マニアックなアメ車コレクターがゴキゲンなパーティーバスを製作

CHEVROLET EXPRESS CUTAWAY

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SHUTTLE BUS

ちょい古がJOYFUL!! TRUCK&VAN&WAGON

マニアックなアメ車コレクターがゴキゲンなパーティーバスを製作

アメ車マガジン2021年4月号で表紙を飾ったシェベル2ドアワゴンとリアルなポリス仕様で製作されたサバーバン。この2台を所有するのが静岡県の鈴木さん。彼のコレクションは益々ディープになって、遂に車重6t越えのシャトルバスを導入してパーティーバスにアレンジ!

シャトルバスも立派なカスタムベースになる!!

2021年11月のTVW、2021年12月のクロスファイブで一際注目を浴びていた規格外サイズのシャトルバス。そのオーナーはアメ車マガジン2021年4月号で表紙を飾った静岡県の鈴木さんだ。当時からほかにも探しているみたいな話はしていたけれど、取材後早々に「こんなのあるよ!」と提案されたシャトルバスを見て、「アリかも!」と即決した。

元々はエアサスを入れてビレットを履かせてと構想していたものの、重量6t級のボディと人をたくさん載せて遊びに出掛けたいという理由から安全面を考慮して別方向へとシフト。TVWでお馴染みのスタッブブルーのYUKIさんと思案する中で「本国のパーティーバスみたいなのも面白いんじゃない?」と方向性が定まったのが2021年夏頃だ。

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そこから白いボディにスチールの何の変哲もない状態から、カーゴフェイス化と濃い目のシルバーボディ、そしてカッパーブラウンのキャンディペイントを施すホイールでガラッとお色直し。KCフォグはバランスよく4灯レイアウトし、インパクト向上を図って3連のサイドドアミラーを製作。格好悪いエアコン室外機パネル的な穴の開いたカバーは錆びていたのでステンレスに3連ボウタイ、パンチングを駆使してワンオフ製作。裏からライトで照らして魅せ場として格上げさせた。

その他、腰高感を払拭してワーク色を高めるタイヤフラップは日本で実在する社名のロゴや電話番号を使ってリアルに演出。そして極めつきは内装のパーティルーム。KICKERウーファー1発に16インチが3発で音響を整え、43インチの家庭用テレビに大容量のドリンク保冷器と、大人10人以上でドンチャン騒ぎしながら移動できるパーティーバスに仕立て上げた。

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フェイス周りは定番のエクスプレスフェイスからカーゴフェイスに変更。ヘッドライトは本国で販売されている最新のものを使用してKC フォグの大きい方をバンパーに、少し小ぶりなものをバンパー下へレイアウト。ホイールはカッパーブラウンのキャンディ基調のパウダーコート仕上げで雰囲気を一新。

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少し腰高感のあるボディを視覚効果的にバランスよく見せるタイヤフラップは、特にリアゲート下部分が効果覿面。本国のソレと何ら遜色のないデザインが粋!

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室内は運転席後ろにカウンターを設けてVIP席を作り、そのまま後部座席はバスらしくシートがズラリ。12名乗車でゆったりくつろぎながら移動が可能。全高約3m、全幅2.5m、全長8m クラスなので、もはやフルサイズバンも相手にならないレベルのヘビー級!

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フォグや室内間接照明は運転席横のスイッチで操作可能となる。なお、天井のゲートは換気扇ではなくて横転した時の応急ドア。開けたら雨漏りの恐れもある“パンドラの箱”的な存在で、未だに開けたことはないらしい。

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乗車する時に思わず「お邪魔します!」と挨拶しそうになるほどクルマの室内らしからぬ雰囲気のインテリア。飛行機でいうファーストクラスとしてカウンター付のブラックレザーシートの後ろはバスの名残こそ残るものの、座席がアメリカ規格なので日本のバスとは比べ物にならない位ゆったり座れる。

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43インチのモニターとKICKERのウーファーによる重低音サウンドは、移動式パーティールームとしても十分なスペックで、いずれは内装カスタムにも本格的に着手していくそうで、どんな風に仕立てるのか楽しみである。


OWNER:Yoshihiro Suzuki


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年 3月号掲載

一般ユーザー向けレンタルバンとして注目【レンタルキャンパーバン】

CHEVROLET CHEVY VAN

CHEVROLET CHEVY VAN
RENTAL CAMPER VAN

ちょい古がJOYFUL!! TRUCK&VAN&WAGON

思い立ったらVAN LIFE! 乗らなきゃ楽しさは伝わらない!!

大阪でフードトラックやバンのレンタル事業を行うSTEELO FOOD TRUCK&VAN RENTAL。アメ車マガジン2月号の滝畑ダムBBQではSTARKEY’s BURGERとコラボして、初の移動販売を実践。その一般ユーザー向けレンタルバンとして注目を浴びているのが紹介するレンタルキャンパーバンだ。

気軽に借りて、乗ってみて90年代のエモさを感じる

ここ最近フルサイズバンの人気が急上昇中。しかも80~90年代のほんのりヴィンテージな風合いが引き立つモデルは年々価格も上昇傾向。アンティーク家具のようなふかふかのソファに贅沢なリアルウッドによる装飾。そしてアナログからデジタルへと移り変わる間の独特なインパネ周りが、新しいクルマとはまるで別物の世界観へと誘うフルサイズバンに魅了され、当時を知る40代以上には懐かしく、20代の若者にとっては新鮮に映る。

また、アウトドアブームも相まって車中泊も余裕の室内スペースは重宝されており、キャンピングカーほど本気仕様ではなく、郊外から市街地までドコを走らせても絵になるところもラフにバンライフを楽しみたい人たちの心を掴む。そんなフルサイズバンを徹底的に整備してできるだけ個体差による癖を払拭、誰でも扱いやすい仕様にメンテナンスしてレンタカーとして貸し出しているのが大阪のスティーロ・フードトラック&キャンパーバン・レンタルサービス。

CHEVROLET CHEVY VAN

現在プレオープン中ではあるが、実際に普段ヴィンテージモパーを愛用するオーナーが試しに借りてキャンプを楽しんだ末にシェビーバンを購入するなど、乗ることで伝わる魅力は大きい。普段別のアメ車に乗っていて、特別な日に家族サービスで借りて使えるって考えただけでも、そのメリットは計り知れない。

マフラーはノーマルで音量控え目、タイヤはノーマルサイズでもちろん車高も基本オリジナル。バックカメラにドライブレコーダー、ETCといった必要不可欠な装備はセット済で、後部座席はスイッチ一つの電動ベッドを完備。ハイルーフなので天井も高く、カーテン付きの大きなサイドガラスの下側はスライドで網戸になるので換気も抜群。

サーフトリップのトランポとして数日借りて海岸巡りしたり、お子さんと車中泊しながらお気軽キャンプを楽しんだり、器の大きなフルサイズバンなら遊びの選択肢も大きく広がる。借りてみたい方はぜひ!

CHEVROLET CHEVY VAN

ベースは91年型シェビーバンエクスプローラーだが、純正デカールを全剥離して傷んだ部分は板金。交換できるモール類はすべて交換して雨漏り対策も万全の上、長野県のオールエリアでブルーメタリックにオールペイント。レタリングはKen The Flattopさんに依頼。大阪を拠点にしながらも本場アメリカの雰囲気にこだわるだけに、依頼するアーティストも一切の妥協を許さない。

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ホワイトトップルーフは上部に2カ所小窓が付いていて、両サイドの大きな窓ガラス下はスライド式の網戸付で、虫をシャットアウトしながら換気ができる点も便利!

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全長5.3mでタンドラやサバーバンより若干短く、フルサイズのアメ車に乗る人からすれば見た目ほど大き過ぎない絶妙なサイズ感の90’sシェビーバン。内装はリアルウッド基調でアンティーク家具のような風合い。レザーシートの座り心地はまさに応接室のソファ。

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ふかふかの大きなベッドは横方向で寝ても余裕のサイズ感で大人3人がゆったり車中泊を楽しめる。最大定員は7名なのでファミリー+αの旅も余裕で楽しめる。ちなみに最後尾電動ベッド部分はゲート外側にベンチ仕様としても機能する。


THANKS:STEELO FOODTRUCK&VAN RENTAL【スティーロ・フードトラック&キャンパーバン・レンタルサービス】

HP:https://www.vamosteelo.com


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年 3月号掲載

-フリースタイルで行こう- ♯21 ヨンクとしてでなくバギーとしてJeepに惹かれる!

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-フリースタイルで行こう- ♯21 ヨンクとしてでなくバギーとしてJeepに惹かれる!

軍用車、四輪駆動車のアイコンとしてお馴染みのJeepですが、幼少期に父親が作ったMPC製のモデルキットのBAJA仕様を通して西海岸的バギーとして刷り込まれた!同様のスタイルでリリースするHot WheelsなどのダイキャスなどによってJeep=HOTなアメリカンなバギーとしてインプットされたのでした!

アメリカ好きになった原点は父親がJeep好きだったこと、ヨンクでなくポップなスタイルがアメリカ的で大好物!

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幼少期の環境が、その後の趣味嗜好に影響するという点では、自分の場合は父親の存在がクルマ趣味において大きく影響しているかも。自分の幼少期の時代は、スーパーカーブームであったり、モーターショーも一般的に楽しまれていたりと、今では考えられないほどクルマに対する興味がポピュラーだったのです。そんなわけで、同級生と比べても、自分が特別クルマ好きと感じたことはなかったのですが、とにかく覚えているのが、よそのうちに比べてアメリカのモデルキットが多かったこと。

父親がJeep好きで、自分が生まれる前には三菱製ながら、いわゆる「ローフード」に乗っていたそうな。父親の世代的に、魅力的な舶来品=アメリカ製ということもあり、Jeepはアメリカンで、趣味で組み立てるモデルキットも、日本のタミヤよりも、アメリカのMPC製が多かったのです。そのMPC製のJeepは、軍用車としてではなく、ジープスターやCJ‐5だったりと、ベースモデル自体がいかにもアメリカンだったりしていた。

おまけに、当時のアメリカ製キットではお約束となっていた異なるスタイルが3種類楽しめる3in1となっていて、ストック、オフローダーのほかに、カリフォルニアを感じるホットなBaja仕様なんてのもあったのです。最も印象に残っていてお気に入りだったのが、ボックスアートからしてイカしていたMPCのユニバーサルデューンバギー。 CJ‐5をベースにしたバギー仕様が描かれていて、ストックでも組めるといったアプローチ! ドアもフロントガラスも撤去した状態で、クロームのマグホイールとトリコロールなカラーリングがアメリカンでカッコ良いと感じたのでした。

キットだけではBaja仕様がなんたるかは「?」でしたが、地元の神奈川TVでは、アメリカならではのスポーツやモータースポーツの映像が垂れ流しされていました。そのためアメリカのヒットソングをBGMにサーフィンやドラッグレースなどに混じって、後輪から砂埃をあげて砂漠を激走するBaja仕様車の映像を普通に見ることができたため、知らず知らずのうちにその魅力が刷り込まれたのでした。

さらには、ホットウィールやアメリカ市場を意識したマッチボックスのスーパーファスト、HOスロットカーを通じてもBaja仕様やストリートカーとしてのJeepの存在を身近に感じることができたのです。免許を取得して、初めての愛車にした73年型カマロでアメリカン8のパフォーマンスの虜となり、それ以降マッスルカーばかりを乗り継いでおりますが、ストリートカーとしての「ジープCJ‐5」は常に気になる存在だったりします。

数年前には父親が最後の愛車として同様のCJ‐5を入手すべく、アメリカでの売り物にツバをつけるところまでいきながら、諸事情でキャンセルしたこともありました。同じような意味で、少し前に自分の愛車としてVWパワーのデューンバギーを追加したことで、屋根もドアもないバギーが意外にも日常使用でも難なく楽しめることを実感。そんなわけで、このバギーを乗り換える時には、CJ‐5のBaja仕様が理想と考えていたりします。

基本的にJeepのデザインが好きなので、以前本誌の取材で試乗したことでJKラングラーのマウンテン仕様の魅力にハマってしまったり。過去の車歴の大半がそうだったように、基本的にMOPARファンという点でもJeepアドバンテージ。往年のMOPARマッスルのハイインパクトカラーに通じるなライムグリーンのJKマウンテンかCJ‐5は常に欲しいクルマリストにランキング!

最近ではクルーキャブのピックアップトラックとしてのグラディエーターなど魅力的なバリエーションがジープに登場したり、ビッグスケールでもスモールスケールのダイキャストにおいてもJeepのラインナップが盛んだったりで、個人的にJeep熱が高まってます!

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アメリカのミニカーメーカーのグリーンライト社がリリースしたゴールデンイーグル。当初はドラマ「Dukes of Hazzard( 爆発デューク)」のデイジーの愛車の劇中車としてリリース予定だが、大人の事情なのか…しれっと何事もなかったようにボンネットに「DIXIE」のデカールを入れつつも普通のCJ-7 ということで発売されたダイキャストモデル。開閉ギミックはないが、幌&ハーフドアは脱着可能。アメリカンスタイルが眩しいゴールデンイーグルなのです。

1/18 GREENLiGHT 1982 Jeep CJ-7

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星条旗カラーのCJ-7もグリーンライトがラインナップ。このジープはドラマ「エアーウルフ」に登場するサンティニ航空の劇中車なのだが、パッケージには何も触れられていないという…。

MPC 1/25 UNIVERSAL DUNE BUGGY

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パッケージ同様のBajaスタイルの完成品を物心ついた頃から見ていたので、Jeepのカッコ良さは未だに「Bajaスタイル」だったりします。父親が組み立てたものは紺一色でしたが、ストリート用のバイアスタイヤを組み込んだクロームのマグホイールを装着したルックスがHot Wheels 的でクールなのです。アメリカのキットではお約束のオプションパーツをストックするために空箱を利用しつつ、イカしたボックスアートを複数ディスプレイされていた期間は四半世紀以上だったので、その魅力をキッチリと刷り込まれた次第!

ちなみにそのMPCのプラモデルキットがリリースされたのは1968年。それ以降、Hot WheelsやMatchboxでは、よりHOT ROD的なアプローチのJeepをリリース。今以上にカートイが子供のオモチャとしてメジャーだった当時は、Jeepによる同様のオモチャは無名のメーカーからもちょいちょいリリースされていた。

1/18 GT SPIRIT 2021 Jeep WRANGLER RUBICON 392

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GTスピリットから新発売のルビコン392。V8 搭載の最強のラングラーが早くも1/18スケールでモデル化されるなんてウレシイっすねぇ!

1/18 GT SPIRIT 2020 Jeep GLADIATOR RUBICON

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フランスに拠点を置くモデルブランド GTスピリットは日本では京商が販売。レジン製プロポーションモデルでギミックはないが超精密。通常カラーのベージュに加えてレッドもあるぞ。

1/18 MODELCAR GROUP Jeep CJ-7 LAREDO,Renegade,golden eagle

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ドイツのミニカーメーカーでるモデルカーグループ(MCG)がリリースしている1/18スケールダイキャストのCJ-7。開閉ギミックやステア機構はないものの、リーズナブルプライスなのがウレシイ。3 つのグレードをラインナップ。

1/18 BoS(Best of Show) 1970 Jeep Jeepster Commando

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7スロットグリルのジープ顔のコンバーチブルである「ジープスター」のレジンモデル。ギミックのないプロポーションモデルだが、ジープスターのビッグスケールモデルはこれが唯一。

1/18 ROAD SIGNATURE 1955 WILLYS Jeep STATION WAGON

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Jeepがまだウイリス・オーバーランド社だった頃のステーションワゴン。通常のワゴンもあるが、こちらはパネル仕様。開閉ギミックやステア機構のあるダイキャストモデル。

1/18 GREENLiGHT ARTISAN 1980 Jeep CJ-5:CHARLIE’S ANGELS

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グリーンライトの劇中車シリーズのARTISAN ブランドよりリリースされている80年型のCJ-5。ドラマ「チャーリーズエンジェル」の劇中車。開閉ギミックはないが、ステア機構があり、ビッグスケールながらリーズナブルプライス。


★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。


アメ車マガジン 2022年 3月号掲載

本国ではかつてステーションワゴンこそファミリーカーの定番だった。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

THE VINTAGE

マダムの日常の足として普段使いしていそうな品の良さに惚れる

日本のファミリーカーと言えばミニバン。しかし、本国ではかつてステーションワゴンこそファミリーカーの定番だった。送迎からショッピングなど、日常使いで便利なワゴンの魅力を改めて振り返りながら、いかにビンテージ入門用として優れているかをリポート。

80年代を象徴するモダンなスタイリング!

アメ車のステーションワゴンと言えばカプリスワゴン、ビュイックロードマスターワゴン、エレクトラワゴン、それにワンサイズ小さいマリブワゴンやリーガルワゴンと、90年代中盤までは比較的多くのワゴンが各メーカーからリリースされていた。しかし2000年代に入るとキャデラック・CTSワゴンやダッジ・マグナム、300Cツーリングなどが残るのみとなり、GM系は時代の流れなのかSUVやクロスオーバーがその後継となり、ステーションワゴンは過去の産物の如くラインナップから消えてしまった。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

紹介するオールズモビル・カスタムクルーザーを見てみると、低くて長いフォルム造型美は筆者の様に昭和生まれからしてみると、一世を風靡したマークⅡバンやセドグロワゴンの様で懐かしい。まるでマークⅡバンの兄貴分の様なスタイリングに惚れ惚れしてしまうほどだ。ちなみにこのクルマは、BCDスタッフがカリフォルニアのオーナーから直接買い取った個体。フルオリジナルで丁寧に乗られており、当時物の純正オーディオをストックするインパネの状態やブラウン基調のインテリアもモデルイヤーの割にはグッドコンディションを維持。ベンチシートに4速コラムATはスパルタンに走りを楽しむマッスルカーとは一線を画す“脱力系”で、まったりと郊外を走らせたり波乗りやアウトドアの足として楽しむのに最適なキャラクター。

セカンドシートを倒すと昨今の様なシート部分の凹凸が煩わしい名ばかりのフラットではなく、完全フルフラットの広大なラゲッジスペースとなり、セミダブルサイズの布団を敷いて寝ても有り余りそうな広さを誇る。また、リアゲートは横開きとなるがスライディングパワーウィンドーなので、狭い駐車場で荷物を出す時も難なくこなせる優れもの。ロングのサーフボードをここからチョイ出しして走れば、カリフォルニアやハワイのローカル気分も味わえる。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

もちろんサーファーじゃなくても、ミニバンやSUVとは異なるワゴンならではのマイルド&メローなドライビングフィールは、昨今の自動車では味わえない面白さが満載。パワステ、パワーウィンドーなど、いわゆるフル装備が何不自由なく付いた“次世代ビンテージの大本命”として、ぜひとも有力候補に加えて欲しい一台だ。

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同年代のマリブワゴンやカプリスにも採用される角目ながら、オールズモビル特有の個性的なグリルデザインとボンネットマスコットが実に個性的。センター部分にマークのアクセントをあしらったスクエアなテールレンズやクロームのルーフラック電動で開閉するリアゲートウィンドーも好感度大!

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V8の5.0Lを搭載して4速AT×FR駆動の組み合わせとなる。サスペンションも柔らかくフルサイズボディをユッタリと流す感覚が似合うキャラクターだ。

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90年代より80年代、70年代と古くなればなるほどにアンティークな印象が強まるインテリア。84年型はちょうど70 年代を色濃く残したインテリアデザインであり、シートの形状やドアノブ、メーター周りなども実に味わい深い。ゲートはパワーウィンドーなのにその他が手動巻ってところもユニークだ。むしろクルクル回して開ける窓を楽しんでほしい一台!

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まさにドア感覚で開閉するリアゲート。かつて5ドアワゴンと呼ばれていたことも頷ける。フル乗車でも余裕のラゲッジスペースは、セカンドシートを倒すことでさらに広大なスペースを確保できる。これだけ広ければアウトドアギアもたくさん積めるし、今流行りの車中泊なんかも十分に楽しめる。

1984 Oldsmobile Customs Cruiser

1984 Oldsmobile Customs Cruiser


BUBU HANSHIN【BUBU阪神】

TEL:06-6427-5151
HP:www.bubu.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年4月号掲載

このチャレンジャー最大のギミックが〝スーサイド・ドア〟。

2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY

2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY

MOPAR LOVE!!! 愛して止まないモパーの魅力

オンリーワンを求めた結果、辿り着いた境地

「誰かと同じでは面白くない…」。アメ車乗りはこの思いが強い。だが人気モデルであれば同じになる割合は必然と高くなってしまうが、そこを創意工夫するのがショップの腕の見せ所。コーストモータリングが出した答えはいかに!

魅せることへの飽くなき思いが込められた一台

CHALLENGER SUICIDE produced by COAST MOTORING

アメ車はストックのままであったとしても個性が強い。筆者がこれまでに出会ったアメ車オーナーたちに聞いてきたなかでも、大多数がこのアクの強さに惹かれてアメ車を選択している。もちろん筆者だって例外ではない。でだ。そんな超個性の塊とも言うべきアメ車をストックのままでは飽き足らず、オーナーたちはカスタムに手を染めてしまうのだ。カスタムはある意味〝麻薬〟みたいなものだから仕方ないのである。ここで取り上げるチャレンジャーはというと、それこそ日本において最大規模を誇るカスタムカーの祭典である「オートサロン」にて披露しており、それこそドップリと麻薬に溺れ切っていると言っても過言ではないだろう。

この車両を手掛けたのはコーストモータリングで、代表の松本氏に今回のカスタムの意図を伺ったところ「誰とも被りたくなかったんですよね…。なので自由にやらせてもらいました!」と言うのだが、この〝被りたくない〟をどの様に体現するかが難しい。話を聞いていると彼の頭の中にはおおよその設計図ができていたようで、ベースはチャレンジャーの中でもトップグレードであるヘルキャットを用いたことからも力の入れようがうかがい知れる。

2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY

まずは肝となるシルエット。低ければ低いほどカッコイイことは昔から変わっていないが、その手法として何を用いるかだ。ここ何年とコーストモータリングが仕上げてきた車両を目にしてきて今回も同じ手法を用いたのであろうと思いきや、松本氏の不敵な笑み。トランクを開けてお目見えしたのは何とハイドロのユニット。てっきりエアサスだと思っていただけに良い意味で裏切られた。

着地するまでにロワードし、極低車高を手に入れたヘルキャットだが、より極低具合を強調するため前後左右にオリジナルのボディキットを纏わせるとともに、ペイントではなくラッピングでグラデーションを表現。流れるような動きのある見え方も低さに貢献。さらにこのエクステリアで強烈な存在感を発揮しているのが、フロントタイヤのすぐ後ろからリアタイヤまで一直線に延ばした構造のサイド出しステンレスマフラー。

2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY

ここまででも今回の意図を十分に貫いていると思うのだが、まだまだ満足することのない松本氏はインテリアにも工夫を凝らす。ブルー×ブラック×イエローの3色でフルリメイク。フロントシートはRECAROに入れ替えられているが、それに気づかないほどの一体感を生み出している。そしてさらなるギミックがサイドミラー。純正をそぎ落とし、その代わりにフロントフェンダーにカメラをインストール。その映像はAピラーに埋め込んだモニターで確認する仕組み。

そしてそして、このチャレンジャー最大のギミックが〝スーサイド・ドア〟。通常とは反対の前側が開く仕組みを思い切って取り入れたのである。通常あるべき場所にドアノブがないことに驚くばかりか、新たに設けたドアノブは35GT‐Rと同じタイプを採用して、こちらもギミック感を溢れさす。

〝被りたくない〟という思いから始まった今回のプロジェクトだが、その思いのたけを存分に詰め込んだと言えるのではないだろうか。ちなみにこのクルマのオーナーである大垣氏がリクエストしたのは、配色にブルーとイエローを入れてほしいこととサイドマフラーの2点。リクエストをうまく反映しつつ最大限に魅せる演出を施したと言えるだろう。

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ドアの開閉にギミックをプラスするカスタム手法でここ最近多く目にしたのがガルウイング。鳥が羽を広げた様に見えてビジュアル的にも映えると人気で、コーストモータリングでも施工した事例は多数に上る。だが今回は通常とは逆の前側が開くスーサイドを採用。ちなみに直訳すると自殺で、この開き方に対する危険性を鑑みて名付けられている。外側のドアノブは前側に新設するとともに、35GT-R風に仕上げている。

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ボディのグラデーションはペイントではなくラッピングによるもので、施工はバッファローデザインが担当。フロントの鮮やかなブルーから中央に行くにしたがって濃くなり、リアはグレーへと流れていく配色。ボディキットはオリジナルで新設してワイド感に拍車を掛けるとともに、ワンオフで作成してステンレスのサイド出しマフラーがインパクトを与えている。

LEXANI FORGEDの20インチ

ホイールはLEXANI FORGEDの20インチ。スポークはブルーにペイントし、リムはカーボン調でまとめ、ブレーキキャリパーも希望カラーのイエローでペイントして構成。

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カスタムモデルを施工する際にはエアサスを採用する割合が高かったが、今回はSKIPPER 製のハイドロリスクサスペンションを導入して極低を手に入れている。

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オーナーからのリクエストであるブルーとイエローを取り入れつつ、フルリメイクが施されたインテリア。ヘルキャットとは言ってもノーマルは地味だったりするため、思いっ切り華やいだ雰囲気へと変貌。それにノーマルのサイドミラーをそぎ落として新設したカメラとAピラーのモニターが近未来的な雰囲気を醸し出す。

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THANKS:COAST MOTORING【コーストモータリング】

TEL:04-2946-7203
HP:https://coast-jp.com


PHOTO:浅井岳男
TEXT:編集部

アメ車マガジン 2022年5月号掲載

-アメカルにまつわるエトセトラ- #28「世界最高の探偵が駆る車とは」

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et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#28「世界最高の探偵が駆る車とは」

「ジャスティスリーグ」としてはマーベル・シネマティック・ユニバースの「アベンジャーズ」に推され気味のDCエクステンデッド・ユニバースですが、「ワンダーウーマン」や「アクアマン」、そして2019年の「ジョーカー」など、単独作品はどれも高評価。そんな中でいよいよキラータイトルである「ザ・バットマン」が2022年3月に公開されました。

これまでのバットマンシリーズとは少し違うテイストも好評を博しているようです。そんなバットマンシリーズですが、リメイク(またはリブート)される度、都度話題になるのはヴィラン(悪役)と「バットモービル」です。

1940年代に制作された2本の映画を除き、バットマンを一般的に知らしめたのは1966年のアダム・ウエスト演じた「怪鳥人間バットマン(邦題)」です。今とは違って「リアリティ」など二の次であった当時のバットマンでは、富豪という設定だけでなんでもあり。洞窟の秘密基地(バットケイブ)の中で様々な特殊武器が開発されており、その中でも人気だったのが、バットマンを乗せて活躍するバットモービルでした。

そのベースになっていたのはフォードのコンセプトカーであるリンカーン・フューチュラ。オリジナルの写真を見るまでは、そうとうモディファイをされたのだろうと思っていましたが(WEBが普及する以前はこういった画像はよっぽど根気よく探さないと目にすることができなかったのです)、実際に大きく追加されているのはルーフのランプとトランクにそびえる3本のパイプ(排気管?)くらい。

元々のシルエットが奇抜な(魅力的な)クルマだったようです。そして、その正当な後継車となるのが1988年にティム・バートンによって制作された「バットマン」に登場するバットモービル。ボディのシルエットは大きく異なりますが、左右のフェンダーにそびえるフィンやセンターにマウントされているジェット噴射口などの要素は同じ。特にリヤから見ると88年版が66年版をリスペクトしながらモダナイズしたのがよく分かります。

ところが、2005年からクリストファー・ノーランが監督した「ダークナイト・トリロジー」では、全く違う解釈となります。前述の2シリーズよりもグッとリアリティ側に寄せたこのシリーズでは、ブルース・ウェイン率いるウェイン産業で試作された軍用車という設定。名称もバットモービルではなくタンブラーと呼ばれていました。

そして2022年公開された「ザ・バットマン」に登場したバットモービルは、これまたガラッと変わってある意味では現実的な(多分)ミッドシップレイアウトにカスタマイズされたマッスルカー。スタントカーとしては出色の迫力なのですが、バットモービルとしては…。とは言え、今作のバットマンはブルース・ウェイン自体が未だ発展途上の青年といった雰囲気でしたので、車両と共に今後の発展が楽しみです。
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TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年 7月号掲載

テスラモデル3専用設計、次世代パフォーマンスホイール

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MTW TW027

THE BOTTOMS

テスラモデル3専用設計、次世代パフォーマンスホイール

日本国内で高いホイールシェアを誇るMID WHEELSは、電気自動車などの次世代モビリティに対応するブランド「MTW」を立ち上げ、ファーストモデルとして、テスラ・モデル3専用設計のTW027、TW010の2タイプを2022年に発表した。

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二酸化炭素を排出しない、次世代モビリティの開発が各メーカーで進む。なかでも、販売台数を大幅に増やしているのが電気自動車のテスラだ。電気自動車はエンジンやミッション、マフラーも無いなど、これまでのクルマの常識とはまた違った構造となる。そして余り知られていないが、ホイールに関しても特殊な部分が多い。そのため、テスラ用のアフターホイールはほぼ皆無。

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そこに注目したのが、国内ホイール業界で高いシェアを誇るMID WHEELS。次世代モビリティ向けのブランド「MTW」を立ち上げ、ファーストモデルとして、テスラのエントリーセダンであるモデル3専用設計のTW027、TW010を発表。インチアップによる重量増で電費に影響を与えないよう、サイズは純正と同じ18・19インチを設定しながらも、リムオーバーデザインによる視覚効果でインチ以上の大きさに見え、リム形状は、静音・制震を高めるためテストを重ねて採用されたデザイン。リム幅は純正の8.5Jではなく8.0Jを採用し、重量減を徹底的に追及(タイヤは純正サイズ装着可能)。カラーはTW027が2色、TW010が1色の設定となっている。

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MTW TW027

工法:キャストフローフォーミング鋳造1ピースホイール
安全基準:JWL・VIA 規格適合
付属品:センターキャップ・バルブ

インチアップによる重量増は電費に影響を与えるため、テスラモデル3純正18・19インチにフォーカス。それでいて、2×7クロススポークがリムオーバーデザインとなり、視覚効果で20インチ相当の迫力と存在感を生み出している。カラーは2色を設定し、共にプレミアムとスポーティさを表現するセミグロスブラック仕上げ。また、テスラ純正ホイールキャップにも対応しているため、オリジナルを生かした楽しみ方も可能となる。

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セミグロスブラック/ ディスク+アンダーカットDC

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セミグロスブラック/ アンダーカット

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TW010

工法:鋳造1ピースホイール
安全基準:JWL・VIA 規格適合
付属品:センターキャップ・バルブ

10本スポーク、リムからセンターに向かいひねりながらコンケーブするデザインが躍動感を生み出すTW010。ホイールカラーのハイパーダークシルバーは、力強さと艶やかさを併せ持ち高級感を演出。

MTW TW010

ハイパーダークシルバー/ リムエッジポリッシュ

名称未設定 2


Thanks:Heart Up World【ハートアップワールド】

TEL:086-722-0310
HP:https://heart-up-world.jp

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撮影車両のモデル3は、岡山県のハートアップワールドのデモカー。同ショップは日本初のテスラ用カスタムパーツブランド「KOKORO」を立ち上げ、撮影モデルにはKOKORO フロントスポイラー、サイドスカート、リアバンパースポイラー、YOKE ステアリングなどが装着されている。

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マルカサービス・MID

TEL:052-398-3406
URL:www.mid-wheels.com


PHOTO&TEXT:相馬一丈

アメ車マガジン 2022年5月号掲載

モーターファームのD10は多彩なスタイルのボトムスを絶妙に彩る

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Motor Farm FARM D10

THE BOTTOMS

純正車高からリフテッドまで網羅する万能性!

一昔前までは大口径こそアメリカンSUVの大本命だったが、昨今は17インチが再びブームの兆し。中でもどんなスタイルにも映える万能性に秀でたモーターファームのD10は多彩なスタイルのボトムスを絶妙に彩る主役級の名脇役として人気を博す!

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FARM D10 SIZE:17x8J HOLE:5 INSET:38 PCD:127

ボトムスを語る上でホイールがその中心軸となることは前提として、タイヤもまたポスト主役的な役目を果たしており、ここ最近は王道ワイルドなマッドテレーン、オンもオフも両立するオールテレーン、そしてシティユースに徹したX‐ATやトレイルテレーンなどの街中+アウトドアを視野に入れた選択肢が増えており、サイズ感も年々増加傾向。となると必然的にホイールも、どんなタイヤで組み合わせるかを加味したデザインであることが望ましい。

紹介するモーターファームのD10は過去に純正車高で無理のないタイヤサイズのKM2を装着して誌面を飾ったが、今回はリフトアップを施して37インチのKM3を履いてお色直し。

JLラングラーにおけるリフテッドのボリュームゾーンに向けてモーターファームのD10がいかにコーディネート力に長けているかを証明した。太いタイヤで合わせても、ノーマルサイズでも映える。その万能性と様々なボディカラーに合わせやすいカラーバリエーション。そしてひとつのジャンルに偏ることのないフラットな魅力は、トレンドに左右されずにボトムスを格上げしてくれることだろう。

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ビードロックを彷彿させる逞しいリムエンドから一段上がってコンケイブを付けながら10個のDホールがセンターハブへと織りなす造形美。大口径やディープリムといったサイズ感でのアピールとは一線を画す万能性は、普段乗りを犠牲にする過剰なカスタムフリークよりも、デイリーユースとの両立を考えるユーザーにピッタリな仕立てといった位置づけだ。

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マットブラック 29,700円(税込み)

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マットブラック/DCリム 30,800円(税込み)

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マットブラック/DCティントディスク 32,780円(税込み)


Motor Farm【モーターファーム】

TEL:072-338-8222
URL:https://www.motor-farm.com


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年5月号掲載

アメ車マガジン2023年1月号 絶賛発売中!

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アメ車マガジン 最新号 絶賛発売中!

「アメ車に乗りたい!」と思ってもその一歩が踏み出せずにいる人は意外と多いが、もはや迷っている暇はない!

巻頭特集「現役アメ車オーナーに学ぶ、アメ車を“10倍”楽しむ方法」

第二特集 「ウインターシーズンこそソト遊びを楽しめ!」

LET’S AMERICAN HOME 憧れのアメリカンライフを自宅から作り上げる!

もちろんその他にも最新モデルやデモカー紹介、アメリカンカルチャーをテーマとしたコラムなど、今月も充実した内容が盛りだくさんとなっているのでお見逃しなく!

2023年1月号もお見逃しなく!

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サブライムグリーンの74年型チャレンジャーと72年型チャージャーラリーパッケージ

1972 Dodge Charger Ralyle Package、1974 Dodge Chalelnger R/T

1972 Dodge Charger Rallye Package
1974 Dodge Challenger R/T

THE VINTAGE
色褪せることなく魅せる、その風合いがたまらない!

モパーの魅力を体現する超絶人気車!

最近のクルマにはない個性的なスタイリングや、ダウンサイジングとは無縁な大排気量エンジンなど、ビンテージアメリカンの魅力は語り尽くせない。そんな中でもマッスルカーは、映画の影響もあって、世界的に見ても人気が沸騰中だ。

オリジナルにこだわるかパフォーマンスを求めるか

アメ車やUSトヨタなど、国産車にはない個性的なクルマを積極的に販売するオートギャラリー東京。どちらかと言うと現行モデルを数多く扱う印象があるが、実はビンテージモデルも扱っていない訳ではない。今回のビンテージアメリカン特集に合わせた訳ではないが、まさにベストタイミングでカリフォルニアからこのチャレンジャーとチャージャーが上陸したので、紹介しよう。

1974 Dodge Chalelnger R/T

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まずはサブライムグリーンが目にも鮮やかな、1974年型のチャレンジャー。一見すると車高を下げているだけで、スタイリングはほぼノーマルの様に思うかもしれない。だがホイールの奥を覗いてみると、前後共にドリルドスリットローターが! 実はこのチャレンジャーには、バイパーSRT10のブレーキユニットが移植済み。しかも、リアサスペンションはリーフから独立懸架へアップデートが図られている。

「ビンテージカーが欲しいけど、現代車の走りを知ったらやはりブレーキはちょっと弱いし、毎日乗るのは疲れてしまいそう…」と言う声が聞こえなくもないが、しっかりしたブレーキや、リーフとは桁違いに高い路面追従性を実現しているので、前述した様な不安はまったくないと言えるだろう。

往年のスタイルや、良い意味でのバイブレーションはそのままだが、クルマとしての安全性を向上させたのがこのチャレンジャー。ビンテージモデルと現代車の良いところを組み合わせた、ちょっとズルいクルマかも知れない。

1972 Dodge Charger Ralyle Package

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そんなチャレンジャーに対してチャージャーは、ちょうど半世紀前に製造された1972年型。50年も経過していたら走行距離はさぞ…と思うかもしれないが、まさかの6.9万kmとのこと! まさにタイムスリップしてきたかの様な低マイレージ車で、よくぞまぁ、こんな個体が見つかったもの。オートギャラリー東京も「奇跡の1台」と言うだけのことはある。

チャージャーは、映画のせいでコンシールドタイプの人気が高いが、保安基準の変更で70年型からは丸目4灯にフェイスリフトを実施。モパーらしいワルな顔からどことなく愛らしいスタイルに変わったので、この辺りは好みが分かれるところだろう。ちなみにエンジンフードにはパフォーマンスペイントが施されており、ラリーパッケージという装備も備わる。

ほんの10年ほど前までなら、ちょっと頑張れば手が届いたプライスであったビンテージマッスル。だが今や、高嶺の花と言ってもおかしくない存在へとシフトしてしまった。残念ながらここから価格がダウンすることはまずあり得ないので、本当に欲しいなら今がラストチャンスと言えるかも知れない。しかも、同じコンディションの個体は2台と見つからないだろう! それらを考慮するなら、取るべき行動は1つだけ!さぁ、どうする?


1974 Dodge Challenger R/T

1974 Dodge Chalelnger R/T

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フロントフェイスは71年モデルへとコンバートされ、タイヤはミッキートンプソンで、フロントは26×10.0R18、リアは28×12.0R18を装着。バイパーのブレーキを移植するため、大径ホイールに変更。バイナルトップやフロントリップなども装備。オーソドックスなスタイルだが、中身はまるで別物のクルマだ。

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フロントサスペンションはオリジナルのままだが、リアはリーフリジッドから独立懸架式コイルに変更。現代的な乗り味に進化しており、マッスルカーに恥じない走りを実現。

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エンジンは340・V8エンジンを搭載。MOROSOのヘッドカバーだけでなく、キャブレターやインテークはエーデルブロック製に交換。K&Nのエアクリーナーにロングチューッブのへダースも装着しており、エンジンのポテンシャルを引き出すカスタムは、ほぼ一通り施されていると言えるだろう。

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インテリアはオリジナルをほぼキープするが、ハンドルロックなどを装備。またインテリアはブラックとウッドのコンビとなる。シートもリフレッシュ済みで、新車同然と言える。


1972 Dodge Charger Rallye Package

1972 Dodge Charger Ralyle Package

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1970年のモデルチェンジ以降は、固定式のヘッドライトを採用。これによりフロントマスクの印象が大きく変わったと言える。ボンネット中央の盛り上がりを強調する、パフォーマンスペイントを施す。

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サスペンションは当時としては一般的な方式。フロントは独立懸架方式、リアはリジッド式リーフスプリングとなる。乗り心地が良いとは言い難いが、味はある。

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チャレンジャーと同じく、340を搭載。ラジエーターは26インチサイズを装備しており、熱対策も万全。エーデルブロックのキャブやTAYLORのプラグコードに交換済み。さりげなく、一通り手が加えられている。

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インテリアはフルオリジナルをキープ。727トルクフライトトランスミッションを組み合わせる。当初は6 連メーターを採用していたが、1971年以降はこの車両のように、大型の4連メーターに変更されている。


AUTO GALLERY TOKYO【オートギャラリー】

TEL:042-799-5222
HP:https://www.autogallery.co.jp


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜

アメ車マガジン 2022年4月号掲載