【フォードF-150】90年代らしさを残した、正統派リフトアップ!

1995 FORD F-150

1995 FORD F-150

THE 90’s STRIKES BACK ナインティーズの逆襲

当時のトレンドを貫く、硬派なスタイリングは圧巻!

スラムドかハイリフトか?今も昔もカスタムトラッキン事情に大きな変化はないものの、ホイールサイズやタイヤの履きこなし、フェンダーの形状など、そのギミックは年代と共に変化し続けている。そんな中、当時らしさを忠実に守る一台を奈良県で発掘!

15インチのディープリムに推奨サイズ以上の太いタイヤを豪快に履かせ、フェンダークリアランスにゆとりを持って大胆にリフトアップを施すのが90年代スタイル!まさにその真骨頂として紹介すべき一台がこのF-150である。F‐150と聞くと何故か2000年代以降の丸みを帯びたモデルを思い浮かべる者も多く、この顔はむしろブロンコの方がメジャーと言える。

1995 FORD F-150

1995 FORD F-150

しかし当時ならではのスクエアなフォルムに、丸みを帯びたGM系で言うステップサイドライクなフレアサイドベッドは、昨今の自動車デザインにはない独特のフォルム造型美が際立つ。

オーナーがこの車両を手に入れたのは今から10年ほど前で、フルオリジナルの良質な個体を女性オーナーが大事に乗っていたと聞いて即決。ノーマルから段階を踏んで自身の理想的なスタイルへとカスタムを施していったという。

その中でもっともこだわった部分がミッキートンプソンの15インチ&35×15.5R15のスーパースワンパータイヤだ。当時のリフトアップスタイルを知る者たちにとっては、王道と呼べるこのボトムスを難なく履きこなすべく、国産輸入車を問わずコアなオフロードカスタムに精通するショップ・ブレインストームを訪問。

手始めに6インチアップキットを組み込み、アッサリと35インチ履きを実現したものの、ステアリングをすえ切りした際に若干バンパーと接触することで、さらなるリフトアップを敢行。3インチのボディリフトを加えて余裕のフェンダークリアランスとなった。ちなみに当時らしさはエクステリアのみならずインテリアまで徹底しており、90年代全米ヒットチャートの洋楽をCDで再生し、ツィーターやスピーカーも当時物を愛用。

撮影でお借りし、運転席に座って走らせていると、まるで90年代にタイムスリップしたかの様な懐かしさを感じさせてくれた。

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ブレインストームでワンオフしたブルバーは、新調した純正グリルやバンパーヘッドライトを保護する役割も担う。タイヤの出幅が異なるのを嫌い、左右で異なるスペーサーを組んでワンオフのリベット打ちオーバーフェンダーを装着。違和感のないフォルム造型美はお見事!

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フレアサイドのフォルムを損なわない様に考慮しつつ、スーパースワンパーTSL/SXをカバーすべくワンオフ製作したオーバーフェンダーも必見!

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オリジナルのインテリアにはCD再生用のデッキや懐かしいオンダッシュモニター、ツィーターなど90年代後半に一世風靡した音響アイテムでコーディネート。リアシートは現行モデルと比較すると少々窮屈ではあるものの、フルサイズならではのゆとりあるスペースで大人でも十分に寛げる広さを確保。

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搭載されるエンジンは5.8ℓのV8と4速オートマチックトランスミッションの組み合わせは、アグレッシブに走るよりはゆったりと流す様な感覚で乗りこなすのに最適。むしろここまで豪快にリフトアップして飛ばすなんてナンセンスである。

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6インチアップキット×3インチボディリフトで計9インチの上げ幅を誇るF-150。6インチリフトのみだった当初はソーンバードの35×14.5R15を履いており、ボディリフトをプラスして38.5インチを履かせるか悩んだ末、TSL/SXの35×15.5R15でゆとりのフェンダークリアランスを選択。

ミッキートンプソン・クラシックロック(15×10J)

ホイールはオーナーのこだわりでミッキートンプソン・クラシックロック(15×10J)をセット。汚れや腐食からポリッシュを保護するため、クリア塗装を施す徹底ぶりには感服。


ブレインストームオリジナルの強靭塗料MAD JIGGER(マッド・ジガー)


THANKS:BRAINSTORM
TEL:0742-50-6788
HP:https://www.brainstorm.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

【キャデラックエスカレード】王者の進化 今なおプレミアムSUVのど真ん中

2021 CADILLAC ESCALADE

2021 CADILLAC ESCALADE

リンカーン・ナビゲーターを始め、北米市場には多くのプレミアムSUVがラインナップするが、アメリカのセレブ達に圧倒的な人気を誇るのがキャデラック・エスカレードだ。それ故、第5世代となる新型モデルの発表は大きな注目を集めた。ハイテクノロジーシステムを多く導入し、「王者」に相応しい「進化」を遂げた新生エスカレード。

セレブ御用達の王道はやはりキャデラックだ

2020年2月4日、新型エスカレードが世界披露された。場所は、南カリフォルニアのビバリーヒルズだ。

なぜ、ビバリーヒルズなのか?例年ならば、1月上旬に北米国際自動車ショー(デトロイトショー)があるが、2020年から開催時期が6月に移行した。そのため、GMとしてこのタイミングで発表するためには、キャデラック単独でのイベント実施が必要だった。そこで選ばれた地は、キャデラックが似合う町、実際にキャデラックの需要が高い町、世界屈指のセレブの町だったのだ。

世界が注目する中、記者会見の舞台に登場した新型エスカレードは、華麗な進化を遂げていた。より大きく、よりゴージャスに、よりハイテクを満載したアメリカンSUV最上級モデルとなった。

新型エスカレードのスペック詳細に触れる前に、まずはエスカレードを含むプレミアムSUV市場の現状から見ていこう。

アメ車ファンならば周知の通り、SUVが市民権を得たのは90年代後半から2000年代にかけてだ。80年代までのSUVは、フルサイズピックアップトラックのベッド(荷台)に樹脂製などのカバーをつけたモノの延長上、といった感じだった。それが90年代に入り、ジープ・チェロキー、フォード・エクスプローラー、GMシボレータホ/サーバーバンなどが、全世代に向けた日常用として定着するようになった。

そうしたSUV市場の広がりを受けて、ユーザーの間では「人とは違うこと」を求めるようになった。90年代後半になると、リンカーン・ナビゲーターと、キャデラック・エスカレードが登場したのだ。こうしたアメリカ発のSUV、さらにはプレミアムSUVのトレンドが、ジャーマン3(メルセデスベンツ、BMW、VWグループ)と日系プレミアム3(レクサス、アキュラ、インフィニティ)へ大きな影響を与えていく。

2010年代になると、ロールスロイス、ベントレー、ランボルギーニ、アストンマーチンなど超プレミアムやスーパーカーを扱うメーカーが、超プレミアムSUVを仕立てるようになる。

世界中の自動車メーカーがSUVに参入し、高級メーカーがこぞってプレミアムSUVの量産の進める中でも、エスカレードはプレミアムSUVのド真ん中として、セレブから圧倒的な信頼と支持を得ているのだ。だから、新型のワールドプレミアの地が、ビバリーヒルズなのだ。

NEW ESCALADE CHECK POINT

1.自動車では初搭載の湾曲型「OLED ディスプレイ」
2.36スピーカーを備えた「AKG スタジオ・リファレンス・オーディオシステム」
3.「Duramax ディーゼルターボエンジン」を設定
4.ハンズフリー運転支援システム「スーパークルーズ」

OLEDディスプレイや自動運転システムなど最新装備が目白押し

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プレミアムとは大型化?ボディサイズは更に大きく

改めて、新型エスカレードを詳しく見ていこう。

ボディサイズは先代に比べて拡大して、全長×全幅×全高=5382mm×2059mm×1948mm。ESVは、5766mm×2059mm×1942mmとなった。だが、パッと見た目では、より大きくなった印象はない。理由は、フロントマスクのデザインだ。ヘッドライト形状が先代の縦目から、切れ長の横目になった。XT6などが採用する最近のキャデラックアイコンに融合させた。通常、横目にすると顔が引き締まるが、ボディ全体が小さく見える傾向になる。これに対して新型エスカレードではフロントバンパーとフロントグリルが一体化したような視覚効果によって、エスカレードの真骨頂である「強烈な押し出し感」を維持している。

2021 CADILLAC ESCALADE

次に、車内に入ると、全長増による空間の拡大を実感する。特に変わったのは3列目シートのレッグスペースだ。先代比40%増となった。さらに、3列目シートの後方にあたるカーゴスペースはなんと68%増となった。セレブが日常生活の中でエスカレードを使う際、高級スーパーでの買い物で「もっと荷物を積みたい」という声が多かったようだ。

ドライバーズシートに移ると、目の前には曲面を利用した世界初搭載の大型ディスプレイ「OLEDパネル」が目立つ。操作はタッチパネルのほか、通常のスイッチのようなフィジカルタッチをあえて残した。音響関連では自動車業界で標準装備として初として、欧州オーストリア創業のAKGブランドの36スピーカーを採用した。スタジオ3Dサラウンドと呼ばれる、車内空間の360度から臨場感ある音場を実現した。こうした多彩で高品質なインテリア装備こそ、セレブがクルマ選びのなかで最もこだわる点である。

ディーゼルエンジンを追加、自動運転も可能

次に、走りの進化を見ていきたい。サスペンションには、GMが2000年代から熟成してきたマグネティック・ライド・コントロール最新版を採用した。ショックアブソーバー内の液状流体の中に細かい導体を入れ、減衰力を短時間で変化させる方式だ。ここに、最新型のエアサスを組み合わせ、乗り心地とハンドリングの良さを融合させた。

エンジンは、GM伝統の6.2ℓV型8気筒(最大出力420hp、最大トルク63.5kg-m)と10速AT。さらに、注目されるのがエスカレート初採用となるディーゼルエンジン。3.0ℓのデュラマックスをオプションで設定した。

運転支援システムも充実し、自動運転レベル2に相当するスーパークルーズを標準装備。また、夜間での運転支援としてナイトヴィジョンをオプション設定とした。生産は、これまで同じくテキサス州のアーリントン工場。プラットフォームを共有する、シボレータホ・サバーバン、GMCユーコンと同じ製造ラインで作業される。

発売時期は、アメリカでは2021年モデルとして2020年夏からディーラーの店頭に並ぶ。日本での発売時期については、GMジャパンから現時点で正式リリースはない。

現行となる第4世代のエスカレードと比べると、全長:187mm/全幅19mm/全高:38mm大きくなる(本国カタログ値)。グレードはラグジュアリー、プレミアム・ラグジュアリー、プレミアム・ラグジュアリー・プラチナム、スポーツ、スポーツ・プラチナムの5タイプ。写真のホワイトボディのモデルが初設定のスポーツグレードで、グロスブラックメッシュグリルなど各所がブラック仕上げとなり、ダンパーの減衰率を瞬時に変更するマグネティックライドコントロールといった強化装備も追加。ラゲッジスペースは従来比で68%容量が増え、荷室容量は722ℓにもなるという。リアゲートのガラスハッチといった、使い勝手の良いシステムも取り入れている。

自動車では初搭載となる湾曲型OLEDディスプレイ

新型モデルの大きな注目となるのが、自動車では初搭載となる湾曲したOLEDディスプレイだ。4Kテレビの約2倍のピクセル密度を誇り、対角線比で38 インチ超となる。7.2インチのタッチ式ディスプレイ、14.2インチメーターディスプレイ、16.9インチのインフォテインメント用ディスプレイで構成される。ヘッドレストなど車内に36スピーカーを備えたAKG スタジオ・リファレンス・オーディオシステムを搭載。3Dサラウンドが楽しめ、前席・後席会話音響システムも搭載する。

もう一つのトピックが、ハンズフリー運転支援システム(高速道路)「スーパークルーズ」を標準搭載。ドライバー監視システム、カメラ、レーダーセンサーの装備に加え、ライダーマップデータと高精度GPSを活用し、アメリカとカナダの高速道路であれば、20万マイル以上の範囲で運転をアシストする。もし日本で正規販売が決まったとなれば、この機能が使えるようになるのか気になるところである。


【SPEC:エスカレード・ラグジュアリー 】
●全長×全幅×全高:5382×2059×1948mm ●ホイールベース:3071mm ●エンジン種類:6.2ℓV8 ●最高出力:420hp/5600rpm ●最大トルク:63.5kg-m/4100rpm ●トランスミッション:10AT ●乗員:7人


TEXT /桃田健史
アメ車マガジン 2020年 6月号掲載

ソーシャルディスタンスを保ちながらマッタリと親睦を深めるレネゲード乗りたち

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Jeep Renegade only RENE CAMP【ジープ・レネゲード・オンリーキャンプ「レネキャン」】

緊急事態宣言の発令によって春の開催を自粛秋の再会を心に誓ったメンバーの思いが通じ久々の宴はこれまで以上に盛り上がった!!

春と秋の年2回開催するのが恒例となったジープ・レネゲードに車種を限定したレネゲード・オンリー・キャンプ、通称「レネキャン」。もちろん2020年もその流れで…と意気込んでいたわけだけど、猛威を振るい続けている新型コロナウイルスの影響を受けて、春は自粛することに。こればかりは仕方がないと諦め、秋の再会を誓う一同。その願いがかなった、いや日本国民の頑張りによって感染の拡大が抑えられたことで9月には自粛も解除となり、秋の開催が実現。

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ちなみに本来ならば今回が6回目なのだが、5回目のレネキャンは静岡県にあるキャンプ場が舞台。具体的な場所はシークレット(笑)。今回の幹事を務めたのは黒澤さんと宮城さんで、春の時点で幹事役を担っていた二人。そのままスライドする形となったわけだけど、宮城さんはまさかのラングラーに乗り換えるという出来事があったものの、同じジープ乗りとして仲間が集える会に尽力。

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そしていざ当日を迎えると、この日を待ちわびていたメンバーたちは朝早くから会場入り。また、はやる気持ちを抑えられなかった面々はその前日から会場入りする始末。自粛で鬱憤が溜まっていただけに、春の分も取り戻そうっていう思いがあったのだろう。今回が初参加という人も何人かいたけれど、多くは気心知れたメンバーばかり。さらにキャンプ好きばかりとあって、緑の芝生の絨毯の上にはレネゲードとテントが花開き、この様子に参加者たちもご満悦。天候は二日間とも曇りで富士山を拝むことはできなかったものの終始笑顔で宴は終了。2021年はこれまで通り年2回開催できることを願うばかりだ。


【2019.09.14-16】レネゲードオーナーたちによる宴。しかも今回はレネキャン初の2泊3日。

【2019.05.11-12】特別仕様車、同色のレネゲードがキャンプ場で並ぶ姿にウットリ♡

【2018.9.8-9】早くも3回目となる会は軽井沢で『RENE CAMP』開催!

【2017.11.18-19】レネゲードを愛するオーナーたちが初交流したキャンプミーティング


主催★ジープBUレネゲードオーナーズクラブジャパン ~BUOC~
https://www.facebook.com/groups/274429672991406/


写真&文/編集部
アメ車マガジン 2021年 2月号掲載

【97年型シボレー・タホ】新車で購入して22年一途な思いを貫く

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1997 CHEVROLET TAHOE OWNER:細田憲司

THE 90’s STRIKES BACK ナインティーズの逆襲

新車で購入して22年一途な思いを貫く

恋愛で「惚れたら負け」とよく言われるけれど、心底惚れきった方が恋愛は楽しいのと同じように、クルマも心底惚れきった方が間違いなく楽しい。ほかに目移りすることなく一途に思い続けることで一生を共にする相棒となる。

雨に濡らさないほど過保護に大切にする愛おしい存在

アメ車オーナーの中には10年、20年と長きにわたってクルマを所有し続けているベテランが数多くいるが、紹介する細田さんのその一人。愛車は97年型シボレー・タホの2ドアモデルで、1997年2月に新車で購入しており、かれこれ22年が経過する。

その当時はアストロを発端としたアメ車ブーム全盛期。それ以前からアメ車に興味を抱いていただけに、この波に乗りたくなっても不思議ではない。当初の候補にはもちろんアストロも名を連ねたものの、「アメ車であればやっぱりV8!!」という思いが勝り、さらに候補を絞り込んでいくと雑誌にタホが掲載されているのを目にして一目惚れ。それから暇さえあれば誌面を見返す日々。見ながら妄想だけがどんどんと膨らんでいく状態。そんな悶々とした日々と決別すべく決心を固めてショップへ行き、初めて実車を目にすると衝動が抑えきれなくなり、その場で購入を決めた。2ドアモデルに惹かれた理由は「ズングリむっくりとしたフォルム」。

1997 CHEVROLET TAHOE

1997 CHEVROLET TAHOE

晴れて念願だったアメ車を手に入れたのだが、所有して2年が経過すると、今度は沸々とカスタム欲が沸き出してきた。なぜなら同じタホをベースにブリスターフェンダー化したカスタムモデルを目にしてしまったから。誰かと同じのは嫌いだという性分も手伝って愛車をブリスター化してしまおうと。善は急げとばかりにショップに愛車を持ち込み作業を依頼。当然ブリスター化すれば既存のタイヤ&ホイールのままというわけにはいかないため、バドニックにホイールの製作を発注。するとバドニック側から「こんなに太いホイールをどうするんだ?」と尋ねられて事情を説明すると、今度は「セマショーに出展したいから貸してくれないか?」と依頼されたほど。それは諸事情を踏まえて断ったものの、ブリスター化も果たし、12.5Jの極太ホイールもインストールしたことで理想的なフォルムを手に入れることができたのである。本誌のバックナンバーには、カスタムを終えた後に参加したミーティング時の写真が笑顔と共に掲載されていた。

ちなみに、この22年の間で愛車を雨に濡らしたのは10回以下とのこと。そのためいざワイパーを動かそうと思ったら動かなかった…なんてことがあったとか(笑)。今後の抱負としては、いつかツートンカラーにオールペンをして日本一周をしてみたいと話す。それが実現する日もそう遠くはなさそうな気がする。

1997 CHEVROLET TAHOE

1997 CHEVROLET TAHOE

グリルは開口の大きいGMCタイプに交換して30本のビレットグリルをインストール。リアにはフェンダー加工時にキャデラックテールを移植。

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一番の肝となるのはやはりブリスターフェンダー。これに合わせてホイールをバドニックに特注で製作を依頼し、リアに18×12.5Jの極太サイズを履かせている。タイヤサイズは335/30R18。ちなみにフロントは245/40ZR18。エアフォース製のエアサスは4年前に導入。

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フードを開けて真っ先に目に飛び込んできたのはエーデルブロックのエアクリーナー。クロームカバーはしっかりと磨き込まれてくもり一つないだけでなく、フィルターもキレイだ。エンジンルームを這う黄色のコードはアーシング。

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ビレットスペシャリティーズのステアリングに交換したり、シフトノブやエアコンの吹き出し口にクロームを取り入れたりしているが、基本的には当時のままをストック。22年が経過してもキレイな状態を保つ。

KAWASAKI W400

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もう1台の愛機は製作に1年9カ月を要したカワサキ・W400。購入したのが2018年1月であるため、手元に戻ってきたのはつい最近。待った甲斐あって好みの仕様に仕上がっている。


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

白黒基調で往年の旧車らしさが際立つチャレンジャー

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DODGE CHALLENGER OWNER : DEL ROSARIO RAY CHRISTIAN(クリス)
LBWK LIBERTY WALK CUSTOM OWNERS FILE ①

ワイドボディやスラムドスタイルはサラッとラフに乗りこなせ!

日本のみならず世界にその名を轟かせるリバティーウォーク。その独創的なスタイルに魅了されるファンは国内外を問わず増殖中。常にトレンドの最先端を行く姿勢は多くのカスタムフリークたちを虜にし、同社のカスタムコンプリートモデルを指名買いするユーザーも多い。しかし、クルマは飾って眺める物じゃない。ラフに走らせて楽しんでこそ本当の価値がある。

代表作をファミリーで愛用するのが粋!

2020年の4月に購入したばかりの2012年型チャレンジャー。リバティーウォークのホームページを見ると、今なおワイドボディキットのモデルとして採用されており、各イベントや誌面を賑わせた名作だ。そんなデモカーに妻と長女、そして生まれて間もない次女を乗せて駆けつける粋な彼。2ドアでファミリーユースは何かと不便ではあるが、乗ってしまえば後部座席もゆったりと寛げるスペース。もちろんチャイルドシートだって普通に搭載可能。まさかこの見た目で赤ちゃんが同乗しているとは想像もつかないだろうが、そんなギャップが何とも魅力的。

DODGE CHALLENGER

DODGE CHALLENGER

ここ最近チャレンジャーカスタムが盛んだが、同車両はまさにその先駆け的存在であり、懐かしきチンスポイラーの様なフロントスポイラーにリベット止めのワイルドなオーバーフェンダーと絶妙なキャンバー角、そして大きく立ち上がったダックテールスポイラーなど、ハコスカを連想させる日本古来の族車的なジャパニーズカルチャーが絶妙に融合されている点も特筆物。ファミリーユースに最適とは決して言えないが、父が大好きなカーカルチャーを家族で共有することも大切。幼い頃からの英才教育を受けた彼女たちが免許を取得した頃に、どんなアメ車を選択するのかも気になるところ。右へ習えで国産ミニバンばかりじゃつまらない。これ位尖った子育ての方がきっと上手くいく!

白黒基調で往年の旧車らしさが際立つチャレンジャー。オーバーフェンダーの際まで攻めた極太ホイールはエアサスで極限まで落とし込む事でそのシルエットを最大限に発揮。ダックテール、チンスポイラーが醸し出す独特の存在感は普遍の魅力を放つ。

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LBWK LIBERTY WALK CUSTOM OWNERS FILE

「各務原まつり」に登場した戦闘機カラーのマスタング

青いリバティーウォークフルコンプリートのマスタングを見て一目惚れ

ディープインパクトブルーカラーにLBワークスフルコンプリートとなるマスタング

セマ出展車両のクライスラー300をパワフルにこなすアメ車女子

押し出し感の強い威風堂々とした表情で魅力を放つクライスラー300C

同級生の2人が選んだのは、ラグジュアリーブームを巻き起こした300とH2だった。


THANKS:LIBERTY WALK
TEL:0561-51-0001
HP:https://libertywalk.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載

ライフスタイルの一部として取り入れたアメリカンSUV【シボレートレイルブレイザー】

2006 CHEVROLET TRAILBLAZER

2006 CHEVROLET TRAILBLAZER

これが俺たちのAmerican Life
アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ

日本のみならず世界各国のアートに刺激を受け、3年後を目標に海外進出を計画中!

大阪でピンストライプ、ボディペイント、ジャグアタトゥー、マタニティアート、ウォールアートなどを手掛けるアーティスト「ジャスミン」の研ぎ澄まされた力強いオーラに見合うクルマは、アメリカンSUVしかありえない。

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憧れだった優等生SUV、そろそろトレイルブレイザーに乗ってみる?


アーティストが無難なクルマでは面白くない

身の丈に合ったクルマ選びが一般的な考え方ではあるが、ミュージシャンやイラストレーター、アクター、ダンサーなど、感性やセンスが必要とされる仕事をする人たちはクルマ選びも個性的。紹介する彼女は20代前半の若さでHORUS ARTを立ち上げ、大阪を中心にピンストライプやボディペイント、ジャグアタトゥーなど、様々なアートの世界で活躍する莉華(ジャスミン)さん。

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そんな彼女も冒頭の例に漏れず、クルマ選びは感性を重んじる傾向にある。アーティスト活動を始めたキッカケは、リスペクトしているペインターがピンストライプ、エアブラシなどの多種多様なアートを自由に楽しんでいる姿を見て、マニュアルやルールのない自由な世界に感銘を受けたこと。

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ピンストライパーやタトゥーアーティスト、エアブラシなど専門職として各部門のアートを追求していくことが一般的ではあるが、あえてジャンルを問わず様々なアートに挑戦して描いていく姿勢は実に逞しい。あえて活躍するステージを絞ることなく必要となれば様々なシーンでの活躍を視野に入れた姿勢と、市街地からハイウェイ、アウトドアまでシーンを問わず駆け抜けるトレイルブレイザーのキャラクターが絶妙にリンクする。

ファッションやヘアスタイル感覚でクルマを選ぶ潔さ、そしてそれを自分色に染めて着こなすかのごとく自らリアゲートにピンストライプを描き、ライフスタイルへ馴染ませる術を知るからこそ、決して無難なクルマは選ばない。多少尖った方が、守るよりも攻めた方がうまくいくのはアートの世界はもちろんカーライフスタイルにも通じるものがあるのだ。

2006 CHEVROLET TRAILBLAZER

オリジナルをストックするシンプルなインテリア。女性オーナーらしいキュートな飾り付けは一切不要。クルマだけを見ると男性オーナー所有さながらの雰囲気である。この男前な乗りこなしも実に好印象。

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ヘッドレストモニターやクローム大径ホイール、そして太いマフラーエンドが際立つデュアルマフラーも、どちらかというと男性好みな仕様。男が乗っていそうな四駆をサラッと女の子が乗りこなすギャップはたまらない。それがアーティストとなればなおさらクールに映る。

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Owner : JASMINE


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 5月号掲載

個性的なJEEPが欲しい そんな希望を叶えてくれる

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2014 Jeep Wrangler Unlimited Sahara / 2018 Jeep Wrangler Unlimited Sport / 2014 Jeep Wrangler Unlimited Sport

AWESOME JEEP -やっぱり「ジープ」がカッコイイ!

十人十色のスタイルを創り出し真の『愛車』をプロデュース!

ジャンルを問わず、様々なアメ車・輸入車を手掛けるトップスピード。旬のクルマを積極的に取り扱っており、今はJK&JLラングラーがアツく、カスタマイズも得意とする。

誰もが一度は憧れる「JEEP」。最近では見かけない日は皆無と言えるほどメジャーになっているが、そうなるとむしろ自分の個性を出せるカスタムをしたくなるもの。そんなユーザーの気持ちを先回りし、独自のスタイルでカスタマイズを施した車両をラインアップするのが、岐阜のトップスピードの魅力と言える。

店長の宮本さんは、何と24歳!この若さにして豊富な知識と経験、そして何よりも若さを武器にすることで、特に若いユーザーのマインドをキャッチ。ジープ=オフローダーと言うこれまでの図式を払拭し、スタイリッシュな仕様を提案するが、同じ仕様を量産するのではなく、個々の車両でさりげない違いを与えているのが特徴と言える。また、自社のオリジナルパーツは発売していないが、様々なブランドのパーツを組み合わせるセンスの良さも特筆すべき点だ。

そんな言うなれば「宮本流」のエッセンスが注ぎ込まれた3台のJKラングラーに集まって頂いたが、フロントマスクを見ただけでも非常に個性豊かだと言える。ベース車両はいずれもJKラングラー・アンリミテッド。トップスピードでは現行型のJLラングラーも当然扱っているが、パーツの豊富さではまだまだJKに軍配があがるので、パーツの数だけ自分の色が出せると言う事でもある。

「JEEPが欲しいけどノーマルはイヤ!」とか、「パーツが多くてどれを選べば良いか悩む」と言う人は、まずはトップスピードに足を運んでみよう。宮本店長が的確なアドバイスをしてくれるぞ。

2014 Jeep Wrangler Unlimited Sahara owner 國枝 慶司さん

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実は取材当日がJK の納車日だった國枝さん。この車両が完成する直前にトップスピードで見かけて購入を即決!「何よりもカッコ良さが一番ですが、宮本店長が全て手を加えてくれたので、後からイジるところはないです」と二十歳の若人は断言。リヤナンバーのヒッチを活かし、今後はジェットスキーなどを始めて見たいそうだ。

前後共スチール製の強靭なバンパーに交換し、JEEPらしいたくましさを強調。3台共通となるがサスペンションはラフカントリーのキットを使用し、4インチのリフトアップを実施。車高が上がった事でタイヤサイズもアップし、22インチのアルミに37インチタイヤを組み合わせる、イマドキのアメリカンスタイルを実現する。

2018 Jeep Wrangler Unlimited Sport owner 井戸坂 亮一さん

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2018 Jeep Wrangler Unlimited Sport

2018 Jeep Wrangler Unlimited Sport

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以前の愛車、H2もトップスピードで購入している井戸坂さん。H2 はジェットを楽しむために購入したが、アウトドアだけでなく街乗りも1台でこなせるようにJK ラングラーにチェンジ。ノーマルで乗るつもりは全くなかったので、宮本店長お任せでフルカスタムを実施したが「正しい選択でしたね!」と誇らしげに語る。バンパー&グリルをFabForceに変更し、スカル風な顔立ちにアレンジする事で、禍々しい雰囲気を演出。ノーマルよりも更に角ばったゴツいスタイルとなった事で、井戸坂さんの理想とするカタチを手に入れたと言えるだろう。

2014 Jeep Wrangler Unlimited Sport owner 工藤 拓斗さん

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夏はジェット、冬はスノボ。そして季節を問わずキャンプを楽しむ工藤さん。そんなライフスタイルにJEEPはなくてはならない存在だと言えるだろう。取材の時は荷物を降ろしてしまっていたが、普段はテントなどを満載。黒いボディと対照的なノルディスクの白いテントは、アクトドアで絶妙なコントラストを生み出す事間違いなし。購入して約9カ月が過ぎたが「完璧すぎて何もパーツを追加していないですね」と工藤さんは語る。今後の予定はレザーシートへの張替えを検討しているぐらいで、エクステリアの満足度はパーフェクト!だそうだ。


Produced by TOPSPEED
TEL:058-322-7547
HP:https://www.garage-topspeed.com/

新車・中古車を問わず、カスタムを得意とするプロショップ。非常に落ち着いた雰囲気で、24歳の宮本店長がプロデュースするクルマのテーマは「カッコ良いと思ってくれる事」。余談だが、若きラップスター¥ellow BucksのPVにデモカーが登場しているそうだ。

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PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2020年11月号掲載

走りと経済性のバランスが取れた、マスタングエコブーストモデル

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

be high on MUSTANG マスタングが僕らのハートを高ぶらせる!

走りと経済性のバランスが取れた、エコブーストモデルだけを販売中

SUVからスーパーカーまで、世界中のあらゆるスペシャリティカーを取り扱うアズール。もちろんマッスルカーもその一角を占めており、特にマスタングを積極的に取り扱うが、敢えてV8モデルではなく2.3ℓのエコブーストだけを取り扱っている。

マスタングに乗るなら、やっぱり5.0ℓのV8でしょ!と思う人はまだまだ多いと思うが、最近のアメ車は排気量のダウンサイジング化がますます進んでおり、その先鞭をつけたのが現行マスタングと言える。数値だけ見ると2.3ℓは物足りなく思えるが、実用性や経済性を考えると「必要にして充分」だし「お財布にも優しい」。となると、答えはアリだ。

AZZURRE MOTORING

そんなユーザーの嗜好を反映して、アズールでは2.3Lのエコブーストだけを在庫中。取材時には6台ストックがあり、スタンダードとパフォーマンスパッケージをちょうど3台ずつ展示。基本的にノーマルだが、アズールではシンプルだが非常に効果的なカスタムも提案中だ。

今回ピックアップしたのは2018年式のプレミアムで、走りを重視したパフォーマンスパッケージが装備された車両。実はマスタングを始め、アメ車のマッスルカーの多くは飛び石や擦り傷を考慮して、グリルやボディアンダーに未塗装パーツを採用するケースが多い。実用性は問題ないが、正直言ってどうしても見栄えは劣り高級感に欠けるのだが、これらの未塗装部をボディ同色にペイントするだけでさり気なく、でも見違えるほどグレードアップさせる事が可能。ボディパーツを追加せず色だけでここまでスタイルが変わるのだから、マストなカスタムメニューと言えるだろう。

もちろん、アズールではそれ以外のカスタムにも対応可能。自分の理想通りのマスタングを、イチから創り上げていくことも可能だ

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

2018 FORD MUSTANG PREMIUM Eco Boost Performance PKG

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マスタングらしさの1つに高い運動性能が挙げられるが、その性能を思う存分堪能できるパフォーマンスパッケージを装備。ストラットタワーバーやインパネ中央に追加メーターを装備するが、スイッチ1つで様々な走行モードの切り替えやステアリングフィールが切り替えられるのも魅力。エクステリアは基本的にノーマルだが、本文で述べたように樹脂パーツをボディ同色にペイント。また、ホイールやブレーキキャリパーもブラックでペイントし、凄みが増したと言えるだろう。


アグレッシブな走りを体感したい人に贈る。マスタングパフォーマンスPKG

エレノアらしい“走り”を磨き上げた珠玉の一台、シェルビーマスタング

パーツだけでなく色も重要なカスタムアイテム シボレーカマロ

本国“ワイドボディキング”と結びつけるAZRコネクション


AZZURRE MOTORING
TEL:0562-95-0678
URL:http://azzurre-motoring.com


Photo: 浅井岳男
Text: 空野稜
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載

多少仕様は違っても黄色のシボレーC-10を好む同志として急接近

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1969 CHEVROLET C-10 / 1972 CHEVROLET C-10

これが俺たちのAmerican Life
アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ

32歳で渡米して感銘を受けたジャンキーなライフスタイルに憧れて…

「若いお姉ちゃんを隣に乗せて走ってたやろ?」と身に覚えのない連絡が多くなったFukushima氏。一方「トレーラーハウスがご自宅ですか?」と頻繁に尋ねられるOkada氏。黄色いC-10が引き起こした“ 世にも奇妙な物語”の真相と、魅力溢れるトレーラーライフに迫る!

奈良県でトレーラーライフを楽しむFukushima氏と同じく奈良県で黄色いC-10を乗り回すOkada氏二人の世にも奇妙な物語

奈良県桜井市の国道から一本道を逸れた川沿いに、突如現れるトラベルトレーラー。そしてそのトレーラーを囲む様に無造作に並ぶ歴代C‐10たち。まるでそこだけ国境が異なるかの様なアメリカ色に染まった空間は、知る人ぞ知る巷で有名なスポットと化していた。話を伺うと、住人のFukushima氏は根っからのフルサイズトラックフリークで、20代の頃に初めて手に入れた91年型C‐1500のレギュラーキャブを皮切りに、20台以上トラックばかりを乗り継いできた達人。また、トラックがキッカケでクルマのみならずカルチャーにまで興味を抱き、32歳の時には語学留学を兼ねてロスで過ごすなど、まさにライフスタイルそのものがアメリカ!

トレーラーハウスを借り住まいとするスタイルは、語学留学中に見た無造作に路上にトラベルトレーラーを停めてジャンキーな人たちが生活している姿に、ある種の憧れを抱いたから。とはいってもここは日本。宅地用の土地として購入しており、決して無断で空地を占拠しているわけではない。いずれは戸建てを立てる目標を持ちつつも、繋ぎとしてプレハブ小屋を建てるくらいならロスの路上で見たあのスタイルを再現した方が面白いのではと、本国で2017年モデルの新車を購入して日本へ個人輸入。そんな仮暮らしのアリエッティならぬ仮暮らしのアウトローの家に黄色いC‐10に乗って突撃訪問したのがOkada氏。お互いに愛車を見て即座に「世にも奇妙な物語」の謎が解けた。

1969 CHEVROLET C-10

1972 CHEVROLET C-10

近所の弁当屋で頻繁に見かけたC‐10はトラベルトレーラー住まいのFukushima氏。そして若いお姉ちゃんを乗せて各地に出没していたのがOkada氏である。その目撃情報が誤報となり、2人を悩ませていたのだ。しかし不思議なもので、年齢差はあっても偶然にもモデルイヤーの近い黄色のC‐10に乗り、数㎞圏内の距離感で生活をしていただけあって、初対面から意気投合。良く見ると69年と72年とではグリルが異なるし、同モデルながら長さも異なる。ましてショーカースタイルと、オリジナル重視のスタイルなので並べてみるとその差は歴然。だが、街中でふいに見かけると黄色×白のツートンボディのC‐10なんて滅多に被らないので、見間違うのも無理はない。多少アメ車に詳しい人ならまだしも、一般的な観点から言うとそっくりさんなわけだ。

この突撃訪問以来Okada氏は度々Fukushima邸を訪れ、時には達人から「69年型のワイパーはメッキが正解やで!」とアドバイスを受けるなど、より一層ディープな世界へと足を踏み入れていくのだ。

1969 CHEVROLET C-10

1969 CHEVROLET C-10

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ビレットスペシャリティーズのホイールにアキュエアーサスペンションのスラムドスタイルで、GMパフォーマンスパーツがリリースするZZ4エンジンに換装。安定したアイドリングと低速トルクで、見た目とは裏腹に快速仕様となる。インテリアはオリジナルを基調としながら極上コンディションを誇り、モデルイヤーに相応しい細くて大きなステアリングや、インパネの雰囲気を損なわないレトロサウンドのオーディオなど、通が好むスタイルは好印象。リアウィンドールーバーも味わい深い。ベッド部分は新たにウッドで造型されており、錆びや腐りのないクリーンなコンディションを保ち、まさにショーカーレベルといった雰囲気。一生モノの愛車に相応しい一台。

1972 CHEVROLET C-10

1972 CHEVROLET C-10

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上のOkada氏とは異なり、オリジナル志向の高いレストアをコンセプトに手を入れたFukushima氏の72年型C-10。現地の個人売買サイトを物色して、良い個体が在れば自ら渡米し、交渉から日本国内への輸入まですべて自身で行なう徹底ぶりで、年式不相応のステアリングが付いていたり、メーターがオリジナルではなかったりするのはNG。とにかくこだわりが強く、目に適うものしかコレクションとして迎え入れないスタイルは、もはや筋金入りのコレクター。最初に仕入れたこのC-10は特別思い入れが深く、後に仕入れた同年の青いC-10作業は滞りがち。にもかかわらず取材の数カ月前に65年型も増車する強者っぷりには感服。トレーラーの窓からちらっと見える無造作に並んだヴィンテージトラックたちを眺めながら一杯やるのが至福の時である。

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右)アウトローな雰囲気に突撃訪問時は緊張しました(笑)今では気軽に遊びに通わせてもらっています!
左)初めてレストアに挑んだ思い入れの深い一台!まさかすぐ近くに同色同モデルが存在するとは…

キャンピングトレーラーの後ろはカーフィルム貼りの工房(仕事場)!

2.5mの車幅を両面から拡張可能なノーストレイルのトラベルトレーラーが現在の借り住まい。一番広いリビングでは幅4mを超えており、備え付けのアイランドキッチンやふかふかのソファ、家庭用200Vエアコン完備で室内の雰囲気は住宅そのもの。敷地内には椰子の木を複数育て、芝生をベースに大胆なエントランスをレイアウト。コレはいずれ平屋の戸建てを建てた時のイメージであるが、御覧のとおり稼いではコレクションを増車してしまう性格と、レストア未完成の車両たちのパーツ代がかさむため、戸建ての夢は果てしなく遠い未来となりつつある。

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Photo&Text:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 5月号掲載

【メンテナンス マスタング】性能をフルに引き出すには、メンテナンスは必要不可欠

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MAINTENANCE of MUSTANG

半世紀以上の長きにわたりマッスルカーを牽引してきたマスタング。その高いパフォーマンスに多くのユーザーが魅了されるが、日々のメンテナンスがなければ性能を発揮することは不可能。そこで今回は、新車の右ハンドルマスタングを独自に輸入するFLCグループのフォード四日市にお邪魔し、メンテナンスポイントをご教授頂いた。

乗り始めた瞬間から確実にクルマの性能は低下する!

実はフォードのクルマは、BIG3のなかでもとくに丈夫な傾向があり、さらにマスタングはサーキットでちょっとラフに走っても、しっかり応えてくれるし、それゆえに耐久性も高い。2015年に登場した7代目はほぼノントラブルで、レポートもアメリカから届いていないとか。また6代目もかなり優秀な造りとのこと。だが、ノーメンテナンスで性能がキープできるわけではない。自分でメンテナンスを行なわないまでも、愛車のコンディションを管理するのはユーザーの役目とも言える。

ちなみにフォード四日市のテクニカルリーダー曽我さんは「油脂類の交換時期はメンテナンスノートに従えば良いですが、走る環境やライフスタイルも考慮して欲しいです。オイル類は粘度指数が合っていれば大丈夫だと思いがちですが、実は純正オイルにはそのクルマに適した最適な添加剤が使用されています。また最近のクルマには様々なセンサーが各部に装着されており、純正テスターでないとかなり深い階層までチェックすることはほぼ不可能ですね。メンテナンスをして何も悪いことはないですし、大切にした分だけクルマは応えてくれます。乗った瞬間から性能は下がってしまうので、マスタングを熟知する専門店にメンテナンスを依頼するのが賢明です」と衝撃的な一言を頂いた。

見える部分のカスタムは確かに楽しいが、見えない部分だからこそ注意したいもの。大きなトラブルが起きる前に、予防的な整備がやはり大切だと言える。

MAINTENANCE of MUSTANG #01 DIAGNOSIS TESTER
純正テスターを使用して奥の奥まで異常がないかしっかりチェック

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今やクルマの各部には様々なセンサーやコンピュータが組み込まれており、常にクルマの状態をチェックしている。OBDⅡと呼ばれるシステムで診断機を接続するが、FORD純正の診断機を使用しないと、かなり奥のトラブルをチェックすることは不可能だ。また、長期間乗らないからといってバッテリーの端子を外したり、キルスイッチを追加するのは御法度!駐車場に停めている時も常に電気を流し、各部をチェックしているので却ってトラブルの原因となる。

MAINTENANCE of MUSTANG #02 #ENGINE OIL & COOLANT
できる限り純正品のオイルや冷却水を使用するのがベターだ

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クルマの心臓であり、その冷却や循環を司るオイルや冷却水は非常に重要な部品とも言える。エンジンオイルは最低限100%化学合成油で、粘度指数は5W-20と指示されているが、走る状況に応じて10W-30を使用してもOKとのこと。フォードでは15000kmで交換と指示するが、これは5000kmごとに継ぎ足し、3回に1度全交換してくださいという意味だ。ラジエターの水量はかなり多くロングライフになっているので神経質になる必要はないが、エコブーストは水冷ターボなので峠やアクセルのオン/オフが頻繁なら短いサイクルで交換しておいて損はない。

MAINTENANCE of MUSTANG #03 AIR CLEANER
定期的な交換や洗浄を行なうことでクルマを良好なコンディションに保つ

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DIYで実践できるメンテナンスの代表格といえば、やはりエアクリーナーの清掃や交換。純正品を使用しているなら前後の向きを変えたりエアーでゴミを吹き飛ばせるが、思い切って毎回新品に交換するのもアリ。ちなみに洗って再使用できる高効率フィルターをエアーで乾かすのは中のスポンジが破れるので厳禁。自然乾燥させるのがベストなので、フィルターを2セット用意しておいた方が良い。もちろんエアクリーナーボックスの中も、拭き掃除するのをお忘れなく。

MAINTENANCE of MUSTANG #04 BATTERY
古いバッテリーを無理に使用すると最悪ハーネス交換になることもある

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本文でも述べたが、最近のクルマは駐車時でも微弱な電流を流し続けているので端子を外すのは厳禁。メンテナンスフリーのバッテリーが今では主流だが、バッテリーが古くなってくるとバッテリーの内部で希硫酸ガスが発生し、それが端子に付着してしまう。こうなってしまったら、迷わず端子を清掃してバッテリーを交換しよう。そのまま放ったらかしにして乗り続けると最悪の場合はハーネスを全交換することになり、10万円以上の出費になってしまうので注意しよう。

MAINTENANCE of MUSTANG #05 DIFFERENTIAL
純正のデフオイルにはマスタング用に唸りを抑える添加剤が配合されている

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エンジンオイルほど気を使われていないのが、リアのデフオイル。7代目は独立懸架となったが、6 代目までは頑丈なリジッドアクスルを採用する。頑丈なのは良いが、高速道などを長時間休まず走り続けるとオイルが高温になりオイル切れをすることがある。2時間に一度休憩するのは、ドライバーのためだけでなくクルマを労わる意味もある。ちなみにFORD純正オイルにはデフの唸りを抑える添加剤が配合されているので、ここは迷わず純正品を使用するべきだ。

MAINTENANCE of MUSTANG #06 AIR CONDITIONER DUCT
6代目マスタングを青空駐車している人はとくに注意して欲しい!

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青空駐車をしているマスタングに限定されるが、エアコンフィルターは助手席のワイパーカバーを外したところにある。問題はこの前側にあるドレンコックが、枯葉や黄砂、さらには花粉で詰まってしまうことがある。ここが詰まった状態で大雨が降ると、最悪の場合はエアコンフィルターから雨水が車内に流れ込んでしまう。助手席の足もとだけがビシャビシャに濡れている場合は、ドレンコックの詰まりを疑おう。予防策としては、エアコンフィルターの交換と同時に、ドレンコックの清掃を心掛けよう。

MAINTENANCE of MUSTANG #07 BODY
ストライプ装着車は雨が降ったらなるべく早く拭きあげる

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ランプの曇りは殆どないが、グリルにランプを埋め込んだ車両でハイワッテージバルブに交換すると、ハーネスを損傷する場合がある。ボディはコーティングを施工すれば良いが、問題はストライプ。ワックスが付くと白ボケするし、雨が降ったままにするとスポットができるのでなるべく早く拭き取ろう。

MAINTENANCE of MUSTANG #08 BRAKE
重要保安部品なのでDIY交換は厳禁、定期的に目視して状態をチェック

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安心して走るためには、ブレーキパッドの残量やディスクの厚みのチェックは欠かせない。整備士でない限り自分で交換するのは厳禁なので、オーナーができるメンテナンスは日々の点検に限られる。とくにサーキットを走る機会が多い人は、走行前のチェックをお忘れなく。ちなみに6代目のマスタングでリアホーシングのシールからオイルが漏れ、リアディスクに付着してしまいブレーキがまったく効かなくなるというトラブルがあるそうだ。

MAINTENANCE of MUSTANG #09 SUSPENSION
ショックアブソーバーや樹脂部品は消耗品と割り切り定期的に交換!

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乗り始めた瞬間から性能が低下する際たるものは、やはりサスペンションに尽きる。純正品はもちろん耐久性に優れているが、いつまでもその性能をキープできるわけではない。走行距離が増えれば樹脂部分がヘタリ、各部のガタはどうしても起きてくるもの。末長く、気持ちよく乗り続けたいなら定期的な交換をすることで、ボディへの負担も減らすことができる。また、中古車を購入した場合、思い切って最初にメンテナンスすることで、以後のトラブルを予防することもできるだろう。

MAINTENANCE of MUSTANG #10 POWER STEERING
余りにも大きなホイールを装着するとステアリングのモーターが壊れる!

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マスタングを購入したら、まず最初に手をつけたいのがタイヤ&ホイールだろう。だが、過度なサイズに変更すると非常に重くなり、パワーステアリングに負担が掛かることを知って欲しい。昔の油圧式なら徐々に重くなり予想できたが、最近はモーターアシストなので何の前触れもなく突然重くなり、壊れたらまずステアリングの操舵は不可能。インチアップは否定はしないが、クルマを長持ちさせたいならフォード四日市では、できれば2インチアップまでにした方が良いと話してくれた。

MAINTENANCE of MUSTANG #11 SEAT
ボディと同様に痛む前にコーティング、シートの撥水処理も汚れ防止に効果的

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最近のシートは非常に良くなってきたが、使い方が悪いとやはりひび割れが起きてしまう。そうなる前に、シートのコーティングや撥水処理を施すことで、寿命を延ばすことができる。また車内を劣化させる1番の原因は、紫外線。それを防ぐためにボディカバーをする人もいるだろうが、ペラペラの物は風で擦り傷になることがあるので裏起毛されたものでないならカバーを掛けない方が良い。最善な保管場所は、やはり屋根付きのガレージだと断言してくれた。


SHOP DATA
FORD YOKKAICHI
住所:三重県四日市市日永4-2-7
TEL:059-346-5322
HP:https://www.f-l-c.jp

フォード岐阜
住所:岐阜県岐阜市西河渡2-5
TEL:058-254-0330

フォード松阪
住所:三重県松阪市市場庄町1148-1
TEL:0598-56-5220

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PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載