ピックアップトラックのカプリス? その名も“ カプリーノ”

1992 CHEVROLET CAPRICE

1992 CHEVROLET CAPRICE

セダン型ピックアップトラックといえばエルカミーノの特権だ。しかし、フルサイズセダンのシボレー・カプリスにもピックアップトラックが存在した。その名も「カプリーノ」。正確にはコーチビルダー製作のモデルだが、恐らく日本で現存する唯一のモデルがガレージジョーカーで販売中だ。

90年代当時は見られたが今ではこの一台のみ?

販売する車両が、とにかく個性的な千葉県のガレージジョーカー。普通のカーショップが売っていそうな車両は置かず、新設した展示場はバリエーションに富んだ車両がズラリと並ぶ。

1992 CHEVROLET CAPRICE

その中で、思わず二度見してしまうモデルが、正面から見ると第4世代のシボレー・カプリスにも関わらず、ピックアップトラックになっているモデルだ。セダン型ピックアップトラックといえば、エルカミーノの特権構造なはずだが、カプリスにもそんなタイプがあったのか。知らなかった…。

1992 CHEVROLET CAPRICE

それもそのはず、このカプリスは、コーチビルダーと呼ばれる架装業者がピックアップトラックへ架装したモデル。その名前も、エルカミーノをオマージュして「カプリーノ」と呼ぶらしい。実は90年代にアメリカで多く製作され、その姿は当時の日本でも時折見られたようだ。が、2021年となった現在、日本でこのカプリーノを見ることは皆無に等しい。

そんな希少なカプリーノを、ボディリメイクしてリフレッシュし、ゴム類も新品交換、ベッドライナーもリペイント。90年代を存分に意識してホイールはボイド17インチに変更しローダウン。ステアリングもレカラだ。リアテールレンズはコルベットタイプを採用し、社外エアロバンパー、マフラーも交換されている。インテリアはホワイトを基調に仕上げられ、トラックらしさを感じさせないモダンな雰囲気。

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1992 CHEVROLET CAPRICE

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アメリカのコーチビルダーが、ドア後方からエルカミーノ風のピックアップトラック仕様へ架装しカプリーノと呼ばれるカプリス。トノカバーは撮影のために取り外しているが、本来はヒンジで固定されている。ベッドライナーはリペイント済み。リアテールレンズがコルベットタイプなのも特徴的で、ボディサイドデザインもエルカミーノとは大きく違う部分だ。ホイールは90年代を意識してボイドの17インチを装着。

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インテリアはホワイトを基調に張り替えやペイントがされている。レカラステアリングに交換され、フロントシート後方にはウーハーなどのオーディオシステムが配置されている。


Garage Joker【ガレージジョーカー】

TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/

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写真&文/相馬一丈

アメ車マガジン 2022年 2月号掲載

鍛造オーダーホイールブランドの「ハイフォージド」は、プレーンな状態から自在に、デザインできる

HIGH FORGED、ハマーH2

HIGH FORGED

THE BOTTOMS

オーダーメイドの個性は既製品の比じゃない!

「このブランドのこのデザインが良い!」と決まっているならいいけれど、求めるリムデザインがない場合や、とことん出面を攻めたい方にとっては既製品から選択するのは難しい。となれば選択肢は一択!オーダーメイドだ!

プレーンな状態から自在に、デザインできる喜び!

〝目は口ほどに物を言う〟といったことわざがあるが、カーカスタムにおいては〝足もとは口ほどに物を言う〟が正論ではないかと感じる。例えば女性のピンヒールや厚底のロングブーツの様に足長効果のある靴一つとっても、そのカタチや素材、または履く人のプロポーションで全く異なる様に、40インチ履きのリフテッドスタイルにおいても大口径ディープリムを合わせるか、それとも17インチでボリューミーなタイヤを合わせるか、そして装着する車両の方向性によっても大きく印象が変わる。

極端ではあるがスニーカーに靴紐で差し色を加えるだけでも、その日コーディネートしたカラーコーデをマッチングする大きなポイントにだって成り得るし、ハードボイルドなワークブーツもソールを張り替えるだけでまるで別物の様な存在感を放つ。これらに共通するのがアレンジだ。ホイールで例えるならメーカーのサイズラインナップにない物を特注でオーダーしたり、既製品で存在しないカラーへホイールペイントを施したり、リムの塗り分けも然り。こうした遊び心と自由度を最大限カタチにすべく誕生したのが鹿児島の覇王ホイールが立ち上げた鍛造オーダーホイールブランドの「ハイフォージド」だ。

HIGH FORGEDHIGH FORGED

例えばジミーの様にオールドスクールに合わせてサイズ感大き目でデザインしたものや、流行りのデザインに一捻り、二捻り加えた大口径。そしてオフローダー向けに新たにラインナップされた17インチビードロックなど、イメージするホイールを可能な限りカタチにしてくれる完全オーダーフォージドホイールブランドとして登場以来、穴の大きさからスポークの長さや太さまでシビアにこだわるユーザーたちを虜にする。

軽量かつ強靭な鍛造ホイールで狙い通りのリムデザイン、しかもインセットでオーダーできて、さらにそれが市販化されていないオンリーワンとなれば満足度も上々。無口なカスタムカーだからこそ、ホイール&タイヤの履きこなしで、コンセプトをしっかりギャラリーに語らせてみてはいかがだろう。

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鍛造の質感を敢えてリムデザインの縁のみでアピールしつつ、差し色やボディ同色でコーディネートする手法も、色彩感覚に優れた覇王ホイールならではの成せる高度なテクニック。例えばリフトアップキットの色合いとあわせてみたり、ボディカラーだけじゃなく様々なカラーコーディネートで鍛造ホイールをアレンジする事だって可能だ。

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PCDの特殊なH3はアフターホイールの選択肢が少ない。またヴィンテージ系に鍛造ホイールを合わせる場合は、それ相応のデザインじゃないとミスマッチ。こうしたレアなベース車両に対して的確なアプローチが可能な点もオーダーホイールの魅力。

HIGH FORGED、タンドラ

HIGH FORGEDHIGH FORGED

タンドラが装着していたのが、同ブランド新作の17インチビードロックホイール。覇王ホイールならタイヤ装着にビードロックの組み付け、バランスまで全てを自社で作業して全国各地へ発送可能!


HAOU WHEELS【覇王ホイール】

TEL:0995-73-8684
URL:http://www.haouwheels.com


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年5月号掲載

足回りやホイールに加え、テーラーメイドというサービスをウイングオートが開始した。

CHEVROLET CORVETTE C8 Finish to the Original Style

CHEVROLET CORVETTE C8
Finish to the Original Style

GM CARNIVAL-やっぱりGM系がいい-

世界に1台の自分仕様を純正同等の品質で製作!

デビュー直後のクルマなら、所有しているだけで満足。だが、次第に見かけるようになると、自分だけの個性を出したくなる。足回りやホイールに加え、テーラーメイドというサービスをウイングオートが開始した。

愛車の細部を好みのカラーへとアレンジが可能

コルベット初のミッドシップや右ハンドルなど、今までとは異なるユーザー層を取り込もうとしている野心的なC8。そのままでも非常にスタイリッシュだが、ウイングオートが早くもカスタマイズメニューの提案を開始した。

自分好みの仕様にアレンジするのは楽しいが、だからと言って見た目だけで闇雲にチョイスするのは頂けない。一口に鍛造ホイールと言っても、その素材まで吟味しているものは少ない。例えば美味しい料理を作るには、何はなくとも素材が重要だ。その点、ウイングオートが自信を持ってオススメするROHANAのRFX15なら、潜在能力をフルに引き出すことが可能。軽さと強度はもちろんだが、アメリカで調達された素材を使用するので、安心感もアップ。

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リアタイヤはノーマルサイズのままだが、フロントは20インチへと変更。またPARAGON社のスプリングを装着することで、より低いスタイルを実現。もちろんスタイルだけではなく、乗り心地も考慮した〝乗り味〟を実現しているのはいうまでもないだろう。

ほかにも紳士服の世界でよく言われるテーラーメイドというメニューも開始。一人一人の体格に合った服を仕立ててもらうように、愛車の細部を好みのカラーにアレンジが可能。ペイント可能な箇所はフロントリップ/ブレーキキャリパー/アルミホイール/サイドシル/リアウイングで、グレードによってカラーが決まっているが、これを純正色や好みの色に。ブレーキキャリパーは塗装するとロゴがなくなってしまうが、純正と同じロゴのステッカーを製作。まさに、新車クオリティで仕上げて貰えるのが嬉しい。ちなみに理想的なのは新車購入時だが、車検などの際にリフレッシュを兼ねて施工することも可能。世界に1台の仕様が実現できる。

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スプリングとホイールの交換で、エレガンスさとスポーティ性がさらにアップ。長年アメ車に携わってきたウイングオートだから、個々のカスタマイズパーツを吟味できる眼力があると言える。パーツのチョイス1つで、そのクルマの魅力を引き出すことができるという訳だ。

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一口に赤と言っても膨大なバリエーションがあるので、色見本を使用して入念に色を決める。ペイントする際は可能な限り部品を外しペイント。ちなみにホイールエンブレムはマスキングでなく、ここまで分解して個別にペイントを施す。新車同然のクオリティと述べているが、決して誇張しているいる訳ではないのだ。


WINGAUTO【ウイングオート】

TEL:052-409-5434
https://www.wingauto.co.jp/


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2022年7月号掲載

2021年6月25日、2年ぶりに開催された82カップに30台のアメ車が集結!

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82 CUP

マッスルカーなら一度はやりたい全開走行、それサーキットなら問題なくできちゃうよ♪

サーキット走行と聞くと敷居が高く、誰もが躊躇してしまいがち。そんなイメージを払拭し「楽しくサーキットを走ろう」というテーマで始まった82(ハニー)カップも気付けば11回目。真夏の恒例イベントが2年ぶりに開催され、美浜サーキットにアメ車のサウンドが響き渡った!!

2年ぶりの82カップに30台のアメ車が集結!

愛知のハニー君こと岡本さんが「サーキット走行を手軽に始めたい」という気持ちで始まったこのイベント。82カップと聞くとレースのようなイメージがあるが、いわゆる走行会で、みんなで楽しく走るのが何よりのモットーだ。

2019年の開催から2年ぶりとなり、今回は56台が参加。そのうちアメ車は30台エントリーし、ナンバープレートを見ると中京エリアを中心に、東は関東、北は富山と幅広いエリアから「アメ車で走りたい!」というオーナーが多数集結していた。

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本誌でお馴染みの「クルマは走ってナンボ」を提唱する東海カーズは、代表の細井さんを筆頭にお客さんと一緒に参加。普通は1人1台か、あっても1台のクルマを2人で乗るダブルエントリーが一般的。だがとにかく走りたい細井さんは、1人で4台の車両を持ち込み、4つのクラスにエントリー。さながら「道場破りというかイベントクラッシャー」な様相を呈していたが、あのサビサビの68年型カマロがピカピカにレストアされたアメ車たちをゴボウ抜きする様子はある意味痛快!

ちなみにエアコンはOFFにして走るので、15分の走行枠は短かく思えて、実はドライバーにとってはかなり過酷。1本走ると脱水直前の状態となるが、インターバルがほとんどないまま4本合計60分走る細井さん、紛れもなく「クルマ馬鹿(最大限の褒め言葉です!)」と再認識した。

そんな細井さん、出走したクラスでトップタイムを叩き出し、グランドスラム達成かと思われたが、あと一歩のところでポルシェ911を駆るお客さんの浅野さんが見事に阻止し意地を見せた。

大人が本気になって遊ぶ。その姿を見た子供がやって見たいと思う。世代間でサーキットやクルマの面白さを伝えていくのが、82カップの目標と言えるだろう。

暑さと己と闘いながら最速タイムを目指す!

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今回の82カップをスポンサードしていたのは、愛知にある輸入車ディーラーのラダーインターナショナル。コンセプトカーのデロリアンを展示し、昼休みタイムにはデモランも披露。

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お客さんに走る楽しみを提案する東海カーズ。クルマを見て楽しむ人もいるだろうが、やっぱり走らせて欲しいという想いは強く、自ら率先してお客さんと走る細井さん。だが、82カップの当日、一番楽しんでいるのは細井さんで、2台のカマロ、パンテーラ、さらにはAE86まで出走。そりゃヘロヘロになるってもんです。

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今回初の試みとして、タイムアタックを新設。通常の走行枠では11〜12台の混走となり、思い通りのラインが取れないのが一般的。5分間で4周という縛りはあるが、そこで最速タイムにチャレンジに挑戦したいオーナーが参加。通常の走行枠にエントリーしなくても、こっちに挑戦してみたい人は多いのでは?

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最新型のカマロを猛追する細井さんのラットカマロ。もちろんぶつける気はまったくないのだが、バックミラーにこんなクルマが猛追してきたら「当てるんじゃね?(驚)」と思ってしまい、ラインをついつい譲ってしまうかも。実は細井さんがラットに乗るのは、それが狙いか?

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以前本誌でパンテーラのデモカーを紹介した、リスキービジネスのマスタング・マッハ1。5月末までリアはリーフスプリングだったが、今回の82カップに合わせてコイル化を敢行。最初の走行枠でタイヤがバーストしてしまい普通はここで諦めるものだが、周りのメンバーが協力しタイヤを手配。なんとか最終枠に再出走を果たす。何事も、諦めたらそこで終わりだということを実感したね。

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新旧のアメリカンマッスル&スポーツカーがモーターランド三河を激走!

新旧アメリカンマッスルが激走!本気のマッスルカーたちの宴『82 cup』


25TH JULY 2021
PLACE:愛知県・美浜サーキット


主催:82CUP
https://ameblo.jp/mcnv8/


THANKS:東海カーズ

TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2021年 10月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #24「 ゾンビ映画はアイデアの宝庫 」

Amemaga_2202 のコピー

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#24「 ゾンビ映画はアイデアの宝庫 」

さて、早速ですが新年早々ゾンビネタでございます。ゾンビ映画といえばジョージAロメロのデビュー作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、そして彼の出世作である「ドーン・オブ・ザ・デッド」が有名かつその後のゾンビ映画の源流ともなっています。しかし、割と設定が簡単(低バジェットでも様になる)なせいか、どことなくB級臭が漂うマンネリ作品が多かったのも事実。そんなわけで、個人的にはあまり好きなカテゴリーではありませんでした。

ところが数年前、映画館であるゾンビ映画の予告を見てびっくり。「ラ・ラ・ランド(2016)」や「女王陛下のお気に入り(2018)」などでの好演で様々な映画賞の常連となっていたエマ・ストーンがゾンビを相手にショットガンをぶっ放しているのです。「ラ・ラ・ランド」のイメージしかなかった私は「え? なんで?」状態。その映画が「ゾンビランド・ダブルタップ(2019)」でした。

しかし、ゾンビ映画には偏見のあった当時の私ですから、「ああ、たまの息抜き…的なゲスト出演?」くらいの感じで特に調べるでもなくスルー。ところがその数年後…というかこのコラムのネタ探しをしていたところ、やけに引っかかってくるゾンビ映画があるので、試しに観てみたら超面白かったのが「ゾンビランド(2009)」…そう、「ゾンビランド・ダブルタップ」の前作で、そちらにもデビュー間もないエマ・ストーンが出演していたのでした。つまり「ダブルタップ」は凱旋出演だったわけです。

また、その他の両作共通キャラもウディ・ハレルソン(現在ヴェノムに出演中)、ジェシー・アイゼンバーグ(「ソーシャル・ネットワーク」主演)など、ツボを押さえた俳優揃い。監督も「ゾンビランド」を撮った後もアイデアあふれる作品を製作し続けているルーベン・フライシャー…ということで面白くないわけはなかったのです。そこで前言撤回。低バジェットでもアイデア次第でいろんな調理ができるゾンビ映画は、才気あふれる新人監督にとって格好の腕試しカテゴリーでもあったのです。そういえば数年前、日本でも話題になった低バジェットゾンビ映画ありましたね。

イラストではキャストは「ダブルタップ版」、クルマは「ゾンビランド版」のミックスとしました。少々グロいシーンも多い両作ですが、その辺に抵抗なければご覧になってみてください。ちなみに彼らが移動に使用する車両は、ボディサイドに必ず「3」と書かれています。これ、視聴中、かなり気になるのですが、劇中では触れられていません(検索するとそれっぽい答えが分かります)。そんなこだわりと放置が混在しているのも、いかにもアメリカっぽいなぁと勝手に感心してしまうのです。

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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年 3月号掲載

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■[COLUMN]
フリースタイルで行こう!
アメカルにまつわるエトセトラ
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超絶ワイドのシボレーカマロのコンセプトは街乗りできる仕様

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2012 CHEVROLET CAMARO SS

GM CARNIVAL-やっぱりGM系がいい-

絶景のワイド&ローは走りも本気

ロイヤルファントムが1年の歳月を掛けて製作した、全幅2.1mにもなる超絶ワイドのシボレー・カマロが、エアサスを組み込んでブラッシュアップ。ワイドに加えて低さも手に入れたカマロだが、街乗りできる仕様というコンセプトは絶対条件だ。

どんなに派手でも走れないクルマは作らない

欧州車の販売・カスタムがメインとなる静岡県のロイヤルファントム。その欧州車で培われたエッセンスを取り入れたアメ車製作も行なっており、過去に本誌で紹介したH2は代表作だ。

そして、同ショップの名を更に知らしめたのが、絶景のワイドボディキットを組み込んだ12年型シボレー・カマロ・SS。実は5年前の完成当時、本誌で取り上げたことがあるのだが、この度ロイヤルファントムに帰還し、ブラッシュアップして再登場。

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改めてこのカマロを紹介すると、製作のコンセプトは「誰にも負けない筋骨隆々のマッスルカー」。それに加え、ロイヤルファントムが掲げるカスタムポリシーは「普段の足としても使えることが絶対条件」だけに、どんなに見た目を派手に仕上げようが、走りにストレスを感じる仕様にはしないことも徹底されている。これだけのワイドボディを組み込めば、ホイールもインチアップしたいところだが闇雲に大径化せず、カスタムでは疎かになるブレーキもしっかり強化されている。

また、ボディキットはアメリカで組み込み持ち込まれたが、その仕上がりに納得がいかず、ボディラインの曲線から再加工し完璧なスタイリングを追及。これにより、ワイドボディキットにありがちな「ハリボテ感」を感じさせない仕上がりになっているのだ。

納得のボディ曲線を求めキットは再加工

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組み込んだキットは、ボメックス・ワイドボディキット。キット構成はフロントバンパー・フェンダー・サイドエアロ・リアバンパー。ワイド幅は、純正から約18cmも拡大するタイプで、前述したようにキットの曲線ラインを作り直し、全体のラインを統一させて流れるような美しいボディラインを形成。ボンネットはセイボン・ダクト付きカーボンボンネットに変更し、カスタムペインター・TETSU氏によるエアブラシでスカルが描かれる。スカルエアブラシは両側リアフェンダーにも描かれ、大胆に張り出したフェンダーを一段と強調させている。

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このフェンダーに合わせるべく選んだホイールは、フルオーダーのワーク・デュランダル。サイズはF20×10J、R20×11.5J。ブレーキはブレンボの前後6ポットに、385фの3ピーススリットローターで強化。そして今回ブラッシュアップした部分が、車高調からACCエアサスに変更したこと。車高調では不可能だった低さも表現できるようになり、これまでのワイドのインパクトに加え、低さのインパクトも追加された形だ。

ジャパニーズクオリティを求め製作に1年の歳月を掛け、さらにエアサスを追加したこのカマロは、現在ロイヤルファントムのデモカーという扱いになるが、558万円というプライスも掲げられている。これはまさに、日本最高レベルのカマロを手にするチャンス到来だ!

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ワイドボディキットによって約18cm拡大され、全幅は2.1mまで拡張。サイドエアロはサイドステップかのような幅になっている。リアフェンダーには、カスタムペインターTETSU氏によるスカルのエアブラシが描かれる。

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ボディカラーは純正のワインレッド。マフラーはマグナフローをベースに中間からワンオフ製作。パイプの取り回しはもちろん、音にも拘りを持っている。

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ロイヤルファントムの共通するカスタムコンセプトは「走りを犠牲にしないこと」。ホイールは特注オーダーした、ワーク・デュランダル(フロント20×10J、リア 20×11.5J)。ブレーキは前後6ポットブレンボキャリパー、3ピーススリットローターの385фで強化。「今でこそアメ車もホイール交換と共にブレーキ強化が認知されてきたが、こうしたブレーキ強化は欧州車カスタムでは定番」と、代表の鈴木氏は語る。

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セイボンのダクト付きカーボンボンネットに変更し、ここにもTETSU氏のスカルエアブラシが描かれる。エンジンヘッドカバーもボディマッチペイントされ、K&Nエアインテークも追加。

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シートはブラック&レッドレザーになり、天井はアルカンターラで張り替え。パネル類もボディと同色のワインレッドにペイントされ、フロアマットはロイヤルファントムオリジナルタイプを設置する。


Thanks:ROYAL PHANTOM【ロイヤルファントム】

HP:http://www.royal-phantom.com/


PHOTO&TEXT:相馬一丈

アメ車マガジン 2022年7月号掲載

ワンタッチで抜群の開放感、ジープらしさを際立たせる

JEEP JL WRANGLER UNLIMITED SPORT

JEEP JL WRANGLER UNLIMITED SPORT

ジープといつまでも!~Stand by me forever~

ワンタッチで抜群の開放感、Jeepらしさを際立たせる

Jeepがマニア向けだった頃からメンテナンスやカスタムに取り組んできたリンエイが、JLをベースに開放感に溢れ、カジュアルに乗れるラングラーを打ち出した。

ラゲッジ部分までも広がるオープントップエリア

日本のJeepカスタムにおける老舗のプロショップがリンエイ。そのメニューは本格的なクロカンカスタムからドレスアップ重視のものまで、幅広いニーズに応えてくれるところだ。

そのリンエイの最新のデモカーがイエローのJLラングラー・アンリミテッド。このデモカーの最大の特長は、電動のソフトトップが与えられていることだ。アンリミテッドのルーフはFRPトップが標準で、それは前席上部のみ、または後席&ラゲッジ上部を取り外すことができる。

JEEP JL WRANGLER UNLIMITED SPORT

ただし、それには労力と時間を要する。よって電動キャンバストップのスカイワンタッチパワートップやアフターの手動式ソフトトップなどがリリースされてきたが、今回リンエイが装着したものは、フロントウインドー上部のロックを外した後にスイッチを押すだけで、ルーフ全体を後端へ折りたたむMYTOPの電動ソフトトップ。撮影時は雨あがり直後。そのタイミングですかさずフルオープンを試みると、空は曇天ながら気分は一気に晴れやかになる。この手軽さと開放感は、これまでのどのラングラーよりも優秀と思わせるもの。オープンカーとしては一般的な開閉方法だが、ことラングラーの場合は画期的なシステムだ。いつでも気軽にフルオープンが楽しめ、瞬時に閉じることもできる。オープンエア好きなら、ぜひ装着したいアイテムだ。

このほか、リンエイオリジナルの3インチアップキットとチューブフェンダー、AEVの5ホールデザインアルミ、前後バンパー、ルーフマーカー&サイドマーカーの追加といったカスタムを施し、スタイリッシュなJLへとブラッシュアップさせている。

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フロントバンパーはエルフォードのエクストリームバンパーで、オプションのアンダーパネルとナンバープレートマウントも追加している。ルビコンバンパーをモチーフとしたこれはFRP 製とすることで軽量化にも貢献しているバンパーだ。リアバンパーは左右にレスキューフックが備わるスチール製のDV8。フロントのFRP製に対しリアは堅牢なスチール製で、いざという場合にも安心のフック付き。また前後ともノーマルのパークセンサーに対応している。
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MYTOPの電動幌(ブラックカラー)。開閉時はフロント上部のロックを解除する必要があるが、そのほかはスイッチを押すだけ。ラゲッジまで完全なフルオープンが簡単かつ短時間に行うことができる。オープンとクローズの独立したスイッチをコラム下に装着している。

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ルーフトップにはエルフォードのルーフマーカーランプをインストール。これはJLラングラー専用設計のFRP製で、バツグンのフィット感が得られることが特長。また3M製両面テープでの固定としているので、ボディ加工などは一切必要ない点も嬉しいポイントだ。フロントフェンダー後部にはLEDサイドマーカーを装着。ドアを開けると明るく足もとを照らしてくれる優れもの。

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前後フェンダーにはリンエイオリジナルのチューブフェンダーを装着。ホイール&タイヤは、リンエイが正規輸入代理店となっているAEVのSAVGRE Ⅱ(17×8.5J+25)とBFグッドリッチのM/T KM3(35×12.50R17LT)。

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マフラーはマグナフローの左右2本出し。ブラックフィニッシュでデザイン性に優れるだけでなく、高めの位置にセットされるため、オフロード走行時にもヒットしにくいタイプである。

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足回りはリンエイオリジナルの3インチアップキットを前後にインストール。ショックアブソーバーはビルシュタイン製。これにラテラルロッドなどの補正パーツも備わっている。オフロードではよく動き、オンロードは優れた高速安定性が得られるキットである。


RINEI【リンエイ】

TEL:03-3785-2258
https://www.rinei.co.jp


PHOTO:清野央
TEXT:マーク清原

アメ車マガジン 2022年1月号掲載

C7のグランスポーツと、カマロのZL1を所有する理由を聞いてみた

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2017 CHEVROLET CORVETTE GRAND SPORT
2017 CHEVROLET CAMARO ZL1

GM CARNIVAL-やっぱりGM系がいい-

使い方が違うと言うより、そもそも楽しみ方が違う!

アメ車の魅力に取り憑かれると、1台で飽き足らず複数台所有する人は少なくない。ここで紹介する西村さんもそんな1人だが、一般的には同じような部類に属するコルベットとカマロを所有する理由を聞いてみた。

周りの人に見られている、そんな優越感が心地よい!

今や、複数台を所有する人は少なくない。筆者もかつてはスポーティカーとSUVを所有しており、目的地や荷物の大きさで使い分けたことがある。だが、西村さんの場合、C7のグランスポーツと、カマロのZL1。失礼ながら、どっちも同じようなクルマなのでは? それに対し西村さんは「今でこそアメ車に乗っていますが、実はこれが初めてです。若い時からずっと憧れていて、いつかは乗りたいと思っていたんです」と話す。

2台とも購入したのはウイングオートだが、実は最初に購入したのはベンツ。担当の中野さんはアメ車専門店としての意地もあったので、いつかアメ車に乗って欲しいと思っていたそうだ。

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その後、西村さんがAMGのGTが欲しいと相談した際に提案したのがこのグランスポーツ。「見た瞬間、なんじゃこりゃ!と思って、即決しましたね。どこへ行っても注目されるし、誰もが振り返る。それがたまらなく心地いいね。確かにコルベットの速さは別次元だけど、ゆっくり走ると言う楽しみ方もあります」と語る。

2017 CHEVROLET CAMARO ZL1

2017 CHEVROLET CAMARO ZL1

その後、もう少しゆったり乗れるクルマということでカマロの増車を計画。中野さんは旧型や現行のスタンダードグレードを見せ、最後に提案したのがこのZL1。

「エンジンも魅力的だけど、内装の雰囲気も抜群で、これに勝るものはなかったね。もちろんクルマも魅力的だけど、それだけでなく、お店に対する信頼関係も大切ですね」と、西村さんはウイングオートに対して全幅の信頼を寄せている。ただクルマを購入するだけでなく、ユーザーのライフスタイルを支えてくれる。そんな、頼もしいパートナーだと言えるだろう。

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3年前に初めてのアメ車として手に入れたグランスポーツ。どんなに疲れていても、これに乗ると癒されるそうだ。見た目の美しさだけでなく、その走りをいつでも存分に楽しめるように、新品のタイヤを1台分ストックしているそうで、惜しみなく愛情を注いでいる。

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コルベットと比べると、カマロの方が遥かにゆったりしていると西村さんは語る。コルベットは意外と道を選ぶそうだが、カマロはあまり気を使わなくても済むそうで、運転そのものが楽だそうだ。

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共に6.2LのV8を搭載する2台。カマロはさらにスーパーチャージャーも備わるので、その加速は別次元とのこと。もちろんクルマの重心や様々なバランスが異なるので「その乗り味はまったく違いますね」と西村さんは話してくれた。

OWNER : Kiyoshi Nishimura


WINGAUTO【ウイングオート】

TEL:052-409-5434
https://www.wingauto.co.jp/


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2022年7月号掲載

「HIGH FORGED」のビードロック17インチを装着したタンドラ

2014 TOYOTA TUNDRA

2014 TOYOTA TUNDRA

AMERICAN CUSTOMS

カスタムの醍醐味はイマジネイション!

ボルトオン装着可能な市販品で着飾るのも悪くない。ブランド=ステイタスってのも頷ける。だけど、こだわればこだわるほどに、他人と同じじゃ満足できなくなるのがカスタムの奥深さ。その沼にハマりし者が行き着く先こそ、ワンオフワールドだ。

一通りスタイルを確立した後、リセットしてリトライ!

豪快に川へ侵入して撮影してから数年。かつて覇王ホイールのデモカーとして本誌誌面を賑わせたあのタンドラが再び誌面に登場することとなった。キッカケは昨年末のクロスファイブ・ファイナルの会場。一昨年エントリーしていた時の面影はほとんどなくなり、始めてエントリーした時のサイクルキャリアスタイルとも異なる。

誌面に登場した時は同色のカヤックを積載しての撮影だったことも記憶に新しく、思い返せば毎回思考を凝らしたマニアックで個性的なスタイルで我々を楽しませてくれるKokiさん。そんな彼がフルオーダーフォージドホイール「HIGH FORGED」の新作ビードロック17インチの第一号モデルとして新たに仕様変更を果たした。そのホイールに触発されて、覇王ホイール神戸営業所独自ディビジョンとして新たに展開することとなったのが、ワンオフバンパーやワンオフラックを初めとするアイアンワークだ。完全フルオーダー制で、寸法から角度、形状までこだわりたい方にとって、まさに吉報である。

2014 TOYOTA TUNDRA

ポケットスタイルのビス穴をすべてプレーンに加工してバンパー側へと絶妙な角度でアプローチしつつ、重厚感をセンターに集中させて両サイドタイヤが正面からのアングルでワイルドに魅せつけるフォルム造型美がまさにソレ。さらにベッド部分からゲートを飛び出してスィングアームロング加工を施すバギーの寸法と合わせたキャリアもKokiさん自ら製したもの。

この他リフトアップで必須となるマウントを隠すプレート(通称「下駄隠し」)や、ワンオフルーフキャリアなど、要望があれば様々なアイアンパーツを設計、製作してくれるとのこと。「ない物は作る」をコンセプトに、フルオーダー鍛造ホイールを筆頭に、そのもう一歩先へと世界観を広げ続ける覇王ホイール。カスタムのあるべき姿を追求する冒険は、これからが本番と言ったところだ。

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軽量なファイバーではなく、強靭なアイアン製法のオリジナルフロントバンパー。多少オフロードでヒットしても凹む心配もなく、上から同系色のラプターライナーで塗れば即席でリペアが可能となっている。オーバーフェンダーからナチュラルに造型された両サイドのアプローチもお見事!

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ベッドにバギーやバイクを積むのがセオリーなトラッキンライフではあるが、積載スペースの有効活用と積んだ時のフォルム重視で、キャリアを製作してウインチで引き上げてバギーを載せるのがクール。両サイドの造型は他車種用のサイドステップを流用しており、タフな印象を色濃く反映。ブルヒッチも抜群に似合う!

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HIGH FORGEDの新作17インチビードロック第一号としてオーダー。ビード部分をボディカラーとマッチさせつつ、ニットー・トレイルグラップラーの40×13.5R17とタイヤの厚みにこだわった組み合わせが、オールドスクールなリフテッドトラックらしくて好印象。フルオーダー製法なので車種やジャンルを問わずお好みのリムデザインでオーダーが可能だ。

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ラフ& カントリーのVERTEXリザーバータンク式のショックを前後に装着する足回り。ベースとなるプロコンプのリフトアップキットとも相性が良く、40インチの重量級タイヤ装着でも乗り心地は上々。


HAOU WHEELS【覇王ホイール】

TEL:0995-73-8684
HP:http://www.haouwheels.com


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年4月号掲載