これからのアウトドアトレンドはオフロードキャンプになる!

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SKYAUTO OFFROAD CAMP
Sat-Sun May 22-23,2021 at Kitakaruizawa Natural Park

ヨンクは泥と戯れてこそ、そこはオフローダーズパラダイス

ハマーH1のスペシャリティショップとしておなじみの「スカイオート」。もちろん国内では手に入りにくいシボレーやフォード、それにJeepの並行輸入元としても頼れる存在だ。そんなスカイオートが不定期に行なっているのが、キャンプ&ミーティング。あいにくのコロナ禍だが、それでも時には、愛車と思い切り楽しんでみるのもいいよね!

「スカイオート」といえば、日本のハマーH1オーナーズクラブの事務局もつとめるスペシャリティショップとしてもおなじみだし、日本で正規販売されていないアメ車各車を、並行輸入というカタチで僕らにデリバリーしてくれるプロショップとしても知られるところ。とくにピックアップトラックやSUV、Jeepなどを得意としていて、実際、代表の村上周平さんもアウトドアやオフロード大好き人間だし、常連のお客さんも本格オフローダーが多かったりする。まあ、H1を扱っているというそのこと自体、オフロードとは切っても切れない縁ではあるが。

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そんなこともあって、スカイオートは不定期ながら、アウトドア&キャンプイベントも頻繁に行なっている。ハマーのキャンプ&ミーティングに積極的に参加したり、自らが主催者となってキャンプを行なったり。トラベルトレーラーや、オーバーランダーな車載テントなどを活用するキャンピングスタイルのお客さんが多いのも、スカイオートの行なうイベントを楽しみにしているからにほかならないのだ。

そして今回。あいにくのコロナ禍ではあるが、そんな閉塞を打破しようと、スカイオートがイベントを企画してくれた!名付けて『オフロードキャンプ』。みんなで集まって、語り合うキャンプもいいだろう。クルマのカスタムの情報を交換しあう会も、それはそれで楽しい。しかし、せっかくアウトドアに飛び出すなら、さらなる楽しみ方があるのを、スカイオートは教えてくれるのだ!

これからのアウトドアトレンドはオフロードキャンプになる!

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『オフロードキャンプ』の趣旨は、オフロードを思い切り走って、同時にキャンプも楽しんでしまおう!というもの。急に決まったイベントだったが、お得意様を中心に、なんと13台(レポーターのJLラングラーも含め)が会場の「北軽井沢ナチュラルパーク」に集まった!

「今回のメンバーは、元々はH1でオフロードを楽しもう、ってことでやってきたんですが、日本のオフロードはH1で走れる場所がほとんどない。それで一時期、みんなでジムニーも持つようになったんですが、それでも物足りなくてね。いつしかみんな、Jeepになっちゃいましたね」と村上さん。今はイカしたオフロード仕様のJeepを操るメンバーが多いだけでなく、巨大なトラベルトレーラーや、いわゆるオーバーランダースタイルのオーナーさんも目立つ。Jeepと同時に、H1を所有している方も多いそうだから。車中泊、ソロキャンプ…なんて縮こまった楽しみ方でなく、豪胆にアウトドアとオフロードを愉しむのがスカイオート流なのだ。「グランピング」なんていうセレブなアウトドアスタイルも人気だけど、「オフロードキャンプ」はそれ以上にワイルド、それ以上にアッパーグレードな、流行りのスタイルになってしまうに違いない!

そして会場となった北軽井沢ナチュラルパークは、モーグルやヒルクライムを存分に楽しめるオフロードコースと、緑に囲まれた快適なキャンピングエリアを擁する絶好のエリア。「オフロードキャンプ」を楽しむにはうってつけのフィールドだったのだ。

普段はH1でトレーラーを引っ張り、キャンプを楽しむスカイオートの常連さんたちだが、今回はオフロードも楽しむということで、トレーラヘッドはJeep。村上さんは箱型のトレーラーを分解し、再び組み上げるとテントになる、というNEWスタイルのトラベルトレーラーで参加。シンプルながら、快適なスペースを作り出す!

常連の石飛さんのトラベルトレーラーはオーストラリア製、ブラックシリーズの“ ドミネーター” 。箱形のトレーラーを扇のように広げると、巨大なテントスペースが。トレーラーサイドにアネックス・スペースも作ることができるが、今回はナシ。まさに余裕のアウトドアライフを楽しめる。

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現地にはお昼すぎに到着。それぞれに就寝スペースを作ったら、オフロードへGo!走り疲れて戻ったら、今回、シェフをつとめてくれた工藤さんが用意した夕食を堪能。たき火を囲んだ語らいも、またアウトドアの楽しみだ。そして夜も更けてくると、誰かがオフロードへ…。もちろん他のメンバーもそれに続き、昼間とはひと味違うスリルが味わえる“ ナイト・オフローディング” がスタートするのだ。

水を得たサカナ…というより泥を得たJeep!!

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1泊2日で行なわれた今回の「オフロードキャンプ」。初日のお昼過ぎには、参加者はほぼ到着。さっそくキャンプの準備に。巨大なキャンピングトレーラーを引いてきた石飛さんやKEN‐Uさん、村上さんのトレーラーも大きなテントに早変わりだ。さらに工藤さん、T‐BOYさん、シンゴさんらピックアップ組は、デッキ上に大きなテントを展開する。うーむ、レポーターは流行のソロキャンプスタイルだったが、彼らに比べるとなんだかうら寂しい…。

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そして寝床や集会所の設営が終わると、さっそくオフロードエリアにGO! TJ、JK、JLと、水を得たサカナ…というより泥を得たJeepたちが、楽しそうに走り回る!手練れのベテランたちに混じって、この日、四駆に入れるのも初めてだというJKルビコンを操る斉藤さん19歳。みるみるアクセルワークも上達していく!やっぱりJeepはオフロードを走ってこそ!都会派のイカしたモディファイも得意としているスカイオートだが、本格オフローダーへのモディファイもスカイオートにおまかせ、なのだ。

さらに日が暮れ、夕食を楽しんだ後は、ナイトランにチャレンジ!路面が泥中心で、深いモーグルやV字溝はあるものの、クルマを壊しにくいのが、北軽井沢ナチュラルパークのいいところ。もちろん、2日目も、また別なメンバーもやって来て、ドリフト&ヒルクライム!中にはランボルギーニも所有…って方もいらしたが、アクセル全開で楽しめるのが、オフロードの良さ、なんだよな!

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ナチュラルパークのオフロードエリアは、山の斜面に作られたモーグルやV字溝、ヒルクライム&ダウンを楽しむコース。路面は深々としたマッドが中心で、幸いクルマを壊す心配がなさそうなのがいい!走る時はもちろん、4Lにシフト。V字のモーグルは登り下り、走り方が異なるので注意!ヒルクライム、からのタイトターン&ヒルダウンは、けっこうテクニカル。

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モーグルエリアの隣には、フラットな草原が広がっていた。ここは絶好のドリフトエリア!ふかふかの、ちょっとマッディな路面で全開走行を楽しむのだ!とはいえ、危険な速度には到らないのもポイント。ここでは2WDにシフトして走ると、後輪が滑る滑る!クルマが泥だらけになってしまうので注意。

今回の参加者たちが、こぞって履いていたのがマッドテレーンタイヤ。そう、オフロード向けタイヤの代表的キャラクターで、荒々しいトレッドブロックが特徴だ。ナチュラルパークのようなマッド路面は、やはりマッテレでなくてはうまく走れないかも。サイズは37インチが標準的?毛利さんのJKは39インチを履いていた!

マッテレタイヤを履きながら、さらに参加者たちはタイヤのエア圧も落としてトライ!聞けば普段は2.5キロくらいだが、1.5~1.8キロに落としていたとか。もちろん走行後は標準エア圧に。そのためコンプレッサー持参で望むのがいいだろう。オフロード走行後はタイヤのエア圧を標準に戻す。石飛さんの、自慢のMAKITAの充電式エアコンプレッサーが大活躍!1.8から2.4キロまで、1台20分ほど。3台でバッテリーが落ちるとのこと。

さすがにオーバーランダー仕様、2WDのC2500でオフロードはトライしなかったが、料理に腕をふるってくれた工藤さん。調理師さんでもなんでもないが、料理の腕は逸品だったのだ。ごちそうさまでした!トンペイさんはちょうどイベント2日目が誕生日!特別なショートケーキとプリンで、45回目の記念日をみんなでお祝いしたのだ。おめでとうございます!村上さんから仕上がったマニュアルミッションのJK ルビコンを受け継ぎ、めきめき腕を上げた“あんちゃん”こと、毅斗くん19歳。食いっぷりも周りのオジさんたちとは違います。

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ゴージャスにアウトドアを愉しむ“グランピング” や、アウトドアをクルマと一緒に愉しむ“ オーバーランダー” など、アウトドアにも新しいスタイルが定着しつつある昨今。しかし今回、スカイオートが提案したのは、オフロードと一緒にグランピングやオーバーランダーを楽しむ“オフロードキャンプ”という、これまた斬新なスタイル。いやー、これは楽しい!アウトドアをアクティブに、そしてゴージャスに。スカイオートならきっと、そんな楽しみをレクチャーしてくれる。みんなもぜひ、トライしてみない?


KEN-U さん(42)/ランドクルーザー・プラド

愛犬の甲斐犬“ 禅くん”を連れて全国をライブ活動で回っているという、ミュージシャンのKEN-Uさん。愛車はランクル・プラドだが、USレクサスGXのパーツでコーディネイト。キャンピングトレーラーは上部にテント、下部に積載スペースやキッチンを備えた、本格オーバーランダーだ。オフロードにも果敢にチャレンジしてくれた!

工藤浩伸さん(49)・和伸くん(11)/シボレーC2500

H1を2台乗り継ぎ、今はC2500をオーバーランダー&キッチンカーにアレンジしている工藤さんは、スカイオートのミーティングがあると、最高のレストランに!本職はまったく関係ないそうだが、工藤さんの作る料理は、まるで西麻布の高級レストラン並みなのだ。和伸クンもこの日、オフロードランに同乗し、遊園地以上に喜んでいた!

毛利洋行さん(48)/ Jeep ラングラーJK

一見しただけで、その戦闘力の高さを物語る毛利さんのJK。左ハンドル、ショートの“ スポーツ”をベースに、シナジーのサスペンションと、39インチのBFグッドリッチKM3でモディファイ。普段乗りはパイプフェンダーを装着、オフロード時はそれを外し、サスストロークを目一杯生かす。走りも豪胆さが印象的!

斉藤毅斗さん(19) / Jeep ラングラーJK

若干19歳でマニュアルミッションのJKルビコンを操る毅斗さんは、この日がオフロードデビュー。が、もともとMTのジムニーに乗っていただけに、センス抜群! ベテランたちのレクチャーもあって、2日目の走行はかなり乗りこなしていたのだ。ちなみにこのルビコン、元は村上さんの愛車だったのだ。

石飛毅さん/ Jeep ラングラーJK アンリミテッド

スカイオート軍団の最長老、石飛さんは、ハマーH1オーナーズクラブ・ジャパンの会長もつとめる。今回は巨大なトラベルトレーラー“ブラックシリーズ・ドミネーター”を、H1でなくJKアンリミテッドで牽引してやって来てくれた。エアコンプレッサーなど、MAKITAのアイテムに凝っているのも、周囲にはありがたい。

村上周平さん(45) / Jeep ラングラーJK

スカイオートの代表で、今回のまとめ役。“ オフロードキャンプ”という、新しいアウトドアの楽しみ方を提案してくれた。愛車のJKルビコンはAT。これまでMTのルビコンに乗っていたが膝を悪くしたので毅斗さんに譲り、ATに乗り換えたという。手に入れてから3日で、ここまでカスタムを仕上げた!

T-BOY さん(44) / ’00 シボレー・シルバラード

スタイリッシュなシルバラード・アクセスキャブで参加のT-BOYさんは、スカイオートとの付き合いは18歳からというアメ車ガイ。デッキにはCVTのルーフトップテントを搭載し、イカしたーバーランドスタイルを楽しんでいる。現在、現行のシルバラードをオーダーしているというから、次回も新しいスタイルを見せてくれそうだ!

シンゴさん(44)/ Jeep グラディエイター

村上さんの盟友でもあるシンゴさん。18歳の時、スカイオートの抽選でアストロが当選したのが、アメ車ライフのスタートだったとか。現在はJeepグラディエイターをオーバーランダー仕様にして所有。デッキに設置したテントは、愛息子・ブンちゃん(5歳)と眠るには十分。4人家族+ワンちゃんの時は、下部にアネックスの増設も可能だ。

野口正史さん(40) / ’09GMC シエラ

イカしたピックアップで2日目、駆けつけた野口さん。’09GMCシエラをベースに、前後社外フェンダーでスタイルアップ、足まわりはダートキングで仕上げ、ダートでの走りを披露してくれた。ちなみにシエラのほか、C6コルベットやモンテカルロも所有とのこと。スカイオートはアメ車フリークの巣窟なのだ!

トンペイさん(45)/ Jeep ラングラーJK アンリミテッド

トンペイさんも村上さんの旧くからのご友人。もちろんクルマ大好きで、18歳の時に買ったタイフーンを皮切りに、ポルシェ、ディフェンダー、シボレーS-10、4ランナーなどを乗り継いできたという。現在の愛車はJKアンリミテッドの2インチアップ仕様。オフロードの高いポテンシャルを見せてくれた。あと、この日、誕生日でした。

シュンスケさん(17) / Jeep ラングラーTJ

こちらは高校生、17歳のシュンスケさんだ。もちろん運転免許はまだ持っていないが、クローズドコースならドライブOK。やはり長老たちのていねいなレクチャーのおかげか?すっかりお父様所有のTJで、モーグルをグングン走ってしまえるまでに上達。いやー、世代交代も、実にうまくいきそうなスカイオート軍団だ。

桧谷英樹さん(55) / Jeep ラングラーTJ

スカイオート軍団の、オフロード番長とも言える存在が桧谷さんだ。アクセルは常に全開?周りのメンバーによると、前を見ていないのに突っ込んでいくのが特徴、とのこと。スカイオートにはジムニーでオフロードを楽しむ時代もあったそうだが、そのジムニーを一瞬で鉄くずにしてしまった伝説も持っているのだという。


フォトギャラリー


SKY AUTO【スカイオート】

Location:埼玉県越谷市南荻島708-1
Phone:048-976-1235
URL:https://www.skyauto.co.jp/

埼玉県越谷市を拠点に、全国ハマーオーナーの駆け込み寺的な存在になっているのが「スカイオート」だ。ハマーを楽々載せられる6tリフトが1基、さらに5tリフト4基、3.5tリフト2基という、充実の整備工場を完備。スタッフ全員が整備士免許を持ち、アメ車・国産車などほとんど自動車メーカーに対応するコンピュータ診断機も備えている。もちろんハマーだけでなく、ピックアップやSUV、Jeep など、購入やメンテナンスの相談を!


Photo:編集部、スカイオート
Report:高坂義信

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

ワイルド・スピードを見て親子がマッスルカーデビュー!

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2009 DODGE CHALLENGER SRT8
2012 DODGE CHARGER

FUN to DRIVE MUSCLE CAR -マッスルカーに乗る悦楽-

父・松川武生さん、長男・琉希さんともにクルマ好きだが、愛車購入は相談せずに事後報告で車種もバラバラ。だが、ワイルド・スピードを家族で見たことをキッカケに2人はマッスルカーに魅了され、それぞれ購入に向けて動き出していく。

家族に内緒で父が突然チャレンジャー購入

アメ車が活躍する映画といえば、誰もが口を揃えて言う「ワイルド・スピード」。今年夏には第10作目となる「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の公開が控え、再びアメ車が注目されることは間違いない。

そんなワイルド・スピードに登場するアメ車の迫力に圧倒され、アメ車を購入するオーナーも多いのだが、紹介する松川さん親子もまた、ワイルド・スピードを見たことをきっかけに初めてのマッスルカーデビューを果たす。

父・武生さんは大のクルマ好きで、これまで多くのクルマを所有してきた。クルマの買い替えは基本家族に相談することもせず、次から次へと父のクルマが入れ替わるのは、もはや松川家では当たり前の光景だった。そんな父を見て育った長男・琉希さんもまたクルマが好きで、父と熱く語り合うことはないものの、父が買い換えるクルマは常に気になっていた。

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そんな松川家が数年前、家族団らんで新作公開されたワイルド・スピードをTV視聴。それを見て目を輝かせたのは武生さん。実は武生さん、20年以上前にサバーバンに乗り、いつかまたアメ車が欲しいと思っていたが、最近のアメ車は価格が高いこともあり、「欲しいけど我慢」という状態が続いていた。だが、過激に走り回るアメ車の姿を見て我慢の限界に到達。いつものように、ひっそりとネットで車両を検索し、岡山県のエクスカーズにたどり着く。訪問したショップには、映画に出ていたダッジ・チャージャーが堂々と止まり大興奮。しかし、その隣りに並ぶチャレンジャーの威圧感にも釘付けになる。「ずっとチャージャーばかり見てきたんですが、生で見るチャレンジャーのカッコよさに惹かれてしまって…」。想定外の恋人登場により、その場で判断できずに一週間悩んだ末、下した決断は真っ赤なボディが刺激的な09年型チャレンジャー・SRT8。「赤いボディが自分に似合わないと思って悩んだんですが、今となっては赤が一番の自慢です」。

一方、琉希さん視点から話を聞くと、「チャレンジャー買ったから」。突然真っ赤なチャレンジャーを自宅に乗り付け、いつものように家族に事後報告した武生さん。「マジかって思いました。実はワイルド・スピードを見て、チャージャーに乗ろうと決めてたんです。それがまさか、父がチャレンジャーに乗るなんて…」。思いもよらず、父が先にマッスルカーデビューしたことに悔しさもあったが、「お前も好きなクルマに乗ればええんじゃ」と父が言った言葉を「俺も買ってもいい」と解釈し、頭金の貯金を開始。そして一年前、友人が働くカーショップに行き12年型チャージャーの購入を決断する。武生さんがそのことを知るのは、「ローン会社のものですが…」という電話で知ることになる。「そりゃ驚きましたよ(笑)。でもね、驚き7割・嬉しさ3割です」と、琉希さんに聞こえないようにホンネを語る。

武生さんのさらなる夢は、一緒に撮影に来た長女・瑠夏さんもアメ車に乗ること。一方の琉希さんの夢は、父のチャレンジャーを手に入れること(笑)。彼女の奈央さんももしかしたら? 今後の松川家からは、アメ車にまつわるネタがドンドン増えていきそうだ。

いつかは娘にもアメ車に乗って欲しいかな
2009 DODGE CHALLENGER SRT8

2009 DODGE CHALLENGER SRT8

2009 DODGE CHALLENGER SRT8

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3年前に父の武生さんが購入した09年型チャレンジャーSRT8。アメリカンレーシングの22インチ、RUSHの車高調を組む。赤いボディカラーが派手過ぎると購入を迷ったが、今ではその赤が一番のアピールポイント。25年ぐらい前にサバーバンを乗っていたこともあり、基本的に左ハンドル車が好きで、その時の趣味により色んなクルマに乗り換えてきた。因みに一緒に撮影するのは松川家の長女・瑠夏さん。クルマに全く興味がないわけでななく、武生さんは瑠夏さんがアメ車に乗るのを夢見ている。「父と兄のクルマどちらが好き?」の質問に、即答で父のクルマと答え、武生さんは満面の笑みだ。

2009 DODGE CHALLENGER SRT8

OWNER : 松川武生さん

ここだけの話父のチャレンジャー狙ってます!
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2009 DODGE CHALLENGER SRT8

2009 DODGE CHALLENGER SRT8

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琉希さんが1年前に初めてのアメ車として購入した12年型チャージャー。それまでは国産ミニバンに乗っていたが、ワイルド・スピードを見てチャージャー購入を決意。基本的にカスタムは購入時のままで、社外22インチホイール、車高調、トランクスポイラー、カーボンボンネットが装着されている。憧れのチャージャーを手に入れたものの、父のチャレンジャーと乗り比べるとパワー不足が不満のようで、いつかは父のチャレンジャーを手に入れることを密かに模索する。また、仲良く写真に映るのは彼女の奈央さん。彼女にとってもチャージャーは自慢のクルマで「メッチャ、カッコいい!」と語るが、「でもお父様のクルマのほうが素敵です」と、しっかり空気を読むあたり、松川家とは上手くやっていけそうだ。

2012 DODGE CHARGER

OWNER : 松川琉希さん


EXCARS【エクスカーズ】
TEL:0867-34-1020
URL:http://excars-st.com


PHOTO:高原義卓
TEXT:相馬一丈

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #16「スペースオペラ版 子連れ狼 」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#16「スペースオペラ版 子連れ狼 」

スターウォーズ( 以下SW)シリーズからは、様々なスピンオフ作品が誕生しました。なかでも昨今人気を博しているのがストリーミングサービス「ディズニー+」のキラーコンテンツとして2019年に配信された「マンダロリアン」です。

SWキャラの中でも人気のボバ・フェットが登場する作品が計画されている…という話題を耳にしたのは6~7年も前のことでした。当時は本編としては久しぶりなエピソード7の公開間近ということで、界隈がざわつき始めた頃。私は「ずいぶんと細かなところまで掘り起こすなぁ」くらいに思っていました。ところが2020年、当ページの担当編集Kくんから「マンダロリアン見ました?面白いらしいですよ」との情報が。そこで、早速ディズニーデラックス(当時)に加入して見始めたら…あまりに面白くて全8話を数日で一気に見てしまいました。

マンダロリアンとは、惑星マンダロアを中心に活躍していた伝説の戦闘集団の総称。優れた戦闘技術をもち、強靭なアーマーで身を固めたマンダロリアンはバウンティハンター(賞金稼ぎ)や傭兵として様々なシーンで重宝されていました。ボバ・フェットや父親であるジャンゴ・フェット(正確にはDNA元)も、マンダロアのアーマーをまとったバウンティハンターとして本編に登場しています。そんなマンダロリアンの一人が主人公。マンドーという愛称で呼ばれている彼が「某所に囚われている“獲物”を連れてきて欲しい」という依頼を受けることから「マンダロリアン」は始まります。そしてその獲物が“あの”ヨーダと同じ種族の幼児でした。グローグーという名のその子を一旦は依頼主に届けて報酬も受け取ったものの、そのいたいけな姿に罪悪感と愛情を持ったマンドーは依頼主からグローグーを奪還。様々な追手から逃れながら、グローグーの帰るべき場所・人を探す旅を続けるというのがストーリーの骨子…はい、とってもストレートです。

民族や種族、そして親子の愛憎まで様々なファクターが絡み合う本編に比べてとても分かりやすい。どんな状況でもグローグーを第一優先にするマンドーのひた向きさもあって素直に安心して見ていられるのです。この単純明快な面白さは、脚本・企画をアイアンマンの監督であるジョン・ファヴローが担っていることも無縁ではないと思われます。また、それまでアニメーションで描かれていたキャラクターが実写で登場したり、ボバ・フェットなどサプライズなキャラクターの登場などファンサービスに事欠かない作りも人気となった要因です。

幼いグローグーを守りながらバウンティーハンターとして旅を続ける姿は、ある年齢以上の視聴者にはピンとくる「子連れ狼」そのもの。早くもシーズン3の製作が発表されましたが、今からとても楽しみです。
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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

「ヒックリ返したバスタブ」などといわれる曲線基調のフォルムのビュイック・ロードマスター

1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

使用感丸出しのルックスが逆にいい!ラフな個体こそリアルにアメリカ的で魅力的

新車当時は高額で手の届かない存在だった。約30年の経過によって、今度はコレクタブルな存在としてバリューが高等する中、個人売買でしか通用しないような、使用感丸出しのルックスながらも機関良好でチープな個体こそ希少。

アイランド系にも通じる、いい雰囲気を醸し出す個体

4世代目のシボレー・カプリスは、タクシーやポリスカーなど、ビレットホイールの誕生によって、一気に加速したハイテックスタイル全盛期のベースモデルとしても人気に。中でもワゴンは、よりカジュアルなキャラクターと、フルサイズのロングルーフ車ならではのロー&ロングなスタイリングがポイント。「ヒックリ返したバスタブ」などといわれる曲線基調のフォルムがポイント。時代のトレンドにマッチして、国内でのアメ車人気にも大きく貢献。そして、ビュイック・ロードマスターは、カプリスの姉妹車として、特有のグリルやウッドパネルの採用によって、往年のアメ車らしさを発揮。

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個人的にはどちらも好みなので、とにかく熱望したものの、高額で手が届かず、憧れの存在だった。安価な中古車として出回った時には、手のかかる不健全な個体ばかりでスルー。そんな中、知り合いの業者が買い取ったこの個体は、機関系が健全ながらも、内外装にダメージがあり、販売するには微妙な状態としてくすぶっていたため、自分の愛車にと譲り受け、その後同じ価値観の現オーナーに譲渡した。ナインティーズのアメ車ではありがちのクリアーコートがカサカサに剥がれ落ち、ウッドのカスレやボディに凹みもあるが、不思議とみすぼらしくは感じず、むしろアイランド系にも通じるいい雰囲気を醸し出している。

フルサイズならではのボディサイズは、大きな操舵角の確保で、全くといっていいほど苦にならず、燃費も市街地で7km/ℓと実にフレンドリーなのである。

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アメリカでは“ヒックリ返したバスタブ”といわれる曲線基調なフォルムが魅力的。カプリスにはないルーフガラス&専用設計のキャリアによって、より丸みが強調されているため、個人的には“ 業務用マヨネーズ”と呼んでいる。ボディの凹み、モールディングの欠損、ウッド部や塗装のダメージはあるものの、アイランド系にも通じる雰囲気で◎! ワゴンでは主流となっている350ci/L05エンジンは、パワーこそ170hp程度ながら、車重が2トンを超えていることを全く感じないほど、スムースなフィーリングが魅力。低回転域でのトルクがリッチなので、市街地から高速巡航まで安定感がある。

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時間の経過によって、90’sカーもコレクタブルな存在になっているだけに、現在流通する販売車両はクリーンにリフレッシュした状態が主流。そんな中で、自分のライフスタイルや身の丈にマッチした状態として愛されているこんなラフな個体こそ、リアルにアメリカ的で魅力的に映える。

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撮影時に装着していたホイールは、KAOTIKの17インチ、装着タイヤはF:245/45ZR17、R:275/40ZR17。この他にもう1セット社外アルミと、ストックのスチールとで、計3セットをTPIに応じて履き替えている。

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搭載エンジンは、5.7ℓ/350ciのLO5。ハイパフォーマンスなLT1に比べて地味な印象ながら、RVやトラックに多く採用される安定感のあるトルクと信頼性の高さがポイント。車重の思いワゴンとの相性が良く、燃費の面でも優れている。

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彫りのの深いダッシュなど、姉妹車のカプリスよりも全体的にクラッシックでリッチな印象のデザイン。シートのスキンにダメージはあるものの、質感&座り心地の良さは、高級ブランド、ビュイックならではといったところ。ムーンルーフによって高い居住性と開放感が得られる。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

父と同じアメ車乗りになって、親子でフォードファミリー

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2017 FORD MUSTANG

FUN to DRIVE MUSCLE CAR -マッスルカーに乗る悦楽-

同級生の家族が所有するどのクルマよりも、父が乗るクルマが一番カッコ良く、それが昔からの自慢だったKAZUさん。父が乗るアメ車に憧れ、ついに自身もアメ車デビュー!

クルマを買ったときの家訓があるんです

免許取得前後、どんなクルマに乗るかを考えるのは本当に楽しい。しかし、夢はあれど現実を知り、「とりあえず」のクルマを選ぶ人がほとんどだろう。だがKAZUさんは、「絶対にアメ車」と他のクルマには目もくれず、初めての愛車として、真っ赤なボディの17年型マスタング・エコブーストを購入する。

ここまで強い意志があったのはKAZUさんの父が昔からハマー・H2に乗っており、その圧倒的な威圧感は、同級生の家族のクルマと比べて一番カッコ良く、それが大きな自慢だった。こうして多感な時期を父が運転するH2と共に過ごしたことで、「俺もアメ車に乗る!」となるのは必然だったのである。

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KAZUさんが悩んだのは「どんなクルマに乗るか」ではなく「どのアメ車を買うか」。自分の好みは、チャレンジャー・チャージャー・カマロ・マスタングのマッスルカー。すると、意見を聞こうとした父がH2からフォード・ラプターに乗り換え。そのことから「親子でフォードに乗るのも面白いかも」と、マスタングを選択することになる。

「父が言う我が家の家訓は、クルマを買ったらホイールを替えろなんです(笑)」。この家訓を守り、ホイールを純正からRTR・20インチに替え、ホワイトのセンターストライプを注入し社外グリルをセット。まだまだカスタムは計画中で、それを悩む毎日が楽しいと語るKAZUさん。父の後を追い、憧れたアメ車ライフは始まったばかりだ。

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ホワイトセンターストライプを入れ、社外グリルに変更。カスタムは今後も計画中で、ボンネットピン、ウインドルーバー、リアウイング、マフラーなど、走りを意識するメニューが並ぶ。

現在25才のKAZUさん。小さい頃に父が所有していたハマー・H2が自慢のクルマだったこともあり、自身もアメ車に乗ることを決意。現在はフォード・ラプター乗りの父曰く「我が家の家訓は、クルマを買ったらホイールを替えろ」ということで、純正ホイールをRTR・20インチに変更。

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OWNER : KAZU さん


株式会社 ガレージトップスピード
住所:岐阜県瑞穂市十九条239
電話:058-322-7547
営業時間:10:00-20:00
定休日:月曜日
HP:https://www.garage-topspeed.com/


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

創業60周年を迎えた最高峰ブレーキメーカー【ブレンボ/Brembo】

株式会社ブレンボ・ジャパンは、一般公道用とサーキット走行用の新しいブレーキシステム(キャリパー、ディスク、パッド、フルードなど)、さらに偽装防止対策として新しいプログラムのアップグレードを発表した。

このプログラムはSport、GT、Pistaの3つのメニューからなる。まずSport は純正ディスクより高性能なディスク、パッド、フルードを用意したいわゆるブレーキカスタムのエントリーメニューだ。次にGTは車種ごとに専用設計されたキャリパー、パッド、ディスク、ブラケット、ホースなどを含んだキャリパーキット。サーキット走行を含んだスポーツ走行はもちろんのこと、カラーチェンジも楽しめるドレスアップにも適したものだ。最後にPistaはコンペティションシーンに対応する、レーストラックに特化したスペシャルなレース用キャリパーキットだ。

それに加えて、正規品かつ本物である証を専用アプリとQRコードで管理することのできる〝ブレンボ・チェック〟のサービスも開始されている。

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ブレンボ・ジャパン代表取締役のフェビオカサブランカ氏と橋本コーポレーション代表取締役である橋本晃氏が、ブレンボの新しいパーツ供給体制を発表した。現在は欧州車中心のラインナップだが、チャレンジャーやマスタングといったマッスル系、エスカレードやラングラーといったSUVなどのアメ車用も揃えている。今後はよりバリエーションを拡充していく予定で、それらはブレンボ・ジャパンのWEBで公開される。

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イタリアに本社を構える世界屈指のブレーキスシテムメーカーがブレンボ。F1を始めとしたモータースポーツ用から純正装着まで、あらゆるブレーキスシテムをリリースしている。

ハイパフォーマンスなアメ車には必須アイテム

アメ車でもとくにハイパフォーマンスなモデルには純正装着されているブレンボ製ブレーキキット。それほどまでに信頼性の高さが伺える。

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Brembo Japan(ブレンボジャパン)
https://www.brembo.com/jp

取材協力●橋本コーポレーション
https://www.h-c.co.jp


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TEXT マーク清原 、編集部
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

-フリースタイルで行こう- #14 TPOでクルマを変える贅沢 アメリカ式な石橋的カーライフ

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-フリースタイルで行こう- #14 TPOでクルマを変える贅沢 アメリカ式な石橋的カーライフ

Hideki Ishibashi’s Freestyle Hotrod Carlife.

重度のアメリカ文化依存症の石橋氏にとってアメ車はもっとも重要な存在。ただし「アメリカ製」であることに限定しているわけではなく、「アメリカ式」であることが重要。今回はアメリカ式にこだわる石橋氏のプライベートなカーライフに迫ることにする。一人で4台体制という贅沢でフリースタイルな石橋的カーライフのキモとは?

これまでに様々なアメ車を乗り継いだけれどアメ車であることよりも「アメリカ式」が重要

アメ車マガジン読者の皆さんは、アメ車ファンで間違いないですよね?! ちなみに自分の場合はチョット違ってまして、アメ車であることよりも、「アメリカ式」であることこそが重要だったりします! 例えば、排ガス規制以前のマッスルカーであれば、ストック状態で十分過ぎるくらいアメリカンですし、そのキャラクターを更に突き進めてドラッグレース向けにモディファイしたものなどは、完全にアメリカンでたまりません!しかし、エコノミーをテーマにした80年代の中途半端なモデルなどは、アメ車らしさが損なわれて魅力が低いのです。それと比べたら、チープな日本車であっても、アメリカンV8に換装したプロストリート車や、VWの空冷ビートルをドラッグマシン仕立てにした「キャルルック」などは、猛烈にアメリカンだったりします。

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幼少期からアメリカ依存症を患っている自分としては、そんなアメリカ車以外のモデルによるアメリカ式アレンジにこそ、アメリカを感じてシビレてしまうのです。そのため、最初の愛車として憧れたのも、実はアメ車ではなく、西海岸でアレンジされたキャルルックのVWや、当時横浜にオープンしたムーンアイズがプロデュースした、日本車ベースのアメリカンなカスタム車両だったのです。しかし、いずれもカスタムに予算がかけられており、当時の自分にはなかなか手が届かない存在だったのです。

そんな中、マッスルカーは単なる中古車な時代で、中でもビッグブロック車こそ大排気量ゆえに税金が高額なため、数十万円で選べる状態でした。今と違って単にマイナーだったプリマス車などは、とりわけ安価だったので、ビッグブロック車ばかり乗り継いだのでした。Moparマッスルはアメリカでも過小評価されていたので、ビッグブロックのマニュアル車を並行輸入しても、100万円台で十分乗り出せたのです。

そんなわけで、71ロードランナー6パック仕様、68GTX、70クーダ仕様440、70クーダ383マニュアルなどなど、今ではとても手がとどどかない存在のMoparマッスルたちを乗り継ぎながらも、メジャーな69シェベル、64C2コルベット・クーペや70マーベリック、72ランチェロ、37セダンといったフォード車まで、アメ車歴はワイドバンド。それと同時に、日本車のピックアップ、ワゴン、バンをカルフォルニアスタイルにアレンジしたり、ドラッグマシンに仕立てた空冷ビートルなども交えて乗り継いでいます。

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現在は4台体制ですが、アメ車は唯一41ウィリス・ピックアップ。ドラッグマシンとしてアレンジしてこそ魅力が発揮されるモデルなだけに、足回りをアレンジしてスキニー&ファットなタイヤを収めました。大好きな70年代を意識したサイン&ピンストライプによって、猛烈にアメリカンなルックスがポイント!

そして、70年代のアメリカンモーターカルチャーにおける象徴的な存在としても魅力的な、空冷VWをベースとしたデューンバギー。カリフォルニアで大ブレイクした当時は、様々なボディが発売されましたが、自分が所有する「コヨーテ」は、モンキーズモービルやマンタレイを制作したホットロッド界のレジェンド、ディーン・ジェフリーズがリリースしたという点でアメリカンなのです!

トヨタ・ハイラックスは、国内よりもにアメリカで大人気で、北米仕様車などは正にアメリカン。4人乗車可能でエアコン装備のピックアップトラックとしてのチョイスですが、80系ではワゴンタイプのサーフをピックアップ化したようなスタイリングで、荷台が短くてアンバランス。そこで、フレーム&ホイールベースを延長し、キャビンを整形したうえで、ダブルタイヤ6輪のクルーキャブデューリーに大変身した個体。車種が何であれ、アメリカのホットロッダーの足グルマは、なんといってもクルーキャブデューリーがステイタスなのです!

さらに、可能な限りコンパクトな2シーターの5速マニュアル車を求めるうえで、コスパ&デザインでチョイスしたスズキ・ツイン。とにかく小さいので、都内でも縦横無尽に走れて楽しいのです。

現在所有の4台は、オンリーワンな魅力の個体なだけに定着していますが、今後乗ってみたいクルマはアメ車だけでも沢山あるので、妄想が尽きません!これからもアメリカ式なカーライフをエンジョイしていきたいと思っています。

1941 Willys Pickup

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店主自らがウィリスのオーナーであるAndy’sが輸入した奇跡的にベース状態で安価だった個体。憧れながらも、本来なら手の届かないモデルながら、無理のない予算内で運良く入手。それだけに、エンジンは余命宣告レベルだし、現在のプロポーションを構築するうえでは、足回りを大幅にアレンジ。ペイントは建築塗装の職人さんに露天で対応してもらったりと、日常使用車としてカジュアルに付き合える個体であることが自分にはプラス。将来的はエンジンをリフレッシュして、HOTな走りを味わいたい。

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1970年前後のMopar340ciを搭載しているのが、Moparファンとしてはプラス。しかしながら、現状では余命宣告な状態なだけに、近い将来エンジンは総合的にリフレッシュが必要。マイナーな機種なだけに、意外にコスト高なのが難点。予算がたっぷりあれば8連装インジェクションや392HEMIにすんですけどね…。

2004 SUZUKI TWIN

2004 SUZUKI TWIN

アメ車にしか興味のない人からは、「なんでこんな軽自動車に乗ってるの?」と不思議に思われますが、とにかく小さくて軽いマニュアル車の機敏な走りは楽しいのです。そこで、性能/ルックス/ コストのバランスの良さでたどり着いたのがスズキのツイン。キャルルックを意識して、ポルシェアロイ風のホイールやキャッチーな車体色にリペイント。ターボ化も思案したけど、ストックのポテンシャルで満足。

1970 Jeffries KYOTE

1970 Jeffries KYOTE

70年代のUSモーターカルチャーにおいて象徴的な存在である事や、乗り物として純粋にドライブを楽しめる真のRV としても、絶対に外せないのがデューンバギー!ファイバー製のボディだけで販売され、それ以外は空冷ビートルをまるっと移植する、いわゆるキットカー。車重800kgでエンジンは1600ccなので、ギャンギャン走れて楽しいのです。こんな非日常的な車こそ、日常使用で楽しむのが最高!

1990 Toyota Hilux

1990 Toyota Hilux

メーカー純正のように自然にまとまったハイラックスのファントム・クルーキャブデューリー。四半世紀ほど前に、横浜のデュースファクトリーが数台プロジェクトしたうちの1台で、ムーンアイズでもサービスカートして活躍中。ストレッチ&ワイドになっていても所詮はミニトラックなので、都心でも難なく足として使えるし、燃費も10km/ℓなのも◎。4台中3台は2シーターなので、唯一大人4人乗車できるうえに、大型バイクも積載可能なロングベッドなのもポイント!

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

塗装よりも着地が先!コンストラクションで乗り倒す!

1988 CHEVROLET C-1500 / 1995 CHEVROLET SUBURBAN

1988 CHEVROLET C-1500 / 1995 CHEVROLET SUBURBAN

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

塗装よりも着地が先!コンストラクションで乗り倒す、リアルUSな乗りこなしが粋なブラザーインロー!

ラットにも色々存在して経年劣化でヤレや錆を楽しむ者もいれば、サフ状態の未塗装、いわゆるコンストラクションスタイルで乗りこなす者もいる。彼らはその後者。見てくれよりもスラムドに魅了された若きオーナーたちに迫る。

やれることは自分でやる! 自分でやるから面白い!!

奈良県某所でナイトミーティングを企画するTAKUMAさんのサバーバンをSNSで見て、今回のラット企画にピッタリだと思い連絡をしたところ、「実はつい最近嫁の弟もラットなC1500に乗り初めたんです!」と朗報を受けて2台纏めて取材を決行することとなった次第。待ち合わせ場所のコンビニで待っていると、TBI特有のドロドロとしたエギゾーストサウンドを轟かせて2人が登場。年齢を聞くと27歳と21歳。あまり歳の変わらないサバーバンと、自分より年上のC1500に乗るという心意気は実に好印象。

1988 CHEVROLET C-1500

1988 CHEVROLET C-1500

元々はTAKUMAさんがラットにカスタムしたBb、義弟のSEIGOさんはVIP仕様のレクサスLS460をを愛用しており、TAKUMAさんがサバーバンに乗り変えたのに影響を受けて、SEIGOさんもC1500に乗り出した。しかし、ここで問題発生。サバーバンは余裕で家族を乗せられるけれどC1500は3人乗り。若くして2児の父であるSEIGOさんは思い立ったら即行動なスタンスなので、乗車定員とかあまり考えずにノリと勢いでサクッと乗り変えてしまった。幸いにも1歳と0歳の乳幼児なので、まだ考える余裕がある。いずれはファミリー用にもう1台用意するつもりだが、現状はこのベンチ一列シングルキャブのC1500がファミリーカー。購入した当初は白サフ状態でドアも朽ちかけていたが、さすがにラット過ぎてキツイと購入直後にTAKUMAさんや仲間と共にマットブラックにペイント。そのままドアサイドシルカットに4インチボディドロップ、工程わずか1週間で完全着地スタイルへと仕立てた。

1995 CHEVROLET SUBURBAN

1995 CHEVROLET SUBURBAN

一方兄のTAKUMAさんは、根っからのUSフリークで、Bbをサイオン仕様にコンバートしつつラットカスタムに勤しんでいた。サバーバンへのステップアップは今から5年ほど前、先輩たちの乗るアメ車やSNSを通じて本国のカスタムカルチャーに影響を受けて乗り換えを決意したと言う。ベースの状態で4輪独立エアサスはインストール済だったが、スラムド具合が物足りず仲間たちと一緒に潔くボディを切り刻み、4インチカットのボディドロップを敢行。サイドシルまでしっかりカットして完全着地をDIYで実現させた。着地がキマったところで次に着手したのは前後バンパーだ。フロントは純正を加工して一段落とし込み立体的に造型し、リアは一枚物の鉄板を曲げて溶接してデザイン。行き場を失ったナンバープレートは本国のSNSで同じようにゲート部分へ斜めに取り付けているタホを見つけてスマホの画面越しに真似て施工。さらにはフェントムグリルの両サイドコーナーマーカー部分を埋めるなど随所にマニアックなカスタムが際立つ。元々黒ベースだったボディは独特な色味のイエロー系とリアルにパテで補修中のグレーサフを織り交ぜたコンストラクション。

製作途中でも乗り回す本国のカーカルチャーに魅せられて、コツコツと週末に製作を進めては、そのままピットに眠らせることなく自宅へ乗って帰ってそのまま平日に乗り回す。何でもプロ任せじゃ面白くない。クルマを製作するプロセスも含めてカスタムカーカルチャーであることを、若き2人から教わったのは言うまでもない。ラットと一言で片づけられないストーリーとは、まさにこの事だ。

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白サフのラットからマットブラックへ兄や仲間と塗装したボディは、屋根をはじめ所々が大雑把な仕上げとなるが、それもいい風合いを醸し出すアクセントとなる。1988年型のフェイスは角目4灯のK5譲りの硬派な表情で、クリーンなライトやレンズ類が精悍さを際立たせる。ボンネットダンパーは存在せず、代わりにワンオフのポールを製作して固定するワイルドさも粋。

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着地すべくベッド部分は潔く剥き出しのスタイル。ベースのエアサスはそのままにCノッチフレームのワンオフ加工やガソリンタンク移設というよりも仮設状態ではあるが、こうした工夫を凝らしつつも製作途中のまま乗り回すのがコンストラクションの醍醐味。いずれはキッチリとレイアウトして完成させていく。その過程も楽しむのが粋。

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6:4分割式のモケットベンチシートに旧インパネのアナログな雰囲気がクールなインテリア。妻と子供1人なら何とかイケそうだけど、さすがに子供2人はキツイ(笑)。

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OWNER : SEIGO

1995 CHEVROLET SUBURBAN

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のっぺりとした表情になりがちなファントムグリルは両サイドコーナー部分をスムージングしつつ、バンパーアンダー部分をえぐって立体的にデザイン。どことなく昔のハイラックスのメッキ部分をモチーフにしたような、新鮮なのにどこか懐かしい雰囲気が個性的。ホイールは現状クロームの22インチだが、いずれはビレットホイールに変更したいとのこと。

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ビレットスペシャリティーズのステアリングは革巻きなしの剥き出しスタイル。夏は暑く冬は冷たくて握りにくく滑るため、専用グローブを常に愛用。日本では珍しいが本国では割とメジャーなアイテムで今となっては貴重な当時物のビレットパネルも特筆物。ちなみにバドワイザーのシフトノブは友人が渡米した際にお土産として買ってきてくれた思い出の品。

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OWNER : TAKUMA


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

走りを楽しめるアメ車、豊富に取り揃えてマス!【株式会社ガレージトップスピード】

ガレージトップスピード

GET CRAZY RIDE TOPSPEED.inc

FUN to DRIVE MUSCLE CAR -マッスルカーに乗る悦楽-

アメ車の魅力は人それぞれで異なると思うが、多くの人がその走りに魅了されているのは間違いない。独特なV8サウンドとも相まって、日本車はもちろん、欧州車とも異なるまさに一つの文化圏を構築している。

チャレンジャーはもちろん最新のC8が早くも上陸!

アストロやSUVなど、日本でも幾度かアメ車のムーブメントは到来している。最近では、年齢層を問わず圧倒的にチャレンジャーの人気が高まっていることはご存知のとおり。確かにスクリーンでの活躍、ヘルキャットやデーモンなど、スーパースポーツに匹敵するパフォーマンスなど、まさにその魅力は枚挙にいとまがない。だが、チャレンジャーだけでなく、ほかにも走りを堪能できるモデルを数多く取り揃えているのが、岐阜のトップスピードだ。

チャレンジャー人気で少々存在感が霞んでいる気がしなくもないが、より居住性を重視したいという人には、チャージャーがオススメ。クーペと比べると4ドアは圧倒的に実用性が高く、ファミリーカーとしても十分使いやすい。また、もっとストイックにパフォーマンスを味わいたいというのなら、断然コルベットがオススメ。C7はもちろんだが、トップスピードには早くも2020年型C8が入荷。ミッドシップとなったことに賛否両論あるとは思うが、C7と見比べてみると、まさに新時代のクルマだということを実感できる。

クルマの電動化によって走りの楽しさが損なわれてしまい、クルマと家電が同じような扱いにならないか危惧する人も多いことだろう。でも、今ならまだエンジンのサウンドだけでなく、バイブレーションも味わえるクルマは入手可能。あの時買っておけば良かった…と後悔したくないのなら、トップスピードで自分にマッチしたマッスルやスーパースポーツを探してみてはいかがだろうか?

2018 DODGE CHARGER DAYTONA 392

2018 DODGE CHARGER DAYTONA 392

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マッスルカーが欲しいけど、家族のことを考えると2ドアは無理というお父さん、諦めるのはまだ早い。同じプラットフォームや392エンジンを搭載したデイトナなら、居住性を確保しながらも高い運動性能を楽しめる。ブレーキもブレンボを標準装備するので安心感も抜群。

2020 CHEVROLET CORVETTE 3LT Z51PKG

2020 CHEVROLET CORVETTE 3LT Z51PKG

2020 CHEVROLET CORVETTE 3LT Z51PKG

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コルベット初のミッドシップレイアウトを採用したC8が早くも入荷。フェ●ーリのようなその姿に好みは分かれるところだが、コルベットらしさはキープしつつ明らかに進化を感じる。このパフォーマンスが1000万円代で買えるのは、ある意味お買い得と言えるだろう。

2015 CHEVROLET CORVETTE

2015 CHEVROLET CORVETTE

2015 CHEVROLET CORVETTE

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登場当初は異次元のクルマに見えたC7だが、C8と比較するとこれまでのモデルから正常進化を果たしており、FRコルベットの完成形と言えるだろう。「コルベットなんだからトコトン走りにコダワリたい!」という人には、日本正規モデルには設定されないこの7MT車がオススメ。

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY

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圧倒的人気で本国でも中々見つからないB5ブルーのチャレンジャー。R/Tスキャットパックのワイドボディをトップスピードでは絶賛販売中。392エンジンのパフォーマンスに加え前後ブレーキはブレンボを標準装備。まさにこれ以上手を加える必要がない、完成された仕様だ。


株式会社 ガレージトップスピード
住所:岐阜県瑞穂市十九条239
電話:058-322-7547
営業時間:10:00-20:00
定休日:月曜日
HP:https://www.garage-topspeed.com/


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

アメリカ郊外でごく自然に乗りこなす姿をイメージして製作したエイジングラットスタイル!

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1995 CHEVROLET SUBURBAN

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

板金塗装を職業とするRYUTAさんにとってクルマを綺麗に仕上げることは日常。事故でできた凹みや塗装が劣化した車両を綺麗にするのが本業の彼にとって、その真逆を行くのが自家用車。カッコいいは人それぞれ。彼にとって、ラットはリアルUSの大本命!

綺麗なショーカーを作るよりラットな個性派が気分!

直感のTBIサウンドを轟かせて博多駅まで迎えに来てくれたRYUTAさん。ワイルドなプリズンタトゥーにサングラス、バシッと決まったヘアスタイルと髭で、第一印象は「ヤバイ人!」。クルマに負け次劣らずのオーナーのインパクトに、賑やかな博多駅のロータリーから一本路地へ入った
その一角だけ、違った空気感が漂っていた。だが、一声掛けると見た目とは裏腹に人当たりの良さそうな丁寧な受け答え。見た目で人を判断しちゃいけないとは言うが、本当にそのとおりだ。

早速助手席に乗り込むと、怪しげな黒い布で覆われたシート。後ろはすべて取り去ってフロントシートのみというスタイルに、「普段拉致して人運んだりしてるんですか?」なんてブラックジョークも言いそうな雰囲気だったが、「シートは今製作しているんです。ベースはハイエースで、後ろは車中泊仕様としていつもは布団引いて寝泊まりできる様なスタイルで…」と凄く好青年で、第一印象が良い意味で裏切られた瞬間だ。話を聞いていくと普段は板金塗装業をしており、このラットスタイルはその本業の延長線上にあって「綺麗に塗装を仕上げるだけじゃなくてアレンジするって選択肢もあってよいのでは?」といった応用を兼ねた作品的な物だ。

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実は取材する1週間ほど前までは、赤色ベースのラット仕様だった。それはそれで充分インパクトある個体だったが、まるでクルマを乗り変えたかのような変わり様と、たった1週間でここまで仕様変更して撮影に挑む心意気には感服。長年放置したらどの辺りが錆びやすいか、どのくらい錆が侵食しているかを見極めたリアルなエイジング塗装は、本当に雨ざらしにして何年も眠らせていたかの様な錯覚すら覚えるレベル。ちなみにこのベース車両を入手したのはメルカリ。行きつけのアメ車ショップやカスタムショップは存在せず、ネットやSNSを駆使して情報を集めては、自分の思い描くスタイルを貫く辺りがイマドキ。

リアゲート部分のロゴはアクリル板で型を製作して貼り付け、その上からエイジング塗装を行なうことでパネルに型押しされた様な表現をするなど、DIYならではの個性的なアレンジも特筆物だ。ちなみに直感マフラーはファクトリーに転がっていた廃材を溶接で繋ぎながら作ったワンオフ物で、若干細めのパイプがTBI特有のドロドロサウンドをよりディープに演出。職業柄、クルマを綺麗に治す仕事だからこそ、常識的な感覚を打破して違う可能性を見出したい。そんなメッセージ性がこのラットスタイルから窺える。

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元々は通常のグリルが装着されていた95年モデルのサバーバンだったが、ラットな雰囲気に合わないからとシャイアンフェイスを購入。たまたまGMC物が出回っていたのでGMCだけど、リア観音ゲート部分はCHEVROLETなのはご愛嬌。細かいことは気にせずにラフに製作するのもラットスタイルの醍醐味だ。

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赤革のレカラステアリングは以前のボディカラーに合わせて装着していた名残。赤だと赤サビが際立たないことから淡い色に仕様変更している。製作途中のシートはハイエース用をベースに表皮を剥いだもので、そのままだと無造作過ぎるからと黒い布で覆って応急処置。シート台座は低めが気分なので溶接してちょうど良い位置にレイアウト。

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OWNER : RYUTA


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載