Special Interview【LUXZ 代表取締役 島澤 典詳】ブームに乗るのではなく自ら火付け役になる!

_N6I2233

挑戦者の、秘めた想い。-The hidden feeling of a challenger.-
Special Interview LUXZ 代表取締役 島澤 典詳

FUN to DRIVE MUSCLE CAR -マッスルカーに乗る悦楽-

今でこそチャレンジャー専門店の地位を確立したラグジ。2021年で創業18年目を迎えるが、オープン当初はアメ車のセレクトショップ的なスタイルで、当時はSUVが主な販売車種だった。ここではその転機とこれからの展望を語って頂こう。

ないものは自分で生み出す!その結果、時代が後からついて来た!

日本でチャレンジャーのカリスマを5人挙げよと言われたら、間違いなくその中に入るラグジ・島澤氏。現在のスタイルへ切り替わったキッカケを伺うと「2006年のデトロイトショーでチャレンジャーの記事を読んだことですね。見た瞬間、これだ!と確信しました。チャレンジャーは2008年から発売を開始しましたが、恥ずかしながら当時のラグジの経済力では新車を即輸入できず、2009年にアメリカのオークションで3.5ℓモデルを落札し輸入しました。そこから今日まで12年が経過しましたが、正直言ってあっという間でしたね」と振り返る。

_N6I2289

それまでの路線をガラリと切り替え、在庫を一掃しチャレンジャーに特化するが、車両輸入のみならず、オリジナルのエアロパーツも数多くリリースする。チャレンジャーをベースにしつつも、よりマッスルカーらしさを強調したアグレッシブなスタイルを提案し続けるが、何故オリジナルのエアロに着手したのか?島澤氏は「端的に言うと、これだ! というパーツがアメリカになかったんです。毎年SEMAショーを視察しパーツを探していましたがチャレンジャーはほとんど展示されていない。当時はSUVと欧州車のスポーツカーばかりで、アメリカのカスタム界もチャレンジャーがここまでヒットするとは思っていなかったんでしょう。そんな状況を見たからこそ『パーツがないなら作ってしまおう!ブームに乗るのではなく、自分が火付け役になってしまおう!』という結論に達しました。中でもRラインを見たユーザーの反応は両極端ですが、無難を攻めるカスタムよりも強烈なインパクトを与えるカスタムをして、色々な意味で人の記憶に残ることをやろうをいう気持ちが原動力でしたね」と語る。

そんな情熱を込めて創り上げたチャレンジャーのRライン。SEMAに出展し、その後北米で某電機メーカーの撮影を行なっていた際に、ワイルドスピードの制作スタッフの目にとまる。その姿がアメリカでも評価され、ワイルドスピード・アイスブレイクに出演を果たしたことは多くのユーザーが知りうるところで、まさにアメリカンドリームを地で行くような話。だが、アメリカ人がプライドを捨てラグジのカスタムを認めた瞬間だと言っても過言ではないだろう。

_N6I2394

ちなみに島澤氏にチャレンジャーの魅力を伺ったところ「唯一無二の存在ですね。実用性をキープしつつも走りのパフォーマンスを追求しており、まさにダッジブランドを体現した様なクルマです。さらにカスタムを施すことで、格段に満足感が増して来ますね。カスタムは美容整形で、メンテナンスはかかりつけの内科医だと私は良く表現します。同じカスタムを量産している様に見えますが、実は1台1台少しずつ変えており、オンリーワンな個体を提案していますよ」と裏話も披露してくれた。

そんなラグジでは、Rラインの後継となる新作エアロを鋭意開発中。この号が出る頃には完成しているので、そう遠くないタイミングで紹介できるだろう。また発売されたばかりのチャレンジャーの50周年アニバーサリーモデルも夏前には入荷予定とのこと。まさに、日本一チャレンジャーを愛する島澤氏の情熱は、まだまだ冷めそうにはない!

EDGE CUSTOMS DODGE CHALLENGER R

_N6I2360

_N6I2293

_N6I2324_N6I2316 _N6I2308_N6I2336

後付けのオーバーフェンダーはよく見るが、ボディパネルでワイド化する大胆な手法のR-LINE。Rの意味が示すとおり、レーシングな雰囲気が押し出された造形となっている。ちなみにこの車両、多少仕様変更を施しているが、まさにアイスブレイクに登場した個体。現在、ラグジで絶賛販売中だ。

S__81215515

SEMAショー出展後に、某大手電機メーカーからの依頼を受け撮影に協力した際の一コマ。


LUXZ
住所:岐阜県岐阜市長森本町2-1-4
電話:058-259-3922
営業時間:9:00-19:00
定休日:火曜
HP:https://luxz.jp/

_N6I2184_N6I2198


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

音楽カルチャーの世界観から、自然の流れで辿り着いたファーストカーはラットなサバーバン!

DSC_3589

1990 CHEVROLET SUBURBAN

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

現在音楽系の専門学校に通う上寺さん。このサバーバンを購入した時は何と高校3年生だったという驚きの事実。彼がどの様にして人生初の愛車にコレを選んだのか?そして、後ろに佇むラットなビートルとの関係性について徹底リポート!

物心ついた頃からラットなクルマしか乗ったことない

ラットなサバーバンに乗る福岡在住の上寺さん。3月末に開催されたクロスファイブで福岡を訪れた際、駐車場に止まっている姿を見て一目惚れした筆者は、共通の知人に連絡先を教えてもらい早速アポ取りしたところ、快諾いただいたので再び福岡へ。

長髪に髭を蓄えつつもどこかあどけなさの残る表情に、「仕事は何をされているんですか?」と聞くと「まだ学生です!」とのこと。聞くと購入したのは免許を取得する前の高3という強者。しかも、お年玉やらを両親が貯金に回してくれて、さらに高校時代はコツコツとアルバイトをして貯めた70万円を併せて、キャッシュで一括購入という夢のようなエピソードの持ち主だった。

DSC_3635

キッカケは父と偶然訪れた地元のアパレルショップ「ベアーズカンパニー」。アパレルや雑貨を多く扱う軒先で、時折For Saleなクルマが展示されており、このサバーを見た時に「昔、父に連れられてイベント見学に行った時、一目ぼれしたクルマ!」と大騒ぎ。瞬殺で「買う!」と即決したとのこと。彼がラットなクルマに惹かれるのは、現在1975年型のビートルに乗る父の影響も大きく、幼少期はラットにカスタムしたモビリオスパイクがファミリーカー。クルマのみならずカルチャー全般が〝ソッチ系〟な家族で、父親は長髪、母親はツーブロックと、ROCKな両親と3人並んでいると、パッと見は仲の良い友人の様にも見える。この両親からの英才教育を受けたとなれば、高3でいきなりこんなぶっ飛んだサバーバンを買うってエピソードも納得である。

購入してからは前オーナーが育てた錆びやヤレ感を生かしつつ、右フェンダーに黒サフをプラスして父親にラットエイジングを伝授してもらいながら、100均などで塗料や材料を仕入れてコツコツとDIY。リア観音ゲート部分にはお気に入りのステッカーを無造作に貼りつつ、スケーターカルチャーで感覚的に気に入ったHELL RIDEの文字をなぶり書きするなど個性をプラスする。ドライブ中のヘビーローテーションは「レッチリ」で、愛車とファッション、音楽の世界観もバッチリ!

ちなみに現在通っている音楽系の専門学校では主にドラムを専攻しており、いずれはドラムテックというドラムの音響チューニング、メンテナンスを担う職業に就く予定。その際、機材車両としてこのサバーバンで各地スタジオやライブ会場へ乗りつけるのも夢の一つ。一歩一歩思い描く理想の自分を実現させていく彼なら、そう遠くない未来に実現していることだろう。

DSC_3611

DSC_3625

DSC_3615

DSC_3651 DSC_3652DSC_3655 DSC_3654DSC_3638

前オーナーが育てたラットな部分はできる限り残しつつ、エンケイのディッシュホイールをマットブラックに塗装、フェンダー部分にサフを吹き付けてエイジング加工するなど、一歩一歩自分なりの個性をプラス。リアルな錆とエイジング加工した箇所がどこか判別できないレベルで絶妙に融合しているのは、その筋のプロである父のおかげかも知れない。

DSC_3642

DSC_3649

免許取り立てで左ハンドルのフルサイズは無謀と思われがちではあるが、逆に何にも知らなければコレがベーシック。自宅に入る際かなり狭いゾーンがあるとのことだけど、まだ一度もぶつけてはいない。スクエアボディは見切りが良くて運転しやすいのだ。

DSC_3580

OWNER : KAMIDERA FAMILY


THANKS:BEARS COMPANY


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

アメ車女子ユーチューバーの素顔を覗き見♪「YUI_TUBE」

DSC_3566

アメ車女子ユーチューバーの素顔を覗き見

コロナ禍でリモートワークをしている人たちも多い中、ユーチューブがストレスを解消する特効薬となっている人も多いことだろう。そんな時にはこの3人がお届けしている「YUI_TUBE」を覗いてみてはいかが!クルマ好き、アメ車好きにはたまらない内容が盛りだくさん。時にはセクシー路線もあるぞ!

この3人でお届けするユーチューブがおもしろい

いまや子供のなりたい職業ランキングでも上位に挙げられるようになった職業はというと「ユーチューバー」。ひと昔前には目にすることすらなかったけれど、ここ数年で急上昇している。とにかく若年層におけるユーチューバー人気は絶大で、ヒカキンやフィッシャーズ、はじめしゃちょーといった人気ユーチューバーの動画を毎日欠かさず見ているという声をよく耳にする。もはや子供たちにとってはテレビよりもユーチューブがメインストリームなのだ。

DSC_3574

だが、ユーチューブを見ているのは決して子供たちだけではなく大人たちも視聴しており、趣味に関連したものだったり、HOW TO系だったりと、時間がある時にはユーチューブを見て楽しんでいる人は多い。さらに今時期はコロナ禍ということもあってユーチューブの閲覧者は増加傾向。

DSC_3583

DSC_3598

DSC_3602DSC_3585

ちなみにユーチューブは誰でも気軽に見ることができ、さらには動画を投稿することができるとあって、意外と身近なところでも「ユーチューブやってるよ!」なんていう場合も。アメ車を生業としている我が業界においてもユーチューブを始めたショップは多く、そんな中で今回紹介するのがこの3人。メインキャストはYUIさん。普段はMSTオートモーティブのスタッフとして働く彼女だが、時にはイベントでキャンギャルなどもやっているので目にしたことのある人もいるだろう。そしてキャストのKPさんは裏ボスであるMSTオートモーティブ社長の後輩で、カメラマンの監督さんはMSTオートモーティブのお客さんといった関係。この3人が突如としてユーチューブを始めたのが2019年の年末。キッカケは裏ボスからの「ユーチューブやるよ!」という一言。もちろん最初は戸惑ったものの、数をこなしていく内にそれも馴れ、根っからのクルマ好きであるYUIさんが時にはセクシーに攻めてきたりして、その動画が大好評。チャンネル登録者数も今では4万6000人を突破するまでに。ひとまず気になった方は今すぐ「YUI_TUBE」見てみてほしい!

1985 BUICK REGAL LIMITED

DSC_3486

DSC_3489

DSC_3492

DSC_3495

DSC_3498DSC_3508

DSC_3505DSC_3517

DSC_3514DSC_3557

2020年の夏に「ボディカラーが気に入って購入しちゃった♡」という愛車。ハイドロにゴールドのワイヤーホイール&ホワイトリボンタイヤを組み込んだスタイルはまさにローライダー。ちなみにこのリーガルもチャンネル内で紹介しているので要チェック!


mstimage_photo のコピー

ユーチューブチャンネル『YUI_TUBE』

東京都足立区のM.S.T オートモーティブに勤めながらキャンギャルなどもしているYUIさんによるクルマ系チャンネル! イベント紹介や愛車紹介などをメインとしつつ、時にはエロも交えた動画をアップしているぞ。中でも大好評の連載企画「愛車紹介させてください♡」に登場してくれたオーナーには↓のオリジナルナンバーフレームをプレゼント中!ちなみにオンラインショップ(https://yuitube.base.shop/)でも販売中だ!

S__94691330

キャプチャ

sddefault-6sddefault-8sddefault-2sddefault-4sddefault-3


M.S.T AUTOMOTIVE
TEL:03-5851-8701
HP:https://www.mst-automotive.com/


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

7人で乗れるジープコマンダーは今もなお活躍の場面あり!

_K2A8706

2006y JEEP COMMANDER

THE PICK UP TEST DRIVE

ジープといえば、ラングラーを筆頭にグランドチェロキー、チェロキーの名が挙がるが、06年に登場したコマンダーは、ジープ初の3列シートを備えるモデルとして注目を浴びた。2010年に生産が中止になってしまったが、7人乗れるジープとして、今も根強い人気を誇っているモデルだ。

5年という短命に終わるが存在価値は見直されているコマンダー

今や、日本で一番売れているアメ車はジープブランドだ。現在日本で正規販売されるモデルは、圧倒的人気のラングラーを筆頭に、フラッグシップのグランドチェロキー、コンパクトSUVのレネゲードなど5車種がラインナップ。

過去10年を振り返ると、ラングラー、チェロキー、グランドチェロキーの3車種は、モデルチェンジを繰り返しながら今に至るが、それ以外にラインナップするモデルは、入れ替えが割と激しい。中でも一番短命に終わったのが、WHグランドチェロキーと同じシャシーを持ち、ジープ初の7人乗り3列シートを備えて06年にデビューしたコマンダーだ。

デザインはXJチェロキーを彷彿する四角いデザインとなり、シャシーやエンジンはグランドチェロキーと共通で、ボディサイズは一回り大きい。グランドチェロキーのSRT8を除けば、価格的に実質トップモデルとなったコマンダーだが、00年に生産が中止となってしまう。それ以後、3列シートのあるジープモデルは登場していない。

では現在のコマンダーの状況はどうか。5年という短い生産だったこともあり中古車の球数は少なく、ジープ唯一の7人乗りという部分が見直され、同年型のグランドチェロキーよりも価格は高い。その希少なコマンダーが、ジープアウトレットには5.7ℓHEMI、4.7ℓが在庫している。コレは間違いなく日本ではここだけだろう。今一度、コマンダーをしっかり見ていこう!

IMPRESSIONS
4.7ℓと5.7ℓがあるが車重を考えると5.7ℓがベストか

2006y JEEP COMMANDER

3列シートがあるとはいえ、全長は4795mmなので、アメ車SUVのなかではミドルクラスの部類。なので、大きさで身構えることはないだろう。ただ、3列目のヘッドレストが後方の視界を遮る形になるので、後方視界が狭いのが難点。出だしからの加速は、さすが5.7HEMI。ズンズン前に進んでいく。これが 4.7となると、2360kgの巨体を動かすにはワンテンポ反応が遅いと感じる。サスペンションはやや硬めという印象で、オンロード向きな乗り心地だ。

オンロード向きの機構だが4WDシステムは充実

_K2A8691

ジープの各モデルは悪路を苦にしないイメージがあるが、コマンダーはどちらかと言うとオンロード向き。とはいえ、頼りになる4WDシステムが搭載されているのでアウトドアには最適だ。

4LOWモードは悪路で大いに活躍する

06年に登場したコマンダーは、前年にモデルチェンジしたWHグランドチェロキーと中身は同じ。搭載するエンジンも4.7ℓV8、5.7ℓV8HEMIを共用し、スペックも同様。ただしボディサイズは、ホイールベースは同じながら全長で46mm大きいなど、全体的に大きく、車重も約180kg重い。グレード展開は、エンジンの違いによる2種類が日本で正規販売された。

デザインは、オフロードをイメージさせる四角いスタイリングとなり、ほぼ垂直となるリアガラスサイドには、荷物をルーフに載せるために役に立つ取っ手も備わる。4LOWに切り替えられる4WDシステムもグランドチェロキーと同じ電子制御式で、フロント・センター・リアには電子制御リミテッド・スリップ・デフ(ELSD)が搭載される。これにより、3輪が空転しても自動的にトルクは1輪に配分され、雪道や悪路では大いに活躍できる。

上級グレード装備として今では当たり前のヒートシーター、左右独立調整エアコンなども装備し、ウッドパネルやフルレザーシートは高級感がタップリ感じられる。

撮影車両の走行距離は約8.9万km。フルセグTV、バックカメラ、ETCなどは装着済。多少の経年劣化な部分は見られるが、全体的なコンディションは良好だ。7人乗りが条件ならば、コマンダーの選択も候補にしたい。

_K2A8844

_K2A8834

_K2A8822_K2A8807_K2A8891_K2A8885_K2A8854

インパネには8箇所のエアコン吹出口があるのも特徴的。その周辺に六角ボルトが配置されるデザインは、オフロードっぽく見える?ミッションはマニュアル操作可能の5AT。シフトサイドには電子制御式の4LOW切り替えスイッチが配置される。1列目にはサンルーフ、2列目にはサンシェード付きのツインガラスルーフを装備する。フルセグTVナビ、バックカメラ、ETCといった装備は装着されている。

_K2A8786_K2A8792

_K2A8801

コマンダーの一番の売りである3列シートは、後方に行くほど座面が高くなるスタジアムスタイル。そのため、3列目のヘッドレストが後方の視界を遮る形となる。また、3列目の頭上の空間は余裕があるのだが、大人は体育座りのような感じで座ることになる。フル乗員でのラゲッジスペースはさすがに狭くなるので、そこは割り切りたい。

_K2A8757_K2A8713_K2A8735

日本で正規販売されたエンジンは4.7ℓV8、5.7ℓV8HEMIの2種類。本国には3.7ℓV6も設定されている。アクセルを踏んだときの加速は、言うまでもなく圧倒的に5.7に軍配が上がる。ホイールは純正の17インチ。リアゲートはガラスハッチとなる。リアガラスサイドには、ルーフに荷物を載せる際に掴まる取っ手が備わる。


SPEC
全長×全幅×全高● 4795×1900×1830mm ホイールベース● 2780mm エンジン● V8 排気量● 5.7ℓHEMI 最高出力● 326hp 最大トルク● 51.0㎏ -m トランスミッション● 5AT

2006y JEEP COMMANDER

2006y JEEP COMMANDER2006y JEEP COMMANDER


試乗SHOP:JEEP OUTLET【ジープアウトレット】
所在地:埼玉県八潮市八篠1514-1
TEL:048-948-7196
URL:https://unitedtrade.co.jp/
営業時間:9:00 ~19:00
定休日/水曜日

元々は正規ディーラーの「ジープ八潮」だったが、もっと多くの方にジープの楽しさ、面白さを知って欲しいと、中古車販売・カスタム・メンテナンスを行なう「ジープアウトレット」としてリニューアル(ジープ指定サービス工場は継続)。販売する車両は、人気のラングラーや歴代のジープモデルが並ぶ。手頃な価格でジープに乗ってもらうことがショップのコンセプトでもあるため、高品質ながら200万円以下の車両が多く、中には100万円以下のモデルも在庫。

_K2A8645_K2A8658_K2A8664


写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

動かないクルマはタダの鉄、人もクルマも中身が大事!

_N6I1939

1970 CHEVROLET CAMARO / 1966 CHEVROLET NOVA / 1973 CHEVROLET CAMARO

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル

時間を掛けてボディに刻まれた傷はまさに年輪、これぞ本当のオンリーワンのカタチだ!

ピカピカのビンテージでも一切気にせず、ガンガン走ることを提案し続けている東海カーズ。とくにマッスルカーは、走ること自体が魅力の1つと言える。その上で、ラットスタイルなら普段着感覚で運転できる!

動かないクルマはタダの鉄、人もクルマも中身が大事!

ここ数年のアメリカンビンテージの高騰具合は、やや異常な状態。そんな背景もあってみんなピカピカの個体を求める訳だが、購入金額を考えるとおいそれとコンビニまで乗って行けないし、雨の日は乗らない! という気持ちも分からなくはない。しかも周りのドライバーは平気で隣に停めてくるし…と、ストレスも半端ない。

でもそれがラットなら…
●雨ざらしでOK
●洗車不要
●施錠もいらない
●ぶつけられても気にしない
と、まさにサンダルやジーンズの様な、普段着感覚で運転できるし、色々な意味で注目度は抜群(笑)。

でもね、ちょっと勘違いしちゃいけないのは「ラット=ボロい」と言う訳ではないのだよ。とくに東海カーズは「クルマは走ってナンボ」を提唱し続けるだけあって、その見た目とは対照的に、機能面はキッチリと整備済み。こんな見た目でもエンジンは一発で始動するのはさすがだ。

カーズの細井社長は「パテで10kg重くなるし、塗装でさらに10kgは重くなるかな。レストアと言ってもここまで年数が経過したクルマの場合、完全に塗装を剥いで鉄板の状態にしないと意味がないよ。何よりクルマなんだから綺麗にする必要あるのかな? 塗装にお金を掛けるか、整備にお金を掛けるか、よく考えてみよう」とのこと。「走るのに要らないし、軽くなるからGOOD♪」とも語る様に、ある意味走りに対するストイックな姿勢がこのラットスタイルを生み出したと言える。動かなきゃ意味がないし、外装を直すのは最後でOK。ガンガン走る速いラット、アリだと思うよ。

TOKAI CARS RAT STYLE-01 / 1970 CHEVROLET CAMARO
ナンバーズマッチとは対極な自由なカタチ!

1970 CHEVROLET CAMARO

1970 CHEVROLET CAMARO

今回紹介する3台の中で、もっとも走りに特化しているのがこの70年型カマロ。ご覧のとおりなかなかサビは進行し、ツヤは皆無。「自分のクルマなんだから好きにしちゃえ〜」ってことで、孔雀のグラフィックをあしらう。ベースのエンジンは350だが、排気量をアップ。細井社長は「400ぐらいかな?」と言うが、確かにここまで年数が経過していたら、車両の履歴なんてあまり意味がないかも。

それよりもやっぱり重要なのは中身で、前後バランスを考え、バッテリーはトランクルームに移設。積載能力は皆無だが、安全タンクを搭載し本気でサーキットを走れる様にカスタム済み。内装も走りに不要なものは取り除き、軽量化も実施。「ま、ラットスタイルの難点を挙げるとすれば、オーナー以外は誰も横に乗れないし、そもそも乗ってくれないことかな?」。

_N6I1961

_N6I2107

_N6I2168

エアスクープはダミーでなく、がっつりボンネットに穴を開けて装着。内側にスポンジが貼られた安全タンクは、コーナリング時に燃料が偏るのも防ぐ。リアサスにはトラクションバーも追加し、エンジンパワーを確実に路面に伝える。

_N6I2088

元々のエンジンは350だったそうだが、排気量をアップ。「400ぐらいにはなってるんじゃないかな? 多分」と細井さんは語る。ま、大事なのは速く走れることで、スペックなんて何でも良いと言うことだね。

_N6I2007

_N6I2019

_N6I2022

インパネはオリジナルをキープするが、メーター類を交換し信頼性をアップ。B&Mのプロラチェットシフターに変更し、リアシートなど不要な内装は撤去。その代わり、消火器をシートの後ろに装備する。

TOKAI CARS RAT STYLE-02 / 1966 CHEVROLET NOVA
アメ車としてはコンパクトだが日本には最適

1966 CHEVROLET NOVA

1966 CHEVROLET NOVA

アメ車の中では小柄で、どちらかと言うと可愛らしい雰囲気のノバ。カマロよりはコンパクトな283を搭載するが、十分過ぎるパフォーマンスを発揮してくれる。コラムシフトと言うこともあり、サーキットをガンガン走る様な仕様ではないが「安心してちゃんと街乗りができる」というコンセプトで、ブレーキのマスターバックなどは新品に交換済みだ。

3台の中ではヤレは比較的少ないかな…と思っていたが、取材当日は土砂降りというラットには最適な天気。撮影のために数時間雨ざらしにしていたところ、撮影を始めたら運転席に水たまりができていたものの、細井さんは「ドリルで穴あけないとダメだね」と、まったく気にもしていない様子。ラットに乗ることで時間に余裕を持つ様になるかもしれないし、何よりもおおらかな気持ちになれるとも言えるだろう。

_N6I1997

_N6I2053_N6I2002

インパネ周りは意外と普通…と思いきや、ドアの内張は撤去。何よりも雨漏りがなかなか激しいが「フロアに穴を開ければ問題解決!」と細井さん。直らない雨漏りにお金を掛けるより、対策を施す方がある意味賢明かもしれない。

_N6I2058

_N6I2063

283cuiのV8を搭載。比較的コンパクトな車体に約4.7ℓのエンジンを組み合わせるので、見た目に似合わず豪快な加速を楽しめる。ブレーキやオルタネーターなど、新品パーツを使用して、しっかりとリフレッシュを実施。

_N6I1979

_N6I2072

ボンネットの先端には数カ所穴があき、冷却性能をUP!な訳はないか。子供にイラストを描かれても気にならないし、これはこれで個性というか味がある。ま、見た目にこだわる人には理解不能だろうけどね。

TOKAI CARS RAT STYLE-03 / 1973 CHEVROLET CAMARO
ボディの各部はツギハギだらけですが、何か?

1973 CHEVROLET CAMARO

1973 CHEVROLET CAMARO

1970年型のカマロほど手は加わっていないものの、今後はサーキットやハイウェイクルーズが楽しめる様にカスタムを施す予定の1973年型カマロ。エンジンはオリジナルの350で、エーデルブロックのキャブや、M/T のヘッドカバーを装着。こちらもB&Mのシフターに交換している。また純正のインパネを加工し、オートメーターをシンプルにインストールする。

機能面にはここまでこだわっているのに、ボディには無頓着で、各部のサビは鉄板を溶接してとりあえず塞いでいる状態の、見た目は一切気にしないスタイル。極め付きは運転席側ドアのキーシリンダーが脱落し、いつでもオープン状態であること! 防犯性はゼロと言える状態だが、ある意味細井さんの「乗れるもんなら乗ってみな!」的な挑戦なのかもしれない。

_N6I1985

_N6I2120

_N6I1991

ドアの内張は剥がされアルミパネルに交換。オートメーターを装着するユーザーは多いが、インパネ内に美しく収めるのはレアケースと言える。エアコンも一応装着されているので、今回の3台の中ではもっとも快適かもしれない。

_N6I2083

エンジンは350で、ブレーキなどの改善もこれから行う予定。キャブ&エアクリーナーはエーデルブロックで、M/Tのヘッドカバーに交換。見た目と中身がマッチしない、そんなギャップがラットの愉しみ。

_N6I2077_N6I1964_N6I2027

半世紀近く経てば、そりゃボディ各部にも色々な痕跡はつくもの。ある意味、これまでのオーナーの軌跡とも言える。キーシリンダーがないのは驚嘆だが、それぐらい気楽に乗れるマッスルがあっても良いよね。


THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

-フリースタイルで行こう- #13 アメリカンスタンダードな「タコス」

IMG_8628

-フリースタイルで行こう- #13 アメリカンスタンダードな「タコス」

IT’S TACO TIME! Why Americans Love Taco Bell

重度のアメリカ依存症の石橋氏にとってアメリカンフードは大好物。中でも「タコス」には目がない。元々はメキシカンではありますが、アメリカに渡りアメリカアレンジされたテキサス×メキシコ=テックスメックス、カリフォルニア×メキシコ=キャルメックスはポピュラーで大型チェーンとして「タコベル」が老舗。今回はタコベルの魅力に迫るぞ。

ハンバーガーに続いて米国ファストフードの代表格の「タコス」が日本でも人気沸騰!?

アメ車オーナーの場合、クルマ好きかは(?)だったとしても、少なからずとも「アメリカ」を意識しているもの。自分の場合はまさにそうで、アメ車のファンになる前に、幼少期に観ていたテレビ番組の多くが吹き替えによるアメリカの番組だったし、音楽、ファッション、レジャーや食品などなど、生活に密着したほとんどの物がアメリカ由来や、アメリカ製が主流だったのです。そんな擦り込みが根強く浸透し、極度のアメリカ依存症に発展してしまった次第。しかし、現在ではいろんな意味でグローバル化が進んでいるため、選択肢が多くて良い面もあるけれど、情報量が多過ぎだし、細分化されながらも異文化が混合して、何処の国から由来しているのかが(?)な状態…。

クルマのメーカーにおいても、どこの国なのか、1台のモデルをOEMで様々なメーカーが扱っていたりで分かりにくい。食べ物などでも、イタリアンなのか、和食なのか、中華なのか、激しくクロスオーバーしたメニューが多く、違和感を感じずにはいられません。そんな中で、アメリカンなメニューの代表であるハンバーガーの人気が高まっているのは嬉しいですね。早くて安いファストフードとしてのメリットだけでなく、本格的なアメリカンとして提供するレストランがかなり増えている感じがします。

そんな流れからか、アメリカではハンバーガーに続いて主流となっているタコスに代表されるメキシカンの露出が増えている感じ?!アメリカの大手ファストフードチェーンの分布からすると、圧倒的にハンバーガーといったイメージが強いけれど、ヒスパニック系の人口が特に多い、テキサスやカリフォルニアでは、テキサス×メキシコ=テックスメックス、カリフォルニア×メキシコ=キャルメックス、といったハイブリットなメキシコ系の料理はメジャーで、人種を問わず広い範囲で一般的に浸透しています。

IMG_8627

日本国内では、まだまだマイナーな感じながらも、輸入食材店などでは、サルサソース、ナチョチップス、トルティーヤなど、メキシカンな食材の取り扱いが増えている感じもします。また、日本向けに独自のアレンジがされているものの、スーパーやレストランのメニューにも、トルティーヤを使ったメキシコ風のものが確実に増えています。

アメリカ依存症の自分にとってのメキシカンは、ハンバーガー以上にアメリカを感じられるメニューでして、一定のタイミングで出る禁断症状への処方としても摂取したくなるのです。そこで、最も手軽で効果的なのが、アメリカのチェーン店である「タコベル」の利用。カリフォルニア発のいわゆるキャルメックスの代表。メキシコのタコスではトルティーヤはコーン、具材はホルモン系が主流なのに対し、トルティーヤはフラワー(小麦粉)が主流で、コーンの場合はパリパリに揚げてあります。具材では、ミート、ポーク、チキンとバリエーションがあり、レタス、トマト、サワークリームも入ったカラフルなルックスも特徴的。見た目以上に食べ応えがあるし、ハンバーグやピザよりもクセになるし、続けて食べても飽きないので、一つのメニューとして大好物なのです。とはいえ、お気に入りのタコベルは国内ではわずか12店舗しかないのが実情。もっともっと店舗が増える為にも、本誌読者の方は、最低でも月に1度は利用して欲しいと願います!

クランチラップスプリーム Crunchwrap Supreme

IMG_8636

IMG_8641

パリパリのコーンと柔らかフラワーの両方の魅力を1度に味わえるタコベル独自のメニュー。具材はタコスと同様に、チキン、ポーク、ミートより選択可。サルサ&サワークリーム入りのリッチな味わいと食べ応えが魅力。

2 タコス 2 Tacos

IMG_8630

揚げたコーン&柔らかフラーによる2種のトルティーヤが楽しめる2 タコスコンボ。ひき肉のビーフがデフォルトとなってますが、ポークとチキンもあり、お好みでチョイス可。¥70追加でトマト&サワークリーム入りのスプリームがオススメ!

グリルドブリトー Grilled Burrito

IMG_8632

IMG_8634

サルサソース、メキシカンライス、チーズ、そしてアクセントのコリアンダーをラップしたタコスに次ぐ代表メニュー。具材のチキンは、タコス同様にビーフまたはポークに変更可。付属のポテトもナチョチップに変更可。

ケサディーヤ Quesadilla

IMG_8631

IMG_8635

チェダー&モッツアレラの2種のチーズとお肉(チキン、ビーフ、ポークを選択)をトルティーヤで挟んだシンプルにして抜群に美味しいビギナー向けメニュー。サルサ&ワカモレ(各¥100)と一緒にいただくのがベスト!

ローデットポテト Loaded Fries

IMG_8638

メキシカンフレーバーなシーズニングの効いたフライドポテトに、ビーフ、ナチョチーズ、サワークリーム、グリーンオニオンをトッピングしたオリジナルメニュー!個人的にも大好物なのですが、一人で食べるには多すぎるので注意!

TacoBell-pfiblog-2019-new-menu-header

タコベルは、カルフォルニア発のフランチャイズ・ファストフードとして80年台後半からスタートし、現在ではアメリカ本土のほか、ハワイ、南米を含めて6500店舗が存在。カジュアルでキャッチーなカルフォルニア的アレンジが効いたタコスやブリトーをはじめ、クランチラップなどのオリジナルメニューも魅力。国内では80年代に一度上陸したものの、在日米軍基地内だったりで馴染みがなかったが、2015年に日本1号店として渋谷にオープン。フードコート内をメインに現在では12店舗を展開している。

iWtuWBIig6LbpBgKou5aA-aVpdjJH0j3dhvGj9ml9hrNT-YM3U

自分が最も頻繁に渡米していた90年代に店舗が増えてメジャーになった感じで、個人的には、アメリカのモータースポーツの二大勢力である、NASCAR、NHRAの参戦車のスポンサーをするカンパニーという点でもリスペクトなのです。アメリカ滞在時には当たり前に利用していたものの、国内ではタコス自体が滅多に食べれなかったこともあり、自分の中では中毒性が高まった感じ。

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 5月号掲

確実に向上していくチューニングに心酔しラストメニューはスーパーチャージャー搭載!

2016 CHEVROLET CAMARO SS

2016 CHEVROLET CAMARO SS

FUN to DRIVE MUSCLE CAR -マッスルカーに乗る悦楽-

速さへの追求で愛車の成長する過程を楽しむ

ほんの少し手を加えるだけで、愛車が劇的に変化するのがチューニングの醍醐味だ。マッスルカーを手にすれば、いつかは「速さ」を求めたくなるだけに、チューニングによって愛車が成長する過程を存分に楽しみたい。紹介するカマロもまた、チューニングの魅力にハマり、愛車の成長する過程を楽しんでいる一台だ。

一度にチューニングせず段階を踏んで変化を楽しむ

埼玉県熊谷市にあるチューニングショップHPPは、チャレンジャー・ヘルキャット、デーモン、グランドチェロキー・トラックホークなど、ストックでモンスター級のスペックを持つハイパフォーマンスモデルをチューニングし、900hpを超える桁違いのモデルたちを生み出してきた。

2016 CHEVROLET CAMARO SS

だがこう聞くと、一般のオーナーにはハードルが高いように思えるチューニングだが、HPPでもこうしたモデルは特別で、多くは「日常走行でもっと気持ちよく走りたい」、「サーキット走行を楽しみたい」などの依頼を受け、予算や目的に合わせてメニューを組む。例え車両がSUVだろうがマッスルカーだろうが、スタートメニューは基本的に変わらない。そしてHPPでは、予算ギリギリのメニューを一度に組むことはせず、段階を踏んでオーナーに試乗してもらい、愛車の変化を理解してもらうことを提案する。この、徐々に変わっていく過程こそが「チューニングの面白さであり楽しさです」と、HPP代表の長池氏は語る。

今回のカマロに乗るオーナーも、そうしたHPPのチューニングの魅力を聞きつけ訪れた一人で、そして、チューニングの沼にハマっていくのであった…。

オリジナルサスペンションで足回りも強化

遡ること約3年前、アメ車マガジンやSNSでHPPのチューニングの評判を見て、愛車カマロ・SSを持ち込んだオーナーさん。「カマロ最速のZL1に負けないパフォーマンスを」という依頼だったワケではなく、純粋に「もう少し速くしたい」ことを目的に訪れたようだ。

2016 CHEVROLET CAMARO SS

上で記述したように、HPPは一度に数多くのメニューを組むことはしない。まずは基本となるブリスクUSA・レーシングプラグ、ハイグレードエンジンオイル等を注入し、インテークキット交換の時点でまずはPCM現車セッティングを行なった。PCM(パワー・コントロール・モジュール)現車セッティングとは、チューニングパーツを取り付けて性能が変化した車両状態に対し、最適なパフォーマンスを引き出すようにチューナーがPCMを調整セッティングすることだ。単にチューニングパーツを取り付けるだけでは、十分な性能を発揮できない。

こうしてワンランク上のパワーを手にれたオーナーは、乗った瞬間に分かる愛車の違いに心酔。そして、本当のチューニングの凄さに感動し、他のオーナーと同じく次なるステップメニューを求めるようになっていく。

第二段階のメニューは多岐にわたるため、代表的な部分を列記すると、スウェイバーキット、ビッグスロットル&インテークマニホールドを交換し、PCM現車セッティング。パフォーマンスに合わせ外装にも着手し、フロントリップスポイラー、サイドスカートの追加、ホイールはワーク・エモーション20インチに変更。足回り強化として、チャレンジャー用で実績のあworkオリジナルサスペンションキットをワンオフして組み込んだ。

2016 CHEVROLET CAMARO SS

走りのパフォーマンスは見違えるように向上し、見た目もそれに相応しい姿に変わった。これで一件落着とお伝えしたいところだが、定期的にHPPに通うようになったオーナーは、ファクトリーに並ぶスーパーチャージャー搭載車を見ては質問攻め。そして遂に、ラストメニューとしてスーパーチャージャー搭載、圧倒的な性能を誇るエンジンオイル・トライボダインを注入し、三度目のPCM現車セッティングをすることになる。

これまでHPPで数多くスーパーチャージャー搭載のチューニングモデルを取材してきたが、オーナーの「ここまで来たら、俺もスーパーチャージャー搭載」はお決まりのパターン。それほどまでに、チューニングによって愛車が変わっていく姿は病みつきになるのだ。今後、このスーパーチャージャー・カマロを見て、チューニングに興味を湧くユーザーもいるだろう。そして恐らく、行き着く先はスーパーチャージャーになるかもしれない。スーパーチャージャーのループはまだまだ続く。

697

810

社外品のフロントリップスポイラー、サイドステップを加え、ワーク・エモーションの20インチをセット。元々は他社製サスペンションキットを装着していたが、性能や乗り心地に不満を覚えていたため、HPP オリジナルサスペンションキットに交換。車高はオーナーの要望で低めのセッティングだが、この低さでも走行を犠牲にしないように綿密に計算してワンオフ製作。ボンネットは、スーパーチャージャー搭載に合わせてリアルカーボンに変更。シートはレカロとなっている。

1112

パフォーマンスオイル各種、ブリスクUSAレーシングプラグ、インテークキット、PCM現車セッティングがスタートメニューとなり、その後さらにメニューが追加され、スウェイバーキット、ビッグスロットル、インテークマニホールド交換、PCM現車セッティングを行なう。そして、他のHPPユーザーに負けないようにと、スーパーチャージャー搭載を決意。HPPが新たに導入した、圧倒的なパフォーマンス性能を持つエンジンオイル・トライボダインも注入され、PCM現車セッティング。


Special Thanks
HPP(High Performance with Precision)
TEL:048-577-7341
URL:https://www.hpp-jpn.com


Photo:犬塚直樹
Text:相馬一丈

アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

ジェットシティはカスタムだけじゃない!トータルでカーライフをサポート

jetcity、ジェットシティ

PRO SHOP INFORMATION
JET CITY

多くのカスタム車両を披露することで、日本を代表するカスタムショップとして知られる広島のジェットシティ。だが日常の業務は、車検や整備などのカーライフをサポートするのがメイン。ノーマル車両だってジェットシティは大歓迎なのだ!

ジェットの魅力は販売・整備・カスタム

ユニバーサルエアーとのコラボレーションにより、日本を代表してSEMAショー出展のマスタング製作が進む広島県のジェットシティ。それ以外にも、「アメ車の魅力を多くの人に発信する」というショップコンセプトにより、停滞気味のアメ車業界のなか、積極的に数多くのカスタムモデルを製作し、イベント開催も仕掛ける。

_K2A7905

ただ、そうしたカスタムモデルばかりが目立つことにより、弊害もあると語るのは、ジェットシティ代表の萩原氏だ。2002年から創業するジェットシティは、萩原氏を含め2級整備士の資格を持つスタッフが3名、1級整備士が1名在籍するなど、アメ車はもちろん、国産・欧州車の車検や整備を長年行なってきた実績と経験を誇る、整備のプロショップだ。だがその業務と並行して製作した、あまりにも個性的で過激なカスタム車が一躍注目され、いつしか同ショップは「カスタムのジェット」と呼ばれるようになっていく。萩原氏が語る弊害とは「カスタム以外でショップに来ることを躊躇するオーナーが居ること」だ。例え他店でクルマを購入していようが、ノーマル車だろうが、オイル交換だけでもサポートするのがジェットシティの本来の姿。決して臆することなく、訪れてほしい。2016年夏にリニューアルオープンした現在のファクトリーは、地方運輸局長の認証を受けた認証工場で分解整備が可能。これだけでも、ショップが整備に力を入れているのが分かるだろう。

_K2A8136

_K2A7878 _K2A7979_K2A8116

また、販売する車両は基本的に海外から直輸入したモデルがメインで、日本では珍しいグレードやボディカラーを並べる。少しでも違いを出したいユーザーは、車両購入でもジェットを注目したい。任意保険の対応も行なっている。他にも、社外パーツの取り寄せも迅速に対応できる本国ルートを持っているため、パーツ待ちで数ヶ月なんてことが無いのもポイントだ。カスタムにおいても、カーショーレベルから、ライトな改良まで相談可能なのは言うまでもない。

ジェットの魅力は、トータルでアメ車オーナーをサポートするところにある。

認証工場だからできる信頼の整備体制ジェエットは整備もウリだ!

ジェットシティ、jetcity

ジェットシティのファクトリーは、エンジンやブレーキなどの分解整備を行なうことができる認証工場に認定されている。ファクトリーの広さ、作業機械の設備、二級整備士以上が在籍しているなどが条件となり、全国のアメ車ショップでも数少ない存在だ。認証工場は車検のための分解整備を行なうことが認められているので、車検を依頼するショップで悩むオーナーには、ジェットは安心してオススメしたい。他店で購入した車両でもウエルカムなので、まずは相談してみよう!

二級整備士資格を持つ工場長の藤井さんなど、ジェットには二級整備士、一級整備士が在籍し整備をサポートする。大型リフト2基、各種テスター、空気圧センサーコーディング装置、タイヤチェンジャー、ホイールバランサーなどを備える。アメ車の他、国産車・欧州車の整備も行なっているので、セカンドカーの整備を依頼するオーナーも多いようだ。

_K2A8082

_K2A7946_K2A7998

日本では希少なグレードやボディカラーを本国から直接仕入れる在庫車両!

ジェットシティの在庫車は、基本的に国内仕入れはせず、海外から直輸入したモデルが並ぶ。状態の良さは当然のことながら、日本には珍しい特別なグレードやボディカラーを積極的に仕入れる。2019年型のマスタング・コンバーチブルがまさにそれだ。ノーマル車の販売も多いが、カスタム車も並び、24インチのエスカレードEXTや、マッドマックス・マグナムも実は販売車両だ。

_DSC3446_K2A7927_K2A7924


SHOP DATA JET CITY【ジェットシティ】
所在地:広島県安芸郡海田町国信2-6-43
TEL:082-820-0377
FAX:082-820-0378
営業時間:10:00 ~19:00
定休日:日曜日

_K2A8004


写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

 

-アメカルにまつわるエトセトラ- #15「 THE TRUTH IS OUT THERE 」

Amemaga_2103 のコピー

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#15「 THE TRUTH IS OUT THERE 」

国産のTV番組が潤沢ではなかった数十年前、土曜の午後や日曜の夜など微妙な時間帯を埋めるように放映されていたアメリカ製TVドラマ。「事件記者コルチャック」「600万ドルの男」「バイオニック・ジェミー」「ロックフォードの事件メモ」などなど。それは国産のホームドラマや時代劇などとは一味違うテイストで、当時の視聴者…特に私のような子供に対して、アメリカという異文化を印象付けるには十二分なインパクトを持っていました。国産のTV番組が充実していくにつれて放映数は減りましたが、1990年に入ってから再び脚光を浴び始めます。そのきっかけの一つが1993年から2002年にかけてアメリカで制作された「The X- files(Xファイル)」でした。

FBIの通常捜査では解決不可能な事件を取り扱うXファイル課で、局のルールを無視しながら事件を追うフォックス・モルダー特別捜査官と、監視役として送り込まれたダナ・スカリーの活躍を描くSFドラマ「Xファイル」。その超常現象を軸としたストーリー展開や映画並みの作りこみによって、アメリカはもちろん、日本でもブームとなりました。

Xファイルの核となるのは、各エピソードに込められた超常現象や、シリーズの根底に流れる政府の陰謀ですが、個人的に毎話楽しみにしていたのが、モルダー&スカリーが事件捜査のために訪れる各州の風景や文化…そして現地の保安官や森林警備隊の足として活躍しているクルマ達でした。

アメリカの警察事情に疎いのでその違いがよく分からないのですが、「州警察」というと、パトロールカーは一般的なセダン。それが地方…保安官事務所あたりまで行きつくとSUV率が高まります。日本でも、山林の駐在所ではエスクードやジムニーがパトロールカーとして使用されていますが、あんなイメージ。パトライトをルーフにマウントしたK5ブレイザーやブロンコ、(当時としては)少し新しめのエクスプローラー、そして2ドアのXJチェロキーなどが山道を駆け抜ける姿は、〝働くクルマ好き〟な私にはたまらないシーンです。そのクルマを駆る保安官達は、中央からやってきたモルダーやスカリーに対して判で押したように良い顔をしません。しかし、事件が手に負えなくなってきたり、荒唐無稽なモルダーの説が真実味を帯びてくると態度を軟化させはじめます。ある意味で〝お約束〟なその流れもお気に入りだったりするのです。

そんな「Xファイル」も、終幕した2002年から14年を経た2016年に突如再開したのですが…実はまだ未見。シーズン1~9+映画版2作のDVDをコンプリートしてそこそこファンだと自認している私ですが、それだけになんとなく手を伸ばせずにいるのです…複雑笑

cap_2001

TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 5月号掲載

元祖はプレミアムSUVのはしりジープワゴニア

1975 Jeep Wagoneer、1975 ジープワゴニア

1975 Jeep Wagoneer

VINTAGE AMERICAN SUV

SUVの元祖とも言うべきモデルが30年ぶりに復活する、それが「ワゴニア」。往年の人気モデルがリバイバルすることで歴代モデルの注目が高まることだろう。そんな中、ミントコンディションの1975年モデルを発掘したので紹介しよう!

3月にオンラインで世界初公開され何かと話題な新型ワゴニア

今や全世界的にSUVの人気が高まっており、これまでSUVに見向きもしてこなかったハイエンドブランドまでがこぞってラインナップしている状況。しかし、現在に至るまでのルーツを遡っていくとこのモデルに辿り着く。それがジープ・ワゴニアだ。

周知のとおり、ジープは元々軍用車として開発されたクルマだが、第二次世界大戦後にジープが目指したのが乗用化。1950年代にはレクリエーション用車両の人気が高まり、1960年代に入ると今度は個性や格調の高さが求められるようになったことで、1962年に1963年モデルとして市場に投入されたのがワゴニアなのだ。4WDモデルとしては初となるオートマチックトランスミッションを搭載し、1973年にはフルタイム4WDシステム「クアドラ・トラック」を最初に設定。乗用車風のスタイリングでありながら快適性と利便性に4WDのメリットを融合した革命的なSUVとして29年という長期にわたって生産され、1991年モデルでラインナップから姿を消すこととなったが、プレミアムSUVの礎はまさにワゴニアが築き上げたといっても過言ではない。

1975 Jeep Wagoneer、1975 ジープワゴニア

1975 Jeep Wagoneer、1975 ジープワゴニア 1975 Jeep Wagoneer、1975 ジープワゴニア1975 Jeep Wagoneer、1975 ジープワゴニア

今回撮影したのは1975年モデルで、オリジナルの姿をしっかりとキープした1台。しかも45年が経過しているとは思えないほど内外装ともにヤレが少なく、まさに極上と言える。エンジンはキャブからインジェクションへと変更されており、始動も一発。乗り味はこの時代ならではのまさに大らかなものだが、それが〝味〟とさえ感じられて好印象。

ちなみにワゴニアにおける最大のトピックは、30年ぶりに復活を遂げた新型ワゴニア/グランドワゴニアだろう。ここ最近では同じセグメントでブロンコが復活しており、そのフォルムは初代モデルをオマージュして発売前から大人気。一方の新型ワゴニア/グランドワゴニアを見てみるとかつての面影はなく、グランドチェロキーをさらに上質に仕立てたフォルム。とはいえ、往年の名が復活することは喜ばしい限りである。

DSC_3450DSC_3447

DSC_3475DSC_3443

DSC_3437DSC_3440

エクステリアはオリジナルをストックしており、各部のクロームも曇りがなく、さらにボディサイドのウッドトリムにヤレも見られず、状態はグッド!

DSC_3461

DSC_3454

DSC_3457 DSC_3470DSC_3468

インテリアもオリジナルの状態がキープされており、モデルイヤーの割にはヤレはなく綺麗な状態を保つ。フロントシートはセパレート式のベンチタイプの3人掛けで、6人乗車が可能。リアゲートの開閉は、電動式のウインドーを下げてから行い、ラゲッジスペースも広く、荷物も十分に積載が可能。

DSC_3452

搭載するエンジンはAMC360(5.9ℓ)V8で、エーデルブロックのインジェクションキットにてキャブからインジェクション化が図られている。


THANKS:AMERICAN CLASSICS
TEL:0467-75-2221
HP:http://www.american-classics.com


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載