2003 CHEVROLET TAHOE
チューニングの面白さは、数値じゃなく純粋な“体感”だ!
500馬力、700馬力を超える純正パフォーマンスモデルが登場し、負けじと愛車をチューニングするオーナーが増えている。しかし、数値ばかりを追い求め、愛車の変化を楽しんでいないオーナーも少なくない。レーストラックのチューニングは、オーナーの純粋な「体感」を一番に考えた、ある意味「癖のある」チューニングを行なっている。
純正パフォーマンスモデルにはない“ 癖” のあるパワー!
ジープ・ラングラーにまで、470馬力を発揮するルビコン392が登場するなど、エコエンジンに注力しながらもパフォーマンスモデルが増えているアメ車。
こうしたパフォーマンスモデルが多く登場すると、既存モデルをチューニングして対抗するオーナーも増えていくわけだが、その目的は純粋な速さではなく、「○馬力になった!」という数値ありきになりやすい。
メカニックであり、チューナーとして長年の実績を誇り、アメリカデザートレース参戦経験もあるレーストラックは、そうした数値だけを追い求めるチューニングはせず、愛車が変化していく過程も楽しみながら、オーナーの「体感」を一番に考えたチューニングを行なっている。純正500馬力と、じっくり作り上げチューニングした500馬力では性質も違い、ある意味「癖のある」クルマに仕上がる。ハンドルを握る面白さは、圧倒的に後者が上だ。
今回製作した03年型タホも、レーストラック流の「体感できるチューニング」を施したモデル。ウィップルスーパーチャージャーを搭載し、MSDイグニッションコイル、ハイカム、アルミローラーロッカー、ロングチューブヘダース、コルサオールステンレスエギゾーストに変更。足回りやブレーキも強化されており、単純に速さだけを求めず安心して走れることも、しっかり考慮されている。
面白いことに、チューニングに合わせてオーナーが要望したのが、レカロシートではなくフロントベンチシート。劇的に快速になっても、使い勝手は犠牲にしたくないというわけだ。タホには設定のないベンチシートだが、しっかり要望に答えるのもさすがレーストラック。ストレスなく乗って楽しいと思えること。これもまた、チューニングでは大切な部分だ。
ウィップルのスーパーチャージャーを搭載し、ハイカム、アルミローラーロッカー、MSDイグニッションコイル、アメリカンレーシング・ロングチューブヘダースでチューニング。5.2ℓのタホが、推定440馬力まで引き上げられた。低速から爆発的に加速していき、高速回転域でさらに伸びる走行はワクワクが止まらない。数値が同程度の純正パフォーマンスモデルと比べると、何か肉々しさを感じる加速感。これこそ、オンリーワンのチューニングが為せる技だ。
スーパーチャージャー搭載を誇張する部分は、あえて外観には取り入れていない。フロントブレーキはAPレーシングの6ポットキャリパー&ドリルドローター、リアはベアクロスドリルビッグローターに変更して強化。ダウンサス、ホチキススウェイバーも追加。ホイールは22インチで、マフラーはコルサのオールステンレスエギゾースト。
チューニングで刺激的な走りを求めたオーナーさんだが、シートは使い勝手を考えフロントベンチシートを要望。Aピラーにはシボレー用のブースト計、排気ガス温度計が配置される。
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■写真&文:相馬一丈