが成立しているのです。そこではモデルそのもののメイクスよりも、搭載エンジンのメイクスの方が優先されているというのがポイント! シェビー専門のイベントなら、シェビーのエンジンを搭載したフォード車が参加するケースは珍しくないし、とりわけメイクスに対するアドバンテージが強めのモパーのイベントでも、HEMIエンジンを搭載したドイツ車や日本車を目にすることも。つまり、それだけエンジンが重要な要素ということ。

自分の場合は、好みのモデルの多さでは、圧倒的にシェビーだし、ブランドとしてのイメージやモデルのキャラクターでは、ポンティアックの方が好み。そして、エンジンでは、スモールブロックに限定すれば、70年型のZ28に代表される350LT1こそが、トルク特性、レスポンス、コスパなど、総合的に最強かつ最高に魅力的だと思うのです。

しかし、ビッグブロックとなるとモパーの440マグナムがダントツで1番! 7200㏄の大排気量ならではの強烈なトルクが、小排気量エンジンのように、速やかに発揮されるレスポンスの良さは格別。マニュアルミッション車では恐怖レベルなのです!それは、あくまでも、オリジナルの状態での話で、とりわけ短いストロークがもたらすモパーならではの味付けともいえるでしょう!そして、その440をも凌ぐバイオレントなポテンシャルの神エンジンなのが「426HEMI」なのです!!

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アメ車ファンならば、426HEMIがスペシャルであることはご承知でしょうが、希少性やステイタスで求めるものではなく、そのパフォーマンスこそが最大の魅力。30年ほど前から現在までに、身近に426HEMI車オーナーが数人いたおけげで、オリジナルとしての426HEMIの本領を何度も味わっているうえに、ライター業として様々なモデルを試乗した経験からも、426HEMIは紛れもなく頂点であり、憧れの存在です。

NASCARにしろNHRAにしろ、トップカテゴリーでの快挙には426HEMIが常に関係しているだけに、ホットロッドの世界では、メイクスの垣根を超えて426HEMIは採用されるのです。圧倒的なパフォーマンスだけでなく、特徴的なHEMIヘッドのルックス的なカッコ良さも大きな魅力。そこそこのクルマが買えるほどの高額ゆえに、なかなか難しいですが、ホットロッダーとしても、いつかは426HEMIを搭載することが目標なのです!!

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「HEMI」のネーミングは、特徴となる燃焼室の形状が半球(Hemispherical・ヘミスフェリカル)であることが由来。SOHCやDOHCなみのビッグバルブを採用できるため、高回転、高出力を実現。それでいて基本はOHVなだけに、構造的にシンプルでタフ。とはいえ、従来のOHVに対してはパーツ点数が多く、重量の増加やコスト高なのが難点なのだ。ちなみに下記の写真はリバティクラシックス製の1/6スケールの426HEMIエンジンのダイキャストモデル。その構造を見て取れるリアルなモデルなので、実物をゲットできるようになるまではこのモデルで夢を膨らませてはどうだろう?

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マッスルカー全盛期の64~71(ストリートHEMIは66年以降)にラインナップ。NASCAR、NHRAなど、とにかくレースシーンで大活躍。ドラッグレースのトップカテゴリーにおいては、70年代初頭から現在でも、車種に関係なく全てクライスラーHEMIに準じたエンジンを採用!スーパーストックでは、426HEMI搭載車がダントツで速いため、HEMI スーパーストック・シュートアウトとして別枠が設けられるほどなのだ。

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アメリカンV8の特性は、馬力よりもトルク。そして、そのトルクが危険なほどクイックに発揮されてこそのマッスルという意味でも、初代や現代版でもなく、第2世代の426HEMIこそが頂点。マウスでもラットでもなく、エレファントと呼ばれ、所有しているだけでなく、本領を発揮できるオーナーは、エレファントトレーナー(ゾウ使い)なんていわれるほど! 440ciをモディファイすることで低コストにて同等のパワーを得ることはできても、予想以上にクイックで危険レベルのレスポンスの良さは426HEMIならでは。それだけに、近年の500ci以上のストローカーHEMIは、むしろストリートフレンドリーで扱いやすいのがポイント。

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 8月号掲

アクセントガレージはマニアックな本国モデルからビンテージまで幅広く取扱う

AXENT garage【アクセントガレージ】

AMEMAG RECOMMEND SHOP
AXENT garage【アクセントガレージ】

創業20周年を節目に大阪鶴見のAXENTがリニューアルオープン!

アメ車マガジンスピンオフムックの逆輸入車BOOKではタンドラやセコイアなど、選りすぐりの個体を本国より仕入れ販売してきたAXENTを紹介したが、そのルーツは今も色濃くマニアックな本国モデルからビンテージまで幅広く取り扱う。今回は改めて原点に戻り、ショップの魅力を紐解いていこう。

コンセプトは珍しい車種も扱う街のクルマ屋さん!

アメ車ショップと聞くと、車種やジャンルで強みを持つ専門店が多いイメージではあるが、同ショップはタンドラなどの逆輸入車を扱うお店としての認識が強い。しかし話を聞くと、レートの問題や現地のトレンド事情、その他諸々で、純粋にお客さんに喜んでもらえる価格設定で価値ある魅力的な個体をお届けしたい。そんなシンプルな姿勢が偶然当時の逆輸入車ブームとタイミングが重なっただけで、極端な話、昨今流行のチャレンジャーやモーターサイクル、アンティークなアメリカン雑貨にビンテージトレーラーなど、多種多様な個体を直輸入して販売し、お客様のカーライフにアクセントを与えられるようなスタンスで、知る人ぞ知る街のクルマ屋さんと言ったイメージ。

販売した後にホイールや足回りのカスタムの相談を受けたり、トレーラーの内装をキャンプ仕様や移動販売仕様にリノベーションしてみたり、求めるカタチやカーライフに寄り添って、一緒になって楽しむ姿勢が20年の時を経ても色褪せることなく、頼りにされる最大の魅力だ。表舞台や第一線のトレンドリーダーはキャラじゃない。主役はあくまでも顧客。そんな名脇役なスタンスで今後も様々な魅力溢れる車両をユーザーへと紡ぐ。クルマ屋さんの原点にして、もっとも重要な要素がアクセントには詰まっている。

2018 LINCOLN MKZ

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AWDの3ℓV6を搭載するリンカーンMKZ。日本ではほぼ見かけないレア車ではあるが、3年前にお客さんから仕入れて欲しいと頼まれて日本へ輸入した個体。日本でVOSSEN20インチに履き替えているのでもちろん純正ホイール& タイヤもストック。オリジナルに戻して乗るも、もう少し車高を煮詰めてカスタムベースとするも、あなた次第!

1969 DODGE A108 TravcoCamper “Family Wagon”

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ポップアップルーフがハードタイプになって固定された様な個性的なフォルムに、丸テール、大型丸目ヘッドライトのキュートなキャラクターは必見!現状のインテリアは当時物のキッチンや飾り棚、コールマン製の備え付けタイプのクーラーボックスを完備。キャンピングベースとしてはもちろん、リノベーションしてキッチントレーラーとして楽しむのも悪くない。アクセントガレージでは車両の整備やメンテナンス、トレーラーハウスやキッチンカーの製作も多数実績を積んでいるので、思い描くイメージをぶつけてみると良いだろう。


AMERICAN ZAKKA

AMERICAN ZAKKA

本国仕入れの独自ルートを持つ同社だけに、クルマ以外の雑貨やホビーなんかも目ぼしい物は輸入して店頭で還元している。ビンテージサインや当時物のピンボール、アンティークレゴなど、マニアックでレアなアンティーク雑貨も多数在庫しているので、トレジャーハンティングがてら遊びに行ってみることをお勧めしたい。

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A(Axelle)グループ エンターテイメント トレード
AXENT garage

住所:大阪府大阪市鶴見区茨田大宮1-7-57
URL:https://axelle.jp/axent_garage/
TEL:06-6991-9006
営業時間:10:00~19:00
定休日:不定休

AXENT garage【アクセントガレージ】


★ Photo&Text:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

触って楽しいコルベットライフ、C3をリフレッシュメンテナンス

1981 CHEVROLET CORVETTE

1981 CHEVROLET CORVETTE

バラ色のアメ車人生 アメ車に乗れば必ずHAPPYになれる!

ビンテージモデルの魅力とは?と聞くと、多くの人は希少価値を真っ先に挙げるだろう。だが、昔のクルマはシンプルな構造で、オーナーが自分で触りやすい。東海カーズでC3を手に入れた山内さんは自分でクルマを触りたい、そんな1人だ。


C3コルベットに関する記事一覧


左ハンドルのMTに乗りたい再びコルベットに舞い戻った

免許を取る前からクルマやバイクの情報誌を愛読し、乗り物に対する興味は非常に旺盛だった山内さん。最初に手に入れたクルマはスカイラインGT‐R。そこからC3コルベットと、走りを追求し始める。その後一旦は大型バイクに進むが、左ハンドルのアメ車のMTに乗りたい!という気持ちが沸き起こり、再びコルベットオーナーに舞い戻った。

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特にこだわったのはサイドマフラーと4MTの2点で、できればミラートップやダブルテールを備えていたらいいな。あとはインジェクションよりキャブの方が触りやすいかな…。そんな軽い気持ちで中古車情報サイトを巡っていたら、まさにドンピシャなC3を発見!しかも、比較的家から近い東海カーズに在庫していたので、他の個体を見る事なく即決!

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実は山内さん、以前は整備士をしていたので、メンテナンスなどはお手の物。自宅のガレージでショックを交換するが、流石に40年近く前のクルマだけに、各部のブッシュの劣化が目立ってしまう。リヤだけ交換を考えたが、カーズ細井さんに相談したところ「どうせやるなら全部やるべきでしょ」と言われ、各部をリフレッシュ。「購入する時点でコンディションはかなりよかったですが、手を加える事で出かけるのが全く苦にならないレベルになりましたね」と山内さんは語り、非常に満足そう。

クルマを販売するだけでなく、走る楽しさも伝える。山内さんのC3も、東海カーズのポリシーが凝縮された1台と言えるだろう。

C7やC8と比較すると、コンパクトに見えるC3。山内さん的にはカーボンボンネットやワイドフェンダーの装着にも憧れるそうだが、現在はC3らしさが光るこのスタイリングとしている。

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フロントにはリップスポイラーを装着し、リヤは定番のダブルテールに変更。山内さんが特にこだわったサイド出しマフラーやミラートップがたまたま装着されており、欲しかった仕様がたまたま東海カーズにあったという、ある意味運命的な出会い。もっとも重視したポイントは4MTで、「これだけは絶対に譲れないポイント」と断言していた。

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真っ赤なボディに真っ赤なインテリアで、否応無しに気分がアガるというもの。基本的にオリジナルの状態だが、メーター類のバルブはLEDに変更し見やすさを改善。ちなみに山内さんの奥様もたまに運転するそうで、颯爽と走らせる姿を見て見たいものだ。

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エンジンは5.7ℓの350を搭載。キャブやブレーキのマスターバックを新品に交換し、信頼性をアップ。山内さん的には383やZZ5などへコンバージョンしてみたいそうだが、カーズ細井さんは「まだ早い!」と敢えて制止。

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シャイな山内さんは顔出しせず、中学3年生の翔矢君が代わりに出演。「乗りたいクルマはチャレンジャーです。でも初代モデルですけど!」と、いろいろな意味で将来が有望だ。山内さんにとって、アメ車の魅力を分かってくれる頼もしい仲間でもある。

Owner : 山内洋典さん


Thanks:Tokai Cars
TEL:0533-86-8890

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Photo:浅井岳男
Text:空野 稜

アメ車マガジン 2020年 10月号掲載

タンドラの新色キャバリーブルー、ピックアップもカラーで楽しむ

2021 TOYOTA TUNDRA SR5

2021 TOYOTA TUNDRA SR5

AMERICAN TRUCKS -ピックアップトラックの無限なる可能性-

マッスルカー同様にピックアップもカラーで楽しむ

性能やデザインなど、クルマを選ぶ上での判断基準は多々あるが、ボディカラーも重要な要素。日本では白や黒といったモノトーンを選択しがちではあるものの、アメリカでは個性的なカラーが好まれる傾向があり、ピックアップトラックにも鮮やかなカラーが用意されている。せっかくであれば個性的なカラーで楽しみたい。

アメリカの空を思わせる新色キャバリーブルー

アメ車と聞いてイメージするのは、ドロドロとしたサウンドを響かせる大排気量と、圧倒的な存在感を発揮するボディサイズではないだろうか。そしてさらに付け加えるならばボディカラーもアメ車の魅力を語る上では欠かすことができない点である。ハイパフォーマンスなスポーツモデルのマッスルカーにはカラフルなハイインパクトカラーが用いられていることはアメ車ファンであればご存知だと思うが、そのカラフルな配色がマッスルカーの力強いイメージと相まって存在感をより一層引き上げており、所有欲を掻き立てる要因ともなっている。

2021 TOYOTA TUNDRA SR5

2021 TOYOTA TUNDRA SR5

このカラフルなボディカラーは決してマッスルカーだけの特権というわけではなく、ほかのジャンルにおいても波及しており、ハイインパクトとまでいかずとも様々なボディカラーが純正でも用意されている。中でもここで取り上げているタンドラは、このカテゴリーにおいてもカラーバリエーションが豊富であり、これまでに数多くのカラーをラインナップしてきた経緯を有する。白や黒をベースとしながらも、赤や青、グレーにベージュにグリーン、それにオレンジなど、挙げ出したらキリがない。そして紹介するタンドラのボディカラーはというと新色であるキャバリーブルーで、アメリカの空を思わせる爽やかさが特徴。ピックアップトラックであってもマッスルカーのように色を楽しむところがやはりアメリカン!

フューエルオフロード・マーべリックD537

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305/55R20のBFグッドリッチ・オールテレーン・T/A KO2に、フューエルオフロード・マーべリックD537の20インチを組み合わせたボトムスをポケットスタイルフェンダーで覆い、レディリフト製のレベリングキットにてフロント3インチ、リア2インチアップさせて高さを稼いでいる。トノカバーはEXTANGのSOLID FOLD 2.0で3分割で折り畳みが可能。

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搭載するエンジンはiFORCE 5.7ℓV8。最高出力は381hp、最大トルクは55.4kg-m を発揮する。ヘッドライトはTRD Pro標準仕様のLEDタイプをオプションでセレクト。ランニングボードは純正。インテリアの作りは平面を基調として、扱いやすく各種操作系スイッチを配置するとともに、シートはファブリック地で前後ともベンチタイプの6人掛け。さらにベースがクルーマックスだけにリアシートの居住スペースが広く、アクセスもしやすい。


TUNDRA BODY COLOR

下記のタンドラはこれまでにコロンブスがインポートして販売してきたモデルたちだが実にカラフル。インフェルノ、クイックサンド、ブルーリボンメタリック、セメントグレーなど、紹介するのはごく一部だが、色の違いで表情も異なる。同ショップの方針としても「タンドラの魅力を最大限に伝えたい!」というのがあるため、ベーシックなカラーだけではなく、こういった遊び心のあるカラーのモデルを積極的に取り扱っている。

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COLOR★インフェルノ

コロンブス①

COLOR★クイックサンド

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COLOR★ブルーリボンメタリック

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COLOR★セメントグレー


COLUMBUS【コロンブス】

TEL:042-332-0035
HP:http://www.columbus-japan.com


PHOTO&TEXT:編集部

アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

H3カスタムの集大成に相応しいオーダーフォージドホイール!

2006 HUMMER H3

2006 HUMMER H3

EXTREME CUSTOMS 「自分色に染め上げる」それがカスタムの醍醐味

MOBB City DOGGZ C.Cメンバーとして様々なミーティング、イベントに参戦する坂さん。カスタムに対してはストイックで、その眼は肥える一方。そんな彼の要求に対して期待値を超えるカタチで応えてくれたのがHigh FORGEDだ!

既存のホイールメーカーではハマるデザインが皆無

2020年末に新たなプロジェクトとして完全オーダーメイドの鍛造ホイールブランド「ハイフォージド」を立ち上げた鹿児島県の覇王。本誌でも年始に紹介したとおり、イメージを伝え、一からお好みのデザイン、リム幅、サイズからマッチングに至るまで、こと細かにオーダーできる画期的な試みは瞬く間にカスタムフリークたちを虜にしている。

紹介するH3のオーナーである坂さんは、クロスファイブを筆頭に数々のカーショーやイベントでアワード常連のハイレベルなクルマで結成されるMOBB City DOGGZ C.Cのメンバーとしてはもちろん、社会人になって初めてH3を購入後、11年間乗り続ける一本筋の通った男。流行り廃りで飛びつき、何台も乗り継ぐ飽き性ではなく、H3をこよなく愛するだけにその集大成として選ぶホイールにも、熱く成って然るべき。そんな熱い思いをぶつけて見事思い通りのホイールをカタチにしてくれたのがハイフォージドだ。

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イメージはプレーンなディッシュ系、いわゆる鉄チンホイールが進化したオールドスクールな22インチのディープリム。ブラッシュドミーリングカラーがその刺激的な12Jのリムの深さを際立たせ、キャップのみポリッシュで合わせることによってカークラブのロゴが際立つ。組み合わせるアチューロ・トレイルブレイドボスも355/40R22で、兄貴分のH2を超えてH1でも有り余るワイドトレッド幅でコーディネート。2歳の娘がスッポリ座って収まるリム幅は圧巻!

ボトムスを制する者はカスタムを制する。そんな肝となる部分を妥協しちゃいけない。こだわるならオンリーワン。ナンバーワンにならなくてもいいなんて謙虚なことは言わずに、思い描くイメージをハイフォージドでカタチにしてもらってみてはいかがだろう。カスタムとは既製品で着飾るものではない。カタチないモノをカタチにしていくことこそ醍醐味なのだから。

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純正のレッドが色褪せてきたことをキッカケに、どうせ塗り直すなら一癖加えてみようとハウスオブカラーアイスパールのゴールドをブレンド。一見純正色に見えて光の強弱でフレークが際立つのが狙いだ。マフラーは4本出しをワンオフで製作し、各部クロームはすべてブラッククローム化。背面タイヤはホイールのみの90年代ローライダーカスタムをオマージュしたもので、センターレイアウトの利点を生かしバックカメラを仕込む。

ハイフォージド、オールドスクールな22インチのディープリム

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ハイフォージドの魅力の一つとして、センターキャップにショップのロゴやカークラブのロゴを導入できることが挙げられる。MOBB City DOGGZ C.Cの様にロゴそのものがクールな場合、むしろ取り入れない理由はない。プレーンなリムデザインだけになおさら映える!

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OWNER:坂 雪晴さん


HAOU WHEEL

TEL:0995-73-8684
HP:http://www.haouwheels.com

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PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

敢えてTOYOTAロゴのタンドラ1794エディションと「ラプタースタイル」のF150

2019 TOYOTA TUNDRA 1794 EDITION、2017 FORD F-150 RAPTOR CUSTOM

2019 TOYOTA TUNDRA 1794 EDITION
2017 FORD F-150 RAPTOR CUSTOM

AMERICAN TRUCKS -ピックアップトラックの無限なる可能性-

サイズや圧倒的な存在感がUSピックアップの最大の魅力

マッスルカーやSUVなど、ジャンルを選ばず様々なアメ車を取り揃えるトップスピード。もちろんピックアップもその守備範囲に収まる。ここでは、ノーマル+プチカスタムだけでなく、トップスピードが得意とするラプタースタイルカスタムも紹介しよう。

カスタムすることで魅力と個性をより引き立てる!

アメ車はもちろん、USトヨタも得意とするトップスピード。紹介するのは、トップスピードが得意とする「ラプタースタイル」のF150と、充実した装備が魅力的でありながら、敢えてTOYOTAロゴを採用しラギッドな雰囲気を演出するタンドラの1794エディションだ。

アメリカ本国で販売されるピックアップは非常に価格帯が広く、いわゆる実用車然としたスタンダードモデルから、ファミリーカーとしても充分満足できるハイグレードまで、実に様々。フルサイズピックアップともなれば、前後方向の広さはもちろん、横方向の居住性も非常に快適で、大人5人が充分快適に移動できる。さらに大きなベッドを備えているので、アウトドアで活躍しないわけがない。

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さてタンドラの細部を見てみると、ノーマルよりも少々リフトアップを実施。オーバーフェンダーを追加し、タイヤサイズは295/55R20に変更しており、一回り大きなスタイルを実現している。リアスプリングにはヘルパーのエアバッグも備え、重量物の積載にもしっかり対応する。

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対するF150は、ラプターマスクに変更し、オーバーフェンダーを追加。MOTOMETALの22インチをセットし、ラプター同等の存在感と言うか、威圧感さえ感じさせてくれる。

ノーマルで十分と思うかもしれないが、少々スパイスを利かせることでより魅力を増してくるアメリカントラック。トップスピードなら、より魅力的な1台を提案してくれることだろう。


2019 TOYOTA TUNDRA 1794 EDITION

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ノーマルのままでは比較的フラットで、やや物足りなさを感じるエクステリアデザイン。そこでオーバーフェンダーやパイプタイプのサイドステップを装着し、立体感を強調する。TRDのリアスタビライザーやエアバッグのヘルパースプリングも装着済みだ。

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現在トヨタが乗用車にラインナップするエンジンの中で、最大の排気量を誇るV8・5.7ℓの3URエンジン。401lb-ftもの極太のトルクのお陰で、3tを超える巨体でありながら、軽々と走らせることが可能だ。

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明るいブラウンの内装色が高級感を醸し出し、エクステリアと良い意味でギャップを感じさせてくれる。一般的なモデルが6ATコラムの6人乗りであるのに対し、フロア6ATを採用。フロントシートはセパレートタイプで、乗車定員は5名となる。


2017 FORD F-150 RAPTOR CUSTOM

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フロントグリルやバンパーなどをラプタースタイルに変更し、ノーマルのやや軟弱な雰囲気を一変させる。以前同様のラプタースタイルカスタムを紹介したことがあるが、それとは別の車両。言い換えればユーザーからのリクエストが多いカスタムだと言えよう。

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ベースとなるのはV6・3.5ℓを搭載するXLT。リアルラプターまでのスペックではないが、雰囲気は十二分に楽しめる。22インチのMOTOMETALのアルミに、33×12.5R22のMTタイヤをセット。トノカバーも装着済みで、実用性も追求する。

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ベンチシート&コラムシフトを採用しており、乗車定員は6名を確保。オリジナルはファブリックとなるが、敢えてブラックレザーに張り替えており、高級感を演出する。タンドラほどの艶やかさはないが、実用車として気兼ねなく使えるところがポイント。


THANKS:TOPSPEED.inc
TEL:058-322-7547
HP:https://www.garage-topspeed.com


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

メカニックとしての腕を上げるべく、人生初のアメ車にシングルキャブのC1500をチョイス!

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1992 CHEVROLET C-1500

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

2020年3月に自動車工業専門学校を卒業後、縁あって大阪府堺市のナオキモータービルドにメカニックとして就職したジュンさん。学校で学んだことを活かせるか? と思いきや勝手の違うアメ車に四苦八苦。学ぶならまずは乗るべきと一念発起!

再塗装の予定で剥離したが未だそのまま放置(笑)

地元堺市の自動車工業専門学校に通っていたジュンさん。クルマが好きで、さらにはスケートボードが好き。休みの日は彼女と旅行やデートを楽しむごく普通の好青年。芸人で言うところの第七世代、ミレニアムベビーとか騒がれていたのがつい最近の様にも感じるが、そんな世代もすでに成人を迎え免許を取得しているという事実。

40代の筆者を含め、我々が憧れを抱いた90年代のアメ車たちは既にOBS(オールドボディスタイル)と呼ばれ、ポストビンテージカーとして人気が高まり、価格も年々高騰中。ジュンさんはもちろん、20歳前後の若者たちが挙ってこの世代のアメ車の虜となっているらしい。

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彼がC1500を購入するキッカケとなったのは、興味本位で立ち寄ったBBQミーティング。後に勤務先となるナオキモータービルド、スターキーズが主催するこのミーティングで多種多様なアメ車乗りたちとそのライフスタイルに魅了されて「自分もこんな風に楽しみたい!」と決意したと言う。それから度々ナオキモータービルドへ訪れる内に「ウチで働く!?」と言われ、即答で返事をしたのが2020年の秋だった。

就職が決まると同時に愛車として迎え入れたC1500。当初ほんのりラットなレベルだったが、段階を踏んでレストアしていきたいとの思いから、従業員総出で片面やボンネットを剥離。やっているうちに通常業務が忙しくなり、冗談半分のつもりで「とりあえずコレで乗っとく?」と言われたのを真に受けて、「良いっすね!」と快諾。見た目はラットでも機関は絶好調みたいなメカニックの愛車が一台あっても面白いのでは?と今となってはプラスに転じているが、20歳の若者がそれをアッサリ受け入れる辺り、タダモノならぬ大物感(笑)。

稼いだお金はスナップ・オンの高額工具に潔く使い、毎晩遅くまで作業に没頭するジュンさん。クルマはラットでも、作業はピカイチ。いずれはレストアを進めてバリモノのOBSに仕上げていきたいと語るジュンさんのアメ車ライフは、まだまだ序章に過ぎない。

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メッキの褪せたスチール感が良い塩梅のビレットインナー、フォグランプ付のフロントバンパーに黒いフロントグリル主体のフェイス周りが、色褪せた赤いボディにマッチ。剥離した際に素地が所々出てきて、そこに錆が侵食していった様子は天然ラットとなり、雨ざらしにすることでそのリアルな風合いを育てているか否かは定かではないが、18インチの鍛造ホイールと室内、エンジンだけはクリーンに保つ辺りがメカニックらしくて好印象。

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途中で剥離をやめたおかげで右側側面はラットと呼ぶには申し訳ないレベルの艶感を保持。SSミラーへ換装して、ナオキモータービルドの宮田氏が以前愛用していたマニュアルの白いC1500から高年式用のリアゲートステップウィングなるものを継承しており、ベッド部分はモデルイヤーの割に綺麗な状態を維持。彼女が乗る助手席側だけは綺麗にしておくこともジェントルマンの使命。

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ナオキモータービルドでここ最近メインとなっている販売車両がO.B.S。VORTECやTBIのメンテナンスは最重要事項となる。自らの愛車でTBIを熟考し、乗りながらウィークポイントや改善策を見出すこともメカニックとして腕を上げる最善の策。

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94年型までのインテリアは直線基調でノスタルジック。小さめのステアリングは背が高く足の長い彼にとって必需品。見た目はラットでも室内はクリーンな状態を保つ。

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OWNER : JUN


THANKS:Naoki Motor Build
TEL:072-236-7300
HP:http://naoki-mb.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

人の縁を広げてくれる、それがヘルキャットの最大の魅力

2018 DODGE Challenger SRT Hellcat EDGE CUSTOMS M-Line

2018 DODGE Challenger SRT Hellcat EDGE CUSTOMS M-Line

Let’s Enjoy CHALLENGER -かっこいいが一番楽しい

単なる移動のクルマではなくコミュニケーションツールです!

元々アメ車に乗っていたが、ある日突発的にヘルキャットを購入した土居さん。ただクルマを購入したはずが、そこから様々な人と知り合い、その輪はさらに広がりを見せそうだ。

クルマもラグジも見ず島澤社長を信じて購入

チャレンジャーを購入する前の愛車はダッジ・ラムで、12年ほど乗っていた土居さん。スノーモービルを牽引するなど、四季を問わず活用していた。だがある日、突発的にチャレンジャーが欲しくなり、ネットを検索するとラグジに一発ヒット。ヘルキャットをベースにM‐LINEのカスタムを施したが、1番の驚きはクルマを1度も見ていないだけでなく、ラグジにも行ったことがないという事。土居さんは「島澤さんを信じていたので何も心配しなかったですね。最初から完成したスタイルなので、今後特に手を加えようとは思っていません」と語る。

2018 DODGE Challenger SRT Hellcat EDGE CUSTOMS M-Line

そんな土居さん、当初は普通のボディカラーを考えていたが、それを聞いた島澤氏が「いやいや、あかんすよ。地元で誰も乗っていないからこそ、特徴的な色にしないと」と言われ、デストロイヤーグレーをチョイス。「当時は冒険しすぎじゃないかな?と思いましたが、島澤社長の時代を先取りした感覚の通りで、大正解でした」とのこと。色は非常に重要な要素だが、それを自分の目で見ないで決めたのは、島澤氏に全幅の信頼を寄せていたからだと言えよう。

ヘルキャットの魅力について聞いてみると、「確かに排気量や力強さもありますが、知らない人にも声を掛けられる所ですね。クルマでありコミュニケーションツールでもあるので、佐々木さん達と繋がったのは島澤社長のおかげです。人の縁を広げてくれる、それがヘルキャットの最大の魅力ですね」と、その顔はどこか誇らしげな様にも見えた。

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エクステリアは、EDGE CUSTOMS M-LINEにAPRのスプリッターを追加。チャレンジャーのシンプルなイメージを残しつつ、追加パーツが引き立つM-LINEをチョイスした。マットブラックの差し色で、立体感を強調する。

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ボルト留めをイメージさせるオーバーフェンダーが、M-LINEの特徴的な部分。ホイールはWORK・CR3Pで、フロントは255/35R20を、リヤは315/35R20をセット。チャレンジャーSより少しだけ細いが、それでも圧巻のスタイル。

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インテリア、エンジン共にノーマルのままをキープ。ヘルキャットはメーカー自らがチューニングしたクルマと言えるので、敢えてそのバランスを崩さない様に努めているそうだ。

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Owner:土居 功明さん


LUXZ【ラグジ】

TEL:058-259-3922
HP:https://luxz.jp


写真/浅井岳男
文/空野稜

アメ車マガジン 2020年 10月号掲

-アメカルにまつわるエトセトラ- #17「永遠少年な帰国子女 」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#17「永遠少年な帰国子女 」

今回は当ページの担当編集K君についてお話をさせていただこうと思っております。

K君と出会ったのは約25年ほど前。当時、彼は当アメ車マガジンと同じ版元から出版されているレッツゴー4WDという4WD専門誌の編集スタッフ、私はフリーライターとして駆け出しだった頃。共通の知り合いを通じて知り合いました。私の初期の印象は…正直にいうとあまり良くありませんでした笑。それまでわりとまっとうな企業でサラリーマンをやっていた私はスーツ必須…とまではいかずとも、小ざっぱりした服装&程よい対人距離感が業務での日常。

ところが、彼はスカジャンに履き古したジーンズ、そして逆さ被りのアポロキャップ。さらに最初から良くも悪くも気を使わない態度。「この人とは合わないわぁ」というのが第一印象でした。ところが、彼の携わるレッツゴー4WDを読み始めると、誌面でのチャレンジ企画などに果敢に挑戦し、時に撃沈している姿を見るうちにイメージは好転。そしてイメージ改編のピークとなったのは2003年でした。当時、レッツゴー4WDからランドクルーザーマガジンという更にマニアックな雑誌編集部に移動していた彼は、一介のサラリーマンであるにもかかわらず、クライアントや関係各位に頭を下げまわってかき集めた費用や部品(彼が業界の人気者だったこともその時に良く分かりました)で廃棄寸前だったランドクルーザーをラリーマシン“コジロー号”へと仕立て上げ、アジアクロスカントリーラリーに参戦を果たした事は見事の一言だったと思います。ラリーマシン制作の過程に私も何度か立ち会ったのですが、ボロッボロだったランドクルーザーを決してピカピカに仕上げるわけではなく、費用を含めた限りあるリソースのなかで彼の価値観とラリー参戦での必要不必要をうまいことバランスさせたクルマ作りをみていると「ああ、こういう車の愛で方もアリだなぁ」と強く思わされたものでした。

そんなK君はその後にアメ車マガジンに移動。そこで今度はマスタングと出会います。実は彼はアメリカからの帰国子女。彼の地で子供の頃に脳裏に焼き付けたマスタングにはひと際思い入れがあるそうで、約半世紀前に誕生した車両を日常使用に耐えうるまでに見事仕上げました。そう、中身アメリカ人な彼はオールドマッスルだって猫可愛がりはしません。これまたどこかで朽ちかけていた30系ソアラと共に惜しげもなく使い倒し、あっちがイカれた、こっちが壊れた…とか言いながら地方で見つけたおもちゃ箱みたいなガレージで素敵なV8ライフを送っているのです。あ、そういえばガレージにV8…とくればアメリカーンなワンコがお似合いですが、そちらは純ジャパニーズな柴犬君たち…そう、かっちりし過ぎないのもK君流なのでした。
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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

“価値あるモデル”と断言できるシェルビーGT350

2018/2019 FORD MUSTANG SHELBY GT350

2018/2019 FORD MUSTANG SHELBY GT350

HIGH PERFORMANCE MUSCLE CARS

シェルビーGT350は今が狙い目!

赤のノンストライプとブルーのレーシングストライプ入りが並ぶ姿はまさに圧巻の一言。スティックカーモデルに特化したBUBU阪神の中で、その大本命にして“価値あるモデル”と断言できるシェルビーGT350。その魅力を徹底リポートしてきた。


マスタングシェルビーGT350に関する記事一覧


6速MTしか選択肢のない強気な姿勢がソソる!

BUBU阪神で撮影する車両はスティックカー率が高い。アメ車のみならず世界各国でマニュアルモデルのリリースが減少傾向にあるからだ。それと比例するかの様にオートマティックの技術は格段に進歩しており、8速や10速を備えるモデルも珍しくなくなってきた。DCTも順調にその存在感を示しつつある。

しかしダイレクトな感覚という点だけでいうならば、少々荒々しく右手でスティックを操り、左足でクラッチを踏みながら右足でいつでもアクセルを開口できる準備を整える、全身でクルマと一体化した様な感覚に勝るものはない。これは快適か否かといった議論とは別物の話である。減少傾向とはいえ、まだまだマニュアルを選択できるモデルも少なからず存在しているが、今回紹介するシェルビーGT350はまるで時代を逆行するかのごとくマニュアルモデルしか選択肢のない強気な姿勢を貫き、エンジン本体は担当者のネームプレートを一台一台にあしらうハンドメイドで生産している点が特筆物だ。

FORD MUSTANG SHELBY GT350

FORD MUSTANG SHELBY GT350

手間暇をかけた分費用はかさむが、だからこそ価値を見出すファンから絶大な支持を得ていると確信できる。生産性向上、コスト削減、利便性の追求と三拍子が揃う昨今の自動車産業において、もはやまったく別の乗り物と言った感覚。それにも関わらず紹介する二台のうち一台は既に売約済みで、もう一台もズバ抜けて問い合せの率が高いとのこと。運転していて気分が高揚するクルマは多いようで少ない。懐古主義的なスーパースポーツフィーリングを色濃く感じさせてくれるクルマとなればさらに希少。モデルイヤーこそ最新モデルではあるが、絶版車になるかもと噂されているだけに、プレミアの付くレアモデルになる可能性を大いに秘めている。

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大胆かつアグレッシブなシルエットで空力抵抗を加味した各部スポイラーの中でも、サーキットシーンを彷彿させるリアエンドのフォルムは実に魅力的。2018年モデルはトランクスポイラー、2019年モデルはリアスポイラーを標準装備とする。

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フォード車初となったマグネライドサスペンションに19インチホイール、ブレンボブレーキシステムを純正で採用。また、ベースモデルのマスタングは2018年以降マイナーチェンジで表情を変えるが、シェルビーGT350は旧フェイスをストックする。

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自然吸気のV8エンジンに6速マニュアルの組み合わせは、ドーピング一切なしのストイックなアスリートのごとく、アメリカンスーパースポーツの世界を余すことなく堪能できる今となっては貴重な代物。高回転型パワーユニットでレブリミットは8250rpm、526hpを弾き出すパフォーマンス性も特筆物だ。

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キーオンでメインモニターに表示されるシェルビーのロゴは、タダモノではないオーラを直感的にドライバーへ与え、それをより色濃くするかの様にトグルスイッチや赤いエンジンスタートボタン、スエード巻のステアリングに油圧、油温メーターを配置。TREMEC社製の6速マニュアルシフトはショートストロークでスポーティーな走りへと誘う。

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2019年モデルのシートにはRECARO製のダークスレートアクセント付きスポーツシートが装備され、2018年モデルには他グレードにも採用されているタイプと同じシートが装備されている。乗り心地に求める項目はドライバーによって様々。同乗者を含めて楽に着座したい方にはRECAROシートは過剰スペックかもしれない。シートは好みに応じてセレクト可能であるため、購入時にどちらを選択するかを相談してみてはいかがだろう。


BUBU阪神

TEL:06-6427-5151
HP:https://www.bubu.co.jp

BUBU阪神に関する記事一覧


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2020年 10月号掲載