アメリカンホームの憧れと親孝行が詰まった二世帯住宅

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Let’s AMERICAN HOME

OWNER: 松永和久さん 里香さん・一駈くん・稟叶くん

新婚旅行で訪れたハワイで見た住宅に憧れ、自分たちもこんな家に住んでみたい。その夢の実現までに様々なハードルもあったが、夢への熱意と親孝行によって、2019年夏に松永さん邸が完成する。

熱意が伝わり静岡県初のジェネラル施工

後輩がマイホーム建築を検討したことをキッカケに、「自分たちもそろそろ」と、マイホーム計画をスタートさせた松永さん。その第一歩として、自分がどんな家に住みたいかを想像するのだが、生粋のクルマ好きの松永さんが中心に考えたのが、当時所有のアメリカンスタイルにカスタムした愛車ハイラックスサーフのこと。「愛車に似合う家が理想でした」と、クルマありきでデザイン構想が始まる。そしてその本命デザインは、新婚旅行のハワイで見た住宅や街の雰囲気に夫婦共に感動したことで、アメリカンホームとなった。

ネットなどでアメリカンホームについて調べる日々が続く中、愛知県で開催されたライフスタイルイベント「フィールドスタイル」を訪れた松永さん。会場には様々なクルマやショップブースが並ぶなか、まったくクルマとは関係ないブースに思わず目に止まる。そこに飾られていたパンフレットには、ハワイで見た住宅や、ネットで見たアメリカンホームがずらりと並べられ、注文住宅の文字が。そうそこは、本場アメリカデザインを取り入れるハウスメーカー「ジェネラルアメリカンホーム」のブースだった。パンフレットを手に「まさにこれ!」と声を上げた松永さんは、早速ジェネラルのスタッフを捕まえじっくり説明を受ける。そして、オープンハウスも定期的に開催していることを知り、一歩夢のアメリカンホームに近づいたのだった。

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だが問題は、オープンハウスの場所が愛知県で、松永さんの住む静岡県からは遠いということ。そこで松永さんは、静岡県内にある輸入住宅の展示場に足を運ぶのだが、デザインはアメリカンとは謳っていても、ジェネラルで見た雰囲気とはまるで違う「アメリカ風」だった。「やっぱりジェネラルのオープンハウスに行ってみよう」。そう決意した松永さんは、それ以後毎月のように愛知県まで行き、オープンハウスを内覧。行けば行くほど、心はジェネラルで決まっていくのだが、残念ながら契約には至らなかった。その一番の要因は、やはり静岡県~愛知県の距離。ジェネラルが施工するエリアは、愛知県を中心とする東海3県。施工するにも職人を静岡まで派遣することは、ジェネラルにとっても大きな問題だったのだ。

だが、毎月のようにオープンハウスに通う松永さんの本気度や、ジェネラルで住宅を建てたオーナーさんも応援するなどして、遂にジェネラル代表の杉山氏も行動に出る。ジェネラルが使用する輸入建材を調達できる工務店や職人を、静岡県内で探し出してくれたのだ。

ジェネラル初となる、静岡県の施工が決まった松永さん邸。しかし松永さんは、もう一つ大きな問題を抱えていた。それは、亡き祖父が建てた昔ながらの日本家屋を建て直し、二世帯住宅として一緒に住む予定の、父親の説得だ。何かとアメリカを好む松永さんに対し、父は「ここは日本だぞ」と、アメリカ製品のことを好まない。そんな父に「アメリカンホームに建て替える」と報告した際は、当然ながら猛反対されたという。「いくら僕たちが説明しても納得してくれなかったので、一緒にジェネラルのオープンハウスに行って、『アメリカ製の住宅も安心』ということを、実際に住んでいる人やジェネラルのスタッフに説明してもらったんです」。そこで図面も見ながら父親に話を聞いてもらい、ようやく納得してもらった。

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そして2019年8月、松永さん家族と父親が住む二世帯住宅のアメリカンホームは完成する。基本デザインはサーファーズスタイルながら、数々のオープンハウスで見た、広いポーチやリビングの吹き抜けなど、松永さん曰く「いいとこ取り」のデザインとなっている。家屋全体は輸入建材を使いながらも、日本製を好む父親の居住空間は国内の建材を使用し、室内のデザインは控えめなアメリカンテイストに仕上げらた。それでも二世帯共に、ソファやダイニングテーブルといった家具をアシュレイ製でまとめるなどして、全体的な統一感を図っている。そして、松永さん夫婦が一番のお気に入りというのが、リビング全面の吹き抜けと、壁一面に本物の木材を張り合わせたヘリンボーン壁。開放的な空間にこの色彩の組み合わせは、まさに海外のリゾートハウスを思わせる。

当初は愛車ハイラックスサーフに似合う家を理想としていた松永さんだが、憧れのリアルアメリカンホームが完成する直前、「この家にはアメ車が似合う」として、初のアメ車である05年型のダッジ・ラムを購入する。「ハワイの街を走るピックアップトラックがめちゃくちゃ格好良くて、ずっと興味があったんです。家が徐々に出来上がるのを見ていたら、我慢できずに買っちゃいました(笑)」。さらに、奥様用の国産ミニバンも逆輸入車のトヨタ・シエナに買い換える徹底ぶり。

最後に、アメリカンホーム建築に否定的だった父上に、この家の印象を聞いてみると「住んでみると意外と良いもんですよ」と、笑って答えてくれた。憧れと親孝行がタップリ詰まったリアルアメリカンホームの二世帯住宅が、松永さん邸なのだ。

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170坪の土地に、正面向かって右が松永さん家族、左に松永さんの父が住む二世帯住宅が建つ。ライトグレーのラップサイディング壁、ウッドデッキの広いポーチが外観の大きな特徴だ。ジェネラルアメリカンホームの他に、同じ条件で地元の工務店で図面を作ってもらったが、建坪面積やデザインは圧倒的にジェネラルが良かったという。表札にグラインダータトゥー、ラップペイントを施すなど、細かい部分もカスタム好きが垣間見える。

毎日の生活が楽しくなる空間で家族と暮らすことは最高の喜び

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木目とホワイトのコントラストを活かしたリビングは、全体が吹き抜けとなり開放的な空間が広がる。特にこだわったのがヘリンボーン壁で、壁紙ではなく本物の木材を張り合わせて施工されている。ちなみに、松永さん夫婦は元体操選手だったこともあり、大きな梁を伝って歩きシーリングの掃除をしているとか。これは二人だからこそできるやり方なので、一般的にはオススメしない。

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階段下にある扉を通じて、松永さん側と父親側の居住スペースと行き来ができる。家屋全体は輸入建材を使用するが、父側は国産材料を使用しアメリカンテイストを盛り込むデザインとなっている。

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アイランドキッチンのダイニングは天井がブルーとなり、カフェのような雰囲気。基本的に松永さんがデザインを主導したが、奥様が絶対に使いたかったというパイナップルの壁紙とピンクの扉がパントリーで使われている。2階にある2部屋は将来の子供部屋になる予定。いずれはこの部屋も、アメリカンテイストのデザインになっていくのかもしれない。

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バスルームはハワイのリゾートホテルを参考にしてデザイン。スカイブルーの壁紙と天井の木目調に加え、洗面台のタイルや蛇口などもハワイらしさを演出する。1階・2階のトイレは、夢の国でお馴染みのテーマパークにあるような雰囲気を演出する。壁紙は松永さん夫婦がネットで探したものだ。

2005 DODGE RAM

2005 DODGE RAM

2005 DODGE RAM

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ハイラックスサーフをUSスタイルにカスタムして所有していたが、アメリカンホーム建築を機に、初めてのアメ車となる05年型ダッジラムを2年前に購入。ホイールはARKON OFFROAD ALEXANDER 22×12.5J。35サイズのM/Tタイヤを組み合わせ、トゥルースパイクラグナットを装着する。35タイヤをギリギリで履くスタイルを求め、過度なリフトアップはせず、スペーサーにより2インチアップ。マフラーは中間をチェリーボムにし、タイヤの前に出口を取り回したワンオフタイプ。

2012 TOYOTA SIENNA

2012 TOYOTA SIENNA

クルマ好きの松永さんによって、次々と変わる奥様用の現在の愛車は、12年型トヨタ・シエナ。家族全員が乗れるということに加え、「この家にはアメ車が相応しい」というのが購入の一番の理由。KMCの17インチホイールに、オープンカントリーのR/Tタイヤを組み合わせる。

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HOUSE Maker DATA
General American Home【ジェネラルアメリカンホーム】
所在地:愛知県刈谷市東境町登り坂100
TEL:0566-91-3007
URL:http://g-a-h.sakura.ne.jp/wp


Photo & Text:KAZUTAKE SOMA
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

ウイングオートならではの姿勢で新たな門出を祝う納車式を開催

2010 CHEVROLET CAMARO SS RS

2010 CHEVROLET CAMARO SS RS

“カタチから入る”逸楽アメ車生活

車両の販売だけでなく購入後の安心感やユーザーの交流も育むウイングオートならではの姿勢で新たな門出を祝う納車式を開催

GM・シボレーの正規ディーラーでありながら、他ブランドのアメ車も積極的に取り扱うウイングオート。これまでに数多くの車両を販売し、アメ車ユーザーの門出を祝ってきた。今回はそんな納車式に立ち会うこととなった。

徹底的にサポートする姿勢は納車する時から始まる

アメ車の輸入を開始して、2021年で33年となるウイングオート。GM・シボレーの正規ディーラーであり、FORDのグローバルサブディーラーでもある同社は、SUVからマッスルカーに至るまで、ありとあらゆるアメ車を取り扱っており、そのことはもう読者諸兄にもお馴染みかもしれない。

そんな長い歴史を誇るウイングオートには、アメ車ファンを1人でも増やしたい! という企業理念が根底にあり、「アメ車を楽しい」と思ってもらうだけでなく「アメ車なしの人生は考えられない!」と思うまでアメ車好きになって欲しいという思いから、販売はもちろんのこと、車検や整備といったアフターフォロー、さらには自社主催によるイベントを通じてオーナー同士の交流の場を設けるなど、「アメ車ユーザーのためになるなら何でもやる!」という積極的な姿勢を随所に感じ取れ、そして今回伺った際にはタイミング良く納車式が行なわれるということで、その様子を拝見することとなった次第。

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納車式は日本車販売ディーラーや中古車販売店などで購入者の門出を祝うセレモニーとしてよく行なわれており、それぞれが趣向を凝らしてセレモニーを盛り上げている様子が伺えるなかで、ウイングオートはというと、手書きのメッセージボードをはじめ、さらにはサプライズも用意して今回の主人公を待ち構えていると、時間より早く主人公である鈴木さんが来場し、納車式の幕開けである。

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まずは担当スタッフの入野さんから書類に関する説明があり、その後はクルマに移動して操作に関する説明が丁寧に行なわれ、鈴木さんはその説明を一つ一つしっかりと聞いて確認し、高揚感を隠せないといった印象だった。そして車両に関する説明が終わった後には記念撮影となったのだが、何やらゾロゾロと一団がクルマの周りを取り囲む。彼らはカマロオーナーズクラブ「JAPAN CAMARO CLUB」のメンバーで、ウイングオートとは懇意にしている間柄ということで、カマロを購入した鈴木さんの晴れの舞台を祝うべく駆け付けてくれたのだ。これがウイングオートならではのサプライズ! 式の最後にはスタッフ全員でお見送りをして終了となったが、納車後も徹底的にサポートしていく姿勢に終わりはない。
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ショールームの入り口前には納車前点検及び整備を終えてピカピカに磨き上げられた2010年モデルのシボレーカマロSS RSとともに、入り口を入ってすぐのところにはスタッフの手書きによるメッセージボードが置かれ、出迎える準備は万態。いざ今回の主役である鈴木さんが訪れると、早速納車のために必要な書類関係の説明とともに、車両の取り扱いに関する説明がスタッフの入野さんからなされ、鈴木さんはしっかりとその説明に耳を傾けていた。

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2010年モデルのシボレー・カマロSS RSを購入した鈴木さんは、以前からアメ車が気になっていたこともあり、ちょくちょくウイングオートを訪れては展示されているアメ車を眺めていたそうだ。以前はマツダ・RX-8に乗っていたものの、友人からの「アメ車にのりたいなら手放してお金を貯めたら!」というアドバイスどおりにRX-8を手放して貯金生活を始めた次第。その頑張りが実を結び、晴れてアメ車オーナーとなった。ちなみにカマロを選んだ理由は、小学生の頃に見た映画「トランスフォーマー」の影響。当初は現行モデルも検討していたそうだが、タイミング良く下取りで入庫した、このバンブルビーさながらのフォルムを一目見るなり気に入り購入に至っている。このカマロはディーラー車かつワンオーナーで、走行距離も21,000kmと少なく、フルオリジナル。ウイングオートでしっかりとメンテナンスしてきているだけにコンディションも申し分なし。まさに最高の愛車を手に入れたと言える。

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鈴木さんの納車式に駆け付けてくれたのは、カマロオーナーズクラブ「JAPAN CAMARO CLUB」の面々。同クラブはウイングオートと懇意にしており、同社が主催するイベントやツーリングにも積極的に参加したりして交流を図るなか、スタッフの入野さんの呼びかけに応える形で集合し、サプライズを決行。式の後は早速、連れだってツーリングへと出発。カマロライフのスタートとして絶好のシチュエーションとなった。

OWNER : SUZUKI


THANKS:WINGAUTO
TEL:052-409-5434
HP:http://www.wingauto.co.jp


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #13「警官とコーヒーとドーナツ 」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#13「警官とコーヒーとドーナツ 」

アメリカ映画によく登場する警察官。その役割は様々ですが、邦画よりも印象が強い気がするのは、より市民生活に身近な存在なのだからかもしれません。そんな警官と親和性が高いのが「コーヒーとドーナツ」。いくらでもその例は思い当たるのですが、個人的に即座に思い浮かぶのが、「ダイハード(’88)」に登場するパウエル巡査部長です。

普段は庶務を担当しているパウエルですが、強盗グループに占拠されたナカトミ・プラザ付近に偶然いたため、事件に巻き込まれてしまいます。パウエルとブルース・ウィリス扮するジョン・マクレーンの無線でのやり取りがジョンの心情描写になっているなど重要な役割。そんなパウエルですが、なぜ、デスクワークにもかかわらず深夜の市中にいたかというと…コンビニにドーナツを買いに来ていたのです(笑) 店内商品棚から大量のドーナツをわしづかみにしたパウエルは、聞かれてもいないのに「女房が妊娠してね」とほくほく顔で店員に告げますが…自分用なのは明白。パウエルは「ダイハード2(’90)」にも登場しているのですが、デスクの上に散らばっているドーナツを見ると他人事ながら少々心配せずにはおれない食環境です。

そしてもう一つ印象的なのが、’90年代初頭にカルトブームを巻き起こしたアメリカ製TVドラマシリーズ「ツイン・ピークス」。カイル・マクラクラン扮するクーパー特別捜査官が捜査のため訪れた田舎町ツイン・ピークスで起こる群像劇です。脚本・監督が奇才デヴィッド・リンチですから、今なら「考察サイト」が立ち上がるだろう不思議なドラマでした。その中でクーパーが愛してやまなかったのがチェリーパイとコーヒー、そしてドーナツだったのです。

さて、なぜこれほど警官とコーヒー&ドーナツの相性が良いかというと…割と有名な都市伝説があります。「某ドーナツ店では警官が制服で来店するとコーヒーとドーナツが無料で提供される」というもの。真贋諸説あるのですが、「公式には無いが全く無かった訳でもない」ということらしいです。24時間営業といえばコービーショップくらいだった在りし日々、深夜勤務の際に空腹を解消し、さらに眠気を覚ますにはコーヒーとドーナツくらいしかなかった。そして深夜の営業は不用心。そこで制服警官に立ち寄ってもらえれば防犯にも役立つ…というお互いの利害が一致して、そのようなサービスが一部で行われていた…ということのようです。その辺の事情、やはり日本とは少々異るようです。

ところで…今回少し調べたところ、ダイハードのパウエルがコンビニで買っていたのは、実はドーナツではなかったことが判明!( 吹き替えと字幕ではわからなかった) さらにそれを調べる過程で面白い映画を一本見つけちゃいました。そちらについてはまた次の機会に。
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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 3月号掲載

クラウンビクトリアだからこそできるポリスカーカスタム!

2002 Ford Crown Victoria Police Interceptor

2002 Ford Crown Victoria Police Interceptor

“カタチから入る”逸楽アメ車生活

アメリカでは一般オークションに、本物のポリスカーの払い下げが出品されることもある。本国にはマニアが多く存在し、車両の人気は常に高く、日本に運ばれてくるのはごくわずか。そんな激レア車両がガレージダイバンに入庫している。装備品を集めて、ポリスカーを作ってしまうのも面白い!

アメリカには装備品を扱う業者もありポリスカーを再現することも可能

日本の警察車両を模したカスタムはNGなのは言うまでもないが、アメリカでも当然ながらポリスカーをそっくり模したカスタムはNGだ。ただアメリカでは、耐用基準(走行距離)が過ぎた車両は廃車にならず、その多くがカーオークションなどで一般に販売される。根強いマニアも多く、そういった愛好家や、タクシー業者が購入しているとされている。

タクシー業者が購入する理由として、ポリスカーの機関系は専用のヘビーデューティ仕様となり、エンジン本体はノーマルだが、大容量オルタネーター&バッテリーとなり、パワステフールドクーラー、エンジンオイルクーラー、トランスミッションオイルクーラーなども完備。ウォーターポンプやラジエターも大容量または強化され、各ホース類も専用の耐久性の高いものが装着される。つまり、同じ純正モデルよりも耐久性が高いことから、メンテナンス的に重宝されるのだ。日本にも数少ないが、そうした払い下げポリスカーが入ってくることが稀にある。もちろん装備品は取り外されているが、アメリカには装備品を扱う業者もあり、日本でもある程度の収集は可能だ。

その希少な払い下げポリスカーが、ガレージダイバンに入庫。ポリスカーの面影がチラホラ残る装備もあり、これからコツコツ装備品を集め、リアルを追求するのもありだろう。

IMPRESSIONS
ノーマルとの違いは分からないが加速感と機敏性は◎

2002 Ford Crown Victoria Police Interceptor

ポリスカーとはいえ、ベースはフォードの大衆フルサイズセダン。エンジン部品も専用に改良されているが、いかんせん筆者は標準モデルを運転したことがないので比較はできず…。運転した印象では、V8ならではのトルクフルな加速を一気に発揮できることに驚かされる。これがポリスカーならではの加速?ハンドル操作もかなり機敏に動くしよく止まる。走行が3.1万マイルと現役バリバリの状態だけに、サスペンションのヘタリも感じられない。ポリスカーラッピングを施せば、毎日のドライブがパトロール気分を味わえそうだ。

1/1ダイキャスト感覚で愛車をポリスカーに変身させる

2002 Ford Crown Victoria Police Interceptor

ポリスカーの面影が若干残る02年型クラウンビクトリア・ポリスインターセプター。この状態で乗るよりも、やはりポリスカー仕様を目指してカスタムしたい。ベース自体の状態は走行距離も少なくグッドコンディションなので、安心してカスタムに没頭できるはずだ。

拘れば拘るほど装備品の収集は止まらない

ポリスカーの退役には耐用基準があり、それは使用年数ではなく走行距離。多くの自治体では概ね6万マイルが基準とされているが、一般的なポリスカーに加え、覆面捜査的な役割の刑事捜査や政府機関で使われていたものもあり、そうしたモデルは6万マイルの基準前に放出されることもある。今回撮影した02年型クラウンビクトリア・ポリスインターセプターの現在の走行距離は3.1万マイルということで、もしかしたらそうした車両だったかもしれない。

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多くの装備品が取り外されて一般に放出されるが、この車両にはポリスカーの代名詞であるガンスポットが左Aピラーに残されている。両側に装着されているモデルもある。外見上での面影はそれのみだが、リアにはポリスインターセプターのロゴも入り、ホイールは純正のアルミではなく、スチールなのもポリスカー仕様。エンジンは前項でも記載したように、機関系はヘビーデューティ仕様に変更され耐久性が高い。

インテリアは、ガンスポットのレバー、インパネセンター中央にあるトランクスイッチ、前後カメラのステー、室内灯、ビニールフロアマットがポリスカーの名残り。リアシートはプラスチック製など様々あるようだが、この車両はビニールレザー仕様。

どこまで拘るかによるが、ラッピングなどの施工は車両を販売するダイバンでも可能。あとはいかに装備品を集めるかだ。他人とは違う個性を持った車両に乗りたいのなら、ポリスカーという選択もありだろう。

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ブラックアウトされているグリルもポリスカーの名残りとされている。ポリスカーといえばプッシュバーだが、車両任務によっては装着されていない場合もある。リアにはポリスインターセプターのロゴが入る。

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夜間にヘッドライトでは照射できない部分に対し、車内から操作して照射できるガンスポット。両側に装着しているタイプもあれば、片側に装着されているものもある。

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エンジンは基本モデルと同型だが、オルタネーターやバッテリーは大容量となり、エアインテーク、ラジエターホース、ウォーターポンプも大容量&強化型になるのが一般的。

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ポリスカーのインパネ周辺の装備として、ライトバー&サイレン&無線操作パネル、ラップトップコンピュータラック、デジタル無線機などが本来はあるが、現在はコンピュータの固定ステーや、丸形ルームランプ、トランク開閉スイッチがインパネ中央に配置されているぐらいだ。忠実にポリスカーを再現するには装備品の収集は大変だが、その過程もまた楽しみたい。

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ポリスカーのリアシートは、プラスチック製とビニールレザータイプがあり、こちらはビニールレザータイプ。フロアマットは絨毯ではなく、ビニールなのもポリスカーならでは。残念ながら、ルーフにショットガンホルダーは見当たらない。

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ホイールは純正アルミが標準だが、ポリスカーはスチール製となる。トランクルームは記録装置機器が置かれる場合があるが、現在は通常のスペースが広がる。


SPEC
全長×全幅×全高:5384×1986×1442mm ホイールベース:2913mm エンジン:V8 排気量:4.6ℓ 最高出力:250hp トランスミッション:4AT

2002 Ford Crown Victoria Police Interceptor

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ここに注目
コツコツ装備品を集めて目指せリアルポリスカー!

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こちらで掲載した、@7091hookerさんの2009年型フォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター。こちらの車両も、取り外された状態からコツコツ装備品を集めて仕上げていったものだ。ポリスカーのデザインは州によって違うので、気になるデザインを調べて仕上げていってはどうだろうか。

ポリスカーの払い下げを手に入れなくても、メーカーサイトを参考にして現行モデルのポリスパッケージを作ることもありだ。当たり前だが、赤色灯などの装備は公道では使用不可なので注意しよう。

Dodge expands its police vehicle line-up for 2018 with the new D2016 Ford Police Interceptor Utility2020 F-150 Police Responder


試乗SHOP:GARAGE DAIBAN【ガレージダイバン東京本店】
所在地:東京都江戸川区一之江8-4-5
TEL:03-5607-3344
URL:http://www.daiban.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日

GDファクトリー千葉店
所在地:千葉県千葉市稲毛区長沼町208-1
TEL:043-215-3344

東京都江戸川区に車両販売を行なう本店があり、千葉県千葉市に整備&パーツ販売を行なうGDファクトリーがあるガレージダイバン。様々な車種を販売していくなかで、マスタングの販売&カスタムでは多くのユーザーから支持を受けている。マスタングの在庫ラインナップは常に充実しているが、それ以外に店頭に並ぶモデルは個性的だ。高年式の特別モデルから、ヴィンテージモデルまでバリエーションは豊富。

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PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

69年モデルのカマロに「和」のイメージを得意とする遊鷹さんのグラフィックを施した

1969 Chevrolet Camaro

1969 Chevrolet Camaro

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力

アメ車に敢えて和柄をコンビネーション、見た目だけでなく中身も常に進化を続ける

独特な「和」のイメージを得意とする遊鷹さんのグラフィックを施した69年モデル。こちらのページのラット×エスパイ号に勝るとも劣らない独特な姿だが、その真髄はやはり中身。本気でサーキットのタイムを狙う仕様に進化中だ。

見た目だけでイロモノの様に判断すんなよ!8000rpmまでキッチリ回るフルチューン仕様

「派手なカスタムをすれば目立つかも知れないが、それで遅かったらカッコ悪くない?」と語る東海カーズの細井さん。こちらのページのカマロが洋のスタイルだとしたら、この69年モデルはズバリ「和」がテーマ。以前からペイントを依頼している遊鷹さんに再度依頼。ペイント当日の朝に「よし、鯉と桜を描いてもらおう!」と思ったそうだ。遊鷹さんも東海カーズの車両に複数台描いてきてはいるが、今回の細井さんからのオーダーに対して描くイメージを固めるのに時間を要したことで10日間に及ぶ大作となった。

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普通のカスタムならここで終了だが、そこで終わらないのが東海カーズ。もちろん中身にはトコトンこだわり、こちらはサーキットでレコードタイムが狙える仕様だと言っても過言ではない。エンジンは302だがフルチューンを実施。パワーを最大限引き出せるようにキャブやアルミラジエーター、電動ファンの追加はもちろんだが、8000rpmまでしっかり回せるよう、クランクプーリーを含めベルトレイアウトを変更。さらにマスターバックのないブレーキは珍しく、前後別系とするなど他では見られないチューニングも盛り込む。

カスタムしたら終わりでなく、そこから走りこみ次なる目標を定める。クルマに求めるものは人それぞれだが、独自の路線を貫き続ける細井さんの姿勢は、まさしく求道者そのもの。決して終わりが訪れることはないのだろう。

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アメ車に星条旗。それは間違いのない王道の姿。だがどこかで見たようなカスタムはしたくないという細井さんは、カマロに桜吹雪と鯉を描いてもらう。シートはもちろんレカロで、こちらもビルシュタインのエナペタルを装着。走りに関する部分は徹底的に重視するが、ミラーは「その辺りに転がっていた適当なものをつけてるよ♪」とのこと。

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302のV8をベースに、フルチューンを実施。昨年一度紹介しているが、Vベルトのままでは8000rpmまで回しきれないので、プーリーキットを装着してレイアウトを変更。またブレーキはブースターがなく、そのままでは扱いにくいので、前後の系統を独立させフィーリングを改善している。デビュー戦は2021年の82カップを目指しているそうで、圧倒的な速さを見せつけてくれそうだ。


THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

ディーラー車ベースのフルカスタム車両のマスタング

2015 FORD MUSTANG

2015 FORD MUSTANG

AMERICAN CUSTOMS

本国仕入ればかりがBUBU 阪神の強みと侮るなかれ、ディーラー車ベースのフルカスタム車両も網羅!

BUBU阪神と言えば、横浜店に次ぐ関西圏の本国直輸入販売といったスタンスで知られているが、中にはその本国モデルを購入する際に愛用していたアメ車を下取りして販売するケースも多い。BUBUならではの低金利、1年保証のBUBUワランティープラスなどの頼れるアフターサービスが付いて、この手のクルマを手に入れられるとなれば選ばずにはいられない。

ディーラーがない現在頼るべきはBUBU!

2016年にフォードが日本から撤退して早5年。後にアフターサービスの引き継ぎ先などが決まり事なきを得たのだが、コレがキッカケとなってディーラー車ベースのカスタム車両は以前にもましてリミッターをカットしたかの如く、ディーラーに出入りできる範囲内といったセオリーがなくなり、自由に、そして大胆なカスタムを施すオーナーが増えたことはカスタムフリークたちにとっては割と嬉しいニュースだったりする。

紹介するマスタングもそんなディーラー車ベースのフルカスタム車両。カーボンインテリアの内装に加え、ボンネットインナーのカーボンパーツの内外装をセンス良くコーディネートしつつ、ローダウンを施してブロンズゴールドカラーのROHANA20インチをインストール。虹色な色味がイカすナットにグリーンのブレーキキャリパーなどでボトムスを彩り、グレーのボディカラーがその印象をより色濃く導く。

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ここ数カ月本誌では本国でも入手困難な限定モデルや希少モデルばかりを紹介してきたこともあって、日本国内で普通に買えたディーラーモデルベースとなるとちょっと親近感が湧く。つまるところ、今ここで乗り換えを検討中のカスタム車両に乗っている方にとっても、BUBU阪神は心強い味方として覚えておくべきなのだ。ディーラーの下取り以上の高価買い取りも夢じゃない。

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新車購入から6年間、前オーナーが大切にしてきたことが随所に感じられるインテリア。各部カーボンによるアクセントや50周年記念モデルの証であるプレートもグッドコンディションを保つ。

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大き過ぎず程よく主張するリアウィングとクリアなテールレンズ、グレーメタリックとグロスブラックのコントラストが大人っぽく上品に映える色使いと重厚感溢れつつもジェントルなエギゾーストノートを奏でるマフラーによるリア周り。下から舐めまわす様に見ても、このクルマのカスタム具合が如何に本気であるかが窺える。

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ボンネットダクトを連想させる立体的なデザインのエアロボンネットフードの追加やフォグ周りのカーボン化、そしてエンジン内部のカーボンアクセントによるスポーティーな装いも特筆物。ハイパフォーマンス化や、理に適った手数のみならず、見えないところや細かい部分にまでこだわって製作することで、ワンランク上の車格をアピール。

ROHANA 20インチホイール

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グレーメタリックのシックなボディカラーにマットな質感のブロンズ色が一際存在感を放つROHANA 20インチホイール。ホワイトレター化したタイヤも良い味が出ており、差し色的に取り入れたライムグリーンのブレーキキャリパー、そしてチタンの如くレインボーに輝くロックナットのアクセントも実にハイセンス。ボトムスの仕立てからも前オーナーの想い入れの深さが見て取れる。


BUBU HANSHIN
TEL:06-6427-5151
HP:https://www.bubu.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

-フリースタイルで行こう- #11 ワルイルドスピードとストリートカルチャー

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-フリースタイルで行こう- #11 ワルイルドスピードとストリートカルチャー

FAST & FURIOUS and the STREET RACE

今回は誰もが知るカーアクション映画「ワイルドスピード(Fast & Furious)」の世界観と劇用車をフィーチャー。この映画を通して、アメ車に興味を持った人や、アメリカのカーカルチャーに触発された人は多いはず。長く続いている人気シリーズだが、やはり初期のストリートレースの頃のストーリーが良かったと思うのです。

誰もが胸躍らせた大人気映画「ワイスピ」の世界観とストリートレースカルチャー

前回に続いて、今回もクルマが主役な映画として、近年では最もポピュラーな存在の『ワイルドスピード』をフィーチャー。超ド級のカーマニアのスティーブ・マックイーンによる『ブリット』(1968年)以降、クルマをメインにした映画は無数に存在するけれど、クルマ離れなんていわれる今のご時世において、ストリートにおけるドラッグレース&レーサー達をテーマにしながらも、一般的な娯楽映画として大ヒットしたのが素晴らしい!

大人気シリーズとして9作にまで発展するとはびっくりです。回を重ねるごとに、内容、出演者、表現など、全てにおいてダイナミックにスケールアップしているため、新作を先に観てしまうと、1作目はもはや別の映画?と感じてしまうほどのギャップがありますが、主人公達がストリート・ドラッグレーサーというキャラクターなのがこの映画の重要なポイント!

アメリカでは戦後直後にストリートでのドラッグレースが全米で広まり、社会現象にまで発展。ストリート発祥のカルチャーとしてHOT RODが完全に定着したのでした。ストリートでのレースは違法行為なうえに、死亡事故も多かったことや、実際の勝敗が不明確な面もあったりで、ドラッグレースを正式なモータースポーツに発展させるべく、ウォリー・パーク氏によってNHRA(National Hot Rod Association)が非営利団体として発足。現在では世界的にもトップレベルのレース団体として70年ほどの歴史があるわけです。

そして、なんといっても、ドラッグレースが国技の域にまで発展したのは、NHRAの存在が大きく貢献。それくらいアメリカではドラッグレースが一般的で、ローカルのドラッグレース場はまるでバッティングセンター感覚で幅広い層が気軽に利用しているのです。しかしながら、ストリートでのドラッグレースも頻繁に行なわれているのです。まさにガチンコなバトルなだけに、エキサイトし、死亡事故に到るケースも少なく無い。ギャング同士の大金のかかったギャンブルレースなども多い。社会的にはネガティブな要素ではあるけれど、カルチャーとしてはなんともワクワクする。

『ワイルドスピード』にはそんなストリートのシーンが描かれているのですが、映画として着色されているにしても、実際にアメリカではそういったストリートシーンが存在しているのです。アメリカ依存症のクルマ馬鹿な自分にとっては、『ワイルドスピード』の世界観は憧れます。HOT ROD創世記同様に、ストリート発進のカルチャーとクルマが連動しているのがなんともステキ! それも自然発生なうえに、広範囲かつ深く根付いているあたりは、さすが自動車大国アメリカといった感じ。

車種やスタイルは様々でも、速さを追求するというHOT RODスピリットが共通する者同士であれば、自然と繋がる仲間意識も映画のキャラクターを通して感じ取れてステキなのです。クルマのホビーに対する感覚が世界に比べて未熟な国内では、ドラッグレースの専用コースは一つも存在しないですし、ストリートでのこととなると、全て悪として扱われてしまうので、カルチャーに発展することなど皆無。それだけに、『ワイルドスピード』で描かれる東京のシーンが現実だったら最高なのなぁと、妄想してしまうのでした。

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敵対する二人の主役が決着をつけるラストのストリートドラッグバトルは象徴的なシーンとして、最近になってHot Wheelsがボックスセットをリリース。スーパーチャーで武装する69年型(マスクは70年型)ダッジ・チャージャーとターボでチューンした80スープラによる主人公のキャラともシンクロした2台。チャージャーはスタート時に大袈裟な竿立ちウィリーとなるが、クルマのポテンシャルとしては現実に起こり得る!Hot WheelsはWheelsは他にも実に様々なワイルドスピード登場車をミニカーとしてリリ-スしているので注目。

1/18 Ertl Collectibles:THE FAST AND THE FURIOUS 1970 DODGE CHARGER

1/18 Ertl Collectibles:THE FAST AND THE FURIOUS 1970 DODGE CHARGER

1/18 Ertl Collectibles:THE FAST AND THE FURIOUS 1970 DODGE CHARGER

かつて一世を風靡したアーテルが展開していたアメリカンマッスルシリーズから2002年にリリースされた主役であるドミニクの愛車チャージャーの1/18 スケールダイキャスト。やはりワイスピを語る上でもっとも重要なクルマだけに、ゲットしておきたい。18年前に発売されたものではあるが、生産数も多いのでまだ入手はできそうだ。

1/18 RACING CHAMPION 2002 MITSUBISHI LANCER Evo.Ⅶ

1/18 RACING CHAMPION 2002 MITSUBISHI LANCER Evo.Ⅶ

1/18 RACING CHAMPION 2002 MITSUBISHI LANCER Evo.Ⅶ

第2作でブライアンが後半で使用していたランサー・エボリューションⅦ。2003年にリリースされたものだが、まだ入手できるのでゲットせよ!

1/18 JOYRIDE 2001 NISSAN SKYLINE GT-R

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第2作でブライアンが前半で使用していたGT-R。あまりにもカッコ良いアピアランスに、劇用車仕様の実車レプリカがアメリカには多数存在する。

1/18 RACING CHAMPION 1995 TOYOTA SUPRA

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第1作の終盤でドミニクのチャージャーと対決したブライアンのスープラ。ワイスピを代表するアイコンなので、これもオサエておきたい1台だ!

1/18 RACING CHAMPION 1993 MAZDA RX-7

1/18 RACING CHAMPION 1993 MAZDA RX-7

1/18 RACING CHAMPION 1993 MAZDA RX-7

第1作でドミニクが最初に搭乗していたマツダRX-7。この特徴的なグラフィックがいかにもワイルドスピードらしいので、マストバイだ。

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1/43スモールスケールを中心にワイスピシリーズを展開しているグリンライト。第1作のもっともと印象的なチャージャーとスープラがセットになったものもリリースされている。他にも劇用車がたくさんリリースされているので要チェック!

www.greenlightcollectibles.com

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 3月号掲載

69年モデルのカマロにエスパイさんのグラフティを施し独特なオーラを放つ

1969 Chevrolet Camaro

1969 Chevrolet Camaro

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力

街乗り&買い物用に購入したが3日で飽きた!そこで3ATから5MTに換装し走る仕様に変更

「クルマは走ってナンボ!」というスローガンを掲げ、クルマを所有するだけでなく走る楽しさも伝える東海カーズ。代表の細井さん、実は根っからのカマロフリークで、マイカーだけでも錆カマロを4台所有。

ラットスタイルにエスパイさんのグラフティ。唯一無二の仕様でこれぞ本当の個性と言える!

数年前からアメ車のビンテージモデルは価格が高騰中!一度上がると下落はしないので、今買わないと二度と手に入れられないかも知れない。しかも世間一般の嗜好は、走行距離が少なく、サビがなく、何ならフルノーマルという、無理難題を求める人が圧倒的に多い。だが、そんな時流を一切気にせず、愛車を好きな様にカスタムするのが、細井さんのビンテージカマロに対する姿勢と言える。

1969 Chevrolet Camaro

さてこの69年モデルのカマロ。元々は3ATを搭載しており「カマロは何台もあるからお買い物用かな…」と思っていた。だが3日で飽きてしまい、ガッツリ走れる様に5MTにコンバージョン。前から野ざらしだったこともあってラットスタイルは常に進行しているが、以前本誌で紹介したことのあるエスパイさんのグラフティを施したことで、独特すぎる近寄りがたいオーラを解き放つ。

「こんな見た目だけど、ショックはビルシュタインのエナペタルだし、ドリフトできる様にサイドブレーキも変更。もちろんレカロに交換し、リアシートは撤去して普段の使い勝手よりも軽さを追求。確かにボロいけど、これがサーキットでバカっ速いとウケるでしょ(爆)」と笑顔で話す細井さん。その言葉の裏には「見た目で判断しない!!」という意味が込められている。東海カーズの謳う「走ってナンボ!!」というキーワードには、そんな深い意味も込められているのだ。

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ドアの内張やリアシートなど、走ること以外に不要な物は徹底的に除去。それとは対照的に、走ることには徹底的にこだわる。5MTやサイドブレーキの変更。レカロシートの装着や車両のコンディションを把握するメーターを増設。ま、ラットなので大雨の後は車内に水溜りができるんだけどね…とも語る。

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エンジンは350のV8を搭載。ホーリーのキャブや社外バルブカバーに交換しているが、比較的ライトな仕様。注目すべきはオルタネーターやウォーターホースの新しさ。走りを司る部分には徹底的にお金を注ぎ込む。「だって走れなきゃ、錆びてるわけだしただの鉄クズでしょ?」と細井さんが語るのも一理ある。

1969 Chevrolet Camaro

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名古屋を拠点に、服のデザインやアーティストのジャケット、さらにライブイベントも行なうESPY(エスパイ)さんによるグラフティを全面に施す。ピンポイントでなくクルマ全体をキャンバスにすることで、ラットスタイルと相まって独特の世界観を創り上げる。三つ目のキャラや独特なブルーはエスパイさんのオリジナルだ。


THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

ファイヤーバードが初めての愛車ですが、アメ車だけでなく色々な意味で初心者です!

1979 Pontiac Firebird Trans Am

1979 Pontiac Firebird Trans Am

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力

大学時代のバイト代をすべてつぎ込み自力でアメ車ライフを始めました!

バブルの時は大学生でもクルマを所有するのは珍しくなかったが、今では若い世代で免許を持たない人も少なくない。ここで紹介する藤井さんもその1人だったが、免許を取得したら愛車が欲しくなり、遂にはアメ車を購入してしまった!

東京の下町・江戸川区で、20年近くに渡りファイヤーバードとカマロの専門店を営むFパフォーマンス。住宅街の中にひっそりと佇む知る人ぞ知るショップだが、他店で購入したクルマのメンテナンスや修理も請け負ってくれる気さくなショップと言える。一度でもお世話になると距離に関係なくリピートするオーナーが後を絶たず、全国から依頼が殺到中だ。

1979 Pontiac Firebird Trans Am

そんな面倒見の良いFパフォーマンスで、ファイヤーバードを購入した藤井さん。晴れて社会人生活がスタートしているが、2020年まで「都心に住んでいるし電車もあるから免許は要らない」と思っていた。だが、就職を考えるうちに免許の必要性を感じ取得。そうなると自ずとマイカーが欲しくなるもの。友人たちは国産SUVやスポーツカーなどを所有していたが、同じ様なクルマは欲しくない。当初はワゴニアを考えたが、その後マッスルカーの存在を知りマスタングに興味を抱く。だがネットで様々な情報を知り得るうちに「古いほうがカッコいい!」という結論に達し、ファイヤーバードのフォーミュラを購入しようと決心する。

実は藤井さんの住まいとFパフォーマンスは目と鼻の先で、他店で購入した後にメンテを依頼したいと相談していた。いざフォーミュラを購入しようとしたが売約済みになっており、諦めきれない藤井さんは予算がオーバーするがFパフォーマンスに在庫していたトランザムを購入するに至った。

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「年数を考えればボディのヒビは当たり前ですし、気にならないですね。むしろ味だと思っています。大掛かりなカスタムは考えていないですが、とりあえずタイヤを少し太くしたり、内装のリフレッシュを実施したいです。でも、まずはちゃんと乗れる様になりたいですね」と藤井さんは語る。晴れてマイカーとなったのは2021年の1月で、まさに手に入れたばかり。しかも藤井さんは免許を取得して1年未満だけにビンテージマッスルに若葉マークをつけての移動となり、その後ろ姿からは緊張が滲み溢れていたが末長くファイヤーバードを楽しんで欲しいと感じた。

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基本的にオリジナルをほどよくキープするが、フロントエンブレムをゴールドからレッドに変更。ヘッドライトはロービームのみHIDだが、LEDに変更するかも。もしオールペンするなら、10thアニバーサリー風にガンメタにしたいと、夢は膨らむ一方だ。

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アメリカ大陸を横断する、そんな壮大な意味を冠するトランザム。トップグレードの名称が映画の影響もあって、日本では車名と思われているほど。映画の影響は一切なかった藤井さんだが、購入してからさすがに映画「トランザム7000」は履修したそうだ。

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長距離移動を考慮したグレードということもあり、3ATでありながら100km/h巡航時は2000回転と、意外と運転しやすいと語る。実は藤井さん機械がやや苦手。今のクルマはスイッチだらけでアシストされすぎ。シンプルな所もビンテージを選んだ理由だ。

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ブラック&ゴールドのボディカラーに憧れたそうだが、ホワイトにブルーのファイヤーバードはむしろ貴重かも。エンジンは6.6ℓでシェーカーフードはエンジン側に残るオリジナルスタイルをキープ。ちなみに日本正規輸入モデルでUS仕様に各部を変更。

1979 Pontiac Firebird Trans Am


THANKS:F-Performance
TEL:03-3676-5515
HP:http://www.f-performance.jp


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

チャレンジャーと人気を二分する最速セダンとして評判のチャージャー

2014y DODGE CHARGER SRT8

2014y DODGE CHARGER SRT8

THE PICK UP TEST DRIVE

フォード・マスタングに端を発した60年代、70年代のヘリテージを受け継ぐデザインの流れに乗って、2005年に2006年モデルとして復活を遂げたダッジ・チャージャー。今や、唯一無二のハイパフォーマンスセダンとして確固たる地位を築いている。

レトロフューチャーブームの煽りを受け装いも新たに4ドアモデルとして登場

今回試乗したのはダッジ・チャージャー。ジャンルとしてはセダンに属するわけだが、ここ最近はセダンに接する機会がめっきりと少なくなったと感じたため、改めて各メーカーの公式サイトを覗いてみたところ、セダンと銘打っていたのはキャデラックのみで、そのほかはラインナップしていてもジャンル分けされずにまとめて表記されていたりする状態。さらにモデル数が極端に少なかったのである。やはりアメリカでもセダンの人気が低いということなのだろう。

しかし、そんな状況下の中でもセダンというジャンルで息巻くモデルがチャージャー。ちなみに第1世代から第5世代までは2ドアモデルのみで、4ドアモデルとして登場したのは、読者諸兄もよく知る、映画「ワイルド・スピード」でも使用されている第6世代以降からとなる。第5世代と第6世代の間には約20年の空白期間があったものの、フォード・マスタングに端を発した往年のモデルをオマージュしたデザインを取り入れるレトロフューチャーがブームとなり、クライスラー&ダッジも300Cやマグナムをリリースし、これに続く形でチャージャーも2005年に2006年モデルとして市場に投入され、あの大人気モデルのチャレンジャーよりも早かったのである。そこからはすっかり、ハイパフォーマンスなセダンといえばチャージャーが定着することとなる。

IMPRESSIONS
アクセルを踏めば踏むほどに暴力的な加速力はヤバイ!!

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今回試乗したチャージャーは2014年モデルで、この世代のトップグレードであるSRT8。先代モデルのSRT8は6.1ℓV8で425hpを出力するエンジンを搭載していたが、この世代からは排気量がアップして6.4ℓとなり、最高出力は470hpで45hp向上している。その恩恵はクルマに乗った瞬間からというか、アクセルを踏んだ瞬間から感じられ、うかつに踏み込もうものならホイールスピンしてしまうほどだ。この乗り味を味わってしまうと病み付きになってしまうのも分かる!!

ハイパフォーマンスがウリのチャージャーやはり狙うはトップグレード「SRT8」

2014y DODGE CHARGER SRT8

撮影車両は第7世代の前期型で、トップグレードのSRT8。エンジンは以前に比べて排気量もパワーも向上したことにより、さらにアグレッシブな走りを楽しめる。これを味合わないのはもったいない!!

ボトムスにも手が入るお買い得な1台

全貢でも述べたが、チャージャーの人気を押し上げたのは紛れもなく映画「ワイルド・スピード」だろう。なかでも5作目のMEGA MAXで金庫を引きずりながらカーチェイスするシーンは圧巻で、金庫を引きずっていたチャージャーを見て影響された人は少なくないはずだ。主人公たちが乗っていたチャージャーは第6世代だが、それを追いかけるポリスカーで使用されていたのが第7世代で、今回撮影した車両がこれに当たる。

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第7世代でも撮影車両は2011年から2014年モデルまでのわずか4年間だけリリースされた前期型。2015年モデルからはフルモデルチェンジし、ヘルキャットを有する現行モデルである。要するに、リバイバルして登場したチャージャーには3タイプあるため好みが分かれるところだが、撮影車両はトップグレードのSRT8。搭載するエンジンは先代モデルよりも排気量をアップした6.4ℓ V8HEMIで、最高出力も引き上げられて470hpを出力。

ホイールは22インチのジオバンナを装着し、ブレーキは標準装備のブレンボ、そしてサスペンションにはテイン製車高調及びEDFCが装着されているだけでなく、インテリアに目を向けると、レーダーやドライブレコーダー、オーディオなど、装備も充実。しかも走行距離はたったの2.3万km。これはもう乗るっきゃない!

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先代モデルは2.7ℓV6、3.5ℓV6、5.7ℓV8HEMI、6.1ℓV8HEMI の4タイプをラインナップしていたが、マイナーチェンジした2011年モデル以降では3.6ℓペンタスターV6、5.7ℓV8HEMI、6.4ℓV8HEMIの3タイプをラインナップ。そして2015年にはヘルキャットに搭載される707hpを出力するスーパーチャージャー付きの6.2ℓV8HEMIも追加されているが、撮影車両に搭載されているのは6.4ℓV8HEMIで470hpを出力する。

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ヘッドライトは先代モデルと比べてもさらにツリ上がっており、ダッジブランドのアイデンティティであるクロスヘアグリルも前面に押し出されたことによってインパクトのある顔立ちとなっている。さらにそれまでの左右独立型から左右一体となったリアテールもこのモデルから。ピラーやリアディフューザーにはカーボン調を採用し、マフラーはボーラに換装するメイクが現車にはなされている。

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ホイールはジオバンナ・エセックスの22インチで、タイヤサイズはF:265/35R22、R:265/35R22を組み合わせ、サスペンションにはテイン製の車高調がインストールされているだけでなく、走行中の乗り心地を自動調整してくれるEDFCアクティブプロも備えている。

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平面基調だった先代モデルに比べて第7世代のインパネ回りは抑揚を付けて躍動感が高められており、各部操作類をドライバー側に傾けた配置でコックピット型のレイアウトとなっている。さらに現車にはレーダーやドライブレコーダー、キッカー製のオーディオが備わる。

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フロントシートは程よくホールド性を利かせたバケットタイプを装着。リアシートの足もとにはエアコンの吹き出し口を備えるだけでなく、シートヒーター機能も有する。そして開放感を演出するサンルーフも備えている。


SPEC

全長×全幅×全高● 5077×1905×1483mm ホイールベース● 3053mm エンジン● V8 排気量● 6.4ℓ 最高出力● 470hp/6000rpm 最大トルク● 65kg – m /4300rpm トランスミッション● 5AT

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試乗SHOP:COAST MOTORING【コーストモータリング】
所在地/埼玉県入間市二本木950-1
TEL/04-2946-7203
URL/https://coast-jp.com
営業時間/10:00~20:00
定休日/日曜日・祝日

埼玉県入間市に店舗を構えるコーストモータリング。同社が主催するイベント「SUMMER COAST」や東京オートサロン出展などによってカスタム色が強いイメージだが、前提となる車両販売や整備、車検など、アメ車に関してトータルでサポートしており、ここ最近には、本店から歩いて数分の場所にもファクトリーを構えて、バックアップ体制の強化を図っている。そんなコーストモータリングの一番のセールスポイントは純正パーツの供給体制。GM・フォード・クライスラー、各メーカーの検索エンジンを使用して、シリアルコードからパーツの確認を行ない、確実にアメリカにオーダーできる仕組みが整えられているため、どんなトラブルにも迅速に対応可能なのだ。

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写真&文/編集部
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載