30年近く前のモデルだが現代的な走りにアレンジしたGMCシエラ

1985 GMC SIERRA

1985 GMC SIERRA

THE VINTAGE

フロントセクションはカーボンボディに変更!軽量化でパフォーマンスを最大限に引き出す

トラックは荷物を運ぶ便利なクルマ。だから走りは二の次三の次…と思う日本人は多い。でもアメリカでは、オフロードだけでなくサーキットを走る競技もあるほどで、カスタムの仕方次第で走りを楽しむことも十分可能。そんな、走ってナンボなシエラを紹介しよう。

30年近く前のモデルだが現代的な走りにアレンジ

日本人の感覚では、ピックアップ=荷物が運べる便利なクルマとか、アウトドアのためのトランスポーター、というイメージが圧倒的に定着している。だが、アメリカのカスタムを見てみると、スポーツトラックというジャンルが定着しており、オフロードレースでもトロフィートラックなど、ピックアップが圧倒的に主流と言える。

そんなイメージを盛り込み「走れるピックアップ」を目指したのが、このGMC・シエラ。ベースは1985年型のシングルキャブで、フロントフェンダーやボンネット、さらには前後バンパーまでワンオフのカーボンパーツに変更。しかも外観だけに留まらず、インナーフェンダーもカーボン化して、徹底した軽量化を実施している。

1985 GMC SIERRA

エンジンはフルカスタムされた383を搭載し、キャブはエーデルブロックのAVS2を組み合わせ、ラジエーターは容量アップ&電動ファン化して信頼性を向上。もちろんビンテージエアーも装着し、快適性でも抜かりはない。

さらに足回りを覗いてみると、前後共コイルオーバーの車高調に変更。燃料タンクはスペアタイヤがあった位置に変更し、車高を下げるだけでなく前後の重量バランスも配慮されている。スタイルこそクラシカルだが、現代のクルマと比較しても遜色のない走りを実現。ピックアップでもスポーティに走りたい! そんな人に最適な1台と言えそうだ。

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エンジンは383のV8を搭載。今時の電子制御部品は皆無で、スッキリし過ぎにも見えるエンジンルーム。ラジエーターは電動ファン化されており、グリル側にはオイルクーラーやエアコンコンデンサーが見える。外観に気を遣うユーザーは多いが、実はサスペンションを変更したことに伴いインナーフェンダーもカーボンに変更。まさにコダワリだらけの1台と言える。

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サスペンションは前後共コイルオーバーの車高調に変更。フロントはアーム類も完全に作り直しており、リアも燃料タンクの位置を変更。ブレーキはウィルウッドに変更し、フロントには6ポッドを装着。まさに走る・曲がる・止まるのバランスを考慮した、スポーツトラックと呼ぶのが相応しい内容だ。

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ボディラインは極力オリジナルをキープするが、フロント周りはほとんどカーボンに変更。前後バンパーも純正のスチールバンパーとほぼ同じでありながら、ここもワンオフのカーボンに変更。ローダウンを行ない、マフラーはボディを加工して左右ともサイド出しに変更。ベッド部分はチッピング塗装を施し、トラックとしての実用性も向上させる。

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インパネデザインはオリジナル風だが、色や雰囲気はまるで別物。ノーマルのベンチシートにホールド性を求めるのは無意味なので、左右独立タイプのバケットタイプを装着。ドリンクホルダーを兼ねた巨大なアームレストを設置。


THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

アメ車とマリンスポーツ全般を楽しみ、遊びを提案するショップ!

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GO! GO! OUTDOORS!! アメ車と楽しめ「ソト遊び」
PLAY FOR THE SHEER JOY OF OUTDOOR

BBQ場にはプールもありまるで南国のリゾート地のよう

愛知と三重の県境に横たわる木曽三川。その中の長良川に面し、アメ車だけでなく様々なマリンスポーツも楽しめるのが、ナガラオート。新たにバーベキュー場もオープン。クルマの購入だけでなく、その後も楽しめるお店をチェックしよう。

マリンとクルマが好きで融合させた個性的なお店

「子供の頃から長良川が遊び場で、自然とマリンスポーツに興味が湧いたね。あとクルマも好きだったんだよ。そんな自分の好きな物と遊びを一緒にしたら…という想いが店を始めたキッカケだね」と語るのは、ナガラオートの伊藤社長。遊びがそのまま仕事になったと語るが、まさに「好きこそ物の上手なれ」を地で行くスタイルは羨ましい限り。そんな伊藤社長は今でも水上スキーの日本選手権に出場するベテラン選手でもあり、常に新しいことに挑戦し続けていると言える。

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さて、アメ車のSUVやピックアップを購入したら、トレーラーなどを牽引しプレジャーボートやジェットスキーを楽しみたいと思う人は多いハズ。単体でも十分アメ車はデカいが、それを凌ぐ大きなトレーラーを牽引する姿はまさにアメ車の醍醐味を感じる瞬間だ。一般的に見るとクルマはクルマ屋さんで、ボートやジェットスキーなどはマリンショップのお世話になるケースが多いが、正直あちこちに相談するのは面倒だし、牽引する重量を考えてカスタムする必要があるので、ショップ同士の意思疎通も重要となる。

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だが、ナガラオートならその両方を手がけており、20年以上にわたるノウハウも蓄積しているので、初めてトレーラーを牽引したいという人にも的確なアドバイスをしてくれ、しかもアメリカ・テネシー州に本拠地を置くプレジャーボートブランドMOOMBAの、日本代理店としての一面も備えており、新艇はもちろん、中古艇も販売中。自分の目的に合ったボートの購入に加えてメンテナンスまで、クルマと同様にすべてをお任せできる。でも船舶免許を持ってないんだよね…という人も大丈夫!ナガラオートでは船舶免許も取得可能。アメ車を買って終わりではなく、それをどう使って遊ぶか?ナガラオートはカーライフだけでなく、ライフスタイルを提案してくれるのだ。

そんなナガラオートの敷地内に、バーベキュー場が新たにオープン。プールも完備されており、まさに南国気分が楽しめる。常連客の専用スペースではなく、一般にも解放をする予定なので、興味がある人は一度問い合わせてみよう。もちろん、アメ車に乗っていなくてもマリンスポーツに興味があるなら大歓迎! 水温も上がってきて、これからがまさにマリンレジャーのシーズンイン。遠くに出かけるのが気がひけるこんなご時世だが、ナガラオートならいつでも南国気分を満喫できる、楽しいショップと言えるだろう。

BALLISTIC【バリスティック】BALLISTIC【バリスティック】

ナガラオートに併設されるマリンショップ「バリスティック」。サーフィンやウェイクボード、ジェットスキーなど、様々なアイテムを販売中。お店から歩いて2分のところにはマリーナもあり、ここからヨットを下ろすことが可能。まさに地の利を最大限活かしたショップだ。

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今回走らせたのは、MOOMBAのMAKAIというモデル。全長24フィート5インチ(7.44m)で、定員は18名。エンブレムでピンと来たかも知れないが、FORDの6.2ℓRAPTORエンジンを搭載。しかもこのボート、サーフィン用の波を作ることができるので、左の写真の様に、ボートを追いかけながらサーフィンが楽しめる。サーフィン=海というのは昔の話で、今や淡水で快適に楽しめる。波はお金で買える!もうそんな時代なのだ。

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アメリカ・MOOMBAの日本正規代理店という顔も持つナガラオート。取材時に展示していたのはどちらもMAKAIだが、カラーリング次第でまったく違った雰囲気となる。もちろん使い方に合わせ様々なカスタマイズが可能で、遊びの幅が格段に広がるのは間違いない!ただしクルマで牽引する場合は牽引免許が必要となる。残念ながらこれだけはナガラオートでは対応していないので、自動車教習所などで取得する必要があるのでお忘れなく!


BALLISTIC【バリスティック】

BALLISTIC【バリスティック】
住所:三重県桑名市長島町大字西外面1233-3
TEL:0594-41-0256
HP:http://ballistic.co.jp/

新たに設けられたバーベキュー場には、テーブル席とカウンターを設置。オープンエアーが楽しめる開放型の1F席と、太陽の日射しを感じられるパラソル席があり、季節や天候を問わず快適なアウトドアが楽しめる。またプールも併設されているので、リゾート地にいるかのような感覚が味わえる。遠くまで行かなくても、ナガラオートなら南国のリゾート気分が味わえるワケだ。

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NAGARA AUTO【ナガラオート】
住所:三重県桑名市長島町大字西外面1233-3
TEL:0594-41-0255
営業時間:9:00 ~19:00
定休日:年中無休

本店から少し離れたところには、屋内型の車両展示場があり、SUVやトラックを中心に、様々なアメ車を在庫中。車両の販売だけでなく、車検や整備、さらには鈑金とクルマに関するあらゆることがお任せ可能。ボートやジェットスキーを牽引するトーイングシステムの取り付けなど、ナガラオートなら朝飯前。

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Photo:浅井岳男
Text:空野稜
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

アメ車マガジン2021年12月号 絶賛発売中!

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アメ車ファンたちのハートを熱くさせているジャンルがマッスルカーを筆頭とするスポーツモデル。

スタイリング、パワー、走行性能と三拍子揃った躍動感溢れる出で立ちがファンたちの心を躍らせ、アメリカ本国はもとより日本でもその人気は衰え知らず。そんな熱く盛り上がり続けているアメリカンスポーツの旬な情報を、カスタム、ユーザー、イベントなど、あらゆる視点で注力してお届けします。

その他にも最新モデルやデモカー紹介、アメリカンカルチャーをテーマとしたコラムなど、充実した内容が盛りだくさん!

2021年12月号もお見逃しなく!

最新号はこちらから

大人の夢が詰まった秘密基地、ここからギアを生み出す!【アイアンクラフト】

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1990 GMC SUBURBAN / 1970PLUMOUTHBARRACUDA’CUDA340 / FOREST RIVER WILDWOOD X-LITE

GO! GO! OUTDOORS!! アメ車と楽しめ「ソト遊び」
PLAY FOR THE SHEER JOY OF OUTDOOR

仕事と遊びを隔てることなく楽しむそれが人生を謳歌することに繋がる

これまでにアメ車好きを数多く紹介してきたが、ここに紹介する黒田さんほど数多くのアメ車歴を誇る人はそう多くない。さらには自身で設計、製造、販売まで手掛けるアウトドアギアを取り扱っているというのもほかにはいない。

大人の夢が詰まった秘密基地、ここからギアを生み出す!

ここに紹介する黒田さんと筆者が初めてお会いしたのは、2017年6月に山梨県早川オートキャンプ場で開催されたフェイスブックグループ「アメ車でキャンプ!」の第1回ミーティングだった。主催者から相談を受けて、日程や場所の段取りをしたことに懐かしさを覚える。わずか4年前だというのに。

当時、黒田さんは以前所有していた、87年型シボレー・ブレイザーで参加するとともに、サイトにはアイアンフレームのキャンプギアを並べていたことで、筆者はその光景を見て「お洒落キャンパーだなぁ」と思った。しかしよくよく話を伺うと、アイアンクラフトというブランドでキャンプギアの製作・販売を行なっていると聞き、改めてその製品を見させてもらったのだが、何とも言えない無骨なスタイルが男心をくすぐり、当日参加していた人たちも興味津々で見ていたことが思い出される。

それからというもの、アメ車でキャンプ!のミーティングはもちろんのこと、世代は異なれど同じC/K乗りとして、C/Kを主としたミーティング「C/Kキャンプ」などで共にキャンプしていたのだが、このコロナ禍で各イベントは中止を余儀なくされたことでお会いする機会がなかったのだが、今回アウトドアをメインとした企画を特集することとなり、黒田さんに声を掛けさせてもらった次第。

というわけで、いざ黒田さんの仕事場へ伺ってみると、敷地には90年型GMC・サバーバン、70年型プリマス・バラクーダ〝クーダ340〟、さらにこの2台だけでなく、2020年の夏に購入したというフォレストリバー製のキャンピングトレーラーが並び、まさに好きな物が詰まった雰囲気。ちなみに黒田さんがアメ車に興味を抱くようになったのは小学生の頃で、親戚の叔父さんがマーキュリー・クーガーXR7を所有していたため、その助手席に乗せてもらったことが始まり。その後はテレビや映画などからも影響を受け、18歳で初めて所有したのは84年型ビュイック・パークアベニュー。それからは89年型カマロ、80年型コルベット、78年型トランザム、71年型チャレンジャー、74年型ダート、68年型エルカミーノ、66年型ベルベディア、69年型シェベルなどなど、このほかにもまだあるのだが、乗り継いできた数は相当。一番多い時で7台を同時に所有していたこともあったとか。

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これまでの系統としてはスポーティなジャンルが多かったのだが、2014年からアイアンクラフトを手掛けたことでSUVにも興味を抱き、ブレイザーを経て、現在所有するサバーバンへと辿り着いている。そもそもアイアンクラフトを始めることとなったキッカケだが、現在ともに運営するキャンプ好きの山内さんがイメージしたギアの製作を黒田さんに依頼したことが事の始まり。そこからは共にアイデアを出し合いながらギアを生み出し、製品の名前をインスタグラムで公募して付けたりといった経緯を辿り、現在では各メディアでも紹介されたことで、知名度を飛躍的に高めている。黒田さんは「さあ、人生を遊ぼう」をテーマに掲げ、仕事と遊びを隔てることなく本気で取り組むことをモットーに、アメ車とソト遊びを楽しむことだろう。

1990 GMC SUBURBAN

1990 GMC SUBURBAN

1990 GMC SUBURBAN

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以前所有していた1985年型K5ブレイザーから3年前に1990年型GMC・サバーバンへと乗り換えて現在に至る。乗り換えたキッカケは「アメ車でキャンプ!」で参加者が乗ってきたサバーバンを目にしたこと。ライトブルー×ホワイトのコンビネーションが実に爽やか!

1970 PLUMOUTH BARRACUDA ‘CUDA340

1970 PLUMOUTH BARRACUDA 'CUDA340

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これまでに数多くのビンテージモデルを所有してきたなかでも、とくに黒田さんが惚れ込んで手に入れたのが1970年型プリマス・バラクーダ’クーダ。バラクーダのなかでも70 年型は人気が高く、しかもハイパフォーマンス仕様の「クーダ」。古いモデルであろうと普段使いすることが大前提ということで、休日には息子さんを横に乗せてドライブに出掛けている。

FOREST RIVER WILDWOOD X-LITE

FOREST RIVER WILDWOOD X-LITE

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以前からキャンピングトレーラーに興味を抱いていた黒田さん。2017年に開催された「アメ車でキャンプ!」ミーティングに参加した際、サバーバンでトレーラーを牽引していた参加者の影響を受け、昨年の夏に購入したのがフォレストリバー社のワイルドウッドX-LITE。しかし「ちょっと大き過ぎたかなぁ?」と言っていただけに、次にお会いする時には変わっているかもしれない。

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黒田憲一さん


IRON CRAFT【アイアンクラフト】

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アイアンクラフトのショールーム兼工房の「アイアンベース」は、空き家だった築80年が経過する古民家を黒田さんが10年ほど前に購入して、少しずつリノベーションしてきた建物。廃材を上手く活用しながら“ やり過ぎない”エイジングスタイルがギアたちともマッチ。

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アイアンクラフトのギアは、その名のとおり丸棒と呼ばれる鉄筋を素材としているため、ショールーム隣の工房に入ると加工前の鉄筋素材がストックされているとともに製作に必要な工具が並べられ、まさに仕事場といった雰囲気。ここから黒田さんのアイデアとイメージが紡ぎ出される。

無骨で男臭さを演出しながら機能性に優れるギア

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IRONPLATE

IRONPLATE

■サイズ:10インチ ■材質:鉄 ■重さ:1.8kg ■価格:19, 800円(税込)

KAWASEMI

KAWASEMI

■サイズ(組立時):幅290×高さ135×奥行200(mm) ■サイズ(収納時):幅200×高さ30×奥行20(mm) ■材質:チタン ■重さ:295g ■価格:27,500円(税込)

HAYABUSA

HAYABUSA

■サイズ(組立時):幅880(上部幅約515)×高さ430×奥行460(上部幅約300)(mm)■サイズ(収納時):幅515 ×高さ40 ×奥行60(mm) ■材質:鉄 ■重さ:5.3kg ■価格:41,800円(税込)

ITADAKI compact

ITADAKI compact

■サイズ(組立時):幅1350×高さ780×奥行430(mm) ■サイズ(収納時):幅870×高さ430×奥行60(mm) ■材質:鉄 ■重さ:12kg ■価格:30,800円(税込) ■セット:本体、上部ロストル×2、トライアングルフック×2、チェーン×2、下部ロストル、S 字フック×3

IZANAMI half

IZANAMI half

■サイズ(組立時):幅880×高さ390×奥行310(mm) ■サイズ(収納時):幅660×高さ310×奥行60(mm) ■材質:鉄 ■重さ:7kg ■価格:13,200円(税込) ■セット:本体、天板ロストルサイズ

KIRAMEKI

KIRAMEKI

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ソロで使える万能焚き火台 本体:33,000円(税込)
■サイズ:幅470×高さ280×奥行230(mm) ■材質:ステンレス ■重さ:7.3kg
灰受けトレイ:オープン
■サイズ:長さ500×幅300×深さ85(㎜) ■材質:ステンレス ■重さ:1.9kg
収納袋:オープン
■サイズ:幅520×高さ320×マチ95(㎜) ■材質:帆布

※テーブルは別売り

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IRON CRAFT【アイアンクラフト】

住所:静岡県菊川市西方5380-1
TEL::0537-26-9900
HP:https://ironcraft.web.fc2.com/
営業日:土曜・祝日
営業時間:14:00~17:00


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #12「時代と共に変化する闇の騎士 」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#12「時代と共に変化する闇の騎士 」

マーベル・シネマティック・ユニバース(МCU) の成功以降、少し影が薄くなってしまった感のあるDCエクステンデッドユニバース(DCEU)のヒーローチーム…ジャスティスリーグですが、それでも日本人にとって最も馴染みのあるヒーローといえば、アメコミ最古のヒーローともいえるスーパーマン(1938)とバットマン(1939)でしょう。特にバットマンは何度も実写化され、それぞれそれなりに成功を収めているので、各年代毎に「俺のバットマン」像があるのではないかと。

かくいう私は、バットマン最初のブレークとなった’60年代後半に放送されたTVシリーズ(日本名:怪鳥人間バットマン)が原体験。実写にもかかわらず、乱闘シーンなどで「BANG!」など擬音が書き加えられる特殊演出や、軽快なオープニングによって正にアメコミから飛び出してきたようなポップなシリーズでした。そして約20年の時を経た’89年のティム・バートン版バットマンがその人気を不動のものにした…というより、その後に続くアメコミ・ヒーロー映画の先駆けになった気がします。今のようにCGで何でもできる時代ではないだけに、逆に手間とアイデアが詰まった特撮が興味深く楽しいシリーズでした。

そしてバットマンのポジションをぐっと高めたのは’05年から始まるクリストファー・ノーラン・トリロジー(三部作)。コメディといっても差し支えなかったTVシリーズや、ティム・バートンが手放してから迷走した前シリーズに比べ、グッと外連味をそぎ落とし、代わりに悩めるブルース・ウエインを中心に描いたトリロジーはそれまでのファンを超えた評価を受けました。特にヒース・レジャーがジョーカーを演じた2作目の「ダークナイト」は、アカデミー賞8部門にノミネートされ、2部門で受賞されています。ちなみにヒーロー物らしく数多くのヴィランが登場するバットマンシリーズですが、全てに登場しているのがジョーカー。ウソとジョークで塗り固められたキャラクターですが、異形の黒装束をまとったバットマンを自分と紙一重な危うい存在として見抜いています。両親を目の前で殺害され、復讐する(自分が悪と判断したものを排除する)ために力を備えた(つまり真っ白な正義ではない) ブルース・ウエインにとって、目的のためには手段を択ばない…という点においてはジョーカーは同族でもあるのです。その点、絶対正義のスーパーマンとは決定的に相容れない部分があり、それに起因する対立が、後に描かれるDCEUの軸になっていきます。

さて…バットマン史上もっともごつかったベン・アフレックがDCEUプロジェクトから降板したそうです。新たに抜擢されたのはぐっと若返ってロバート・パティンソン。今度はどんな悩めるダークナイトを見せてくれるのか楽しみです。
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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 2月号掲載

惚れ惚れするフォルムでFRモデル史上最高峰と称賛されるコルベットグランスポーツ

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2017 CHEVROLET CORVETTE GRAND SPORT

“カタチから入る”逸楽アメ車生活

カタチから入るアメ車道楽として外せないモデルがコルベット。なかでも現行モデルがミッドシップとなった今、比較されることの多いFR最終モデルのC7ではあるが、硬い話はなしにして、純粋にコルベットC7グランスポーツのフォルム造型美、そしてそれをより活かすタルガトップの魅力についてラフにカジュアルに紹介して行こう。

アメ車通ならともかく、知っている様で意外と知らないタルガトップの魅力を紐解く

いきなりではあるが、クルマ雑誌の誌面では大抵前後7対3カットを軸に、その装備やカスタムポイントを散りばめるのがセオリー。そんな中、敢えて真横をメインにしたのには理由がある。ずばりタルガトップだ。文字どおりカタチから入るがテーマとなる今回、あえてミッドシップのC8と比較対照する内容は割愛し、パフォーマンス性云々も省略。フォルムを中心にカジュアルに話を進めて行く。

2017 CHEVROLET CORVETTE GRAND SPORT

まずコルベットの魅力を語る上で欠かせないのがコークボトルボディ。絶妙なクビレを持つシルエットは見る者を魅了してやまない。そんなコルベットのオープンルーフと言えばコンバーチブルモデルを一番に思い浮かべるが、Tトップと呼ばれる独自のオープンエアードライブこそアメ車ならではの解放感溢れるモデルの選択肢としてオススメだ。幌やソフトトップなど、見るからにオープンカーであることを主張するモデルとは一線を画しており、アメ車初心者や今までコルベットに関心のなかった人にとっては、ここが取り外せてオープンになるってことすら知らない人も多い。実際の話、「コルベットにもコンバーチブルモデルが存在するから他のモデルは屋根が開かないと思っていた」なんて意見も長年の取材で数件伺った経験上、割と知られていないのではというのが濃厚説。また、開くことは知っていても、外したトップがリアトランクスペースに固定して収納できることを知らない人も多い。タルガトップを解放して真横から見たシルエットの美しさといったら、御覧のとおりの超セクシープロポーション!「私、脱いだらもっと凄いんです♡」とはまさにこの事だ。

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グランスポーツで強調された極上のクビレは、タルガトップを脱ぎ去ることでより強調される。アメ車のオープンカーをお探しの方、こんなスペシャルな選択肢もあるってことを覚えておいて欲しい。

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気になるタルガトップの収納はリアトランクスペースに固定収納可能で、その下側は荷物も十分に収まる。ロックを外すだけのイージーステップでオープンエアーを楽しめる。ちなみにこのトップ形状は1984年の C4から続くコルベットのトラディッショナルなギミックの一つだ。

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グランスポーツカップスタイルホイールはフロント19インチ、リア20インチとなり、ブレンボブレーキシステムが標準で装備されハイパフォーマンスモデルに相応しい制動力を確保。

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6.2ℓ V8のLT-1エンジンを搭載しており、ZR-1に次いでハイパフォーマンスモデルとなるグランスポーツ。スポーツカーへの搭載を軸にGM車が自社開発した8速ATを採用しており、レスポンスの高さは折り紙つき。ステアリング裏のパドル操作で操れるところも走りに貪欲なユーザーをそそる。液晶ディスプレイはドライブモードセレクターと連動して表示が切り替わり、スパルタンな印象のシートはホールド性、剛性に優れ長時間ドライブも快適そのものだ。


BUBU HANSHIN
TEL:06-6427-5151
HP:https://www.bubu.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される

2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION

2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION

“カタチから入る”逸楽アメ車生活

デカさこそ正義!4列9人乗りのコンバージョン

アメ車の魅力の一つに挙げられるのが、広々とした大柄なボディサイズ。そのもっとも代表的なカテゴリーが、全長が6mを超えるフルサイズバンだ。一度乗ってしまえば、その開放感に魅了されるのは間違い。現在、アメ車で唯一ラインナップしている、シボレー・エクスプレスにロックオン!

ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される

誰もが口を揃えて言う「売れているアメ車」が存在しない昨今、各ショップは多様な車両を扱うか、何か特化した車両を扱うかに分かれている。埼玉県春日部市のファントムは、モデルバリエーションが豊富ということもあり、最新のGM系トラックや、フルサイズバンに特化した車種を展開する。しかも、いずれもベーシックグレードではなく、「車両に付加価値を与える」という方針から特別なグレードを扱うのも特徴だ。

フルサイズバンは現在、各アメ車ブランドがあるなかで、GMのシボレー・エクスプレスとGMC・サバナのみが販売されている。2014年にはフォードのEシリーズ(エコノライン)が消滅し、03年にはダッジ・ラムも消滅。唯一残されたエクスプレスも、2014年に一般的なサイズである1500モデルがカタログ落ちし、それ以後発売されているのは2500/3500だけとなっている。

コンバージョンメーカーがインテリアに豪華装備を施したコンバージョンモデルも多く設定され、ひと目でそれと分かるのがハイルーフ仕様だろう。今回撮影したのは、2017年型エクスプレス・2500ロング・エクスプローラーコンバージョン。内装は圧巻の空間が広がり、他のクルマでは絶対に味わえない感覚を味わえる。どうせ乗るなら最高峰フルサイズバンを手に入れたい!

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常に気になる6mオーバーの車体6ℓエンジンは次第点か

どんなアメ車にも言えることだが、ボディサイズの大きさには慣れが必要。例え6mオーバーだったとしても…。とはいえ、このサイズを乗りこなすには、かなりの時間が必要と心得るべし。それをクリアできれば、日本一周も楽にできる最高のクルージングカーとなる。ただ6ℓエンジンには、もう1段階加速の機敏さが欲しいところ。決して力強さが無いわけではないが、1500の5.3ℓと比べると加速が物足りない。だがこれは、2500のロングというボディを考慮すれば致し方ないか。急がず慌てず、堂々とのんびり走ることをオススメする。

無機質な純正インテリアにはない豪華装備のコンバージョンモデル

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唯一現行販売されているエクスプレスのカテゴリーは商用バンとなり、インテリアは簡素な印象を受ける。それを一気に豪華仕様に変更しているのが、アメ車ではお馴染みのコンバージョンモデルだ。2500ロングボディにハイルーフコンバージョンは、まさに最強のフルサイズバンだ。

フルサイズバン最高峰の圧巻の豪華装備

2015年型から唯一のフルサイズバンとなったエクスプレスは、、積載量を表す1500・2500・3500のうち、日本にも多く輸入されたショートサイズの1500が消滅したこともあり、それ以後パッセンジャーとして一般的に使われているのは2500だ。その2500にはスタンダードとロングのボディタイプがあり、全長で50cmほどの差がある。15年型からは、グリルデザインやサイドウインカーのダクト形状が変わるなどの仕様変更がされているが、代表的なのは両側開閉のセカンドドアががなくなったこと。これは左側通行の日本では残念な改変だ。

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通常のロングモデルでは乗員は15人だが、今回のエクスプレスはコンバージョンモデルのため、2+2+2+3人の9人乗りとなる。4列目はパワースライドのベッドにもなる、さらに長い小窓が備わるハイルーフ仕様であるため、車内の開放感は通常のロールーフとは比べ物にならない。車内の装飾も通常モデルとは大きく違い、タンサイドウォール付きタンレザーシート、ハイグロスウッドアクセント、LED間接照明、リア29インチモニター、ロックフォードフォースゲートスピーカーなどが備わり、フルサイズバン最高峰のラグジュアリー仕様と言っても過言ではない。

この最高峰エクスプレスを、日本で在庫として展示しているのはファントムぐらいだろう。フルサイズバンで最高級モデルを手にしたいと考えているならば、間違いなくこの車両になる。

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スタンダードエンジンは4.3ℓV6となるが、オプションの6.0ℓV8を搭載する。ミッションは6AT。ロックリアディファレンシャル機構が備わる。

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通常モデルには装着していない、両サイドに電動格納式サイドステップが備わる。インテリアの豪華装備だけではなく、実用的な装備も充実している。

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インパネ周辺はハイグロスウッドアクセントで装飾され、フロントシートはヒートシーターが備わる。インテリアの電飾スイッチなどが加わるのみで、通常モデルと基本的なデザインは同じだ。

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ラグジュアリーカスタムコンバージョンであるエクスプローラー・リミテッド。全席タンサイドウォール付きタンレザーシートになり、2・3列目がキャプテンシート、4列目はパワースライドのベッドシート。ハイルーフにはフルレングスオートモーティブサイドガラスが備わり、インテリアLED アクセント照明、リアサンルーフ、29インチTV モニター、ロックフォードフォズゲートのサラウンドスピーカーも設置されている。


SPEC
全長×全幅×全高:6188×2016×2387mm ホイールベース:3940mm エンジン:V8 排気量:6.0ℓ 最高出力:342hp/5400rpm トランスミッション:6AT

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ここに注目
他のフルサイズバンに乗りたいならこちらのモデルも人気だ!

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シボレー・エクスプレスの名前が与えたれたのは96年登場モデルから。それまではシェビーバンと呼ばれていた(下写真・1988年型シェビーバン・トラベルバン)。今尚この独特なフェイスを崇拝するオーナーも多く、コンバージョンモデルは高い人気を誇る。上写真は、03年に新型フェイスに変わった後の05年型モデル。セカンドドアが両側開きになるなど、日本でも使いやすいモデルとしてこちらも人気は高い。

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1971年登場という、長い歴史を持つダッジのフルサイズバンがダッジバン/ラムバンだ。1994年から丸みを帯びたデザインとなり、細かいデザインは変わりつつも最終型となる03年型までは基本同じだ。「この顔が好き」との声は多く、最終型の02・03年モデルは人気が高い。コンバージョンも存在するが、ノーマルタイプの方が中古市場では多く出回っている印象だ。

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2003年のラムバンに続き、2014年にカタログ落ちしたE シリーズ(エコノライン)。上写真は最終型となる2008~2014年型のヘビーデューティフェイスを持つモデル(グレードXLT・カーゴバン)。それまではややインパクトに欠けたフェイスだっただけに、このフェイスになってEシリーズを手にするオーナーも多かった。というわけで、Eシリーズで高い人気を誇るのは08~14年のXLTグレードだ。

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試乗SHOP:PHANTOM【ファントム】
所在地:埼玉県春日部市金崎656-1
TEL:048-745-4446
URL:http://www.phantom.co.jp
営業時間:10:00~20:00
定休日:年中無休

埼玉県春日部市の国道16号沿いにあるファントム。エクスプレスやサバナの高年式モデルに加え、近年ではハイエースにもチカラを入れている。フルサイズバンのほかにもGM系トラックも多くそろえ、多様なグレード展開を行なっているのがポイントだ。豊富なパーツ販売も行なっているので、そちらも注目したい。

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PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

ブルーコーディネートされた07年型300Cに一目惚れ

2007 CHRYSLER 300C

2007 CHRYSLER 300C

“カタチから入る”逸楽アメ車生活

人と同じクルマには絶対乗りたくない個性あるスタイルを目指す!

大好きだった国産スポーツカーを手にするも、全然注目されないのが不満だった奥山さん。個性が重要と思い直し、初めてのアメ車としてフルカスタムの300Cを購入。視線を感じながら運転する日々に、ニヤニヤが止まらない!

乗るからにはやっぱり注目されたい!

小学生の頃にクルマが好きでカーレースゲームにハマり、ゲーム内で使うスポーツカーが大のお気に入りだったという奥山さん。そのクルマ好きは、自動車教習所の教官とも意気投合し、授業中はワイルド・スピードの話で盛り上がったとか。実はその教官がエクスカーズをよく知る人で「ここに行けば面白いクルマが沢山あるよ」と教えられ、奥山さんはエクスカーズを訪れる。

免許取得後、早速アメ車購入…とはならず、カーレースゲームで使ったスカイラインを乗り回すことに。だが実際乗ってみると、速さこそあるものの何か物足りない。「別にスカイラインだからといって注目されなかったし、周りにも走っていたから特別なクルマじゃないんだなぁって」。そんな思いからランエボに乗り換えるも、注目されない印象は同じだったため、「やっぱり個性が大事だな」と、愛車に対しての考えを少しずつ思い直していくようになる。

2007 CHRYSLER 300C

そこで出会ったのが、エクスカーズに止まっていたガルウイングをまとい、ホイールまでブルーになった300C。「これだったら誰ともかぶらない」。まさに一目惚れで、初めてのアメ車デビューを果たすのだった。「信号待ちで視線を感じるし、駐車場に停めると声も掛けられる。いつもニヤニヤです(笑)」。

今までにない優越感を手にした奥山さんだが、残念ながら、結婚した奥様からはガルウイングもエアサスも不評…。思い切ってSUVにしようかと検討しているが、絶対アメ車は譲らないそうだ。

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根っからのスポーツカー好きだったが、2枚ガルウイング、24インチ、ブルーコーディネートされた07年型300Cに一目惚れし、2年前に購入。インテリアもブルーでコーディネートされる。

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リムをボディとマッチペイントしたジェネリーの24インチホイール。当初はエアサスを装着していたが、人に見られるのが快感で使用を連発した影響もあり故障。現在は実用的を考慮して車高調となっている。トランクルームにはキッカーで統一したオーディオシステムが鎮座する。使われていないエアサスタンクがそのまま残るのはご愛嬌。

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OWNER : 奥山憂也さん


EXCARS【エクスカーズ】
TEL:0867-34-1020
URL:http://excars-st.com


PHOTO:高原義卓
TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

-フリースタイルで行こう- #10 デスプルーフなシェビー・ノバ

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-フリースタイルで行こう- #10 デスプルーフなシェビー・ノバ

今回はクエンティン・タランティーノ監督のマニアックな映画「デスプルーフ」に登場する1971年型シボレー・ノバの1/18スケールダイキャストがgmpからリリースされたので、その映画の魅力、映画に登場するマッスルカーのカッコ良さにスポットを当てることにするぞ。映画におけるカーアクションってかかせないですからね(^^♪

ハリウッドムービーを通して知ることのできるアメリカンマッスルカーのカッコ良さと魅力

アメ車の魅力を知るうえで、最も効果的で身近な存在なのがハリウッドムービー。特に、走りのパフォーマンスが魅力に直結したうえに、希少性の高いビンテージマッスルなどは、アメリカに住んでいたとしても、日常でお目にかかれる機会はなかなかない。イベントやカーショーでは美しく仕上げられた個体を見ることはできても、走りのパフォーマンスを感じ取ることもできないですし。レースや走行会などで実際のパフォーマンスを見る機会はあるとはいえ、スポーツカーとは性質が異なるマッスルカーの場合、速さを追求するレースではなく、ストリートにおいて激走しながら有り余るマッシブなパワーを見せつけた時こそが、最も魅力的だったりします!つまり、日常の走行ではなく、道路交通法を無視して、逃走するような状況でこそ、最も魅力を発揮するわけです!

そんなわけで、スティーブ・マックイーンによる映画『ブリット』がそうだったように、ヤンチャで暴力的なポテンシャルのマッスルカーのパフォーマンスを、カーチェイス・ムービーとして映像化したことで、マッスルカーの魅力は、アメリカをはじめ、世界中に広まり、時間も超越してその魅力を発信し続けているのです!近年では『ワイルドスピード』のヒットによって、さらに広範囲でマッスルカーの魅力が拡散したわけです。

アクションの派手さや、メジャーなアクターの出演なども大きな魅力ですが、マッスルカーの魅力をリアルに感じ取るうえでは、マニアックなタランティーノ映画である『デスプルーフ』がオススメ♪  タランティーノ作品といえば、往年のカルトムービーに通じるマニアックでB級映画的な世界観が魅力。そして、バイオレンスの描写もリアルかつスタイリッシュなのがポイント。また、挿入歌や劇中車のチョイスにも、タランティーノ自身のマニアックな趣味が反映されて最高なのです。『デスプルーフ』というタイトルは、主人公のスタントマンが乗る耐死仕様のマッスルカーのことで、それは運転席限定で、わざとクラッシュして助手席に乗せた人の死にざまを楽しむサイコ野郎の愛車なのです。

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そのメインのマシンとして登場するのがサードジェネレーションのシェビー・ノバ。フレンドリーな大衆車でありながら、カマロとの共通点が多く、COPOカー(工場出荷ドラッグレース仕様車)が存在したり、ホットロッドのベースとしても、とりわけポピュラーな存在。そんなモデルの立ち位置や、デスプルーフ仕様としてアレンジされたイメージが、なんともリアリティに溢れていて魅力的なのです。マットブラックのペイント&ドクロのイラスト、だらしのない仕上がり感などにも、リアリティとB級映画ならではのテイストが感じ取れてたまりません。劇中車としては、『バニシングポイント』に対するオマージュとも取れる70年型ダッジ・チャレンジャーや、69年型チャージャー、72年型マスタングも登場しますが、あくまでも71年型ノバがメインキャラクターとなります。

2007年の映画公開当時は、同型のノバのダイキャストをベースに、劇中車仕様にカスタムするマニアも少なくなかったのです。それが、今になってGMPからデスプルーフ仕様の1/18スケールダイキャストとしてノバがリリースされちゃいました!いわゆるライセンス品ではないものの、一見すると、ドクロのマークだけペイントした単純な仕様ながら、アヒルのオーナメントや、耐死仕様ならではのロールゲージなどの内装部分まで、しっかりと再現されているのがポイント!

タランティーノ映画ファンにはマニアックな人が多いだけに、納得の内容ですが、ミニカーの出荷台数は792台と超リミテッドなため、入手するうえでの競争率が高そうなので、デスプルーフファンは早めにゲットすることをオススメします。メジャーなワイルドスピードでは満足できない「ハードコア」な人は是非とも入手すべきモデルなのです!

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運転席だけ耐死(デスプルーフ)仕様にして、助手席に乗せた人をわざとクラッシュして殺してしまう、サイコ野郎の愛機がシェビー・ノバ。説明だけではキモい感じですが、タランティーノ作品ならではのコミカルなアプローチによるB級映画として楽しめるのがポイント。カジュアルなモデルにしてハードコアかつヤンキーなルックスが、劇中車としても、ドライバー& オーナーであるスタントマン・マイクのキャラともシンクロして、いい味だしてます。

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GMPのモデルの中でも、初期からラインナップして数多くのバリエーションが存在するシェビー・ノバ。デスプルーフ劇中車の仕様に忠実に再現されているうえに、内装やアヒルのオーナメントなどのデイテールもいい感じ! 大人の事情でライセンスモデルではなくとも、完全に『デスプルーフ』仕様なので魅力大なのだ!

www.greenlightcollectibles.com

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 2月号掲載

とことん普段使いで愛用するシェベルワゴン!近所の買い物からアウトドアライフまで

1969 Chevrolet Chevelle Wagon

1969 Chevrolet Chevelle Wagon

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力

ビンテージモデルだからと気負いせずラフにどこへでも走らせる

2ドアタホ、シルバラード、K5ブレイザーなどを経て辿り着いたアメ車道楽の極み。それはビンテージモデルをサラッと当たり前に乗りこなすこと。飾って眺めるのはホビーだけで十分。走らせてこそ、その魅力を存分に堪能できる。

近所の買い物からアウトドアライフまで、とことん普段使いで愛用するシェベルワゴン!

神戸から関東まで遠征したり、アメ車仲間と共にBBQやキャンプを楽しんだり、今まで愛用してきたアメ車はそんな乗り方が当たり前だったというツナさん。実は10年ほど前の2ドアタホ特集にも登場しており、シルバラードでも掲載歴がある。

なにげに旧知の友人感覚で彼のアメ車ライフを追いかけるかの様に取材してきた筆者。そんな彼が1969年モデルのシェベルワゴンに乗り出したのが今から2年ほど前のことだ。それを聞いた時は正直、今までの様に一筋縄ではいかない覚悟がいるのではと少々心配したものの、静岡の磐田で開催されるTVWをはじめ、ロングドライブを次々とこなし、行きつけのスターキーズバーガーへも度々乗り付ける。気の合う仲間たちと定期的に行なうデイキャンプやアウトドアもサラッとこなす。撮影時も常日頃からヘビーローテーションのアウトドアギアが積みっぱなしで、木炭まで完備。いつどこで肉を焼くと言われても、食材さえ調達すれば即席で可能な状態。

1969 Chevrolet Chevelle Wagon

あくまでも今までのスタンスのままで乗りこなす姿勢が実に好印象。それを可能にしているのがナオキモータービルド。ヘッドチューンを施した350エンジンをベースにハイカム、ローラーロッカー、強化バルブスプリング、ホーリーキャブの換装。ハイウェイでは頼りない3速ATのTH400を強化してファイナルをハイギアー化。ビンテージエアーで酷暑のロングドライブも快適にこなせる仕様にアップデート済だ。

またそれだけにとどまらず、こだわりのビレットスペシャルティーズはフロント18×8J、リア20×10Jのビンテックをインストール。ロワードフォルムで履きこなすべくリアのみインナーパネルを加工してセットする。ステアリングも同ブランドのクラシック14インチでコーディネートしており、ショーカーとしても十分に通用するだけの手が加わる。

それを磨き倒して飾るのではなく、SSエンブレムをシャレで付けたり、多少の錆やヤレを気にせずアウトドアや普段使いにタフに乗りこなすところが粋。〝走ってナンボ!〟を地で行くスタイルを今後もぜひ謳歌していってほしいと思う。

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ブラックレザーのベンチシートを軸に黒基調のインテリアには、お気に入りのステッカーを無造作に貼るスタイル。本国でカジュアルに乗る現地の人みたいな雰囲気が好感度高し。ビレットスペシャルティーズの14インチステアリングも雰囲気にマッチ。

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ワゴンのリアゲートウィンドーは手動開閉式となる。実はこれが重要で、電動だとモーターが故障してしまうと開閉不可能に。持ち手は絶妙に格納されてリアフォルムを損なわないのも当時らしい精巧な作り。ラゲッジスペースはアウトドアギアが満載だ。

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ただ単純なロワードフォルムではなく、シャキッと走れるように仕立て上げた足には前後ホッチキスを追加。良い意味でワゴンらしからぬ乗り味を可能にしている。ビンテックは緻密なマッチング計算で前後異形サイズを巧みに履きこなす。

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シェベルワゴンにSSは存在しないが、ボンネットフードをSS用に換装してグリルにエンブレムを装着。正面から見る印象は、まさにSS。ただ見た目だけじゃなく、ハイカムやホーリーキャブ換装、ヘッドチューニングなどを加え、SSを名乗っても遜色のないパフォーマンスを持ち合わせる。

1969 Chevrolet Chevelle Wagon


THANKS:Naoki Motor Build
TEL:072-236-7300
HP:http://naoki-mb.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載