-フリースタイルで行こう- #03 サメカマ・ミニカーの世界

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-フリースタイルで行こう- #03 サメカマ・ミニカーの世界

「フリースタイルで行こう!」は、アメリカンカルチャーが大好き過ぎる男:石橋秀樹氏がリコメンドするアメリカンなモノを紹介していくというもの。第三回は石橋氏が愛して止まない「サメカマ」こと第二世代カマロ前期の大小のダイキャストミニカーを紹介していくことにしよう。ポップでナイスなのだ!

初めての愛車がサメカマだったこともあり、今でもセカンドカマロに恋焦がれている…

ついこないだ原稿を書いたと思ったら、早くも3回目。時間の経過が早く感じる感覚が加速している模様。そんなわけで、今後の自分のアメ車ライフのことを考えてみたり。とにかくアメリカが大好物ですから、愛車も当然のようにアメ車となるのですが、マッスル、トラック、バン、とジャンルに関係なくワイドバンドな趣向なため、好きな車種が多すぎて自分でも困っています…。

メイクスではとにかくプリマスが大好物。これまでに乗り継いだアメ車の大半もプリマスだったりします。現在は41年型ウィリス・ピックアップと、アメリカとて貴重なモデルながら、ジャンクな状態でリーズナブルな個体に、運良く巡り会えたため、愛車として日常使用しているのです。もちろんお気に入りですし、満足度も相当なものなのですが、ひとえに奇跡的ともいえる巡り合わせがあってこそ。不思議なもので、個体数も十分に存在し、価格的にも無理がない条件のモデルであっても、いざ探すとなると、ピタッと巡り合わせがなくなる、というパターンにはまるのです。

そのパターンをこれまでに数回繰り返しているのが、セカンド初期のカマロRS。この時代のカマロにはスタンダードとRSとで、2種類の異なるデザインのマスクが存在しますが、自分としては断然セパレートバンパーの「サメカマ」ことRS派なのです。なにしろ、初めての愛車として手に入れたほどの大好物。かれこれ30年ほど前のことですが、中古車市場でちょいちょい出回っていただけに、何台もチェックしてたどり着いた個体。アメリカでのトレンドを反映したキャッチーなカラーリングが今でもお気に入りだったりします。

しかし、友人が手に入れた70年型チャレンジャー・440RTのマニュアル車の暴力的なポテンシャルを体験した事を機に、ビッグブロック&マニュアルに乗り換えることに。カマロを同等の仕様にモデイファイする予算よりも、その仕様のRMOPARを新規輸入した方が簡単で安かったのです。その後もコスパの良さでプリマスを何台も乗り継ぎましたが、ルックスをはじめ総合的な面で魅力を感じるサメカマを求めるように。ところがとにかく巡り合わせに恵まれず、より好条件の別のモデルを乗ることに。乗り換える度に同じパターンにハマっているうちに、カマロの価格が上昇してしまったり…。それだけに、想いばかりが募るのです!

これがダイキャストでも同じ様なことに。今でこそ、いい加減にしてくれというほど沢山の種類がリリースされておりますが、ひと昔前では、大好きなホットウィールでもサメカマは無し。新車当時にリリースされないと、よほどのきっかけがない限り、ラインナップは期待できないので、ボディが共通の78~81年型をベースにカスタムして愛車を再現したり。時間の経過とともに、旧車の魅力が再認識される中、ホットウィールをはじめ、他のブランドからもサメカマがリリースされるようになったのはありがたいけれど、今度はリバウンドの如く、バリエーション違いだけでなく、キャスティングも数種存在する。もはや、大量にありすぎて、ありがた迷惑な感じ…。

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My Ride
初のマイカーとして30年ほど前にドライブしていた73 年型LT。いかにも当時のストリートマシン的なカラーリングが最高。エンジンルームもアメリカ的にクリーンだったし、Dモードでベタ踏みするだけで、激しくタイヤスモークするヤンチャな仕様でした!!

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ホットウィールをカスタム
サメカマのダイキャストが当時は存在しなかったので、ホットウィールのカスタムの一環として、78~81年型をベースに自分の愛車を再現。後に出た70年型と比べるとデッキが長めなのが今見ると気になる。センターラインのホイールはジョニーライトニングからの流用。

1971 Camaro:Showcase / Hot Wheels

1971 Camaro:Showcase / Hot Wheels
アダルトコレクター向けの正統派スケールダウン的アプローチ。ストックのZ28にアメリカンレーシング5スポークホイールを装着した王道のスタイル。人気割に、04年~現在までに、写真の他、オレンジ、黄色とで全4種類しかバリエーションがない。

'70 Camaro RS Ultra Hots / Hot Wheels

’70 Camaro RS Ultra Hots / Hot Wheels
写真上のショーケース・シリーズに対して廉価版的ながら、ベーシックよりは明らかにアップグレードなスタイル。オールドスクールなL88フードがポイント。有名車を再現したドラッグ仕様では、専用にスーパーストックフードを備える!

'70 Camaro Road Race:Basics / Hot Wheels

’70 Camaro Road Race:Basics / Hot Wheels
ホットウィールスの魅力はベーシックこそ!!限られた条件内でのスタイリング良さは流石!そしてカラーばりによる集合の美学がHWの真骨頂なのです!ウルトラホッツ・シリーズ件廉価版によるL88フードを持つキャスティングも存在するので、サメカマだけを集めても相当なボリュームになる!!

1970 Chevy Camaro Z28 RS:Johnny Lightning

1970 Chevy Camaro Z28 RS:Johnny Lightning
実車のマッスルカー人気に連動して、オリジナル志向の小スケールダイキャストの先陣をきったJL。有名なドラッグマシンなども含めバリエーションは豊富。ホイールはストックの他にも社外のCRAGARなどをライセンスでリリース。

Camaro Baldwin Motion Auto World 1/18/Racing Champions 1/64

Camaro Baldwin Motion Auto World 1/18/Racing Champions 1/64
本来は設定のない最大級の454エンジンを搭載するPhase IIIは、Yenkoなどと同じ激レア工場出荷モデル(COPO)。ヤンキー感溢れるストライプも素敵。1/64は造りが良いのにフードがL88出ないのが残念。大小出処は同じアーテル製。

1970 Chevrolet Camaro Z/28 Franklin Mint 1/18

1970 Chevrolet Camaro Z/28 Franklin Mint 1/18
精巧なつくりで定評のフランクリンミント製。メインの1/25に比べるとディテールがスポイルされているものの、リアルなスケール感はお見事。純正ホイールではダントツでクールなZ28ラリーの仕上がりは完璧。オレンジ、ブルー、イエロー、カスタム、の4バリエーションあり。

1971 Chevrolet Camaro Z/28 Collectibles / Matchbox Lesney Edition / Matchbox

1971 Chevrolet Camaro Z/28 Collectibles / Matchbox Lesney Edition / Matchbox
今では網羅できないほど様々なブランドからRSがリリースされてますが、個人的にいちばんのお気に入りなのがマッチボックス。実際よりはずんぐりしているけれど、サメカマらしさに溢れてます!コレクティブルズのラバータイヤ仕様が理想的。

1970 Chevrolet Camaro Mr. Bardahl GREENLIGHT Hobby Exclusive

1970 Chevrolet Camaro Mr. Bardahl GREENLIGHT Hobby Exclusive
オリジナル志向という点など、アプローチはJL と同様ながら、つくりの精巧さや忠実なスケール感で国内でも人気のグリーンライト。往年の有名なドラッグマシーンを再現しているだけに、フードスクープがストックのままなのが残念。

'70 Chevy Camaro G Machine / Hot Wheels

’70 Chevy Camaro G Machine / Hot Wheels
イレギュラーな1/50ほどのスケール感が好みが割れるところですが、タイトルに見合うアプローチによるモダンなスタイルがクール!劇中車でお馴染みのピュアビジョン仕様など、実車のトレンドとシンクロしているのもポイント高い!

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2020年 7月号掲載

現行マスタングをベースに往年のスタイルを再現。右ハンドルのブリットエディション

2019 FORD MUSTANG BULLITT

2019 FORD MUSTANG BULLITT RIGHT HUNDLE PONIES

be high on MUSTANG マスタングが僕らのハートを高ぶらせる!

ブリット公開50周年記念のスペシャル仕様が即納可能!

FORDの正規ディーラーが日本から撤退して久しいが、今なお、FORDの新車が買えるショップがある。中京エリアに3つの店舗を構えるFLCでは、UK仕様のマスタングを独自に輸入。また限定販売されたブリット仕様も在庫中だ!


右ハンドルの国であるイギリスからマスタングを直輸入

右ハンドルのマスタングで、妻と楽しむ最高のクルマ!


フォードの正規ディーラーとして40年以上の歴史を持つFLC。岐阜と三重に合計3店舗を構えるが、長年培ったノウハウを活かし、最新のフォード車の輸入・販売を行なっている。そのラインナップの中でも最大の特徴と言えるのが、現行型マスタングの右ハンドルモデル。一度は日本で正式に販売が決定したが、残念ながらそれはフォードジャパンの撤退によって、白紙撤回になってしまった、ある意味幻のクルマ。もちろん「アメ車なんだから左ハンドルに乗りたい!」と思う本誌の読者は大勢いると思うが、日本で使うことを考えると、右ハンドルの方が断然運転はしやすい。

そんなある意味レアなマスタングをFLCでは取り扱うが、それのさらに上を行く、超絶激レアモデルが今回紹介する右ハンドルのブリットエディションだ。

モチーフとなったのは1968年に劇場公開された「ブリット」に登場するGT390。これを現行型のマスタングに落とし込んだもので、本来は2019年のみの期間限定販売であったが、世界的にあまりにもリクエストが多く、急遽2020年まで生産期間が延長されたもの。FLCでは敢えて右ハンドルにこだわり、ブリットのUK仕様を6台導入。すでに3台がユーザーの手に渡っているが、残り3台のうち1台が即納可能な状態で岐阜店に展示されている。

2019 FORD MUSTANG BULLITT

ベースは5ℓのGTで、6MTのみの設定。ボディカラーはもちろん専用のダークハイランドグリーンで、GT390を彷彿とさせる専用グリルやスプリッター、そしてブリットのロゴがあしらわれる専用アップリケも装備。車内に目を転じるとレカロシートが標準装備されるが、ボディカラーに合わせたグリーンの刺繍やホワイトの専用球体シフトノブなど、ブリットの世界観を見事に再現。

マスタングファンはもちろん、スティーブ・マックイーンファンなら堪らない1台。日本限定6台のうち残るは3台なので、本気で欲しい人は急いだ方が良さそうだ。

2019 FORD MUSTANG BULLITT

2019 FORD MUSTANG BULLITT

2019 FORD MUSTANG BULLITT

2019 FORD MUSTANG BULLITT

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基本的にはV8のGTとなるが、劇中で活躍したGT390を再現すべく、専用グリルを装着。テールゲートにはもちろんBULLITTのロゴがあしらわれたアップリケも装備。マフラーエンドはブラックになっており、意図的に存在感を控えめにする。またサイドウインドーの周囲にはメッキモールがあしらわれ、往時の雰囲気を醸し出している。19インチのホイールはグロスブラック&切削リムの専用品を装着するなど、細部までこだわった1台だ。

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エンジンは5ℓのV8を搭載。さすがに当時のエンジンを搭載することは不可能だが、雰囲気を再現するため意図的にエンジンカバーは非装着となる。また、パフォーマンスパッケージなどに採用されるストラットタワーバーも装着されていない。また、ファンネルタイプのエアクリーナーを採用するが、クリーナーBOXの蓋はなく、剥き出しとなる。

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インパネデザインは基本的にベースのままで、シフトノブを球体に変更。電動式のレカロシートが標準装備で、シートバックのRECAROのロゴは、ボディカラーと同じグリーンとなる。イグニッションをONにすると流れるオープニングCGも、しっかりブリットエディションとなっており、細かな部分まで作り込まれる。助手席側のダッシュボードにはシリアルが入るので、特別感満載だ。


右ハンドル最新マスタングを直輸入しているのは、FLCというディーラーグループ。
幻と言われた右ハンドルマスタングの新車を販売中

FLC co.,ltd. フォード岐阜
住所:岐阜県岐阜市西河渡2-5
TEL:058-254-0330
HP:https://www.f-l-c.jp

フォード松阪
三重県松阪市市場庄町1148-1
0598-56-5220

フォード四日市
三重県四日市市日永4-2-7
059-346-5322

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PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載

マニアックなクルマの祭典として始めたTVWがいまや、一大ブームに昇格!

TVWローカルジャム

2020.09.13
TVW LO-CALJAM Vol.03 静岡県福田漁港

アメリカ的“働くクルマ”がカッコイイ!! ‐COMMERCIAL VEHICLE-

リアルなカッコ良さがワークスタイルの魅力!

初回を上回る開催となった2019年の模様を本誌でも取り上げたが、2020年は直接現地へ向かい取材したTVWローカルジャム。常連ユーザーに話を伺うと、福田漁港の限られた敷地内のため、事前エントリーで審査をパスした車両のみが並ぶのだが、募集を開始した途端にエントリーが殺到。早々に締め切となったが、会場のみならず周辺駐車場にもそれらしいクルマが集うという。まさに会場周辺も含めたローカルジャムといった様子。

スクールバスにポリスカーなどの定番車両から、フードトラック、エアコン洗浄の作業車に撮影機材車両など、本当に仕事の足として愛用するバン・トラック・ワゴンの祭典で、ある意味ギラギラのカスタムカーはアウェイ。乗って走って、使ってナンボ! と言わんばかりの生々しいクルマたちはどれもクールで、オーナーとクルマのライフスタイルに直結しており、そこを楽しめてこそカーカルチャーとしては内容の濃い物になる。

デコレーションして着飾り、眺めるだけのカーショーは若干飽和状態。だからこそ視点を変えたカーショーに注目が集まる。

トラック、バン、ワゴンたちが集うマニアックなイベントがTVW LOCAL JAM

Ford Econoline
アイボリーツートンがクールなSAYA SWEET GARAGE!

ダークグリーン×アイボリーのツートンペイントにロゴをあしらったエコノラインのハイルーフ。プレーンなホイールカバーのカジュアルなボトムスとかき氷の販売と言う絶妙なバランス感がクール!ハイルーフならではの室内空間を生かしたナイスなVAN!

Chevrolet Astro
関西を中心に話題のユーチューバ―「クルマ企画」機材車両

一昔前と違って昨今は動画でイベントやミーティングの想い出を分かち合う時代。クルマに特化した動画制作を行なうクルマ企画が撮影遠征の足として使うアストロ。ルーフキャリアのフォグはすべて照明として機能しており、現在室内に編集室を製作中。

Chevrolet C-1500
TVWの仕掛け人であるYUKI氏の米軍払下げ車両

3年ほど前に手に入れたC/Kシリーズの低グレード“ シャイアン” にルーフラックやムーンディスクを組み合わせたラットな雰囲気が視線を釘付けにするYUKIさんの愛車。ニッチなアメリカ的働くクルマをコンセプトに立ち上げたTVWは2020年も大盛況!

Chevrolet Suburban
マットベージュ×ホワイトでキュートにアレンジ

1956年型のサバーバンはマットベージュ×ホワイトを基調としたクローム部分をホワイトにアレンジ。トレーラーの活用方法が実に斬新で、絶妙な寛ぎ具合も実に印象的。斜めにレイアウトするアンブレラの雰囲気が個人的にすごくツボ!

Chevrolet Suburban
湘南酒造の文字が昭和レトロなパネルバン!

さり気ないチョップトップは確信犯! あまりにナチュラルで年式的にも見比べないとこんなものかとスルーしてしまいそうなギミックもTVW の楽しみ方の一つだ。

Honda Ridgeline
誰もベースにしない様マニアック車両が新鮮!

タンドラやタコマ、アルマダやタイタンといった逆輸入の北米モデルと比べてもマニアックさが格上なリッジラインをベースにマットペイントを施し、ピンストライプやレタリングでアレンジ!

Lincoln Zephyr
半ツヤのマットパープルのボディカラーが映える!

クラシックフォードトラッククラブオブジャパンのレタリングとパンプキンのイラストがセンス際立つ紫色のゼファー。クローム部の美しさと絶妙なロワード具合に半ツヤのマットなボディカラーが映える。ハロウィンにも大活躍な一台!

Chevrolet Suburban
細部まで本物志向なガンメタリックのポリス仕様

浜松からエントリーのサバーバン。実は大阪のナオキモータービルドまで片道3時間以上かけて通い、直前まで妥協なき仕上げに全力を尽くした車両で、細部まで徹底した造り込みが本物のポリスカーさながらの雰囲気を演出する。

Ford F-1 Truck
実車版カーズのメーターの様なラットスタイル!

元色が何だったのかすら判別できないほどの錆び具合がクール。錆びている様に見えて実はまったく朽ちておらず、エンジンをかけて会場を後にする際もコンディション上々。ライトベゼルなどのクローム部分の美しさとのコントラストもそそる。

Chevrolet 3100
絶妙な色褪せ感がリアリティを高める

ボディに対して細めのラジアルタイヤ、スチールホイール、Noスラムドな雰囲気が妙にリアリティ溢れる3100。パネル部分やリアフェンダーの錆びも取り繕わないリアルさがクール!

Plymouth Satellite Wagon
フルサイズステーションワゴン独特のフォルム造型美

ナオキモータービルドの顔としてお馴染みのサテライトワゴン。足やエンジンなど一通り手を加えコンディションはショーカーレベル。個人的には後ろから見たワゴンならではの造形美が好み。

Ford V8 Berline
極艶ボディとウッディなインテリアが粋

グリルからボンネット、ルーフ、テールエンドまで、すべてにおいて極上コンディションを誇るパネルバン。まるで鏡の如くくすみや曇りのないリアバンパーが極上加減を高める。観音開きのリアゲートから中を覗くと、ウッド基調のインテリアに想い出の品であろう写真やナンバーが飾られる。

Chevrolet Apache
スラムド着地の極上エンジンとラットな装いがクール!

会場を回っていて特に目が行くのがエンジン。一般的なショーカーだとボディの輝きやビレットホイールの組み合わせなどに目を奪われるが、T.V.W はラットに見えて実は凄いエンジンを積んでいるクルマが多数。このアパッチも例に漏れず極上コンディションだった。

Chevrolet Express
様々な積載物を固定出来るサイドレールがナイス!

フリーハンドでレタリングやピンストライプを手掛けるMACのエクスプレスは、ラダーのルーフキャリアやリフトアップも去ることながら、室内のラゲッジスペースに注目して欲しい。自転車や大きな荷物も荷崩れしない様に内貼りにレールを設置する事でビジネスからプライベートまで大活躍!

Chevrolet C-1500
ラダータイプのルーフラックはもはや定番アイテム

一昔前はトノカバーを付けてスッキリフォルムが主流だったが、最近は付いていても外して荷台を有効活用する人が続出。その積載能力を最大限活かすラダータイプのルーフラックは、長尺物の積み込みも楽々。白黒ボディで商用っぽくアレンジしたコーデも特筆物だ。

Dodge Ram Van
ハニービーならぬキラービー! 蜂退治が彼の使命!?

カリフォルニアで蜂の巣駆除の依頼が殺到、道路脇にラムバンを止めて殺虫剤を取り出し、完全防備で蜂を撃退。そんなドラマがイメージできるラムバン。角目でスクエアなフェイスがイマドキのラムバンとは異なってワークスタイルに映える!

Chevrolet Astro
本誌の働くクルマ特集でも登場したあのアストロ!

あいのりのラブワゴンみたいな愛らしい雰囲気のアストロは、エアコン出張クリーニングの足。兵庫県全域と時期によっては近隣県まで出張可能。DIY塗装と手書きのレタリングも個性的。

Chevrolet Chevy Van
ロックテイストなインテリアは走る個室BARの様

ウィンドー部分をレンガ柄で覆い、外から見ると窓だけど中は別世界なシェビーバン。ランタンやラック、アメリカンな装飾と赤いカーペットを基調としたロックな雰囲気で車中泊も余裕!

GMC Apache
マニアック顔なスラムドスタイルでバイクを陸送!

まるで深海魚の様な個性あふれる丸目4 灯フェイスのアパッチ。ボンネットのボリューム感に曲線と直線が絶妙に交わる当時の独創的なフォルムはスラムドスタイルが映える! ハーレーの積載も余裕のロングベッドで気分はアメリカ郊外のビンテージバイクビルダー!

Chevrolet C-1500
DIYでログハウス風に仕上げたベッド

8穴のヘビーデューティー使用のレギュラ- キャブベースと思しきベース車両の荷台部分をフルDIY でログハウスの様に仕上げた凄まじい一台。リアゲートはまるで門の様な重厚感で、天井高も規格外。中の雰囲気はまさにログハウス。ホンモノの木で作ったキャンピングカーは会場でも一際注目を集めた。

Chevrolet Suburban
ルーフキャリアに荷物満載な雰囲気がリアリティ溢れる

スヌーピーのイラストが擦れて入ったキュートさとビンテージな雰囲気が魅力のサバーバン。古着やアンティーク雑貨がトラックに満載。フリーマーケットやイベントブース出展の搬入車としては贅沢過ぎるが、イメージ的には本国のソレに近い。

Chevrolet C-10
眠そうで目力のあるファニーな表情に釘づけ!

ナチュラルなエイジングとスラムドスタイル。この雰囲気と最先端のプロジェクターヘッドライトのギャップ、そしてキャルルックなアレンジが凄く表情豊かで好感度大!

Chevrolet Chevy Van
サーフ系のロゴや本国バナーをあしらってフルラッピング

モノトーンカラーで本国のバナーやサーフロゴをランダムにレイアウトした斬新なフルラッピングを施したシェビーバン。パイプバンパーやリフトアップにオフロードタイヤの履きこなしもクール!

Ford Econoline Camper
床や壁のDIY張り替え素材を販売するATUMI TOWN

天然目や経年劣化を表現した木目をリアルに再現したDIY用のフロア材や壁紙を販売するATUMI TOWN。本来の目的は住宅用ではあるがTVWにエントリーする様な車両にとってはクルマにアレンジできそうなものも多く夢が膨らむ。自由自在に曲げて貼れるので曲面の多い車内や荷室、接着剤を駆使すれば天井にも使えそう!


主催★TVW LO-CAL JAM 事務局
https://www.tvw-localjam.com


PHOTO★TVW LO-CAL JAM 事務局
TEXT★石井秋良
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載

アメリカ西海岸の70’sバニングを彷彿させるダッジトレーズマン

1978 DODGE TRADESMAN2001978 DODGE TRADESMAN200 OWNER : SYUJI

Wonderful VAN Life -素晴らしきバン生活-

アメリカ西海岸の70’sバニングを彷彿させるスタイルに迫る!

太いリアタイヤにケツの上がった攻めの姿勢がクールな78年型ダッジバン。当時らしいスタイリングにこだわりつつもDIYで内装をウッド張りにするなど、オリジナルとは異なる仕立で、古き良き時代のバニングスタイルを継承!

70年代ならではの個性的なフェイスに魅せられて...

丸目の愛くるしいフェイスに角格子の3段グリル、個性的なウィンカーレイアウトにアイアンバンパー。フェイスひとつ見ても現在のアメ車とは一線を画す個性的なキャラクターと言える78年型ダッジ・トレーズマン。一見すると後継モデルのラムバンとは別物の様ではあるが、リアゲートの構造やパネルラインなど、DNAはしっかりと後継モデルへと継承されている点も実に味わい深い。

オーナーの秀志さんがこのトレーズマンを手に入れたのは今から5年ほど前。それまではクルマに特別な想い入れもなく、日本車ばかりを数台乗り継いできたが、ラムトラックを偶然街で見かけた時に日本車とは桁違いのデカさに衝撃を受けた。そこからダッジをキーワードに物件情報サイトなどを駆使し、ネットでいろいろ検索して辿り着いたのがディーズクルーのホームページだ。その本国さながらの雰囲気を醸し出すフルサイズバンスタイルは、秀志さんのイメージを大幅に上回るインパクトで一瞬にして恋に落ちたと言う。まさに一目惚れ状態で、居ても立ってもいられず大阪から横浜まですぐさま足を運んだ。

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1978 DODGE TRADESMAN200

そこで出会った現在の愛車。決め手は70年代ならではの丸目フェイスに、4メートル半ほどのショートボディ。デカいけど長くない個性的なフォルムをさらに強調するかのごとくケツ上げ&ディープリムの極太タイヤを履きこなすスタイル、大阪の市街地でも駐車枠からはみ出すことなく、それでいて全幅は2mを超える理想的なサイズ感は特筆物。ほぼ即決で購入に至ったのは言うまでもない。

買ってすぐに着手したのがインテリアカスタムだ。本国のバニング文化をネットでいろいろと調べつつ、ホームセンターで味のあるウッドを探し当てて、オイルステインを塗って年式相応の風合いを出しながらフルDIY。ドアやルーフまでフルウッドにすることで車内はまるでログハウスの様な雰囲気に。備え付けのリアシートはフルリクライニング可能で、倒してくつろげばもはや部屋の域。

40年以上前のモデルであるため暖気運転などキャブ車特有の心遣いは欠かせないが、日本車のミニバンでは得ることのできない操る喜びや乗りこなす感動、そしてエンジンの鼓動をダイレクトに感じとれるサイド出しマフラーの響き。この上ない贅沢とはまさにこの事を言うのではないだろうか。

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80年代以降は角目が主流となり、丸目フェイスは70年代の特権。存在感のハンパないフォルムにワンオフサイド出しマフラーの攻撃的なフォルムながら、愛嬌ある顔とオレンジのボディカラーが絶妙に中和させてくれる。ホイールはクレーガーで、リアのタイヤサイズは285/70R15の極太タイヤ。ディープリムにケツ上げは相性抜群。

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エンジンレイアウトの関係で運転席と助手席の間に大きなスペースを有するダッジバンのコックピット。それでも狭いどころか広々と感じさせてくれるサイズ感もまた魅力のひとつ。ウッドステアリングもウッディーなインテリアにマッチ!

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リアフェンダー部分を絶妙にかわして室内幅いっぱいまで広く使えるベンチシートは、フルリクライニング時に大人が横になって寝るのに十分なサイズを確保する。フロントシートとの距離が広く、小窓とリアゲート以外はウッドに囲まれているので車中泊も快適。勢いよく開き過ぎる観音ドアは、対策として自作のストッパーをチェーンを製作して備え付けるなど、細部までアイデアの詰まったDIYインテリアは特筆物だ。


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載

フォードはマスタングだけじゃない!様々なモデルを豊富にラインナップ中

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FORD GLOBAL SUB DEALER

be high on MUSTANG マスタングが僕らのハートを高ぶらせる!

GM系のイメージが強いウイングオートだが、フォードのグローバルサブディーラーとしての顔も持つ。もちろんメンテナンスだけでなく、車両の販売も実施中。SUVからコンパクトまで、自分にベストなクルマがチョイス可能だ。

マスタングはもちろんだがSUVもコンパクトも在庫

フォードのクルマが欲しいけど、車検やメンテナンスといったアフターサービスが心配…と思う人はいるだろう。中古車の場合はとくにコンディションや装備、色が価格に反映されるが、安心して乗りたいならやはり信頼できるノウハウを持ったお店選びが重要なポイントと言えるだろう。

もちろん30年以上の歴史を誇るウイングオートならそんな心配は無用。ウイングオートってGM系じゃないの?と思う人は多いだろうが、フォードのグローバルサブディーラーも取得しているので、バックアップ体制も万全だ。ちなみに本誌では、これまで幾度となくマスタングを紹介してきているが、ウイングオートにはマスタング以外のフォード車ももちろん在庫中。SUVの代名詞といえるエクスプローラーや、コンパクトカーでありながら俊敏な走りを楽しめるフィエスタ。そしてマッスルカーの王道・マスタングと、目的や好みに合わせたクルマ選びが可能だ。

ウイングオートの在庫車は、ノーマルはもちろんのこと、オリジナルのカスタムを施した車両もある。ちなみにこのマスタングはウイングオートのデモカーで、既に様々なカスタムを実施済み。最初からカッコ良いスタイルで乗れるし、イチからカスタムするよりもリーズナブルだ。もちろんノーマルをベースに様々なアレンジが可能で、自分の思い通りのスタイルに仕上げることも可能。そうは言ってもベース車両がなければ始まらないので、まずはウイングオートへクルマを探しに行ってみよう。

2017 FORD MUSTANG EcoBoost PREMIUM FASTBACK

2017 FORD MUSTANG EcoBoost PREMIUM FASTBACK

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エコブーストの6速マニュアルというレアなモデルがベース。グレードはプレミアムなので、充実した装備も魅力。各部にRKスポーツのエアロパーツを装着。マフラーはBSMAの左右4本出しで、スポーティさをさらに強調する。スロットルコントローラーのスプリントブースターも装着済みで、アクセルにリニアに反応する走りが楽しめる仕様だ。

2015 FORD FIESTA 1.0 EcoBoost

2015 FORD FIESTA 1.0 EcoBoost

2015 FORD FIESTA 1.0 EcoBoost

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リッターカーでありながら、直噴ターボと軽量ボディでキビキビした走りが楽しめるフィエスタ。H&Rのサスペンションで車高をダウンし、WORKのEMOTION T7Rとセンターストライプの色をマッチさせることで、精悍さだけでなく統一感も演出。バランスの良い、経済性にも優れた1台で、セカンドカーにオススメ!

2016 FORD EXPLORER TITANIUM

2016 FORD EXPLORER TITANIUM

2016 FORD EXPLORER TITANIUM

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ウイングオートでは現在、最上級グレードのタイタニアムを在庫中。3.5ℓ+ツインターボのエコブーストエンジンは、圧倒的なパワーとトルクを誇り、装備はもちろん走りもフラッグシップに相応しい。ちなみにこの車両にはオプションの純正ナビも装備。このほかにボディカラーがブラックのタイタニウムも絶賛販売中だ。


映画50周年を記念して誕生した、いま手に入る伝説のマスタング“ブリット”

マスタングをよりスタイリッシュに昇華させる。RKスポーツ・ボディキット

その名を歴史に刻んだBOSS302専用チューニングが施されて復活!!フォードマスタングBOSS302【シボレー名岐】

試乗車で体験してほしい、アメ車は「意外と乗りやすい」


Thanks:WINGAUTO(シボレー名岐)
TEL:052-409-5434
HP:http://www.wingauto.co.jp


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載

世界水準のスーパースポーツでありながら、居住性や乗り心地をも両立したC5コルベット

1999 Chevrolet Corvette Coupe

1999 Chevrolet Corvette Coupe

THE 90’s STRIKES BACK ナインティーズの逆襲

一体成型シャシーによる高剛性化、トランスアクスルの採用によって、ほぼ50:50という理想的重量配分を確保。スーパースポーツとしての世界水準を満たしながらも、GTカーとして居住性や乗り心地を両立するフレンドリーさも魅力のC5。リトラクタブルヘッドライトが採用された最期の市販モデルというのも大きなポイントだ!

歴代コルベットの中でも高性能を誇るフィフスジェネレーション

直線基調のC4に対して、曲線的でグラマラスなフォルムとなり、よりコルベットらしいイメージとなったC5。それでいて空気抵抗値が格段に向上。高剛性の一体成型シャシーを導入し、ショートホイールベース化、ワイドトレッド化、トランスアクスル採用による理想的な重量配分を確保。アクティブハンドリング、電動パワーステアリングも装備し、旋回性能、操作性、安定性が高次元で構築。世界水準の総合的運動性能を誇るスーパースポーツとして仕上がっている。

デビュー以来の革新的な再設計が成され、最高速度では時速176マイル(283km/h)に到達。エンジンも新設計のアルミ製LS1(ジェネレーションⅢ ) を搭載。各シリンダーに個別のコイルを持つ点火システムによってパワーアップと燃費向上を両立する。制度と強度も向上しているため、パワーアダーなどによってモディファイしても、1000hpレンジで対応可能。スーパースポーツとして世界水準をクリアしながらも、同等のヨーロッパ製スポーツなどよりもローバジェットなうえ、歴代コルベットの中でも、居住性や扱いやすさでも最も優れている。

C4ではドアに沿ったサイドシルの張り出しがあるため、乗り降りに気を使ったが、ニューシャシーによるC5ではほぼ気にならない。この個体は、現在においてC5の魅力を味わうべく、バラスの良いアップグレードが施されている。C6のサスペンションの導入や、ワイドリムの装着に伴って、ワイドフレアーのボディキットを導入。それでいてさりげないフィニッシュには、モダンアメリカンに明るいショップ、PCH代表であるオーナーなならではの高いセンスとスキルを感じる。

1999 Chevrolet Corvette Coupe

この個体はワイドリムの装着に合わせて、社外のワイドボディキットを投入。フレーアー部分はストック以上に張り出すも、自然な仕上がりなのが◎。テールから僅かに張り出すリップスポイラーがC5のスタイリング美しさを強調している。

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シートはポテンシャルの向上に見合うよりホールド性の高いデザイン。全体のレイアウトではパッセンジャーにフレンドリーとなっている。ラゲッジスペースも十分なボリューム。サイドシルの張り出しがなくなったことで、乗り降りがかなりスムーズになった。

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エンジンはC5で導入されたアルムブロック&ピストンのLS1。エンジン自他はストックを保持し、エアインテークをキャラウェイ製でアップグレード。トランスミッションは4L60E(4速AT)。エギゾーストはコルサパフォーマンス製でアレンジ。

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ホイールは、性能、品質ありきでスーパースポーツ系での需要が多いFIKSE 社の鍛造品。タイヤはDUNROP SP Sport(フロント:275/35R18、リヤ:305/30ZR19)をチョイス。サスペンションはC6のZ06用でアップグレード済み。


Special Thanks ◆ PACIFIC COAST HWY
Tel:048-422-4399
URL:www.pacific-coast.jp/


Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #5「ビバ映画オタク」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#05「ビバ映画オタク」

2000年前後のアメリカ映画を語るに欠かせない1人がクエンティン・タランティーノです。その独特な作風からか、当時の日本でも「タランティーノ」はJ‐POPの歌詞にも使われる程のトレンドワードと化していました。そんなタランティーノがロバート・ロドリゲスと共に製作したのが「デス・プルーフ in グラインドハウス」です。

グラインドハウスとは、アメリカでB級映画を2~3本立てで上映する映画館のこと。「大作が良くてB級はダメ」とは言えないのが映画の面白いところで、そんなB級映画へのオマージュとして製作されたのが「デス・プルーフ」でした。

映画は、前半のオースティン編と後半のレバノン( テネシー州) 編に分かれますが、通しての重要キャラはスタントマン・マイク。彼が駆る70年型シボレー・ノバは、スタントマンを生業とする彼に相応しく、室内にロールケージを張り巡らせた「デス・プルーフ( 耐死仕様)」。最終的には彼がターゲットとしていた3人+1人の女の子達は悲惨な最期を迎えます。そして劇中では14か月後とされている後半レバノン編で軸となるのは、タレントやスタントウーマンなど映像関係の女の子たち。ニュージーランドから遊びに来たゾーイ( キルビルでユマ・サーマンのボディWを演じていたスタントウーマンが本人役で出演) が「70年型ダッジ・チャレンジャーでシップマスト( ベルトを使ったカースタント) がしたい」と言い出すところから物語は動き始めます。オースティン編と同じく彼女らをストーキングしていたマイクが、オースティン編で大破したノバの代わりに駆るのは69年型ダッジ・チャージャー。やがてチャレンジャーとチャージャーのバトルとなり…でオースティン編とは一味違った結末になります。

B級上等を明言して製作された映画ですからストーリーは二の次で、外連味たっぷりな映像を楽しめれば良いわけですが、そこは映画オタクを自認するタランティーノ。様々な作品のオマージュもたっぷり詰まってます。例えば…ノバのカーナンバーがブリットのマスタングのそれだとか、ゾーイがチャレンジャーにこだわるのはバニシングポイントのモデルだからだとか( おかげでシップマストに必須のウインドサッシがないチャレンジャーに撮影用としてわざわざサッシを取り付けています)、その車両のナンバーがダーティメリー・クレイジーラリーのチャージャーのそれだとか。トリビア的にいうと、オースティン編で検死のために病院を訪れた保安官親子はキルビルや、タランティーノが脚本を担当したフロムダスク・ティルドーンにも登場します。

こういったネタのちりばめが映画ファンを楽しませるのは万国共通。実は次作の「スタートレック」で監督引退とされていますが…はたして!?

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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2020年 7月号掲載

3台のアメ車×1台のハーレー男のロマンを実現したガレージハウスに迫る

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これが俺たちのAmerican Life
アメ車と一緒に素敵なアメリカンライフ
1957 Chevrolet Bel Air Wagon
1960 Ford F-100

「ヴィンテージ好きに再燃」が新たなガレージハウスの建築を決意!

大切なアメ車のほかに、夢や憧れを実現のものにした男のロマンも詰まっているのがガレージ。3台のアメ車を所有する安田昌章さんのアメリカンライフをお届けする。

人とクルマの良い出会いが今のガレージライフへと導く

大好きなアメ車を3台所有し、そしてそれらを収納する、アメリカンな雰囲気に包まれたガレージハウスの竣工。この男のロマンを実現したのが、岐阜県にお住まいの安田昌章さんだ。アメ車の魅力に取り憑かれて40年以上、数多くのクルマを乗り継いできた安田さん。その中からアメ車のみの車歴を抜粋して紹介する。

まずは67年型のマスタング・コンバーチブルからスタートし、逆輸入のDATSUN、68年型のSR311へと乗り継ぐ。この2台で多くのトラブルを経験したことから、以降しばらく高年式のアメ車を乗り継ぐことになる。そこからの付き合いとなっているのが、愛知県のウィングオートだ。

2001年型のアストロベースのスタークラフト・コンバージョン、これが高年式のアメ車を愛車にする皮切りとなった。次いで2007年型のマスタング・エレノア。さらにこれと入れ替えで2008年型のシェルビーGT500へと変更する。高年式のスポーツモデルに乗っていたこの頃は、ウイングDAYなどのイベントや走行会などにも積極的に参加するようになり、実は本誌にも度々登場を果たしている。

シェルビーGT500でのイベント参加、ここで受けた刺激は、安田さんが抱いていたヴィンテージ熱を再燃させることへと繋がる。そして偶然に発見したのが、某オークションサイトで見たフォード・F‐100。実はこれ、愛知県のショップが出品した車両で、実車を確認後に購入を決めた。60年型という古いF‐100であるがゆえ、購入後はデスビの粉砕など、かつてと同じようにトラブルも経験するのだが、安田さんのヴィンテージモデル熱は、ここからさらに加速する。何しろ20歳の頃からの憧れのクルマだというシボレーのベルエア、その上物と出会ってしまったのだ。これを紹介してくれたのは、ハーレーダビッドソンの面倒を見てもらっているバイク屋さん。ベルエアを所有しているハーレー乗りがいるということから、売却への話へと繋がっていったのだ。実車を見に行った安田さんは、キレイな内外装をキープしている57年型のベルエアワゴンを目の当たりにする。しかも、エンジン&ミッションは新品へと換装されており、かつ足回りの整備も万全という上物!この購入を決意した安田さんは、シェルビーGT500を手放し、個人売買にてベルエアワゴン手に入れたのだ。2台のヴィンテージモデルを手にした後、奥様用にと購入したのが、実用性も強く意識した2008年型のクライスラー・300Cツーリングだった。

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これらの3台が旧安田家に揃ったことがきっかけとなり、よりアメリカンな雰囲気が楽しめる、新たな家の建設を安田さんは決意する。それこそが、2019年完成した現在のガレージハウスだ。ベルエアワゴンとF-100の2台が収まるガレージは、ウッディな壁、アメリカンブランドのサインボード、PEPSIのクールボックスなど、ヴィンテージ雑貨も溢れる場所だ。敷地内のもうひとつのガレージは、63年型のハーレーを置き、かつアメリカン雑貨も並ぶ。40年以上もぶれることなくアメ車にこだわり続け、そしてガレージライフという趣味の世界を満喫している安田さん。その夢を実現した背景には、電気設備業の経営者として、日々頑張り続けて来た結果も示されているのだ。

合板の壁や床に使った板材がレトロアメリカンを醸し出す

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南面に位置するガレージには、ベルエアとF-100の2台を収納。電動シャッター、右側からのアクセスも可能にしたスライドドアなど、利便性も考慮された設計。内装の壁はOSBボードという構造合板を剥き出しで使用している。そのボードにはアメリカブランドのサインボードが備わり、それらが点灯するように仕込んだのは、電気設備系の仕事を営む安田さん自身によるもの。西側のガレージは白い壁とフロアで統一され、友人からもらったという、ドラム缶がToyケースとなるベルエアのミニチュアモデルなどが置かれている。また、万全のセキュリティ体制を整えていることも特長だ。

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シャッター付きガレージのほかに、2台は駐車可能なオープンスペースを確保。西側のガレージの入り口付近のフロアにはウッドボードを埋め込み、レトロ感を演出。これは安田さん自身のアイデアで施工されたもの。取材時は安田さんと同じ「BigBeat」というアメ車のクラブ仲間である澤田直樹さんが、愛車のマスタングで遊びに来ていた。

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安田邸からクルマで約5分という近所に住んでいるのが娘のAYAさん。シボレー・HHRに乗るアメ車乗りで、かつ安田邸と似た雰囲気のガレージを持つ。AYAさんのガレージは、現在の安田邸が竣工される以前に建てられたもので、その設計には父親のアイデアも生かされているとのこと。OSBボードの剥き出しの壁などのアイデアがそれ。取材時は、AYAさんのママ友とその子供たちが遊びに来ていたので、ガレージで記念撮影を実施。アメ車好きとガレージ好きのDNAは両親から受け継いでいます!

1957 Chevrolet Bel Air Wagon

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安田さんが二十歳の頃から憧れていたクルマがシボレー・ベルエア。相場が上昇し続けていることから、その購入はほぼ諦めていたが、ハーレーの面倒を見てもらっているバイク屋さ
んの紹介で、同じハーレー乗りからの購入となったのが57年型のベルエアワゴン。エンジン&ミッションは新品へと換装済みで、かつ足回りもきっちり整備済み。内装もキレイな状態で、ボディの一部分のみ仕上げ前という上物を手に入れた。以来、ウイングオートが主催するWing Dayなど、イベントへの参加はこのベルエアワゴンで行くことが多いとのこと。

1960 Ford F-100

1960 Ford F-100

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某ネットオークションサイトでたまたま見つけたというのが、60年型のフォード・F-100。出品社が愛知県の有名ショップだったことから、実物を見た上で購入を決意。このF-100、前オーナーはアメリカ人で、DIYでカスタムしていた車両をショップが購入し日本へ輸入したもの。サフェイサー仕上げのバンパーやエイジング風ペイントなど、ラット塗装にも似た古さを醸し出している外観は前オーナーによるもの。購入後は、機関部をメインに安田さんが修理を実施。ホイールの取り付けボルト穴が楕円状に摩耗していたなどのトラブルも経験済みだ。

2008 Chrysler 300C Touring

2008 Chrysler 300C Touring

ミニ・クーパーSからの乗り替えとなったのが、奥様の英子さんが乗るクライスラー・300Cツーリング。流通量の少ない300Cツーリングだが、ウイングオートで探してもらい約6年前に購入したクルマだ。57年型のベルエアワゴン、60年型のF-100、2008年型の300Cツーリング、この3台に加え、70年代のマスッルカーか最新のコルベットの増車を検討中とのこと。

1963 HARLEY DAVIDSON FL1200

1963 HARLEY DAVIDSON FL1200

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4輪のみならず、ハーレーダビッドソンも古いモデルが好きという安田さん。1963年型のFL1200をベースに、エイジングペイントを施すなどのカスタムを実施。またミッションはロータリー式かつハンドシフトへと変更されている。このハーレーの面倒を見てもらっているバイク屋さんの紹介で手に入れたのが、57年型のベルエアワゴン。ハーレーや古いアメ車など、共通の趣味を持つ人だからこそ、スムーズな取引きができたそうだ。


Thanks:WINGAUTO(シボレー名岐)
TEL:052-409-5434
HP:http://www.wingauto.co.jp


Photo:清野央
Text:マーク清原
アメ車マガジン 2020年 5月号掲載

ミッドサイズピックアップトラックのフォードレンジャーをウイングオート流にメイク

2019 FORD RANGER RK SPORT

2019 FORD RANGER
RK SPORT CARBON & FIBERGLASS BODYKIT

やっぱい乗るなら4WD・SUVでしょ!? Enjoi 4wd&SUV LIFE

GMシボレーの正規ディーラー、シボレー名岐のみならず、フォードのグローバルサブディーラーを運営するウイングオートは、正規販売店というプロフィールを持ちながら、カスタムなどで独自の展開している。今回はミッドサイズトラックのレンジャーをベースに新たな提案を仕掛けるという。

一歩先行く仕掛けを施す、ウイングオートの戦略

輸入車の総合ディーラーであり、GMの正規ディーラー「シボレー名岐」であり、フォードのグローバルサブディーラーでもあるウイングオートは、魅力的なアメ車を数多く日本全国に配信し続けてきた老舗ショップ。

そんなウイングオートは海外カスタムブランドとも積極的にコラボレートして、ヘネシーパフォーマンス、D3、HREホイールなどを取り扱ってきたが、それに続く新たなブランドとして「RKスポーツ」も取り扱っている。RKスポーツは20年の歴史を持つアメリカのエアロパーツメーカーで、1990年代後半の4thカマロが全盛を極めていた時には、同メーカーのボディキットでメイクしたモデルを数多く紹介したほどである。ここ最近では、C7コルベットや6thカマロに新車状態でRKスポーツのボディキットを纏わせモデルも製作して販売するなど、正規販売店というプロフィールを持ちながらも、カスタムなどで独自のアプローチを展開するウイングオートらしさが垣間見れた。

2019 FORD RANGER RK SPORT

2019 FORD RANGER RK SPORT

さて今回はというと、フォードのグローバルサブディーラーということでマスタングを積極的に推し進めてきたが、新たなアプローチを仕掛けるべく導入したのが、ミッドサイズトラックのレンジャー。もちろんストックのままでも販売していくが、そこからさらに一歩進んだ味付けを施すのがウイングオート流。RKスポーツはスポーツモデル専門というわけではなく、トラックやSUV向けのパーツもリリースしており、2019年モデルで復活を遂げたレンジャー用もラインナップ。

現段階で鋭意製作中ということで、今回は完成披露とはならなかったが、メーカーの広報写真でイメージを膨らませてもらいたい。

RK SPORT CARBON & FIBERGLASS BODYKIT

RAM AIR HOOD

FENDER FLARES


WINGAUTO
TEL:052-409-5434
URL:http://www.wingauto.co.jp


TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

コルベットラバーズジャパンミーティング主催者が12年間愛用するC5コルベット

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1998 CHEVROLET CORVETTE COUPE
OWNER:1or8 NON

CORVETTE CHRONICLE

滋賀県某所で毎年行なわれる1or8ミーティング発起人にして、昨今ではコルベットオーナーたちだけで集うCORVETTE LOVERS JAPAN MEETINGも主催する1or8代表ノンさん。彼のアイコンといえばパープルフレイムスの入ったワイドフォルムのC5!12年間愛用し続けるC5に募るコルベット愛、そしてミーティングにかける情熱に迫る!

C5の新聞記事を見てコルベット愛が再び覚醒!

本誌でも毎年取材に訪れている滋賀県の大規模アメ車ミーティング「1or8プレゼンツ・アメリカンカスタムライドミーティング」を主催する1or8代表ノンさん。2020年の4月に7回目を予定していたが、昨今の事情を踏まえてやむなく中止。だが、回を追う毎に台数は軒並み増え続けており、今や関西圏の名物イベントとして定着している。また、コルベットオーナーだけで集うコルベットラバーズジャパンミーティングの発起人でもあり、ツーリングやミーティングに意欲を燃やし、アメ車シーンの活性化に大きく貢献する姿勢に賛同するファンも多い。

そんな彼の愛車はパープルフレイムスのC5。18歳で免許を取得してすぐに取り消しとなったものの、取り消し期間中にもかかわらず20歳の記念に79年型C3を購入。その後、81年型のC3へとステップアップした時にアメリカンカスタムに目覚め、ピンクのフレアラインを入れてサイド出しマフラーからV8のエギゾーストサウンドを奏でて20代の青春を謳歌。その後、時代の流れで色んな車種を乗り継ぎ、コルベットからしばらく離れた期間もあったが、訳あって社会から隔離されていた時に「コルベットがフルモデルチェンジ、C5デビュー」の記事を新聞で見て「いつかまた必ずコルベットに乗ってやる!!」と固く決意。社会復帰を果たしてすぐに現在の98年型コルベットを購入して現在まで12年間、その想いは色褪せるどころか高まるばかりである。

1998 CHEVROLET CORVETTE COUPE

1998 CHEVROLET CORVETTE COUPE

新車から既に20年以上が経過しているため、各部オーバーホールを済ませるとともにアレックス大容量ラジエーターを追加。ここ最近は20代の頃に所有していたC3を彷彿させるパープルフレイムスのカスタムペイント施工や、撮影直前にギリギリ間に合ったデュラフレックス製リアスポイラーの追加など、カスタム熱もまだまだ冷め止まない様子。C7どころかC8までデビューした昨今ではあるが、「コルベットはリトラじゃないと!」とこだわるだけに、もし何かの事情でこのクルマと別れることがあっても、次も必ずC5を選択することだろう。

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WORKグノーシスのフロント19× 8.5J、リア20×12J ホイールに同色ペイントを施す

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コルベットギャング製スムージングバンパーとサイドスカート、リアオーバーフェンダーキット、さらには最近追加したばかりのリアスポイラーでフォルム造型美を際立たせたC5。パープルのフレイムスに合わせてWORKグノーシスのフロント19×8.5J、リア20×12J ホイールに同色ペイントを施す。ワンオフチタンの中間パイプで極上サウンドを奏でるショットガンマフラーもインパクト抜群!

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上の写真は20代の頃に愛用していた81年型コルベット。ホワイトボディのピンクフレイムスがどことなく現在の愛車C5とリンクしている。C5のインテリアはフレイムスカラーに合わせて各部にパープルの刺し色を取り入れて仕上げている。


取材協力:ホテル&リゾーツ長浜
HP:https://www.daiwaresort.jp/nagahama


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載